から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

2016年ベスト海外ドラマトップ10

2016-12-31 09:00:00 | 海外ドラマ
映画に続き、今年日本でリリースされた海外ドラマでベスト10をつけてみた。といっても映画ほど本数は見ていないけれど。

1位 ハウス・オブ・カード シーズン4

シーズン4にしてシリーズ最高傑作。最終シーズンとなったダウントンアビーと1位の座を迷ったが、作品の完成度、各エピソードの濃密度の点で本作を1位に。大きな区切りとなったシーズン4。シーズン5が待ち通しい。

2位 ダウントン・アビー シーズン6

珠玉のドラマシリーズのファイナル。有終の美にふさわしい幕引きに、これまでのエピソードが思い返され、胸がいっぱいになった。美しい生き方とは誠実に生きることだろうか。キャスト、スタッフの皆様ありがとうございました。

3位 ファーゴ シーズン2

シーズン1の高い壁を感じさせない圧倒的な面白さ。描かれるのはシーズン1の知られざる前日譚。オリジナルの世界観にあくまで忠実。スリルとユーモアの波状攻撃にノックアウト。身の程知らずな主人公に襲いかかる恐怖が堪らない。個性豊かなキャラクターたちから、アメリカが辿ってきた歴史の一片が滲む。

4位 ベター・コール・ソウル シーズン2

やはりこのドラマ、スーパーA級。ヴィンス・ギリガンへの崇拝が持続。スリル不足をもろともせず、演出と編集の美技で魅了する。シーズン2でいよいよサラマンカ一族が台頭(興奮)。理想と現実の狭間で葛藤するソウルと、マフィア軍団を翻弄するマイクが痛快で実に魅力的。

5位 ナルコス シーズン2

伝説の巨人「パブロ・エスコバル」の転落劇を描いたシーズン2。シーズン1を大幅に上回る面白さに熱中。凄まじき仁義なき闘い。結末はわかっているのに、最後まで手に汗握った。墜ちていく姿から人間「エスコバル」のリアルが透ける。主演のワグネル・モウラの名演に拍手。

6位 ゲーム・オブ・スローンズ シーズン6

原作から離れた初のシーズンは、成功とも失敗ともとれる出来映え。本シリーズには珍しく完成度に難あるエピソードが散見されるものの、終盤で一気に巻き返す。そのスケールはやはり他の追随を許さない。第9話の「落とし子の戦い」がスゴい。

7位 ブラックミラー シーズン1~3

英国産&近未来型「世にも奇妙な物語」。1話完結のオムニバス映画だが、各エピソードがもれなく面白く、驚くほど完成度が高い。欧米の脚本力のレベルの高さを改めて実感。面白いドラマは予算ではなく、知恵と技で出来上がる。

8位 ジ・アメリカンズ シーズン2

今年に入ってNetflixより日本初上陸(ありがとう!)。スパイ稼業の夫婦を通して描かれるホームドラマの傑作。シーズン4まで観たが、一番面白かったのはシーズン2。衝撃のラストに戦慄した。主演2人の変装コスも毎回楽しい。

9位 ザ・ニック

「ブレイキング・バッド」以来、huluに感謝(笑)。ありそうでなかった歴史医療ドラマ。TVドラマで初メガホンとなる、ソダーバーグの演出が随所に効いている。汚物がこびりついたような、200年前のニューヨークの風土の再現がすばらしい。情熱と狂気によって医術の発展に尽くした男のドラマ。

10位 死霊のはらわた リターンズ

続、huluに感謝。やればできるじゃん(笑)。北米での絶賛ぶりに懐疑的だったが、まさかまさかの面白さ。B級ホラーとしての立ち位置をわきまえつつ、オリジナルの続編としてしっかりとした構成を見せる。豊かなスプラッター、ひたすらに悪い悪霊、ブラックで下品なユーモア、痛快なアクション。大充実。

次点 『ストレンジャー・シングス 未知の世界』、『ナイトマネージャー』

今年も上位にNetflixのドラマが占められる形となった。やっぱNetflixのコンテンツ力はちょっと頭1つ抜きんでている印象。次に、スターチャンネルといった感じ。そんななか、以前「ブレインキングバッド」を日本最速で配信してくれたhuluが、以降、すっかりつまらなくなった「ウォーキング・デッド」押しになってから、久しく失望していたのだけれど、「ザ・ニック」と「死霊のはらわた~」のリリースには本当に驚いた。両作とも続編をリリースするので楽しみだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年ベスト映画トップ10

2016-12-30 09:00:00 | 勝手に映画ランキング
2016年がもう終わる。今年も映画を見た。今年の公開作で劇場で見た本数を数えたら64本だった。DVDレンタルで追っかけで見た映画も含めると150本くらい。今年の締めくくりとして、今年のベスト10を決めてみた。今年は邦画のレベルが高かったので、洋画、邦画を合わせてランキングしてみる。

1位. この世界の片隅に


2位. レヴェナント: 蘇えりし者


3位. オデッセイ


4位. 神様メール


5位. 聲の形


6位. アイアムアヒーロー


7位. 永い言い訳


8位. 日本で一番悪い奴ら


9位. ジャングル・ブック


10位. シン・ゴジラ


1位の「この世界の片隅に」はぶっちぎり。いろんな意味で衝撃的だった。
洋画と邦画をミックスしても、これほど邦画が上位に入ってきたのは初めてのこと。邦画のレベルが上がったこともそうだが、洋画に面白い映画が少なかったとことも大きい。
2017年は、邦画はこのままの勢いを保ちつつ、洋画は例年のレベルに回復してほしいと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒトラーの忘れもの 【感想】

2016-12-29 09:00:53 | 映画


戦争映画の新たな傑作。今年の劇場鑑賞の見納めに相応しい映画だった。

第二次世界大戦の終戦直後、ナチスによって埋められた地雷撤去に駆り出されたドイツの少年兵たちと、彼らを監督するデンマーク人軍曹の運命を描く。史実を元にしたドラマだ。

戦争中、ナチスはヨーロッパ中を侵略した。そして、侵略した現地に憎悪の種をバラ捲いた。ドイツ人に対する憎しみの芽は肥大化し、ナチスの敗北となった終戦後もなお人々の人格を浸食した。舞台となるのはデンマークの西海岸だ。どこまでも続く美しい白浜に、連合国の上陸を阻止するために、ナチスが200万以上の地雷を仕掛けていた。その莫大な死の遺産を回収するために動員されたのが、ドイツ軍の少年兵だ。もしかしたら、地雷撤去に子供が適しているという当時の根拠があったのかもしれないが、未来ある子供たちに死のリスクを背負わせる非道は、ナチスに対する「見せしめ」のようにも思えた。

デンマーク軍によって召集された少年兵たちは、抵抗するそぶりがない。抵抗することが無意味な状況であることを認識しているようだ。故郷のドイツに帰るための唯一に術が、与えられた地雷撤去を完遂させることと信じ、地雷撤去の訓練に始まり、途方もなく絶望的なミッションに挑む。デンマーク軍は彼らを屁とも思っていない。餓死しようが爆死しようが関係ない。相手が子供であってもナチスの罪を背負わせるのは当然の報いと考えている。

