から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

トゥルー・グリッド 【感想】

2011-03-30 23:36:32 | 映画
震災の影響もあって、久しぶりに映画館に行く。

浦和のパルコ上にあるユナイテッドシネマ浦和に行く。

例によって会社帰りに寄るが、
節電志向により映画館が夕方以降の上映に
限定しているからなのか結構な混み様。。。
どうやら岡田君の「SP」が目当てのようで若い男女が多い。

相変わらず綺麗な映画館だ。
館内の席のレイアウトが横に長いが、スクリーンから程よく離れており、
端っこにいても角度があまり気にならない。とてもよいな。

アカデミー賞が終わり、早1ヶ月。
賞レースを賑わせ、個人的にも気になる作品が、今月から5月にかけて、
ようやく日本でも順次公開される。

「トゥルー・グリッド」「ザ・ファイター」「キッズ・オールライト」
「ビューティフル」「ブルーバレンタイン」「ブラックスワン」「127時間」・・・
どれも面白そうだ。

その中で、コーエン兄弟の西部劇「トゥルー・グリッド」を観る。

本作は1969年に製作された「勇気ある追跡」という映画のリメイクらしく、
ベースの作品があるからだろうか、コーエン兄弟には珍しく直球の西部劇に挑んだ印象だ。

普通によかった。感動した。
完成度の高い西部劇でありながらもコーエン節が、ほどよく効いているし。

本作は、父親を殺した犯人を14歳の少女が2人のオヤジを連れて追走するロードムービーだ。
冒頭、大人になった主人公の少女(おばさん)が、
過去のその出来事を振り返るところから物語が始まる。

昔のリメイクということで、当初、私は、父を殺された哀れな14歳の少女に同情し、
2人のオヤジが「可愛い少女のために俺ガンバル!」的な
ベタな話を予想していたが、嬉しいことにその予想は外れる。

少女が犯人を追うために、一緒に犯人を探してくれ!と依頼をするが、
2人のオヤジが少女と旅をともにするきっかけは、
犯人を捕まえることで得られる報酬が目的であったり、
少女の話術に根負けした結果であったりと、意外とドライだ。

しかし観終わってから振り返ると、
それは旅を通して育まれる3人の性別年齢を超えた不思議な友情と、
物語のクライマックスに、一層の感動を覚えさせる布石のようにも思えた。

コーエン兄弟の前々作「ノーカントリー」同様、
素晴らしいキャスティングであったことも印象に残る。
ジョシュやバリーの使い方はちょっと贅沢過ぎと思うが。

殺された父の仇討ちに燃える14歳の少女「マティ」演じるヘイリー・スタインフェルド。
凄腕といわれているが、大酒飲みで曲者老齢保安官「ルースター」を演じるジェフ・ブリッジス。
プライドの高いテキサスレンジャー「ラビーフ」を演じるマット・デイモン。

本作で際立つのは前評判どおり、やはり「マティ」演じるヘイリー・スタインフェルド。
決して可愛いとは言い切れない、田舎っぽい顔立ち。
しかし「マティ」という、責任感が人一倍強く、14才でありながら、
父亡き後、家族を必死に守ろうとする強い信念と、大人に負けない強靭な精神力、
純粋さ、正直さ、優しさを併せ持つ魅力的なキャラクターを見事に体現。
本作の見所は彼女のパフォーマンスといっても過言ではないだろう。
だけど、このテの固まったキャラで脚光を浴びた人って、他の映画であんま成功しないんだよな。
彼女も残念ながらそんな気がする。「プレシャス」のガボレイみたいに。。。

ジェフ・ブリッジスは当然ながら巧い。

マット・デイモン。本作で改めて彼を想う。
アクション映画で主役を張れるようなスター性を持ちながらも、
「インビクタス」や本作のように脇役として映画のアクセントとなる
キャラクターを演じるのが本当にうまい。キャラごとのオーラがまるで違う。
彼の出演作がこれまでもこれからも多いのは、そういう点が監督たちに好かれるからだろう。
ニール・ブロンカンプ監督の新作「エリュシオン」(2013年の最注目作品)にも出演するし!

