弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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黙認されるライン

2016年01月07日 08時31分24秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
冬らしい乾燥した冷たい空気の湘南地方です。

…昨夜はちょっと夜更かししすぎてまだ頭ぼーっとしてます。
宮部みゆきは、読み始めると止まらないから困る。。


さてさて、今日はこんな話題


(以下引用)
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ブロッコリーが二次創作の範囲について改めて喚起

キャラクターグッズの企画・製作などを手がける株式会社ブロッコリーが、
同社のTwitterを通じて二次創作のガイドラインを改めて紹介し、二次創作で認められる使用の仕方について喚起している。

<ブロッコリーCD(@BROCCOLI_CD)より>
・当社コンテンツに関連した二次創作物に関しましては、非営利目的かつ私的な配布に限り認めております。
・直接的にコンテンツの素材(イラスト、動画、音声、楽曲等)を引用、あるいはスキャン・トレース等を
 行い使用する事を禁止とさせていただきます。
============================
(引用終わり)


時折ご相談で、特定のキャラクターに似せたパロディ商品にしろ、
或いはオリジナル商品を意識したベンチマーク商品にしろ、

「どこまで“離せば”大丈夫なんでしょうか?」

ということを聞かれることがある。
まっ正直に答えるとすると、
「法上、侵害の定義に該当しない範囲まで離せばよいですよ」というトートロジーな答えしかできない。
そりゃもちろんそんな四角四面な対応じゃ埒が明かないので
どういう方向で製品づくりをしたいのかを外さないようにしながら改善案を一緒に考える、こともある。
それでもやはり最後は、クライアントさまに“これでいきたい”というのを
決めてもらわないとどうしようもない。

その際の判断基準は色々ある。
違法でなければよい、というライン
違法でないばかりでなく、その疑いすら掛けられる余地もない物でなければ、というライン
違法である疑いがあるとしても事案化しなければよい、というライン

その意味で、上記記事の説明は適切だ。
「違法」だけど「黙認」されるライン、という説明。
こと著作権(とりわけ二次的著作物)については
「違法」が掃いて捨てるほどあるが「黙認」されている、という点。

「違法」=けしからん、なのではなく、
“権利者”に行使するか否かのオプションが委ねられている、という状況。
そこで“権利者”がガイドラインという名でポリシーを示すことにより
秩序維持を図る、という自治。

「違法」を推奨するわけでは決してないけれど、
このあたりの線引きを見極めておかないと、実務はなかなか難しいと思う。

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