少年たちを監督するのがデンマーク人の鬼軍曹だ。退却するドイツ兵がデンマークの国旗を持っていれば、怒り狂いその相手を暴力で血祭りに上げるような狂犬だ。少年たちへの対応も容赦なく、ロクに食事を与えず、苛酷な労働を強要し、彼らが休む間、宿泊小屋には外から閂をかけ封鎖する。鬼軍曹はドイツ語が堪能であり、彼らと意思疎通が普通にできる。親子ほど年の離れた関係で、価値観が合う男同士である。彼らは上官と部下という関係でもあり、軍曹が少年たちに同情をかけることは早いと思われたが、そう簡単にはなびかない。それほど戦争の遺恨は根深い。

描かれるのは、少年兵たちと軍曹の関係性が変化を遂げていく過程だ。それは一本道ではない。憎しみの向こうにある軍曹の良心が見えたと思えば、地雷地獄という特殊な状況にあって、軍曹の理性が吹き飛び、彼らの間に育まれていた絆が崩れるのも容易だった。死と常に隣り合わせにある日常のなかで、少年らの絶望と希望がせめぎ合う。傷跡が染みついた悲劇の痛ましさと共に、ヒトラーが地雷に仕掛けた「執着」など、戦争の狂気が恐怖として伝わってくる。

憎しみが赦しに変わり、人間対人間のなかで希望を見出すことができるのか。本作が導いた答えに感動を覚えた。少し残念なのは、そのプロセスがかなり多めに省かれていたこと。もう少し描写してほしかった。

戦争の罪を、加減ないリアルで描いた筆致は「サウルの息子」に共通するところ。両作でナチスの立場が対照的に描かれていることにも注目した。ドイツの人たちは、現在も過去に犯した戦争の罪を国民全体で背負っているというが、その覚悟の大きさについて改めて触れることができた。

【75点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「nuro光」にネット回線を変更した件。凄い。

2016-12-27 09:00:00 | 日記


かれこれ10年以上利用していたインターネット回線の「フレッツ光(NTT)」。ここ最近、他の家族がWifiを使って情報端末を使うことが多くなったせいか、回線速度が以前よりも遅く感じるようになった。また、戸建契約のため、月々の支払いが2年割を使っても約6500円と決して安くない。そこでインターネット回線を久々に見直すことにした。

調べてみると、価格、サービスともに「nuro光」が断トツに利用者の評価が高いことが判明。月額約4700円の支払いで、回線速度はなんと2Gbpsという超高速スピード。現在よりも月々の支払いが2000円ほど安くなるうえ、回線速度は、現在のプラン200Mbpsの10倍になるという。これが本当なら絶対に変えたほうがよい。

まず、NTTの解約について調べてみると、2年割の更新月を狙わないと解約金が9500円になるとのこと(高い!)。更新月なんて覚えていないし、2年割の更新は自動更新だったらしく、何も知らされずに更新される模様だ。おそるおそる、NTTに問い合わせしてみると問い合わせした月が、たまたま更新月だったらしい(翌月までOK)。今年1番のラッキーだ。さっそく、NTTの解約&nuro光への契約準備を進める。なお、nuro光への申し込みは、契約を唄う代理店がたくさんあるため、どこから申し込んだほうが良いか非常に迷う。たいがい、キャッシュバックの高額さをウリにしているところが多いが、その条件としてオプションサービスをもれなく入れることが条件のようだ。面倒な手続きが嫌なので、自分は正規(So-net本体)から申し込むことにした。

加入特典は以下のとおり。

・30,000円のキャッシュバック
・初月無料
・カスペルスキーが無料(特典というよりサービスに含まれてる)

3万円のキャッシュバックはPS4に変えることもできたが、ゲームをやらなくなった自分は現金にした。月額が安くなり、回線速度も上がるというデフォルトのサービス自体が特典のようなものなので、十分過ぎる特典だ。

10月末にnuro光への申し込みをウェブ上で行う。工事が宅内工事と屋外工事の2回あるため、工事日程を2回設定する必要がある。それも、2,3週間、間が空けないと予約できないため、事前の口コミ情報のとおり、申し込みから開通まで1ヶ月は見ないとダメなようだ。自分の場合、11月中旬に宅内工事をセッティングし、12月1日に屋外工事(開通スタート)を設定した。土日祝日に工事を設定すると3000円の割り増しになるとのことなので全て平日設定。どちらの工事も立ち会いが必要になるため、家族に頼んだ。12月1日と月の頭に設定すると、初月無料なのでおトクになるのと、フレッツ光を11月いっぱいで解約するので、解約後、すぐにnuro光を利用できる。工事にかかった時間は、宅内工事が1~2時間、屋外工事が2~3時間だった。

で、12月よりnuro光を使い始めて約1ヶ月が経過した。

感想は大変大変満足!!!
「満足度1位」みたいなCMが流れているが本当にその通りだと思う。

①回線速度がやっぱり早かった。

 楽しみにしていた回線速度は以下のように変化した。

 有線の場合の最高速度(下り)
  80Mbps(フレッツ光)→900~1000Mbps(nuro光)
 無線(Wifi)の場合の最高速度(下り)
  8Mbps(フレッツ光)→30Mbps(nuro光)

 有線の場合、10倍以上のスピードアップであるが、元の80Mbpsでもかなり早かったので、体感的にはそれほど違いは感じない。大きく違いを感じたのは、Wifiを利用したDLNAがストレスなく動いたこと。DLNAは、1階のリビングに設置してある録画機で録画した動画(コンテンツ)をどの部屋からも視聴できる機能であるが、Wifiのルーターを2階に設置している関係で、Wifiが上下に往復する必要があるため電波が弱くなり、これまで2階のテレビで視聴することがほとんどできなかった。それがnuro光に変えたことで問題なく再生できるようになった。本当に便利。

②モデムとWifiルーターが一体型。

 これまで利用していたのは、フレッツ光から支給されていたモデムのみで、Wifiルーターは別で用意していた(有償で購入)。今回、nuro光から支給されたモデムにはWifiルーターが実装されている。その性能は、現状使っているWifiルーターと比べて優劣はわからないが、Wifiの速度に問題がないので、一体型をそのまま利用している。コンセントが1つで済むようになったのが一番大きい。
 
③サポートがしっかりしている
 
 フレッツ光の電話でのサポート対応は、午前9時~午後5時まで。平日、帰宅後に連絡することができない。しかもなかなか繋がらない。それに比べて、nuro光の対応時間は、午前9時~午後9時まで。平日、帰宅後に連絡をとることも可能になり本当に助かった。しかも、ほとんど待たされず、スムーズに繋がってくれるのが嬉しい。
 
「至れり尽くせり」とはまさにことのこと。本当に文句がない。強いていえば、すべてオンライン上で完結しているので、手元に実物として「会員証明」みたいな書類が届かないのでちょっと心もとないことくらい。

