2012年下半期、一号となるホームラン映画に出会った。
ベン・アフレック新作の「アルゴ」だ。
今年の8月、仕事で某配給会社に訪問した際に、
「アルゴ、めっちゃ期待してますよ!」と言ったら、
試写会に呼んでもらって、先月に観ることができた。
めちゃくちゃ面白い。。。
「ゴーン・ベイビー・ゴーン」「ザ・タウン」に引き続き、
監督ベン・アフレックにまたもやられた。すごい才能。
彼の監督としての手腕は脂乗りまくりである。
本作は1979年に起こったイランでのアメリカ大使館人質事件で、
取り残された6人のアメリカ人外交官を国外へ救出するCIAの活躍を描いた話だ。
本作の印象を野球で例えると、
ストライクゾーンのど真ん中に投げ込まれる160キロ台の剛速球。
ど真ん中に来ることはわかっているのに打てない。
その鋭く糸を引くような球筋に観客はおろか、バッターすら見とれてしまう。
実話ベースの映画の欠点は結末が見えてしまうことだろう。
なのに、圧巻の冒頭シーンから怒涛のラストまで、
観る側を鷲掴みにして離さない求心力がこの映画にはある。
1980年に起きたイラン革命の熱気、
ハリウッドの華やかで、どこか安っぽい情景、その匂い立つような時代描写と、
生死を分かつ救出作戦下において、それぞれの役割を担う登場人物たちの
鼓動、息遣いをその個性と共に見事に捉えた脚本と演出。
固そうな映画と思いきや、センスのあるユーモアの数々。
試写会上でも何度も笑いが起きた。
手に汗握る展開と、ふっと笑える瞬間。。。
緩急自在というべきか、ベン・アフレックは映画の魅せ方をホント良く知ってる。
本作の人間ドラマで描かれるのは「信頼」だ。
「救出」という一つの目的に向けて
それぞれのキャラが下す決断に胸を打たれ、感動する。
ビッグネームはないけど実力派の演者たちのアンサンブルも見応えアリ。
アラン・アーキンやジョン・グッドマンの曲者ぶりは勿論のこと、
役者としては落第点を押されがちなベン・アフレックも快心の演技。
個人的に一番印象に残ったのはベン・アフレックの上司役を演じたブライアン・クランストン。
派手なパフォーマンスはないが、本作を熱くさせるナイスな助演ぶりだ。
先々週から全米で公開されているが、
本作を観た批評家たちからは熱狂をもって迎えられているようだ。
興行収入も想定外に順調で、1億ドルもイけそうな勢い。
アメリカの映画ファンは良作が分かる。日本と比べてその健全ぶりが羨ましい。
海外サイトの評価を見ると、今年のオスカーにノミネートされるのは確実っぽい。
個人的には作品、監督、助演、脚本あたりと予想。
スリリングでエモーショナル。
今年を代表するサスペンス映画の一本。
ただし、日本のTVスポット(予告編)がショボくて残念。
あれじゃ、客呼べないよ~。
間違いなく面白いのに!
【88点】
ベン・アフレック新作の「アルゴ」だ。
今年の8月、仕事で某配給会社に訪問した際に、
「アルゴ、めっちゃ期待してますよ!」と言ったら、
試写会に呼んでもらって、先月に観ることができた。
めちゃくちゃ面白い。。。
「ゴーン・ベイビー・ゴーン」「ザ・タウン」に引き続き、
監督ベン・アフレックにまたもやられた。すごい才能。
彼の監督としての手腕は脂乗りまくりである。
本作は1979年に起こったイランでのアメリカ大使館人質事件で、
取り残された6人のアメリカ人外交官を国外へ救出するCIAの活躍を描いた話だ。
本作の印象を野球で例えると、
ストライクゾーンのど真ん中に投げ込まれる160キロ台の剛速球。
ど真ん中に来ることはわかっているのに打てない。
その鋭く糸を引くような球筋に観客はおろか、バッターすら見とれてしまう。
実話ベースの映画の欠点は結末が見えてしまうことだろう。
なのに、圧巻の冒頭シーンから怒涛のラストまで、
観る側を鷲掴みにして離さない求心力がこの映画にはある。
1980年に起きたイラン革命の熱気、
ハリウッドの華やかで、どこか安っぽい情景、その匂い立つような時代描写と、
生死を分かつ救出作戦下において、それぞれの役割を担う登場人物たちの
鼓動、息遣いをその個性と共に見事に捉えた脚本と演出。
固そうな映画と思いきや、センスのあるユーモアの数々。
試写会上でも何度も笑いが起きた。
手に汗握る展開と、ふっと笑える瞬間。。。
緩急自在というべきか、ベン・アフレックは映画の魅せ方をホント良く知ってる。
本作の人間ドラマで描かれるのは「信頼」だ。
「救出」という一つの目的に向けて
それぞれのキャラが下す決断に胸を打たれ、感動する。
ビッグネームはないけど実力派の演者たちのアンサンブルも見応えアリ。
アラン・アーキンやジョン・グッドマンの曲者ぶりは勿論のこと、
役者としては落第点を押されがちなベン・アフレックも快心の演技。
個人的に一番印象に残ったのはベン・アフレックの上司役を演じたブライアン・クランストン。
派手なパフォーマンスはないが、本作を熱くさせるナイスな助演ぶりだ。
先々週から全米で公開されているが、
本作を観た批評家たちからは熱狂をもって迎えられているようだ。
興行収入も想定外に順調で、1億ドルもイけそうな勢い。
アメリカの映画ファンは良作が分かる。日本と比べてその健全ぶりが羨ましい。
海外サイトの評価を見ると、今年のオスカーにノミネートされるのは確実っぽい。
個人的には作品、監督、助演、脚本あたりと予想。
スリリングでエモーショナル。
今年を代表するサスペンス映画の一本。
ただし、日本のTVスポット(予告編)がショボくて残念。
あれじゃ、客呼べないよ~。
間違いなく面白いのに!
【88点】