弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【著作権】一億総カメラマン時代…?

2018年01月26日 08時29分34秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
今日もよく冷えた湘南地方です。

さて、今日はこんな記事

(AERA dot.より引用)
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「インスタ映え」コンテストで著作権侵害が横行



■インスタグラムの写真募集にひそむ「権利の搾取」

さて、ここでインスタグラムである。人気の高まりに比例してインスタグラムによる写真コンテストや写真募集が増えてきたことは先に書いた。そしてここでも著作権の譲渡を求める規定になっていることがあるのだが、インスタグラムでの募集の場合はその(著作権委譲を強制する)規定が多く、さらには次のようなケースが少なくない。

*作品を応募した時点で、その作品の著作権は主催者に帰属します。

これはすごいことだ。つまり応募者が作品を応募する。しかもスマートフォンなどから“ポチッ”と送信ボタンを押した瞬間に作品は作者のものではなくなる、ということを意味している。さらに考えると、主催者はコンテストの建前のもと、多くの著作権の主張を受けない写真素材を集めることができるわけだ。なにしろ「インスタ映え」がはやる昨今だ。主催者が用意した賞品を獲得するために、たくさんの人が写真を撮影して送ってくれる。中には優れた作品もあるはずだ。主催者はカメラマンを雇う手間も費用も節約して、写真素材を手にできるというわけだ。
(以下略)
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(引用終わり)

“無知に乗じた搾取”というと言い過ぎかな?
一般の人は、何らかの問題が生じるまでは往々にして自分の都合の良いように制度を解釈し勝ち。
著作権を主催者に帰属させても自分は自由にサイトにアップしたりできる、と思っている可能性は高い。
自分が撮った写真であっても、データとして自分の手元に残っているとしても、
一旦著作権を他人に譲渡してしまえば、もはやその著作物の使用は原則できない。
逆に自分が著作権侵害で訴えられてしまう可能性もある。

ちなみにコンテスト応募作品の著作権の帰属については、こんな記事にもあるように、以前から警鐘を鳴らす声もある。

制度の啓蒙とか、権利者意識の向上とかも大事かもしれないけど、
テクノロジーの進歩(とこれに伴うビジネス手法の変化)に応じた規範の再整備が必要なんじゃないかな、と思う。
やっぱり、情報の非対称性というか、乖離度合いが許容できる範囲を超え始めている気がする。

…とまあ思っても期待薄なので、やっぱり自衛のために制度に関するリテラシーを上げていくしかないのかな。

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