現在は関東エリアのみのサービス展開であり、マンションタイプだといろんな障害があるみたいだが、よっぽどの利用がない限り、戸建の場合は、nuro光に変えない理由はないだろう。現在、いろんな会社が「~光」と自社サービスと組み合わせて、多少値引きした通信サービスを提供しているが、どのサービスもnuro光のレベルには達していないと思う。ありがたや。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドント・ブリーズ 【感想】

2016-12-24 09:00:00 | 映画


がっつり怖い。怖すぎて笑えてくる。スリラーの域を瞬殺で突破し、極上のホラーへと昇天。身体障害というデリケートなハンデを、ホラーとして料理してしまったハリウッド映画の強さよ。こんな映画を作られてはハリウッドに勝てない。善人なき物語は、予測不能の展開で観る者を翻弄する。あの結末が最良だったかどうかは怪しいところだが、結果よりもプロセスを魅せることに旨みがある映画だ。限られた空間の中で繰り広げられるワンシチュエーション劇としても非常に良く出来ている。スティーヴン・ラング演じる盲目マッチョ爺さんは、ホラー映画史に残る新たなアイコンだ。

盲目の退役軍人が1人で暮らす家に、泥棒に入った若者たち3人が、とんでもないオシオキを喰らうという話。

北米での評価がすこぶる高く、日本公開を待ち望んでいた映画。その期待とは裏腹に、日本での上映館が少な過ぎて驚いた。配給会社側がプレミア感を出すために上映館を限定させる、みたいな話を聞いたことがあるが、映画ファンとしてはとても迷惑な話。観た日が水曜日のレディースデーに被ったこともあり、劇場はなかなかの盛況ぶりだった。

物語の舞台はデトロイト。自動車製造で湧いた時代は過ぎ去り、仕事がなくなった町から人は消え、町並みはゴーストタウン化している。そんな実際の地域情勢を本作は舞台設定に活かしている。主人公ら3人組は地元で生まれ育った若者のようで、デトロイトのなかでも金持ちの家を探し出しては、住人の留守を狙って泥棒を繰り返している。そのやり口がスマートかつ乱暴で醜い。万一、警察に捕まったことを想定し、減刑を見越したルールのなかで盗みを働いている。メンバー構成は二男一女で、ワケありな三角関係にあるのがミソ。盗みの「安全」を確保するブレーンは、そのメンバーの1人の男子で、セキュリティ会社を経営する親の情報を盗んで活用している。おそらく彼が泥棒に関わる動機は他の2名とは異なる。メンバーの1人である女子に想いを寄せており、彼女に付き合って悪さに加わっている印象だ。

その女子が本作の主人公的な立場だ。「牢獄」と表現する家庭から、幼い妹とともに脱出することが目的にあり、逃走資金を稼ぐために泥棒を働いている。その家庭環境は悲惨なもので、一瞬、彼女の犯罪行為に正当性を感じるものの、犯罪は犯罪であり、彼女の言動からは同情の余地はさらさらない。なかなか逃走資金が集まらない彼女は一攫千金を狙い、最後の仕事として一件の家をターゲットにする。初めて「現金」を狙う計画は「絶対に捕まらない」という、あらゆるリスクを排除しなければならない。そこに住む住人は1人暮らしで、目が見えない孤独な老人だった。場所は町外れにあり、近隣の家はもぬけの殻で、外部から危険が及ぶ可能性も低い。彼らにとって成功の条件は整っていた。。。はずだったが、その条件がすべて暗転し、彼らの脅威に変わり、想像を絶する惨劇のお膳立てをすることになる。この設定が巧い!

その後に描かれるのは、ターゲットの家に侵入した3人組が、盲人から想定外の逆襲を受けるというもの。これが本作の主菜だ。事前に聞いていた本作のあらすじからは、盲人がもっとサイコな奴だと思っていたが、結構、人間的なキャラからアプローチされていた。彼が最初に発した「そこにいるのは誰だ?(フーズザット?)」の声色からは普通に恐怖が滲んでいる。銃による攻撃も、アメリカ社会の価値観においてはごく自然の防衛行動といえるだろう。泥棒が1人ではなく、複数いることがわかった瞬間にも盲人から恐怖の表情が見てとれた。盲人が生きる世界にしか存在しない、目が見えないことの恐怖が丁寧にすくい取られている。若者たちが狙うのは、盲人の悲しい過去に紐づいた財産であり、何とも卑劣だ。盲人は完全に被害者であり、侵入者である主人公らが悪モノである。

が、中盤のあるシーンをきっかけに、その構図が崩れ出す。「ベイビー!!」の絶叫から、盲人がサイコキラーに変わるスイッチが入る。夜の闇を味方につけ、鋭い聴覚を武器に盲人による常軌を逸した猛追が始まる。まるでターミネーターのよう。そこからは主人公らのサバイバルに変わっていく。彼らの希望の芽をことごとく摘んでいく流れが堪らない。募る絶望感。主人公らの生還劇に話が集約されると思いきや、主人公の女子はそれでも財産を盗むのを諦めない。ここも本作の魅力の1つ。彼らの悲劇は自業自得として描かれ、安易に善悪の立場が整理されない。どっちにも肩入れできず、何がハッピーエンドかもわからなくなる。とてもユニークだ。

「どうしたらそんな発想になるの?」と、「ベイビー」の謎が明らかになるシーンで全身に悪寒が走る。ブラック過ぎるユーモアともとれるが、ひたすらに悪趣味(笑)。「冒涜」と目くじらを立てずに、笑い飛ばすくらいがちょうど良いかもしれない。完全に男子向きだ。その馬鹿らしさが自分はツボだったけど、劇場で見ていた多くの女性たちは嫌悪したと思えた。主人公による盲人への、気持ち悪すぎる「お見舞い」でスカッとできたら良かったのだけれど。

「アバター」の大佐のイメージの強い、スティーヴン・ラングが盲人を怪演する。白のタンクトップから見える凄まじい筋肉によって、まったく弱そうに見えないのが良い(笑)。座頭市バリの超能力を駆使して、主人公らを追い詰める怖さったらない。目が見えない状況と、その可能性を活かした演出も素晴らしく、前評判とおりの秀作ホラーだった。監督はフェデ・アルバレス。彼の前作にあたるリブート版の「死霊のはらわた」も自分は好きだったので、ジェームズ・ワンと並ぶホラー映画の旗手になってくれることを期待する。

これは好き嫌いの問題だが。映画が提示した結末は、自分は好きになれなかった。ホラー映画として突っ切ってほしかったところ。そのあたりはパッケージ化されたのち、もう1つの結末みたいな映像特典がついていたら嬉しいと思う。

