弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(商標)】梨と林檎

2020年08月18日 09時05分24秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
今日はここ数日に比べれば多少涼しい(いや、涼しいわけじゃないけど)@湘南地方です。
予想最高気温は34℃…涼しいわきゃない。

さて、今日はこんなニュース

(GIZMODOより引用)
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そんなのナシだよね。Appleに訴えられた梨のおハナシ


カナダのウェブメディア、iPhone In Canadaでは、あのApple(アップル)が お食事の支度準備アプリ「Prepear(プリペアー)」に対し、商標登録について異議申し立てを訴えたと報じて話題になっています。それに対し、この異議申し立てに反対する有志たちが立ち上がってChange.orgの署名運動にまで発展する騒ぎになっています。Prepearの代表者は「Appleはこれまでにも、小さな企業が果物の商標を登録しようとしたときどきに、こうやって登録させまいと握りつぶしてきたんです」と怒りをあらわにしています。これまでは果物のロゴを変更したり修正するしかありませんでした。「なぜなら、小さな企業では、巨大なApple相手に訴訟費用を負担できる経済力がないために、権力に屈するしかなかったんです」と悔しさをにじませています。

Appleがリンゴの商標を登録したのは1976年のこと。以来リンゴマークやフルーツの商標の他社による使用は実質的に封印されているというわけです。
(以下略)
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(引用終わり)

※iPhone in Canada の原文記事はこちら
 異議申立書全文も見ることができる。

記事タイトルもダジャレならば被被請求人のサービス名もダジャレ(笑)
それはさておき。

異議申立てを受けているUS出願はこちら。


日本の商標の異議申立は「付与後異議」なので登録されてからの手続。
また審理それ自体も、審理主体は審判合議体に移行はするものの建付けとしてはほぼほぼ「再審査」。
異議申立に理由がなければ(=登録を取り消すべき適切な根拠と主張がなければ)商標権者は特に何もしなくても権利を維持できることになる。
そのトラックで進んでいく限り、費用も実質的に殆どかからない。

しかし米国の異議申立は制度設計上かなり異なる。
「付与前異議」=登録前公告に対して第三者に異議申立の機会が認められている(ここは、日本も昔々はそうだった)。
簡易的な民事訴訟のような構成。費用的にもマンション一部屋買えるくらいの費用がかかるとも言われる。
つまり、大企業対零細企業の場合、事実上の“兵糧戦”になる。

そうした“兵糧戦”に対して、被申立人は“ゲリラ戦”=署名運動を展開中。
8/9現在で19,000の署名が集まったとのこと。

こういう動きで不買運動に傾く国民性でもないものなぁ…
と思いつつ、動向を注視したいと思います。






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