本作のキャストのパフォーマンスは、
アドリブを許さないほど完璧主義なコーエン兄弟の演出によるところも大きい。

序盤シーン、殺された父を前に、葬儀屋から「お父さんにキスするか?」と気遣われても、
「魂の抜け殻にもしても仕方ない」と哀しい顔もせず気丈に一蹴するマティ(ヘイリー)。
そのあと、父の遺品の中から拳銃を見つけ、触れたとたん、マティの瞳に涙が微かに滲む。。。

うまいな~~。グッときてしまう。

コーエン兄弟の、いつもの生々しさも健在だ。
ワシが死肉をついばむシーンの肉を引きちぎってる感。
至近距離での突然の殺人、指が吹っ飛ぶ感じ。
馬をいじめる子どもを容赦なくコバーンが蹴りつけるシーン。
馬がかけがえのない相棒だった時代を印象づける必要なシーンだが、
その子どもに対する暴力、リアルさに思わず顔を引きつった。

また西部劇の魅力を余すところなく、映像で見せる。
地平線まで広がる荒野、馬の美しさ。。。

3人の旅が終わり、冒頭の、おばさんになったマティのシーンに戻る。
その後日譚も感動的で、私にとって忘れがたい映画となった。

【85点】








シングルマン 【感想】

2011-03-19 01:23:19 | 映画
酔いしれる。。。という感想が最もふさわしい映画だ。

私の2010年度ベストワン映画は「英国王のスピーチ」。
主演のコリン・ファースは同作でオスカーを獲ったが、前年度もオスカーにノミネートされていた。
それが本作「シングルマン」での主演。
昨年度注目していた本作であったが、これもまた単館でしか上映しておらず、
公開時、観に行くことができず、レンタルを待ってようやく観ることができた。

ラブ・ロマンス俳優として、個人的にヒュー・グラントなどと同じ括りにあった、コリン・ファース。
「英国王のスピーチ」でまったく次元の違う、名優としてのキャリアを確立したと感じたが、
本作「シングルマン」が、彼のキャリアにおける大いなる布石であったことを本作で思い知る。

本作は、1962年11月30日(金曜日)、恋人(ジム)に先立たれた男、ジョージの一日を追った話だ。
ジョージはある決意を胸にその1日を全うしようとする。。。

ジョージとジムは同性愛者なのだが、その特異な関係性に注視するように本作は作られていない。

本作について「どんな映画か?」と尋ねられたら「人間賛歌の映画」と私は答える。

過去いくつもの映画で、「愛」や「孤独」といったテーマが唄われてきたが、
本作も同様のテーマが根底にあるものの、それらがトリガーとなって、
日常に潜んでいた人間の美しさが華開いて見えてくるというところがユニークだ。

「人間賛歌」「人間の美しさ」をどのように映像をもって魅せられるのか。。。
本作が映画初監督だという、有名なファッション・デザイナー(らしい)トム・フォードの
美的感覚が如何なく発揮されるているようだ。

寸分の狂いなく、計算つくされたであろうフレーミング。
キャラクターの佇まい、所作、60年代のアメリカのファッション、インテリア、風景。。。。等々
1シーン、1シーンが芸術的な絵画のよう。完全にツボ。観るたびにため息が出た。

しかし本作では、それらの絵画が単純に映画の中のお飾りになっているわけではなく、
キャラクターの心情、あるいは、人間に美しさを見出すための表現になっており、
抜群の巧さを感じる。

なので、本作では印象に残るシーンが多い。

中でも、銀行内でジョージと隣に住む少女ジェニファーが出会うシーンが好きだ。

 カバンの中の探し物をするジョージ、下を向く視線の先に、少女の影が映る。
 カメラはジョージの視線に合わせ、少女をゆっくりと見上げる
 少女の影から、足元、細くしなやかな足、鮮やかなブルーのドレス、少女美しい顔、瞳、頬。。。
 純粋無垢という美しさに出会ったジョージ。「何て美しいのだろう」と彼の瞳が語った刹那、
 セピア色のフレームがにわかに色づいていく。
 「皆あなた(ジョージ)の眉毛おかしいというけど、私は好きよ。」と少女が真っ直ぐな瞳で
 ジョージに話しかける。微笑むジョージ。。。
 その後の少女とジョージの会話もなんとも素敵だ。