【70点】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マクベス 【感想】

2016-12-23 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
かの有名なシェイクスピアの戯曲の映画化。原作通りのあらすじであり、権力に取りつかれた男の没落劇だが、その世界観を現代の映画でどれだけ再現できるかに賭けた映画と思えた。俯瞰して見れば面白みのないストーリーであるが、脚本、演出、撮影、キャスティングのあらゆる面が最上級の作りだ。その重厚なドラマにすっかり魅せられた。
戦争で武勇を上げたマクベスは、自身が仕える王様から褒美をもらうが、それに飽き足らず、王を殺して自分が王になろうとする。妻の悪魔の助言がきっかけとなるが、彼の支配欲は留まることを知らず暴走を始める。権力の頂点に立つことは同時に、その立場を下から揺るがす者への脅威を増幅させる。マクベスを狂わす要因として大きく作用するのが魔女からの予言。自身の滅亡を占った予言にマクベスが抗ったことで、逆に運命の術中から逃れなくなる悲劇。シェイクスピアならではの独特な詩的表現も、違和感のない感情表現として聞こえてくるから不思議だ。スコットランドの荒涼で雄大なロケーションを活かした映像美も見どころ。
マクベスとその妻を演じたマイケル・ファスペンダーとマリオン・コティヤールが、演技派の本領を発揮する。喜怒哀楽を超えた感情の中に見せる涙が神々しくもあり怖くもあり、シェイクスピアの世界で圧倒的な存在感を放っていた。
【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レジェンド 狂気の美学 【感想】

2016-12-22 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。トム・ハーディ萌えの1本。
1960年代のロンドンで台頭した双子のギャング、クレイ兄弟を描く。エンディングで実在の人物を描いていたことを知り驚く。「実話モノ」という冠がなくても十分に面白いクライムサスペンス。
理性的でカリスマな兄「レジ―」と、変質的でクレージーな弟「ロン」。あまりにも個性が異なる双子の兄弟は、血縁という絶対的な絆で結ばれている。レジーの成功を、ロンの狂気がブチ壊すという構図が続き、致命的なダメージを負わせながらもロンを捨てきれない兄弟の繋がりが存在する。常人には理解し得ないレジ―の寛容さは、語られぬ兄弟がともに歩んだきた人生を透けさせる。あるいは、ギャングを生業とする2人は補完関係にあったともとれる。レジーも根っからの悪党と捉えるのが自然だろう。見事に再現された1960年代のロンドンの裏社会の熱気を背景に、クレイ兄弟の悪行がスリリングに疾走する。
何といっても、クレイ兄弟を1人2人で演じたトム・ハーディのパワフルなパフォーマンスが最大の見どころだ。イケメンでスマートな「レジー」と、ゴリラ顔でゲイの匂いを漂わす「ロン」、一見似ているようで、実は似ていない外見である。外見、個性ともに異質な双子を、強い説得力をもって演じきるトム・ハーディの巧さに唸る。彼と比べてレジーの恋人役を演じたエミリー・ブラウニングのロリータな外見はアンバランスだったかも。クレイ兄弟の兄弟喧嘩シーンは笑いもたっぷりな名シーン。後世、トム・ハーディのキャリアを振り返るうえで必須科目になりそうな映画だった。
【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河ドラマ「真田丸」が終了した件。

2016-12-20 22:00:00 | 日記


「龍馬伝」以来、NHKの大河ドラマを最初から最後まで見た。一昨日、最終回を迎えたため感想を残す。

最終回の内容自体はさほど感動するものはなかった。意外とあっさりエンディングを迎えた感じだ。結末がわかっている故、真田幸村の最期はもう少しドラマチックに描いてくれても良かった。それよりも、エンディングに流れたこれまでのダイジェストが感慨深く、じーんと来てしまった。

歴史に全く詳しくない自分は、本作で描かれる歴史の変遷は発見の連続だった。戦国時代の終焉、歴史の転換点となった「大坂冬の陣」で、豊臣軍と徳川軍の命運を分けたのが、あんな些細なミス(?)だったとは。。。歴史ってそうした紙一重の瞬間によって変化を続けてきたと実感した。真田幸村がここまで徳川家を脅かしたというのは多少の脚色があるように思えたので、自分は徳川家康という戦国時代の覇者が生み出された経緯のほうに歴史の重みを感じた。ドラマでもナレーションされていたように、最後の戦国武将であった徳川家康の「流れを読む嗅覚」という言葉に強い説得力があった。自分と同じくこのドラマを見ている会社の同僚曰く、「家康が気持ち悪い」ということだったが、演じる内野聖陽の独特の言い回しが、その人柄をよく表しているようで自分はハマっていた。松村邦洋あたりでモノマネしてくれないかな。

史実を描くことだけが、大河ドラマの狙いではなく、史実をベースに娯楽作品に仕上げることが当然の狙いだ。その点で、主人公の真田幸村のキャラクターを実に魅力的に出来ていた。頭がキレ、勇敢で儀に厚い。そして現代人に近い思考を持っている。数々の苦難を突破し、巨人である徳川家を追いこむ様は痛快そのものだった。幸村が豊臣軍の指揮者として大阪城に入ってからは、多くのジレンマが彼の行く手を阻み、観ているこっちはストレスが募っていく。ヒーローとして勝利を描き切ってほしいという願望も、歴史の事実を超えることはできない。仕方ないけど、やはり無念さが残る。幸村が残念というよりも彼の足を引っ張った豊臣側の無能さが際立った。

個人的には、このドラマの終盤よりも、豊臣秀吉が全盛だった頃のエピソードが一番面白かった。豊臣秀吉というカリスマが物語の中心にいて、人たらしでありながら、ときに恐怖すら感じる凶行がドラマにスリルをもたらした。当時は盟友であった徳川家康とのコンビネーションも可笑しかった。彼の家臣であった石田光成も魅力的で、その豊臣家のなかで、しっかり存在感を示していた幸村が面白かった。自分は完全に「秀吉ロス」であった。秀吉演じた小日向文世の妙演も大きい。ボケ老人となった秀吉が、幸村との出会いを思い出した「黄昏」の回が印象深かった。

毎週が待ち遠しくなるほど、面白い連続ドラマだった。映画「清州会議」もそうだったが、歴史マニアである三谷幸喜が描く歴史モノはハズレなしのようだ。「新撰組」も見ておけば良かったかな。

製作陣、キャストの皆さま、1年間、お疲れ様でした。。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 【感想】

2016-12-18 09:00:00 | 映画


とても潔いスピンオフ映画。事前情報無しで観たが、なるほど~と、本作を一本の映画として作った必然性を強く感じた。「踏襲」を避けたチャレンジは意図したところだろう。その企画自体は成功と思えた。しかし、それと作品の完成度は別問題。不満要素が多く、オリジナルのSWシリーズに強い思い入れのない自分はハマれなかった。一見、ドラマチック風な絵が目立つものの、キャラクターの動機付けが弱く、感情移入できない。ギャレス・エドワーズはドラマを描くのが苦手なのかと思った。というか、単に脚本の仕上がり不足なのかも。また、主人公演じたフェリシティ・ジョーンズはこうした大作映画には不向きと感じた。期待が外れた。

