弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【恒例】流行語大賞で学ぶ商標2021(第3回)

2021年11月19日 06時49分07秒 | 名作シリーズ(笑)
おはようございます!
心地よい青空が広がる@…大宮あたりです。
本日は早朝から移動中。

さて、掲題の件、第3回です。
ざーっと流行語大賞ノミネート30語を見てみたものの、
知っている/聞いたことある のレベルですらだいたい半分くらいしかない。。
…まあ、オリンピックに無関心だとそうなるわな。
第1回で扱った「チキータ」だって、それ以前から世界卓球なんかでよく聞いていた言葉だから知っていたわけだし。

そんなわけで今日は、スポーツ自体は大好きな当職がオリンピックに嫌気がさした一因でもあるこの言葉。

(3)ズレてたよなー。。 「ぼったくり男爵」

このおっさんが来日して好き勝手やってたのも、今年のことだったんだよなー…。
すごい昔のことのように思えてしまう。
「感情を逆なでする」っていう言葉がぴったりな振舞いだったなぁ。

まあ、私の人生には関係がない。

というわけで、世の中に商標登録された“男爵”がどれくらいあるかを調べてみたところ…現状33件。
「グルメ男爵」に「さつま男爵」、「のり男爵」に「カレー男爵」などなど。
「カレー男爵」(第4402922号)の指定商品は「カレーを加味してなるコロッケ」
…ああそうか、男爵イモの男爵でもあるもんなぁ。

ま、上記のような事情はありつつも、今日のポイントは
“擬人化したら登録になりやすいよ”という点。

指定商品「カレー・シチュー又はスープのもと」について「カレーちゃん」だと登録になる(こちら)。
「カレー」だけだと商品そのまんまの普通名称だけど、「君」とか「ちゃん」とかをつけると擬人化されて必然性のない表現になるから、商標としては機能する、というアンバイ。
ネーミングとしてキャッチーかどうかという問題は措いといて、登録できるかというと登録できる、ということになる。

で、「男爵」も「君」「ちゃん」同様、その語が付くことで擬人化される。
(上述の「カレー男爵」は、本当のところ「男爵」が擬人化の意図なのか「だんしゃくいも」の意図なのかわからないけど、まあ全体として造語性があるということで登録になっている、と思われる)
そうするとやはり独占適応性の要件は満たすことになり、先行で類似がなければ登録になる。

“安易”とみる向きもあるけれど、ある意味“ど真ん中”なネーミング手法ではある。
まあでも、「ぼったくり男爵」じゃあ、ネーミングとしてはイメージ悪すぎるわな…。

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