弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【書評(19-14)】「苦しかったときの話をしようか」(森岡毅)

2019年08月07日 08時56分51秒 | 書評
おはようございます!
うん、今日も良い天気!な@湘南地方です。

さて、今日は書評(昨日の長距離移動のあいだに読了)。
本はこちら

友人の書評に惹かれて購入。
うちは、上のムスメはまだ中学生。いや、でも「もう中学生」でもある。
昨日も所用で一緒に出掛けた帰りの道すがら、
“そっかー。あと7年たったら就職活動してるかもしれないんだよねー”
とこぼしていて、「本当に、あっという間だなー。」
と思った次第。

まあ物事にはステップがあるし、この本は就活を目の前に控えた人に向けて書かれた本ではあるので、直ちにそのまま今のうちの父娘に適用できる話でもない。
しかし、父親という立場で娘に対して、これまでのキャリアで得てきた経験をどのように伝えるか、という観点においては極めて参考になる。

以下、エッセンスだと思ったこと。
(1)言いにくいことを直言。
 「第2章 学校では教えてくれない世界の秘密」で、なかなか公の場では言いにくいようなこと(だけど実は皆そうだと思っていること)に言及している。
 “そもそも人間は平等ではない”。その通り。大人がなあなあで済ましていることを大人から子供に伝えるときには、きちんと言葉にするなり可視化することが必要。その点、語り言葉は「揮発性」なので、こうした本に書き記すことには大いに意味がある。
 書き記すこと(それが公の目に触れる、ということを前提として)には、「覚悟」が必要だ。口先だけならその場の勢いで言えるかもしれないことも、文書にすると色々な視点、立場に対して配慮しつつ、でも正鵠を射る表現が求められる。まさに親が子に対して示さなければならない態度そのもの。

(2)豊富な発想法の提示。
 さすが一線級のマーケター。就職活動という場面においても自分自身の「マーケティング」というアプローチで発想法を視覚化している。
 このあたりは、例えば色んな就活本で自己分析やら志望動機やら両者の一貫性やらに言及しているけれど、一番ストンと腹に落ちた。

(3)やはり、経験談は強い。
 筆者は、成功体験も失敗体験も、“赤裸々に”といって良いレベルで具体的に開示している。そのために当然第三者にとっても有益な書き物となっているわけだが、特に失敗談(「フィジーク」のくだりなど)は読んでいて身につまされるくらいかわいそうになる。
 そんな経験から得られる教訓こそ、親が子に示すことの出来る上質な教えなのだなぁ、と思わされた。

色々書いたけど、根底にあるのは子供に対する溢れる愛と感謝なのだよねー。
良かれと思うこと、それを本当に「良かれ」たらしめる能力。両方大事。
コメント
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