SWエピソード4「新たなる希望」で、レイア姫がR2-D2に託した「デス・スター」の設計図。SWユニバースの起点ともいえるが、本作では、その設計図がいかにして帝国軍から持ち出されたのか、知られざるもう1つの物語が描かれる。

SWのようでSWでないデザイン。暗く、グレイな色調は本作の作風をよく表しているものの、シンプルに細部が見えづらく、画面に閉塞感が出る。随所に見えるマシーンのアナログ感はこの後に続くエピソード4に合わせて作られたものだろうが、どこか浮いた新しさを感じるのは何でだろう。これまで見ていたシリーズとの一体感は感じられない。SWの続編ではないので全然アリだが、これで大丈夫か?と心配する。

序盤から馴染みのない世界観に少し面喰らうが、同時にキャラクターの行動についても引っかかりを感じる。主人公の幼少期の回想から始まるが、父を連れ戻そうとするだけの長官にいきなり攻撃する母、父が目当てなのに娘(主人公)を探そうとする帝国軍の手下。その後に理由は明らかになるのだが、それでも不可解さが残る。この序盤で感じた人物描写の違和感は、その後もずっと引きずっていく。

キャラクターの背景がよく見えない。背景説明を網羅する必要はないが、絵と言葉だけで片づけ、観客の共感を置き去りにして進める節を感じる。素直に飲み込めないポイントが多いが、大きなところでいうと主人公のジンに、仲間たちが協力するモチベーションの描き方が不十分だ。悪いことばかりしてきた男たちが(悪いことをしているようにも見えないけど)、正義に目覚めてジンと共に戦うことを選ぶ、というのが流れだ。しかし、正義のためというだけでは、彼らが命をかけて闘う理由にはならないと思う。

クライマックスで描かれる、設計図を奪うミッションでは仲間たちの「共闘」を越えて「団結」に至っているようだが、戦いのなかで彼らの絆が形成される課程も見当たらない。しかも、途中から1つの「美学」に向かって突き進んでいくのがバレていく。これもシリーズにはない描き方であるが、エモーショナルに訴えようとする作為が先行しているようで、死を覚悟するほどの壮絶な闘いの中でもドラマを感じられなかった。こちらが「そういうことね」といちいち歩み寄らねばならない窮屈感がある。

個人的にシリーズ最高傑作であった前作「フォースの覚醒」とはドラマの描き方が脚本と演出の両面でまるで違う。キャラクターの想いと、こちらの想いがドライブする感覚が本作には乏しい。脚本部分だけでも、もう少し練る時間が必要だったのではないか。「フォースの覚醒」とは別物、という整理であっても、その残像がある、わずか1年後のリリースでは、前作と比較してしまう当然の意識だ。

その点でいえば、本作の主演フェリシティ・ジョーンズのキャスティングにはどうしても引っかかる。「フォースの覚醒」のデイジー・リドリーと比べると明らかに役不足。大きなスケールで描かれる本作のような映画では、彼女の演技力をもってしても、華奢な体型をカバーしながら迫力を生み出すのは難しいと感じた。犯罪歴があるという設定だが、彼女から感じるのは未熟でクリーンな空気。帝国軍に潜入中、アーミースーツを着る彼女を姿を見て、どこかのゆるキャラかと思ってしまった。仲間たちを引きつけるような魅力も、演じる役柄に用意されていないので見ていてシンドかった。彼女は実力派の女優だが、適正の問題かと。

楽しみにしていた戦闘機の空中アクションは、まあ想定の範囲。南国っぽい場所で繰り広げられる地上戦も予告編で見たイメージの域は越えない。ドラマを抜きにSFアクションとして楽しもうとするも、興奮による高揚感は得られなかった。2Dで見て正解。少なくとも3Dで見る映画ではない。監督の前作「ゴジラ」を見れば、あえてケレン味あるアクションを避けたとも考えられるが、そこは普通に楽しませてほしい。ジンたちの仲間に入る盲目の戦士を演じたドニー・イェンは文句なしにカッコよい。が、彼に訪れる結末は、途中からの雰囲気で見え透いた。「やっぱ、そういうことね」と自分はシラけてしまった。あと、本作のチャーム的な役割を担う、改造ドロイド「K-2SO」が人間的過ぎて逆に面白くない。

「フォースと共に~」と何回も発せられるが、主人公たちの中から、その存在を感じることはない。本作で描こうとするのは、特別ではない名もなき勇者たちの闘いだ。フォースを操る者だけが口にする言葉ではないが、フォースの存在に魅せられている自分にとっては失望感が大きかった。スターウォーズに何を求めているかによっても評価が変わるんだな、きっと。

【60点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダウントン・アビー シーズン6(ファイナル) 【感想】

2016-12-17 09:00:00 | 海外ドラマ


もう感無量。
「ダウントン・アビー」の終幕を見送り深い余韻に浸る。あぁ、ダウントンの面々ともう会えなくなると思うと寂しい気持ちでいっぱいになる。極上の美術、極上の衣装、極上の風景、極上の演技、極上のユーモア、極上のドラマ。一話一話のたびに感動を噛みしめる。人を愛すること、信じること、思いやること、敬うこと、寛容であること、誠実であること。。。。それってこんなに美しく尊いこと。自身の人生の生き方について見直してしまう。

スターチャンネルで録り貯めていたダウントン・アビーのファイナルシーズン(シーズン6)を、結構な時間差でイッキ見した。現在地上波のNHKでは、この前シーズンであるシーズン5が始まったところ。米英の本国では昨年のうちに放送が終わっているけど。

最後の本シーズンを一言で表すなら「旅立ち」。
「終わり」ではなく、新たな人生の「始まり」として描いた、製作・脚本のジュリアン・フェローズに大きな拍手を贈りたい。

いよいよダウントンにも近代のうねりが押し寄せる。多くの使用人を抱えて自適に暮らす貴族文化は過去の遺物となりつつあり、クローリー家も時代の流れに準じることになる。その前提には「自立」があり、使用人に任せるのではなく、貴族たちが自分たちで生活を営んでいく変化が必要となる。もともと柔軟であるクローリー家は、その変化に抗うことはせず、しなやかに受け入れいていく。一家の母であるコーラは病院の高度化治療を実現するため、運営する病院の合併に奔走し、その後、理事として辣腕を振るう。長女のメアリーはロバートに変わり領地運営に乗り出す。その妹のイーディスは今は亡きマイケルの会社を引き継ぎ、編集者として仕事を続けている。

その一方で、貴族文化の終焉は雇用関係にある使用人たちとの別れを意味する。

使用人たちの状況は、前シーズンで婚約した執事のカーソンと家政婦長のヒューズの結婚に始まり、アンナとベイツのオメデタ、デイジーの成長、パットモアのホテル運営、モールズリーの新たなキャリア、バクスターの過去からの解放などのエピソードが描かれる。前向きな変化が描かれるなか、バローこと、トーマスだけは特異な状況にあった。個人的には、本シーズンでの主人公はトーマスに思えた。少なくとも最も目立ったのはトーマスだった。

