弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事(商標)】IPとしての東京タワー

2018年01月28日 10時14分06秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
今日もなかなか冷え込む湘南地方です。
今は自宅でお仕事中。

さて、今日はこんな記事

(NIKKEI STYLEより引用)
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東京タワーを売り込む知財の守り神 戦う女性リーダー
日本電波塔の清水綾子さん

「東京タワー」は2018年に開業60周年を迎える。運営している日本電波塔で広報・ライセンス管理を担当する清水綾子さんはタワーのブランドイメージを守り、知的財産権をコントロールする仕事を一手に担う。前任者のない仕事で結果を重ね、周年プロジェクトのリーダーにも抜擢された35歳に、米国での勤務経験から得た「働き続けるためのポリシー」を聞いた。

(中略)

■10年前は無断撮影・無断使用が当たり前だった

 私が入社した09年は東京タワーが50周年を迎えた頃で、「今後100周年、そしてその先を見据えてブランド管理を一元化していこう」とかじを切ったタイミングでした。当時は国が02年に掲げた「知的財産国家戦略」が徐々に浸透しつつあったものの、まだプロパティー使用への意識が低く、いつの間にか広告やテレビCMに東京タワーが大きく使われていたり、私たちの知らないところで東京タワーをモチーフにした商品が出回っていたりすることも日常茶飯事でした。

 そんな中でまず始めたのは、無断での商業使用を禁止していることの周知です。クレジット(著作権)表記のルール作り、ホームページを利用した許可申請のシステム構築など、法律の専門家と共に手探りで一つずつ進めていきました。おかげで今では許可申請が必要なことも浸透し、使用の際にはご一報をいただけるようになりました。

■正しい法的知識、バランス感覚、交渉力!

 根本的な思いとして、東京タワーを背景に撮影をしたり、商品にしてもらったりすることは大変うれしく、ありがたいと思っています。ただ、この数年でSNS(交流サイト)でのコミュニケーションが広がり、営利目的使用と私的利用との線引きや判断が難しいこともありますし、時にはプロパティー使用許諾料やロイヤルティーが発生することをお伝えすると、難色を示されるケースもあります。それでも粘り強く交渉していかなければなりません。

 やはり東京タワーはシンボル的な存在であり、多くの人たちのたくさんの思い出とつながっている場所でもあります。皆さんの大切な思いを壊すようなことがあってはいけません。そのためにも、正しい法的知識を持ち合わせ、ケース・バイ・ケースで柔軟に対応していけるバランス感覚と交渉力がこの仕事には欠かせないと思っています。それは対外的な話だけではなく、対社内にもあてはまります。

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(引用終わり)

社内にこういう立ち位置のスタッフがいるのは心強いことだよな、と思う。
ライセンス申し入れについてはこんなページが設けられている。
また権利保護の面でもかなり精力的に行っている模様。
JPlatpatでも「東京タワー」「ノッポン」「333/サンサンサン」など57件の商標権取得が確認できる。

いやまあ確かに、やたらめったらマルアール表示がやかましくされている他の施設なんかもあって
そういうのを見ると、弁理士目線でも“いや、そこまでしなくても…”という気持ちになることもある。
けど、誰でも発信できるこんな時代だからこそ権利の存在を明確にしておかないと
既成事実でどんどん流されて行ってしまうんだろうなぁ、と。







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