他にも思い出す度に、鮮やかに蘇るシーンが本作にはホント多い。

そんな本作にあって、ジョージ演じるコリン・ファースのキャスティングが見事に融合した。
抑えた演技の中に、複雑な心境を見事に表現。
これまでの、ただ顔がよい英国ハンサム俳優から見事に脱却した感じだ。

そしてあの抜群のスタイルと佇まい。カッコよすぎるわ。
60年代のクラッシクで細身のスーツが最高に似合う。
スーツが似合うといえば、新生007のダニエル・クレイグの胸筋で着るスーツも
斬新で印象的だったが、本作コリン・ファースの着こなしもインテリスマートで相当よい。

ジョージの親友役(?)のジュリアン・ムーアも貫禄の存在感、巧さを見せるが、
ツイストを踊るシーン、寸胴ぶりなスタイルがちょっと残念。

美しき人間賛歌を映像で表現する本作。
単純に目の保養にもなる。
お酒をやりながら観るのもよいかも。

BD買おう。。。。

【85点】





悪人 【感想】

2011-03-14 11:52:38 | 映画
今日は地震の影響で高崎線が終日ストップのため、
会社を休む。一応自宅待機という格好。

計画停電まであと20分を切った。

先日見た映画「悪人」を振り返る。

本作、キネマ旬報で2010年度邦画の1位に。
日本アカデミー賞でも作品賞、監督賞は「告白」になったものの、
男女主演、男女助演をすべて受賞したという快挙を成した。

公開時、さほど興味がなかったためレンタルを待って観てみた。

観終わった感想は。。。。やっぱ映画館で見なくて正解だった。

退屈でつまらない。

せっかくのキャストのパフォーマンスが台無し。

説明過剰で、安い脚本がすべての原因。
原作者と監督が共同で旅館に篭って書いた脚本と聞いて
期待していたが、大空振り。

「そうなるだろうな」と思うと、そのまま思ったとおりのわかりやすい展開。
この展開は予想つかなかったと思うと、「このシーンは何のため??」と疑問。
妻夫木と深津の逃避行の果てにある場所での無駄に長い時間。冗長。。。

監督、李相日の「孤独、愛」とかいうメッセージが耳が痛いほどウルサイ印象。

ラストシーンのなんとも美しいシーン等、印象に残るキャストのパフォーマンス、
そしてそのキャストのパフォーマンスを引き出した李監督の手腕は評価できるが、
面白くなかった。

残念だ。

【40点】





(500)日のサマー 【再見感想】

2011-03-13 19:42:35 | 映画
(500)日のサマー、
今回はブルーレイを購入したので、3回目の鑑賞。

やっぱ面白いな~
観終わって唸ってしまった。思わず一人拍手。

そして、ホントよくできている。
キャスト、脚本、構成、演出、そして音楽。

本作は一見、ラブストーリーに見えるが、個人的には異なる印象をもつ。

運命の人(サマー)で出会い、彼女を想い続けるトム。
「恋は絵空事」とトムとのカジュアルな関係を続けるサマー。

2人が織り成すラブストーリーと構えると、結構な肩透かしを食らう。

終盤以降の展開につながる、サマーの選択にほぼ説明がないからだ。
ただしそこを「意味がわかんない!」という捉え方するのは、本作ではナンセンス。

本作は「運命の人」に出会ってしまった一人の青年の生き様を追った話だからだ。

等身大で、どこにでもいそうな青年、トムの悲喜を自然体で好演したジョセフ・ゴードン=レヴィット。
捉えどころなくエキセントリックで透明な魅力を湛えるサマーを演じたズーイー・デシャネル。

この2人が最高によいのだ。

ジョセフは本作のパフォーマンスが絶賛され、ブレイク。
昨年度の傑作、ノーランのインセプションに出演。本作とは違った硬派な演技もハマってた。
そしてそして、ノーランの「ダークナイト~ライゼス」にも出演予定らしい。すごい~~!

恋愛がうまくいくと、世界の中心に自分がいるような感覚。(トムのダンスシーンは映画史の残る)
恋愛がうまくいかないと、世界が色あせて違うモノに見えてしまう感覚。
そんな誰しも少なからず共感できる感情の琴線を、鮮やかに映像で表現した、
監督マーク・ウェブの演出手腕もすごいと思った。

恋愛は運命(必然)と偶然でできている。

ラスト、新たな一歩を踏み出すトムに訪れる、ちょっとした奇跡。
思わず「わおっ」と驚嘆し、ニンマリ。

希望に満ちたラストに、すがすがしい余韻が残る傑作ムービー。

大好きだ。

【90点】














2010年マイベスト映画ランキング

2011-03-12 08:54:35 | 勝手に映画ランキング
地震から一夜明けて、ただいま朝の9時。

JRは再開したらしいが、案の定、駅のホームは激しい大混雑らしく、
しばらく会社のデスクで待機する。。。

会社のビル3階が、仮眠スペースとして解放されたため、
3時間程度寝ることができた。

駅の混雑が引くまでの間。
いまさらながら、2010年映画を振り返り、
自分が気に入った映画をランキングしてみる。

先週月曜日(2/28)第83回アカデミー賞が終わったので、
2010年映画は、私の場合、2010年3月8日(82回アカデミー賞翌日)~2011年2月28日までに
日本で公開して私が映画館、もしくはレンタルで観た映画。

【2010年マイベスト映画ランキング】

1、英国王のスピーチ

  どストレートに響いた感動作。やっぱこういう映画が好きだ。
  キャスティング(キャラクターとキャストパフォーマンス)が映画の要であるという
  私のモットーを再認識させてくれたような作品。

2、トイ・ストーリー3

  周知のシリーズ最高傑作。
  スリルとサスペンス、笑って泣かせる、観るものすべてを幸せにする映画。
  充実かつ完成度の高い脚本、演出にピクサーの圧倒的底力を見た。

3、第9地区

  新たなSF映画の歴史的金字塔。
  ありえないのにリアル。斬新なストーリー設定はもちろんのこと、
  まさかのエモーショナルな展開と、男子大好きなSF描写に大拍手。

4、告白

  最近の邦画には少なくなった、監督の作家性が顕著に表れ、
  映画の世界観にドンピシャにハマった歓迎すべき作品。
  教師と生徒というごく限られた世界を、映像と音楽によって別次元に昇華させた。    
  
5、インセプション

  クリストファー・ノーランの進化がとまらない。
  夢の夢、そのまた夢。。。常人では想像だに出来ない世界を、
  毎度の圧倒的な映像とスケールで見事に描き切った。
  ノーランの新作ザ・ダークナイト・ライゼズが待ちきれん!
  
以下、次点でBD買いますよ(買ってますよ)映画

フローズン・リバー
ぼくのエリ 200歳の少女
キック・アス
デイ・ブレイカー
ソーシャル・ネットワーク
RED
ザ・タウン

・・・他にもあったような。

以上。



電車、もうすいてるかな。
家に帰るか~
そして寝よう。





  
  
  
  




3.11歴史的大地震発生。

2011-03-12 02:52:41 | 日記
日付け変わって、昨日3月11日、15時ごろ、会社での仕事中、
生まれてはじめてと言っていいくらいの衝撃、大地震に見舞われる。

連日の睡眠不足を解消すべく、
目標6ピタで帰宅するプランを練っていたが、
想定外の事件により、あっけなく目標敗れる。

JRは全線完全ストップ。

道路は大渋滞。外は人であふれ返っている。

映画「宇宙戦争」みたいなパニックムービーの1シーンのよう。

現在AM3時。
会社のデスクにてJRの再開をひたすら祈る。

自宅に連絡がついたのは22時過ぎ。
今日仕事が休みだった父親、母親ともに無事だという。
私の部屋は散乱してるらしい。

早く家に帰りたい。

明日JR動いてなかったら飛び蹴りしたい。

眠い。。。寝たい。。。






中学の同級生S

2011-03-11 02:24:17 | 日記
今日も大阪出張だった。

昨日、大阪出張に必要な調査報告書を仕上げるため、
1年ぶりくらいに終電を越えて会社に残る。

会社を出たのは4時近くで始発も待てたが、運よく上司の目に留まり
タクチケをもらったのでタクシーで帰宅の途につく。
連日の睡眠不足と疲労でタクシーの中で本気で酔う。
グロッキー状態で5時に帰宅。2時間寝てシャワーを浴び大阪へ。

13時から5時間はかかるであろう客先との打ち合わせに向け、
新幹線内でなんとか眠ろうと努めるが、眠らなければ。。というプレッシャーから逆に眠れず。

ウトウトしながら客先に向かうが、奇跡的に打ち合わせに集中したため、
眠ることなく打ち合わせが済む。しかし打ち合わせが終わったのは20時前。
厳密にいうと終電のため、20時前で途中で抜ける。約7時間、ホント長過ぎる打ち合わせだ。

商売人大阪人の「客は客」という気質のせいか、こちらが発注を受けている仕事とはいえ、
遠路はるばる訪問しているのに「お越しいただき、ありがとうございます」的な
関東ではごく自然に相手にかけるであろう、労いの言葉がまったくない。
そしてこっちの移動時間などの都合に気を遣うことなく、マイペースで話を進める。
人はよいのだが、仕事先としては少々しんどい。

大阪主張で今日も終電。ホント最悪な日々だ。

そんな中、今日の高崎線の終電。
自分が中学生のとき、テニス部で3年間コンビ(ダブルス)を組んでいたSを車内で見かける。
太っていて、頭頂部が禿げている。PSPでガンダム(?)のゲームをひたすらやっていた。
中学卒業以来のS。まつ毛が長くて、ちょい毛深い。フットの岩尾に似てるか。。。
ダブルスのコンビの相手は自分で選べなかった。自分はSとコンビを組みたくなかった。

当時私は、たいしてテニスがうまくもない自分を棚にあげて、他の友人に
「あいつ下手だから、一緒に組むの嫌なんだよな」とか影口をたたいていたことを思い出した。
ホントは口下手で地味な存在のSを疎ましく思っていただけなのだ。

その影口がどういう経緯か忘れたが、Sの耳に入ってしまった記憶がある。
傷ついたであろうSは、私に対して抵抗する態度もなく、
いつもの調子で3年間一緒にテニスの試合に臨んでくれた。

そんなSに、今日声をかけようと思ったが、
16年間の会わない間、お互い年をとったことを確認してしまうマを、
恥ずかしく思い、声をかけることができなかった。
もう会うこともないかもしれない。

彼からすれば、そんな中学生時のエピソードなんて
覚えてもいないかもしれないけど。。。。。



明日は金曜日、あさっては何としても休む。
ラスト1日頑張るか。。。。











川の底からこんにちは 【感想】

2011-03-06 03:10:08 | 映画
「川の底からこんにちは」を新作DVDレンタルで観る。

以前に満島ひかりを取り上げた情熱大陸(だっけ?)で、
本作で主役を演ずるにあたり、彼女が相当追い込まれた風な内容が放送されており、
「愛のむき出し」で圧巻の演技を魅せた彼女目当てで観る。

本作、満島ひかり演じるサワコという女性が主人公。
彼女は事あるごとに「すみません」「しょうがない」を連呼しその時間をやりすごす。
自分の存在を「中の下」といい、若くして自分の人生を半ばあきらめている。
そんな彼女が、上京して5年間、音信不通にしていた父親の病気をきっかけに
実家のシジミ袋詰め工場に戻り、父親の跡を継ぐという話。

本作では「あきらめの美学」というか「開き直りの美学」というか、
一生懸命生きるモチベーションとして、新たな価値観でアプローチしている点が
興味深く感じられ、本作の魅力なんだと思った。

ボットン便所(今時あるか~笑)の糞尿を捨てる場所に
いつしか綺麗な花が咲いたり、大きな実がなったりする場面。
本作のテーマにさりげなくリンクしていて随所に監督の巧さを感じた。

脇役(サワコの叔父役)の岩松了がよい。下品極まりなく自然な演技で完全にハマッた。
シジミ工場のメガネのオバチャンもナイスパフォーマンス。
夜、メシ食うダンナに「今日は観たいテレビもなく、時間を持て余すから抱いてくれ!」
と言い放つシーン、最高に笑えた。それに対してダンナは本気でひたすら拒否る。。。

で、カンジンの満島ひかりは、というと本作では完全に死んでしまった。。。残念。
彼女のウマサを完全に監督が殺してしまった。一見、熱演とも思える場面もほぼ空回っているよう。
セリフ、その言い回し、間(ま)。主人公の感情の流れ・・・等々、
監督の狙いすぎ、ほしがりすぎのせいか、意味がわからず、素直に落ちてこない。
満島ひかり本人も、本当に納得してその演技をしているようには見えず、迷ってる感があった。

故に大いにシラけてしまい、せっかくのユニークなストーリーで面白くなるはずなのに、
台無しになってしまった。勿体ない。

この手の映画は山下敦弘あたりが監督すると間違いない。
山下監督は天然コケッコー以来4年ぶりとなる新作が今年5月に公開する。(待ってました!!)
妻夫木と松ケン共演のマイ・バック・ページという映画だが、
今までの山下監督のテイストとはちょっと違う映画のようだが楽しみだ。

【50点】








ゾンビランド 【感想】

2011-03-05 02:59:11 | 映画
今日も終電。
そして宇都宮線の人身事故やらで帰宅時間が1時近くになる。

明日休出だが、午後から会社に行く予定のため、
夜更かしをする。

1時半から「ゾンビランド」を観る。

タイミングが悪かったのか、TSUTAYAのレンタルでずっと貸し出し中で、
3週間後くらいでようやく借りることが出来た。

本作、ロードショー時、観にいくことができなかった映画の一つ。

ゾンビ映画なんだけど、かなりギャグってる映画ということで、
メディアの評判もよく注目していたのだ。

しかし、その後「ソーシャル・ネットワーク」を観た私にとっては、
主演のジェシー・アイゼンバーグを見ることが主たる目的となった。

本作は地球上ゾンビだらけになった世界で、
道中知り合ったジェシー・アイゼンバーグら男女22(4人)のロードムービーだ。

ゾンビ映画といえば、ジョージAロメロの作品がまず頭に浮かぶ。
彼の映画と違って、本作は思いのほかゾンビの露出が少なく、
周りの背景がゾンビであって、あくまで主役は4名(人間)にフォーカスされた感じ。

空腹の中、ひたすら日本酒を飲みながら本作を観たのがよかったのか
シラフ以上に楽しく見ることができた。

「リトルミスシャイン」のアビゲイル・ブレスリンが結構大きくなってた。
最近めっきり見ないけど。

ゾンビ狩りの天才役を演じたウディ・ハレルソンは相変わらずウマイ。
見ていて楽しかった。

そしてお目当てのジェシー・アイゼンバーグ。
ソーシャル~と同じ、オタク役だが、その人物像は全く異質。
彼の変幻自在ぶりから、今後の彼の一層の活躍を期待せざる得ない。
今後ラブストーリーとかに出たら、結構彼にはハマると思った。なんとなく。

ゾンビ映画として、もっとゾンビと絡んでほしかった感はあるが、
ジェシーの可能性を見ることができたのでよかった。

【60点】












検証 ヒミツの大阪

2011-03-03 01:10:31 | 日記
今日(日付変わって昨日)また大阪出張だった。
今日は17時半に打ち合わせが終わったため、
23時前に帰宅することができた。

相変わらず遠い大阪。

日帰り出張で、現地での打ち合わせが6時間以上あるので
行ったついでに、どこか寄り道する時間はない。

とはいえ、せっかく大阪に行くのだから何かしようと思い、
ケンミンショーの「ヒミツの大阪」の検証をすることにした。

検証内容は、

「大阪人は揚せんべい『歌舞伎揚げ』を知らない、それは本当か?」

である。

普段書類しか入れないビジネスバッグに、
はみ出し気味になりながらも歌舞伎揚げを東京から持参した。
主張先で相対する大阪のクライアントに提示し、そのリアクションを見る。。。。

検証相手は計6名、6名中6名とも初めて見た!
というリアクション(100%的中)

こっちでは昔から慣れ親しんでいる「歌舞伎揚げ」に対して、

「これなんですか?」
「こんなの初めて見ましたわ~」
「なんだ、味はぼんち揚げやん!」

というケンミンショーとおりのナイスリアクション。

検証先の6名中2名は純粋な大阪人ではなく、
広島、岡山出身の人だった。
どうやら、大阪より西についても「歌舞伎揚げ」は認知されていないらしい。

これ、面白いな。。。

次回の大阪出張は来週木曜だ。
ネタを仕込んでおこう。