ダウントンでの人員削減のため、副執事であるトーマスが解雇の対象となる。オブライエンとの悪だくみの日々が懐かしく、その後も様々な悪さをしてきた男だが、本シーズンでのトーマスは孤独で哀れなキャラとして描かれる。新人下僕であるアンドリューに対して、純粋な良心で接するものの、相手にされない時の表情が切ない。他にもこれまでの悪行から、彼の善良な行いが疑われるシーンも多々あり、自業自得とはいえ、トーマスが可哀そうに思えてくる。それでも、彼を信じるバクスターの優しさがありがたい。思えば、トーマスは使用人メンバーの最古参の1人だった。これまでトガり続けてきたトーマスの成長と変化が印象深く、心を揺れ動かした。



本作のヒロインであるメアリーは前シーズンで予感したロマンスが発展するものの、まさかの紆余曲折に至る。やはり、前夫のマシューこと、ダン・スティーヴンスの輝きに匹敵するのは、マシュー・グッドくらいしかいなかった。彼が演じるヘンリーにはマシューにはない色気があってメアリーとお似合いである。妹のイーディスにも新たなロマンスが台頭する。これまでの「中心のメアリー」VS「脇役のイーディス」という構図が、本シーズンで逆転するのが感慨深い。個人的にはイーディスが好きだったので、彼女の人生が最良の形で報われたのは本当に嬉しかった。イーディスの相手役もナイスガイで良かった。



クローリー家の潤滑油であるトムは本シーズンでも大活躍する。前シーズンの終わりでアメリカに移住したトムがダウントンに戻ってくる。彼がいなけれな救われなかったエピソードも多い。

「でもこれだけは聞いて。僕たちは何度でも傷つくだろう。でもそれが生きていくってことなんだ。」

と絶望するメアリーに投げかけた言葉が心中に響いた。

最終シーズンということで、過去のシーズンを振り返るエピソードが効いていて涙を誘う。トムがダウントンに入るきっかけとなったのはクローリー家の三女シビルとの結婚であったが、そのシビルによって人生を大きく変えた元メイドのグウェンが大出世してダウントンに戻ってくる。グウェンを通して語られる、ありし日のシビルとの思い出。。。時代変遷の象徴的なテーマとして、自立する女性の姿が本作で多く描かれているが、その始まりはシビルだったと思い出す。

最終シーズンということで作り手の気合を随所に感じる。1920年代の時代の空気を、これまでにない大きなスケールで描き出している。特に際立っていたのは、メアリーの相手役となるヘンリーが活躍するカーレースのシーンだ。レトロなレースカーを何台も走らせ、エクストラのギャラリーを大量に増員し、レース会場の熱気と興奮を伝える。衣装、美術も手加減なしの豪華さ。貴族ファッションもさることながら、使用人たちの簡素な私服姿もかなり可愛くて良い。その衣装を来たキャラクターたちを捉えるカメラワークも秀逸であり、美しい風景に溶け込ませたショットの数々がイチイチ絵画的。圧倒的な眼福感。

本作はフィクションのドラマであるが、貴族時代のなかにも、本作で描かれていたように、身分を超えた貴族と使用人たちとの絆の物語がどこかで存在していたと感じる。このあとに待ち受けたであろう、第二次世界対戦下でのダウントンの姿も見てみたいと思ったが、貴族文化が輝いていた最後の時代での幕引きは最良の選択だと感じた。これ以上ないハッピーエンドに思わず拍手してしまった。

露骨な悪や毒っ気のない物語のなかで、ここまで笑わせて、人を引き付ける脚本力に改めて感心する。目の栄養と心の栄養に溢れた傑作のTVドラマだった。製作陣、キャスト、そして日本のボイスキャストに感謝。ありがとうございました。

【95点】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第74回ゴールデン・グローブ賞 ノミネート発表。

2016-12-13 22:00:00 | 映画
来年の1月8日に開催されるゴールデングローブ賞のノミネーションが発表されたので、メモしておく。

<ドラマ部門>

◆作品賞
 ムーンライト
 Manchester by the Sea
 Hacksaw Ridge
 最後の追跡
 Lion

「最後の追跡」が入ったのは嬉しい。ドラマ界だけでなく、映画界までNetflix製作の作品が入ってくるとは凄い。「Hacksaw Ridge」はそのまま、アカデミー賞にもノミネートされるかも。意外だったのはスコセッシの「サイレンス」が漏れたこと。試写が間に合わなかったのかな??

◆主演男優賞
 ケイシー・アフレック(Manchester by the Sea)
 アンドリュー・ガーフィールド(Hacksaw Ridge)
 デンゼル・ワシントン(Fences)
 ジョエル・エドガートン(Loving)
 ヴィゴ・モーテンセン(はじまりへの旅)

上位3人は順当。アンドリュー・ガーフィールドは「サイレンス」ではなく「Hacksaw Ridge」でノミネート。ヴィゴ・モーテンセンの「はじまりへの旅」が気になる。

◆主演女優賞
 ナタリー・ポートマン(ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命)
 イザベル・ユペール(Elle)
 エイミー・アダムス(メッセージ)
 ルース・ネッガ(Loving)
 ジェシカ・チャステイン(Miss Sloane)

フランス映画である「Elle」に主演したイザベル・ユペールが堂々のノミネート。オスカー候補入りも確実とみた。

<ミュージカル/コメディ部門>

◆作品賞
 ラ・ラ・ランド
 マダム・フローレンス! 夢見るふたり
 シング・ストリート 未来へのうた
 20th Century Women
 デッドプール

サプライズは何といっても「デッドプール」。マーベルコミック映画では初の快挙ではなかろうか。個人的にはやや期待ハズレだったものの、選考した外国人記者には大ウケだったのだろう。

◆主演男優賞
 ライアン・ゴズリング(ラ・ラ・ランド)
 ヒュー・グラント(マダム・フローレンス! 夢見るふたり)
 コリン・ファレル(ロブスター)
 ジョナ・ヒル(War Dogs)
 ライアン・レイノルズ(デッドプール)

「マダム・フローレンス!」のヒュー・グラントは「助演」ではなく「主演」でのノミネートか。個人的には「ロブスター」がツボだったので、コリン・ファレルの候補入りが嬉しい。作品賞に続き、ライアン・レイノルズもしっかり候補入り。

◆主演女優賞
 エマ・ストーン(ラ・ラ・ランド)
 メリル・ストリープ(マダム・フローレンス! 夢見るふたり)
 アネット・ベニング(20th Century Woman)
 ヘイリー・スタインフェルド(The Edge of Seventeen)
 リリー・コリンズ(Rules Don't Apply)

やっぱ、メリル・ストリープが入ってきたか(笑)。新たな青春映画の傑作として絶賛された「The Edge of Seventeen」からヘイリー・スタインフェルドが候補入りしている。思えば、コーエン兄弟の「トゥルー・グリッド」以来だ。

<共通部門>

◆監督賞
 デミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド)
 バリー・ジェンキンス(ムーンライト)
 ケネス・ロナーガン(Manchester by the Sea)
 メル・ギブソン(Hacksaw Ridge)
 トム・フォード(Nocturnal Animals)

上位3人は順当。作品賞に続き、メル・ギブソンが入ったか。「シングルマン」の1本だけで大ファンになったトム・フォードが候補入りしたのは嬉しい。

◆助演男優賞
 マハーシャラ・アリ(ムーンライト)
 ジェフ・ブリッジス(最後の追跡)
 サイモン・ヘルバーグ(マダム・フローレンス! 夢見るふたり)
 アーロン・ジョンソン(Nocturnal Animals)
 デヴ・パテル(Lion)

この部門でのサプライズは、並居る演技派俳優たちが集った「Nocturnal Animals」からアーロン・ジョンソンが候補入りになったこと。マイケル・シャノンじゃなかったのね。アーロン・ジョンソンの役ドコロが気になる。

◆助演女優賞
 ヴィオラ・デイヴィス(Fences)
 ナオミ・ハリス(ムーンライト)
 ミシェル・ウィリアムス(Manchester by the Sea)
 ニコール・キッドマン(Lion)
 オクタヴィア・スペンサー(Hidden Figures)

ここも上位3人は順当。受賞はヴィオラ・デイヴィスで堅そうだけど。

オスカーの賞レースでも中心になるであろう、「ラ・ラ・ランド」「ムーンライト」「Manchester by the Sea」が順当に主要部門を抑えた印象。「ハドソン川の奇跡」が完全に漏れたのは、そのドメスティック(アメリカ国内)なテーマであるゆえ、選考した外国人記者には響かなかったのかも。
完全にスルーされた、スコセッシの「サイレンス」がアカデミー賞にどう関わってくるのかが注目のポイントだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ 【感想】

2016-12-13 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
バスの事故で地獄送りになった男子高校生が転生で現世に戻るために奮闘する様子を描く。クドカンによるクドカンの映画。千鳥的な言葉を使えば「クセが強いんじゃ」。主人公が地獄に落ちてからのギャグとロック(音楽)の連打が激しい。休む間もなくギャグを放りこみ、その手数の多さには恐れ入るが、ことごとく精度を欠いた笑いはノイジーで退屈。ロックを中心にした音楽のセンスにも全くノレず、大きな展開のないまま2時間超えで続いていく長丁場は苦行に等しい。どうしてこんなに長くしてしまったのだろう。本作にハマる人には天国、ハマらない人には地獄な映画。同監督の「少年メリケンサック」もそうだったが、音楽を前面にもってくる日本映画にことごとくハマらないのは、自分の趣味の問題もあるが、監督の趣味がエゴイスティックに出ちゃってるからなんだと思う。レトロでキッチュな地獄のセットと、コメディに振れた神木隆之介の熱演が収穫。女子高生「じゅんこ」を怪演した皆川猿時は、自分は生理的にムリだった。
【50点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エルヴィスとニクソン 【感想】

2016-12-08 09:00:00 | 映画


Amazonプライムビデオにて。
1970年、当時のアメリカの大統領ニクソンと、エルヴィス・プレスリーが面会した史実を基にしたコメディ。終始ニヤニヤ。ストーリーに広がりがないのは勿体ない。

日本の有名人が、日本の首相に表敬訪問という形で面会するのはよくあることだ。アメリカの大統領についてはどうだろうか。本作で描かれるニクソンの場合は、政治活動で手一杯であり、超過密スケジュールに追われ、有名人に会う時間なんぞなさそうである。面会を申し出たのはプレスリーのほうだ。当時、プレスリーは音楽と映画で世界を席巻しており、大統領と並ぶ有名人であり、外に出れば人が群がるほどの人気を博してた。そんな彼が、大統領に会おうとした理由は、この国の将来を憂えたからだ。自身を「アメリカの産物」と言い、暴力と麻薬で汚染された当時のアメリカを救いたいと熱望する。その手段が、直々に大統領に会い、麻薬捜査官としてのバッジ(任命)を得たのち、麻薬撲滅のために潜入捜査に加わるというもの。有名ミュージシャンが麻薬捜査官に転身!って、何かのパロディのような話だが、エルヴィス本人はピュアで真剣そのもの。どこまでがホントかわからないけど。

描かれるのは、「天才」と言われる生き物の生態である。常人の規格には収まらない思考と実行性があり、ときに「裸の王様」になることも恐れず、我が道を突き進んでしまう。本作で登場する天才はプレスリーだ。エンタメ界で大きな成功を収め、有り余る財産を得るも、おごることなく、一市民として国家の救済に乗り出そうとする。その志は買うものの、自身が捜査官になるという発想は、非常識であり馬鹿げた話だ。プレスリーの突拍子もない言動に付き合わされるスタッフと、彼の人気にあやかり、政治に利用しようとするニクソン側。エルヴィスの熱量と、現実的な周りの人間たちとの温度差。それでも「スター」として許容されてしまうパワー。プレスリーを中心にして踊らされる人間模様が愉快で楽しい。

プレスリー役にマイケル・シャノンをキャスティングしたのはかなりの冒険だ。本人に全然似てないし、年齢はもっと若い(当時のプレスリーは30代半ば)。おそらく本人に似せる狙いはなく、実在した伝説的ミュージシャンの特異な人間性とカリスマ性をコミカルに描くことがゴールだ。さすがはマイケル・シャノン、その役割に応える妙演をみせる。但し、年齢についてはどうすることもできないので、もっと若い役者に機会を与えても良かったと思われる。ニクソン演じたケビン・スペイシーだ。大統領役として活躍する海ドラHOCとイメージが自然的に被ってしまうため、もっといろんなニクソンの表情を見せてほしかった。

Netflixと同様、最新の日本未公開映画を手軽に提供してもらえるのは有難いことだ。huluも見習ってほしいな。

【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最後の追跡 【感想】

2016-12-07 09:00:00 | 映画


今年の未公開映画のベストは本作。
原題は「Hell or High Water」。日本での劇場公開を待っていたが、Netflixからのサプライズプレゼントを見つけ、飛び上がる。「塀の中の王」に続く、デヴィッド・マッケンジーの秀作映画。Rottenで98%フレッシュは伊達じゃない。派手さのないクライムスリラーだが、血の通った人間ドラマに最後まで引き込まれた。とりわけアメリカ人にはいろんな意味で突き刺さる映画と感じる。

テキサスを舞台に、家族の土地を守るために銀行強盗を繰り返す兄弟を描く。

人がほとんどいない閑散とした田舎町で、兄弟による強盗シーンから物語は始まる。犯罪に不慣れな弟と前科者の兄だ。素人感まるだしのコンビによる粗い強盗シーンが生々しい。その様子は「世界笑劇映像」みたいなテレビ番組で、強盗に入ってドジを踏む人間たちによく似ている。そんな強盗でもセキュリティが担保されていない地方の銀行では、簡単に強奪が成功してしまう。強盗の方法は一見とても粗いが、兄弟には足のつかないプランがあった。そのプランは強盗を繰り返すことで実現する。強盗を繰り返すことで高まるリスクと、理性的な弟とは対照的である、衝動型の兄の性分が危うい事態をもたらしていく。彼らを追うのは、退職間際の老齢保安官と、彼と長年コンビを組むインディアンの血を引く中年保安官だ。銀行強盗を繰り返し逃げ続ける兄弟と、彼らを追いかける保安官という構図。本作にはそれ以上の展開は用意されておらず、シンプルで地味な映画といえるかもしれない。

本作の魅力はスリラーにはない。アメリカンドリームに湧いた過去の幻想を引きずる地方都市の「今」を浮き彫りにし、貧困層から金を絞り取る資本主義の歪み、テキサス(南部)という特異な風土にある歴史と、そこで生きてきた男たちの気質とプライドといった、様々な側面が登場するキャラクターの生き様を通して濃密に描かれていく。どれも日本人には不慣れな価値観ばかりだが、丁寧な人物描写によって各キャラクターの心情を想像することは容易だ。正義に寄り添った結末が深い余韻を残す。アメリカの雄大な景色を捉えたショットも素晴らしく、終着の見えないドラマに密着する。それにしてもアメリカってホントに大きいな。。。

兄弟を演じたクリス・パインとベン・フォスターがキャリアハイレベルのパフォーマンスにて、匂い立つような南部の男を体現する。とりわけクリス・パインについては、本作で一皮剥けた印象をもった。2人の子ども時代の写真だけで泣けてくる兄弟の絆の説得力よ。老齢保安官演じたジェフ・ブリッジスの名演が、古き良きアメリカの幻影を浮き上がらせる。

全然、本作に関係ないトピックスだが、次期大統領であるトランプを後押しした人たちは、本作に登場するような人たちだったんだろうなと思いを巡らせた。

【75点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第89回アカデミー賞、ノミネーション予想。<1回目>

2016-12-06 09:00:00 | 映画
12月に入り、年末恒例の各映画賞の発表が北米で始まり出した。それに伴いアカデミー賞候補予想もかなり見えてきたので、主要部門について1回目の予想をしてみる。上から順に受賞確度。★は当確予想。

【作品賞】
★ラ・ラ・ランド
★Manchester by the Sea
★Moonlight
★ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命
 Fences
 Loving
 沈黙 -サイレンス-
 メッセージ

デミアン・チャゼルの新作ミュージカル「ラ・ラ・ランド」については、まだ公開されていないものの、各映画祭の熱狂的な反応から今年のアカデミー賞の中心になることは確実と思われる。「シカゴ」以来のミュージカルでの作品賞受賞が濃厚。前回、人種の多様性が叫ばれた反省の反動から、「Moonlight」のほかに、「Fences」「Loving」が入りそうな感じ。「メッセージ」はドゥニ・ヴィルヌーヴによるSFだが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ映画はことごとくオスカーに嫌われているので落ちるかもしれない。その代わりにイーストウッドの「ハドソン川の奇跡」が入るかも。

【監督賞】
★デミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド)
★バリー・ジェンキンス(Moonlight)
 ケネス・ロナーガン(Manchester by the Sea)
 マーティン・スコセッシ(沈黙 -サイレンス-)
 パブロ・ラライン(ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命)
 
デミアン・チャゼルとバリー・ジェンキンスは確定予想。マーティン・スコセッシも固そうだが、まだ作品の評判をまったく聞けてないので様子見。チリ人監督パブロ・ララインは「NO」の監督だった人だ。その演出手腕は光るものがあり印象に残っていたが、そんな彼がハリウッドに進出して、あまりにも有名なケネディの未亡人をどう描いたのか気になるところ。

【主演男優賞】
★ケイシー・アフレック(Manchester by the Sea)
★アンドリュー・ガーフィールド(沈黙 -サイレンス-)
★ライアン・ゴズリング(ラ・ラ・ランド)
 デンゼル・ワシントン(Fences)
 トム・ハンクス(ハドソン川の奇跡)

今年のオスカーの主演男優賞は突き抜けた存在がいなさそうだ。そんななかでもケイシー・アフレック、アンドリュー・ガーフィールド、ライアン・ゴズリングは確実とみる。アンドリュー・ガーフィールドはメル・ギブソン監督の「Hacksaw Ridge」での熱演と合わせ技で票を集めるかもしれない。個人的には、ライアン・ゴズリングの大ファンのため、彼のノミネートが大変嬉しい。マシュー・マコノヒーがハゲおやじを演じる「GOLD」の状況も注視していきたい。

【主演女優賞】
★エマ・ストーン(ラ・ラ・ランド)
★ナタリー・ポートマン(ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命)
 イザベル・ユペール(Elle)
 エイミー・アダムス(メッセージ)
 メリル・ストリープ(マダム・フローレンス! 夢見るふたり)
 
今年の主演女優賞候補はかつてないほど迷う。エマ・ストーンとナタリー・ポートマンはぶっちぎりの当確として、他の3名が予想できない。昨年のシャーロット・ランプリングの候補入りを考えれが欧州作品もきちんとアカデミー賞は見ていることがうかがえ、イザベル・ユペールの候補入りは十分あり得る。エイミー・アダムスは「メッセージ」が作品賞候補に上がれば確実に候補入りになると思う。残り1枠はアカデミー会員が大好きなメリル・ストリープになるか。

【助演男優賞】
★マハーシャラ・アリ(Moonlight)
 ルーカス・ヘッジズ(Manchester by the Sea)
 ヒュー・グラント(マダム・フローレンス! 夢見るふたり)
 スティーヴン・ヘンダーソン(Fences)
 アーロン・エッカート(ハドソン川の奇跡)

マハーシャラ・アリは一昨年の「セッション」のJ・K・シモンズ的な位置づけと予想。前哨戦を総ナメ&オスカー受賞は間違いないと思われる。他の候補者は作品賞、あるいは共演した俳優の主演賞ノミネート次第で決まるだろう。

【助演女優賞】
★ナオミ・ハリス(Moonlight)
★ヴィオラ・デイヴィス(Fences)
★ミシェル・ウィリアムス(Manchester by the Sea)
 ニコール・キッドマン(Lion)
 ルピタ・ニョンゴ(Queen of Katwe)
 
ナオミ~、ヴィオラ~のアフリカ系女優の一騎打ちになると思われる。ミシェル・ウィリアムスまでは当確予想として、他2名はいずれもオスカーに愛される女優、ニコール・キッドマンとルピタ・ニョンゴの候補入りを予想。今後の前哨戦の結果でかなり流動的だけれど。個人的にめちゃくちゃ注目している映画、J・A・バヨナの新作「A Monster Calls」で母親役を演じるフェリシティ・ジョーンズも、作品の評価次第では候補入りになる可能性あり。

現在「君の名は」がアジアのみならず、欧米の批評家たちをも唸らせているらしく、アニメーション部門での候補入りがあるかもしれない。個人的には「この世界の片隅に」を観てから、日本のアニメ映画を評価してほしいけど。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする