から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

第87回アカデミー賞、勝手に予想 【其の1】

2014-09-30 21:44:30 | 日記
10月に入った。2014年の終了まで残り3ヶ月。
毎年この3ヶ月は、北米における映画ゴールドラッシュタームとなる。
オスカーを狙う、ハイクオリティ作品が立て続けに公開されるからだ。
現に、昨年の作品賞候補9作品はすべて10月~12月に北米で公開されたものだ。

今年も9月までに公開された映画の中で、可能性を感じさせるタイトルは少なく、
当確タイトルは1作品だけだ(「6才のボクが、大人になるまで。」)。

まだ公開されていないタイトルがほとんど。
予想ができない段階ではあるものの、作品賞候補の予想を勝手にしてみる。
上から可能性が高い順。★は確定予想。

 ★「6才のボクが、大人になるまで。」 (監督リチャード・リンクレーター)日本公開11月14日
 ★「Birdman(原題)」(監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
 ★「ゴーン・ガール」(監督デヴィッド・フィンチャー)日本公開12月12日
  「Foxcatcher(原題)」(監督ベネット・ミラー)
  「Theory of Everything(原題)」 (監督ジェームズ・マーシュ)
  「The Imitation Game(原題)」(監督モルテン・ティルドゥム)
  「フューリー」(監督デヴィッド・エアー)日本公開11月
  「Inherent Vice(原題)」(監督ポール・トーマス・アンダーソン)
  「インター・ステラー」(監督クリストファー・ノーラン)日本公開11月22日

<頑張ってほしいタイトル>
  「A Most Violent Year」(監督J・C・チャンダー)

波乱に満ちた一昨年。一気に安定志向に戻った昨年。
今年は昨年に引き続き安定志向な候補になると勝手に予想。

その中で一番の強力タイトルは、やはり「6才のボクが、大人になるまで。」だろう。
作品賞、監督賞、助演男優(イーサン・ホーク)、助演女優(パトリシア・アークエット)など、
主要部門で最多ノミネートが予想される。今までにない映画だしなー。来月観られる♪

また、昨年同様、今年も作品賞と演技賞が同じタイトルに固まると思われる。
なので、演技部門で高い評価を得ているタイトルが、そのまま作品賞にも候補に挙がると思う。

主演男優の最有力と思われるマイケル・キートンの「Birdman」、
その対抗馬として 予想される、スティーブ・カレルの「Foxcatcher」、
実在の人物、ホーキンス博士を演じたエディ・レッドメインの「Theory of Everything」、
実在の天才数学者、チューニングを演じたカンバーバッチの「The Imitation Game」など。

女優が活躍するタイトルが少なすぎる感じもあるが、
結構良いセンをいっているのではないかと。。。

「インター・ステラー」は、かなりの野心作ということで、大スベリする可能性も高い。
現在、最も好きなストーリテラーであるJ・C・チャンダーの新作「A Most~」に期待。

アカデミー賞ノミネート発表は2015年01月15日(木)だ。

アバウト・タイム 【感想】

2014-09-30 08:00:00 | 映画


映画は嗜好品だ。人によって評価が分かれるのは当然のこと。
但し、年に1作くらい、大半の映画ファンの賞賛をかっさらう映画が出てくる。
近年では「最強のふたり」「レミゼ」「きっと、うまくいく」あたりだろうか。
こうした「これは間違いなく感動できるはずだろ?」という映画に限って、
素直な感想として共感できないものが個人的に多く、知人と一緒に見に行っても、
評価が合わず、気まずい雰囲気になることが良くある。

そんな作品群の1つに加わるであろう映画が現れた。
先週末から公開した「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」だ。

以前より飛行機の機内で視聴できていたらしく、
公開前にも関 わらず、多くの絶賛レビューが飛び交っていた。
実際に観に行った劇場でも感動ですすり泣く声が響き渡り、
公開初日のレビューも「今年のベスト!」「人生を変えた!!」など
一様 に絶賛の嵐。どのレビューサイトを覗いてもまず酷評はない。
先週末から公開したばかりだが、映画ファン(批評家は別)の
2014年最高評価は、早くも本作で決まりそうである。

で、自分も期待に胸を膨らませ、公開初日に観に行った。

感動する気満々だったけど、自分は感情移入することに失敗。
非難することが野暮ったい映画なのだけど。。。

物語は、自分の過去に好きなだけ戻ることができるという、
「タイムトラベル」の能力をもった青年が、人生を切り開いていく話。

ラブストーリーであり、家族ドラマだ。
SFドラマであり、ヒューマンドラマだ。

「何気ない普段の生活の中にこそ、大切なものがある」
「今を生きる1分、1秒が、愛おしい時間」


そのメッセージはよく感じられたけど、逆に狙い過ぎていて、
展開が歪になっている。「タイム・トラベル」の後付けルールが良い例だろう。
そもそも、監督がこのテのSFを描くのが不得意なのかもしれない。
その点は、ドラマに十分な引力があれば目をつぶれる範囲なのだけれども、
主軸となる主人公の生き様に共感ができなかったので自分はダメだった。

「冴えない男なのに、用意される展開がなぜか男前」
「タイムトラベルを自己都合(家族含む)のために使い過ぎ」
「結局、タイムトラベルの恩恵を受けただけで終わった」


これは見方によっては「そう見えるかもしれない」という事実だと思う。
自分は本作において、その印象を強く受けてしまった。

主 人公の青年を演じたのは、ドーナル・グリーソン。
赤毛の俳優としては珍しい主役の抜擢。
パッと見、チャームやセクシーさなどは感じられず、どうみても脇役風情。
ここは監督の狙ったキャスティングだと思うのだが、
タイムトラベルを駆使して、自分が思い描く人生を設計する過程に
「器用さ」や「力強さ」を感じてしまう。「巧くやれて羨ましなー」と。
見た目の印象とのギャップから、同情や感情移入といった余地があまりない。
「冴えない男が悪戦苦闘する」というの狙いは外れているように思う。
美女からラブコールを受ける部分も何の伏線もないしな。。。

「恩恵を受けたからこそ、時間が愛おしい」という解釈もあるが、
「後悔があるからこそ、時間が愛おしい 」という描き方の方が響きやすい。
前者の訴求の方が高度であるけれど、本作はそれに成功していない。

失敗、代償があっても、結局、タイムトラベルで修正してしまう。
修正は言い過ぎだとしても、最も最良の形で着地していることは確か。
コメディーであればそれでOK。ただ、本作においてはダメだ。

「もう振り返るまい」と、主人公は中盤から悟りを開くようだが、
それは過去に戻っても回避できない悲劇があれば、だ。
本作の描き方だと、例え主人公が毎日毎日を大切にしていても、
「子どもが交通事故にあった!」と不慮の事故が発生すれば
主人公は迷わずに再び過去に戻るだろう。

そんな違和感を最後まで拭えなかったので、ラストシーンのカットも
「そんなの見せなくてもわかるよ」とうるさく感じてしまったし、
ドーナル・グリーソンが、まったく魅力的に映らなかった。

レイチェル・マクアダムス、ビル・ナイはとても素敵だった。
特にレイチェル・マクアダムスの存在は「アメリ」以来の衝撃だった。
主人公がレイチェル・マクアダムスと出会うシーンで、
前髪パッツンで、キラキラの笑顔が可愛過ぎて、完全に射抜かれた。
本作での彼女の写真集が出たら絶対に欲しい。

なので、中盤以降、物語の軸足が主人公の家族に移って、
彼女の登場シーンが少なくなったのが、個人的に残念だった。
この映画好きな人って「LIFE!」とかも好きなんだろうな。。。

公開初日の劇場。客席の埋まり具合は1割ぐらいで寂しいものだった。
ただ、こ れほどの絶賛の気運はそうないことだ。
口コミ効果による動員数アップは時間の問題であり、
拡大公開&ロングランは確実だと思う。
洋画不況の中にあって嬉しいニュースになるだろう。

【60点】

SUITS/スーツ 【感想】

2014-09-27 08:05:07 | 海外ドラマ


ブレイキングバッドが終了してから、huluの視聴頻度がガクンと落ちた。

他に面白いドラマはないものかと、「フリンジ」、「パーソン・オブ・インタレスト」、
「オーファン・ブラック」などを観てみるが、どうにもしっくり来ない。。。

そんな中、ハマったのが「SUITS/スーツ」だ。
1話完結もののドラマとしては「glee」以来のハマり具合。

全米での人気をひっさげ日本に上陸したものの、
日本ではあまり人気が出てないようだが、何でだろ?

シーズン1の全12話を見終わったので感想を残す。

物語は、NYの一等地に事務所を構える法律事務所が舞台。
無敵の強さを誇り事務所のエースである敏腕弁護士「ハービー」と、
天才的な記憶力を持った新米弁護士「マイク」のバディードラマだ。

このドラマを形容するならば
「スタイリッシュ、クール、痛快」といったところか。
1話完結であれば、後味の良いものに限るということを
このドラマはしっかりわかっている。

弁護士は正義の味方ではない。
法律という武器を用いて、クライアントに降りかかる事件を解決、
あるいはクライアントに有利な道へと導く代理人である(たぶん)。

弁護士ドラマでよくある法廷での舌戦は彼らの仕事の一部に過ぎず、
裁判沙汰にならない事態が多くを占めるというのが実態に近いものだろう。
このドラマを観て、そのことがよくわかるが、
そもそもこのドラマには、ほとんど法廷シーンが出てこない。
これまでの弁護士ドラマにあった「見せ場」を排除しつつも
それでも十分面白いのが本作の底力だろう。

クライアントから相談を持ちかけられた後、彼らが多くの時間を割くのが、
解決に向けた「事実」と「根拠」を調べ上げることだ。その情報量はとても膨大。
時に相手の弱みにつけ込み、相手よりも有利な情報を引き出すことが必須で、
その過程はどこか探偵や、刑事ドラマの捜査官に似ている。

相手の予想をいかに上回ることができるか、その駆け引きにワクワクする。
不必要な説明描写を省略し、視聴者の想像力に委ねることで、
めまぐるしく変わる展開を役40分という短尺で納める。
ドラマ大国アメリカの脚本力はやっぱ凄い。
日本のドラマには追いつけない部分である。

「負けやしない、絶対に勝つ」
ハービーの自信に裏付けされた、歯切れのよいセリフが気持ちよい。
勝利至上主義のハービーに対して、感情的なマイクという構図だ。
弁護士としての生き様に一見違いが見られるコンビだが、
正義感が強く、間違ったことが嫌いという性格はよく似ていて、
偶発的な2人の出会いにも、必然性を感じてしまう。
2人の距離感もよく、ハービーのスパルタ教育に対して、
マイクが全力でぶつかっていく形だ。関係性がドライなのがよい。
時に失敗して、時にハービーの舌をまく結果を出してみせる。
シーズンの中盤から、2人の能力が両輪となって事件が解決されるようになる。
それに歩みを合わせ、2人の信頼関係が醸成されていくのがわかる。

ハービー演じる、ガブリエル・マクトがカッコいい。
スーツが抜群に似合うオーソドックスなハンサムガイだが、
口元の皺がチャームポイントになっていてよい。

ニューヨークのビジネス街を1万ドルのスーツで颯爽と歩き、
軽妙な掛け合いで会話する2人がカッコよく、アメリカへの憧れが増す。
セリフ量が多いドラマなので吹き替えで見るのがちょうどよいかも。

引き続き、huluでシーズン2を見たいが、吹き替え版はまだのようだ。
とりあえず、自分の好きな海外ドラマが1つ増えてよかった。

池袋のハンバーグ

2014-09-24 08:00:00 | グルメ


ハンバーグの美味しい店として、よくメディアに取り上げられている、
池袋の「ウチョウテン(UCHOUTEN)」に行ってきた。

池袋駅から歩いて10分くらい。商業エリアから外れた場所にあった。

お店は外観、内観ともに年季が入っている。薄暗い店内だがすぐ目が慣れる。
ご夫婦で経営しているようで、常連さんと談笑していてアットホームな雰囲気。
なので、自分のようなミーハーな奴は店に入って速効バレる。

ランチ1100円の「黒毛和牛のハンバーグ定食」を頼む。
カウンターから調理の様子は見えないが、注文後のご主人の動きと音で、
フライパンで表面を焼いた後に、オーブンに入れているのがわかった。

10分ほどし て、料理が出てきた。
鉄板ではなくて、ちゃんと白皿に出てきた。これぞ正しい洋食ハンバーグ。
ハンバーグの付け合わせとして多めのキャベツとマカロニサラダが載る。
ご飯は深めの茶碗にみっちり入っている。スープではなく、味噌汁。
ナイフもフォークもなく、お箸のみで食べるようだ。
肩の凝らない洋食屋といったところか。これは嬉しい。

さっそくハンバーグを食べる。
イメージしていた肉汁はまったく出てこない。
肉の旨みを噛みしめるタイプのハンバーグのようだ。

また、オーブンに入れていた割に、ハンバーグがあまり熱くない。
猫舌であり、無駄にアツアツな料理が嫌いなので、ちょうど良かった。

美味しかったのは、肉よりも廻りにかかっている デミグラスソースだ。
取り立てて特徴のあるソースではないが、濃厚で味わい深く、ご飯が進む。
キャベツにソースを絡ませて食べるのも美味しかった。

10分ほどで完食し、すっかりお腹いっぱいになって店を出る。

ハンバーグは間違いなく美味しいと思うが、
正直、メディアに取り上げられるほど美味しいかな??と思った。
ハンバーグという料理自体、美味しさのポテンシャルが高いので、
その分、期待のハードルが上がってしまうというもの。
「この店のハンバーグ美味しいな」ではなく、
「やっぱハンバーグって美味しいな」である。

今度は会社近くの矢沢ミートのハンバーグに行ってみようと思う。

NY心霊捜査官 【感想】

2014-09-23 08:00:00 | 映画


今年入って、まだホラー映画を劇場で観ていないことに気づいた。
で、劇場鑑賞スルーを予定していた「NY心霊捜査官」を観ることにした。
20日でMOVIXが1100円デーということもあり。

アメリカ本国での前評判、および日本での評判もあまり良くなかったので、
期待していなかったが、ホラー映画として普通に楽しめた。

昨今、良くある実話ベースの映画化だ。
NY市警に勤める捜査官が、悪霊による殺人事件に挑んでいく話だ。
事件を解決する手段として、エクソシストが本作でも登場する。

邦題タイトルから察する、ゴーストバスター的な捜査官と思いきや、
主人公はオカルト話など全く信じない現実思考の人間だった。
ただ、自身で気づかないものの霊感 はちゃんと持っていて、
普段の捜査で発揮する「勘の良さ」に繋がっている。
実際にこういう人って結構いそうだ。

心霊現象なんざ眼中になかった人間が、その存在を否定せざるを得なくなり、
道中に出会うエクソシストとともに、悪霊退治に挑む。。。。
その物語のプロットや話の展開にさした新鮮味はないが、
悪霊を退治することで、実際の事件が解決するという、
オカルトとリアルを繋げた点が本作の特異性だったかもしれない。

その繋がりを巧く見せることは、かなり難易度が高いと思う。
そして本作は残念なことにそれに失敗している。もっと練らなきゃダメだ。
特にラストのオチはなかなかの手抜きっぷり。
「そんなところに隠すの??」とツッコミを入れる。

ただ、人を怖がらせるためのイベントムービーとしては及第点だろう。
自分もそのつもりで観ていたので、そんなにガッカリしなかった。
音楽の効果的な使い方、嫌悪感たっぷりのビジュアル、
驚きと恐怖を発動させるタイミングの作り方、などなど、
昨年の「死霊館」等と比べると技量の低さは否めないが、まー普通に怖い。
劇場で、何度も悲鳴を上げるナイスリアクションのおじさんがいて面白かった。

悪霊が主人公が抱える心の闇を明らかにする過程も興味深く、
その伏線の張り方、回収も綺麗にキマっていたと思う。

主人公とエクソシストのバディムービーとして観ることもできるので
続編も作れそうだが、北米でコケたので、たぶんなさそうである。

【65点】

猿の惑星: 新世紀 【感想】

2014-09-20 11:00:00 | 映画


日本における、欧米人観光客の人気スポットに長野の地獄谷温泉が挙げられる。
日本猿が温泉に入っているのを間近で観られるのが良いらしい。また他にも
日本猿に接客させる地方の居酒屋がめっぽう人気だったりするらしい。
欧米人っては猿が好きなんだな。。。。と、映画を観てふと想い出した。

2011年公開の「猿の惑星: 創世記」の続編となる「猿の惑星: 新世紀」を観た。
「ガーディアン~」に引き続き、大当たりの映画だ。180度テイストの違う映画だが。

本作では、前作で人間界と決別した「シーザー」のその後が描かれている。
前作のヒットがあってこその続編なのだろうが、本作の重要性は前作以上に大きい。
本作の理解を深めるために、前日譚として前作が作られたのではないかと思うほどだ。

欧米人が猿を好む理由として「人間に最も近い生物」という親近感が挙げられると思う。
前作より知能を発達させた猿たちは「人間に近い」どころか「人間そのもの」として描かれる。
家族を持ち、仲間を作り、コミュニケーションをもって相手を思いやることができる。
猿たちが形成した社会は、他者との繋がりの中で生きていく 人間社会そのもの。
よって、本作より物語の主軸が、完全に猿たちに移ったことも違和感なく受け入れられ、
猿たちの生き様が、そのまま人間の生き様として映る。人間側のドラマが希薄なのも納得。

登場キャラすべてに対して明確な役割を与えている点や、
どの登場キャラに対しても、善悪を付けないようにしている点など、
脚本が緻密に作られていると共に、共感を勝ち得て進む力強さがある。

本作を通して見えてくるテーマはとても多面的だ。
強者と弱者の力関係を一変させる銃の絶対性。
強いものに群がる集団性。その集団を統率する指導者の資質。
限られた環境の中で住み続ける者同士で、公平性を保つことの難しさ。
戦争が始まる原理と戦争が尽きない原理。
文 明に寄り添い過ぎた人間の弱体性。  ・・・などなど。

決して説明過多ではないのに、観る人、観る気分によって幾通りもの感じ方ができる。
これも人間の想像力に委ねて楽しませる映画の魅力といえるかもしれない。

なお、本作は問題を提議するだけの映画ではない。
スケールやスリルを十分に楽しませるエンタメ映画としてもちゃんと成立している。

前作同様、猿たちはすべてモーションキャプチャー&VFXによって作られているのだが、
その完成度に目を見張る。リアルであることは勿論のこと、
猿たちの1つ1つのアクションに綺麗に演出が施されているのが凄い。
不可避となるクライマックスでのバトルシーンも圧巻で、
戦車を基点にグルッと回り、一連のアクションを捉えたカメ ラワークが見事。
いったい、どれだけ欲張れば気が済むのかと、その充実ぶりに脱帽した。

唯一惜しかったのは、負傷したシーザーとその息子の間で交わされた会話について。
あれを伏線と捉えるのが自然だと思うが、あっさりスルーされてたしまったことか。
そのため、恰好のツッコミどころになってしまう。「シーザー強すぎじゃね?」と。

人間の愛を知るシーザーと、人間の愛を知らないコバとの対比も見事で、
十分なドラマ性を感じさせ、ときに涙腺を刺激する。

シーザーを演じたのは前作に引き続き、アンディー・サーキス。
本作の主演は紛れもなくサーキスであり、そのパフォーマンスは胸を打つ。

アメリカでの前作以上の絶賛ぶりも納得の本作だった。
オスカー候補に挙がることも十分にあり得ると思った。
また、本作においては続編はない方が良いかも。

【80点】

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が苦戦している件。

2014-09-19 09:00:00 | 気になる映画


個人的に、現時点における今年の最高傑作と位置付けた、
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」がスタートダッシュに失敗した模様だ。

一昨日、先週末の興行結果が発表された。
ランキングは下記のとおり。

1位 るろうに剣心 伝説の最期編(初)
2位 STAND BY ME ドラえもん(↓)
3位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(初)
4位 ルパン三世(↓)
5位 舞妓はレディ(初)
6位 ホットロード(↓)
7位 るろうに剣心 京都大火編(↓)
8位 LUCY/ルーシー(↓)
9位 フライト・ゲーム(↓)
10位 思い出のマーニー(↓)

まず「るろうに剣心 伝説の最期編」の特大ヒットスタートに言及する。
初動の公開週末で9億超えを達成。これは前編「京都大火編」の150%にあたり、
昨年夏公開の「風立ちぬ」以来の9億超えという快挙である。
初動の興行結果としては「アナ雪」を抑えて断トツの今年No1だ。

で、「ガーディアンズ~」は?というと、2.2億という結果。
最終で10億に満たなかった「キャプアメ~ウィンター~」(1.9億)以上、
「X-MEN:フューチャー&パスト」(2.7億)以下という結果である。

同日公開スタートにより、「るろうに剣心」に観客を持っていかれた感は否めないが、
「アナ雪」「マレフィセント」と、昨今、立て続けにマーケティングを
成功させてきたディズニーの配給である、失望感は拭えない。
ディズニーといえど、やはり作品次第ということだったか。

周りの知人に本作を薦めたが「抵抗感を感じさせる」と言われた。
その理由を下記にまとめたみた。

・話がなんだかよくわからない
・出演俳優、キャラクター、どちらにも馴染みがない
・CMで前面に出ている、アライグマがパッとしない
・そんなに言うほどレビューサイトの評判が良くない

昨今の洋画の宣伝手法については、事前にどれだけイメージを
ユーザーを植え付けさせるかがポイントになっている。
「どんなイメージの映画か」とわかった上で、安心して観られるといった具合か。
そのあたり、「アナ雪」「マレフィセント」は典型的な成功例といえる。

それに加え「ガーディアンズ~」は、上記よりも 「キャラ押し」を優先した。
「テッド」を意識したのか、アライグマ(「ロケット」)を訴求している。
しかし、その結果「かわいい」「面白そう」という印象は持たれなかったようだ。

マーベル映画は、もはや「アイアンマン」や「スパイダーマン」などの
シリーズものでしかヒットしないのだろうか。マーベル映画に限った話ではないが。

口コミの効果によって、今後の伸びシロも期待できなくはないが、
今週末は「猿の惑星~」が公開されるし、苦戦は続くだろう。残念。

あと、「ガーディアンズ~」のパンフを購入しようと思ったが、
1館目が売り切れ。2館目に廻ってゲットした。(公開2日目の話)

そのパンフのボリュームが素晴らしい。自分のパンフ収集史上No1かもしれない。
「ガーディアンズ~」の魅力を余すところなく載っけてる。
初めてパンフを安いと感じた。

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金 【感想】

2014-09-17 08:00:00 | 映画


準新作がtsutayaで100円だったので見逃していたDVDをいろいろ観る。
その中で一番面白かった映画があったので、感想を残しておく。

「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」。この映画がツボだった。

さっそくBDを購入してしまった。。。

映画は実際にアメリカの西海岸で起きた、筋トレマニア3人組による、
誘拐・強盗事件をベースにしたクライムアクションだ。
ウソのようなホントの話とは、このような事件のことを指すのだろう。
フィクションでも描けないであろう奇想天外な実話の映画化だ。

冒頭、自慢の筋肉を見せびらかすために白のタンクトップを着た、
マークウォルバーグ演じる主人公が疾走するシーンに始まる。
全力で逃げるマークウォルバーグの鼻穴全開ぶりが凄い。目に焼きつく。

映画はその冒頭シーンで感じる、熱、勢い、スピードを保持したまま突っ走る。
その中心にあるのが、後先を考えることのできない単細胞な筋肉バカ3人組である。

「オーシャンズ~」みたいなスマートな犯罪劇とは対極にある犯罪劇だ。
鏡を前にマッチョポーズをとって「どうだ、これが俺様だ!」とイキる。
少し事態が巧く運ぶと「どうだ、俺様はできる!」とこれまたイキる。
勝ち組と勘違いする男たちの行き当たりばったりの犯罪計画だ。当然ウマくいくわけがない。

ほころびで出て、そこからビリビリ破れていく。。。ここまではありがちな映画。
本作に惹かれたのは、バカを燃料に、笑いとアクションで畳みかける痛快劇に仕立てたこと。
アメリカンドリームを半ば皮肉るようなブラックユーモアも加わって、結構な味わいだ。

冒頭のシーンでバッドエンドは予想できる。なのに観終わったあとの後味が悪くない。
これは監督の確信犯的な作りこみによるものだ。

監督は泣く子も黙る天下のマイケル・ベイ。
なのでこの映画、「マイケル・ベイ」というだけで過小評価されているように思う。

いつもの派手な爆破シーンはないものの、撮影ショットの手数に圧倒される。
これがアクションの疾走感に効果的に化けている。撮影技術に長けたベイだからこそ、
低予算、短期間でこれだけの映像が撮れたことは間違いないだろう。
そして、随所に感じるベイのセンスだ。目まぐるしく変わる展開とは裏腹に、
事件の真理を読み解いた結果、彼が導き出した本作に求めるビジョンがブレない。
本作のそれは、大国であり母国でもあるアメリカの実像に迫ったようにも映る。
実際に、事件事態、アメリカじゃなきゃ起こり得ない奇想天外な内容だし。

バカに徹し切った、マーク・ウォールバーグ、ドウェイン・ジョンソン、
アンソニー・マッキーのパフォーマンスが最高に可笑しい。
主役のマーク・ウォールバーグは「テッド」で織り込み済みだったが、
ドウェイン・ジョンソンのコメディセンスが本作では特に冴えている。
教会で賛美歌を朗らかに歌うシーンとか最高に笑えた。凄い美声。

「いつものマイケル・ベイ」が仕掛けたおバカムービーと解釈するには勿体ない。

たぶん、これが無名の若手監督とかが撮った映画だとしたら評価も高かったのでは?

【75点】

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 【感想!】

2014-09-14 11:20:27 | 映画


ついに今年初の100点満点映画が現れた!この映画は2014年の事件だ。

今年の最注目作に位置づけていた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。
期待と不安を一蹴するほどの素晴らしい映画だった。拍手喝采!!!
面白過ぎて、ワクワクが止まらない120分だった。

「スターウォーズ」以来のスペースオペラの金字塔の誕生。

アウトサイダーの5人が、銀河の存亡をかけた戦いに挑む物語だ。

オープニングのタイトルバッグ。主人公が1人ノリノリにダンスする♪笑
拍子抜けするこのシーンが、映画への期待が確信に変わった瞬間だった。
その後の120分は、もうジェットコースターである。

壮大なスケールに、カラフルな銀河のビジュアル。
個性豊かで愛すべきキャラクターたちと共に、
どこまでもドラマチックな冒険活劇の旅に出る。
70~80年代のポップミュージックが銀河に響きわたり、
心憎いまでのロマンスとノスタルジーを感じさせてくれる。
チャーミングで、ブラックで、シュールなユーモアに笑い、
宇宙船や銃器、小道具などのガジェットのデザインに胸が踊り、
決死の覚悟で強大な敵に立ち向かう「ガーディアンチーム」の勇気と、
堅い絆で結ばれることになる彼らの友情に涙する。

この映画の魅力を挙げたらキリがないな。。。

映像化不可能と言われていたマーベルコミックの映画化だ。
それを120%のクオリティで映像化したことだけでも凄いこと。
しかし、本作はそれだけに留まらない。

本作の脚本・監督を務めたジェームズ・ガンに大きな拍手を贈りたい。

「大作映画ですけど、それが何か?」と言わんばかりの、
この肩の抜けようは何だろう??(笑

手抜きではない。凄いの一言に尽きるのだ。
これまで小規模映画を撮り続けてきたジェームズ・ガンだが、本作の監督に大抜擢。
巨大な製作費を前に臆するどころか、「これで好きな映画が撮れるぜ!」と
水を得た魚のように、イキイキとタクトを振るっているようだ。
その演出は大胆であり、不敵だ。類を見ない緩急の使い分けが冴える。

特にクライマックスでの脱力シーンには驚いた。
緊張感を持続させる、これまでの大作アクションの定石をあっさりと捨てる。
「ここで、いきなり笑いを取りに来たかー」と
ニヤリとした直後、怒濤のど迫力シーンに一気に流れ込む。

一言でいえば、大作映画になっても映画を撮るスタンスを変えていないのだ。
これは、ブロックバスタームービーに革命を起こしたと言ってよい。

主人公のピーターを演じたのはクリス・プラット。
主役レベルはもちろんのこと、脇役レベルでも存在感の薄い俳優だ。
本作においても、主役のクリス・プラットにカリスマ性がないことは事実だ。
しかし、彼の抜けきれない芋臭さが本作の主人公にベストマッチしている。
そして、ジェームズガン映画の常連である、「ウォーキングデッド」のメルルこと、
マイケル・ルーカーも、本作のスパイスとして効いていて大いに盛り上げてくれる。

とうてい勝てない強敵に、ガーディアンチームがどう打ち勝つのか、
その過程は、十分な納得感とカタルシスをまとって、痛快そのものだ。

これほどの大傑作を生み出してしまったマーベルスタジオ。
次作の「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」に
大きなプレッシャーになることは間違いないだろう。

見終わったあと、その満足感と幸福感にウキウキして劇場を出る。

あぁ~この感想を書いているうちにまた観たくなってきた。

これだから映画はやめられない。

【100点】

PS 高校生500円キャンペーンは自分が見た劇場ではさほど効果が出ていない模様。
そして、やはり女子率低っ!(笑)。配給のディズニー、苦戦しそう。
マレフィセントの100倍面白いんですけど。。。。

イン・ザ・ヒーロー 【感想】

2014-09-12 07:15:16 | 映画


何かにオマージュを捧げた映画って非難しにくい。

だけど、この映画に関しては別だ。
映画を愛するものとして非難したい。

「イン・ザ・ヒーロー」を観る。

傑作になり得たのに、なり損ねた映画。。。

長年、いつか顔出しで主役を張ることを夢見て、スーツアクターを
演じてきた男が、ハリウッド映画への出演を果たすという話だ。

日本映画にありがちなツッコミどころ満載の乏しい脚本だ。

若手の俳優が1人で、スーツアクターの人たちの輪に飛び込んで、
あそこまで懇意になることはあり得ないだろう。

そこは、ドラマの設定上、目を瞑ったとしても、
「アクション映画をきっかけにアカデミー賞を狙う」と言った、
ハリウッドを舐めたお話や、「実は幼い妹と弟がいるんだ」、
「アカデミー賞のスピーチをしてお母さんを見つける」と言った、
無理くり同情心を煽ろうとする安い背景描写とか、今どきやめてほしい。

これらの福士蒼汰演じる若手俳優にスポットを当てたクダリは脂肪率が高い。
いっそ、俳優志望ではなく、スーツアクター志望の青年として描いた方は良かった。
「映画はいろんな役割を担うプロフェッショナルたちの努力の結晶」という、
映画愛に満ちたメッセージも、その中で十分に訴求できたはずだ。

その一方で、主人公のベテランスーツアクターの生き様はとても見応えがある。
自らを「子どもがそのまま大人になった人間」という永遠のドリーマーだ。
顔の出ることのない裏方の仕事に誇りを持って臨むとともに、
いつか映画の主役を張り「誰かのヒーロー」になれる日を信じている。
「イン・ザ・ヒーロー」(内なる英雄)が彼の生き様に重なって見えてくる。

演じる唐沢寿明が素晴らしい好演を見せる。51歳であの体のキレよ!

命を懸けてスタントに挑む彼らなくして、アクション映画は成立しないということ。
この映画を観た後に「るうろに剣心~」を観ていたら、味わいも変わっていたかも。

しかしながら、この映画に対して許せなかったのは、
主人公がハリウッド映画に出演するきっかけとなる、
アジア系監督のデフォルメを超えた大馬鹿ぶりである。
この映画における映画監督の描き方は失敗であり、映画を侮辱するものだ。

監督の子どもじみたワガママによって作られるほど、映画製作は愚かじゃないはず。
スタッフの命の危険を顧みない映画製作なんて、あり得ないし、観たくもない。
主人公にドラマを与えるための脚色であることはわかるが、発想が貧困過ぎる。
主人公が夢見た向こう側は「馬鹿な監督の独りよがり」って悲惨過ぎるし。

スタッフ同士の信頼、絆の上に映画製作がある、その中心に監督がいるはず。
それがキレイ事であっても、その前提の元に本作を描いてほしかった。

本作を観て、ダーレン・アロノフスキーの「レスラー」に似ているな、と思った。
「レスラー」のような傑作は、現在の日本人監督には作れないのだろうか。

映画製作を裏で支える人たちにスポットを当てたことには意義がある。
但し、映画自体はダメダメ。。。あー勿体ない。

【60点】

ゲーム・オブ・スローンズ 第三章 【感想】

2014-09-10 00:44:48 | 海外ドラマ


待ちに待った「ゲーム・オブ・スローンズ」の第三章がレンタル開始された。

で、全10話を速効観た。
いやー凄いドラマである。

これまでのシーズンの中で文句なしに一番面白い。
それにしても、ドSぶりが止まらないドラマだ。

前章を観てから「ダウントンアビー」「ハウスオブカード」等の海外ドラマに触れて、
正直、ドラマとしての完成度が見劣りする印象を持っていたが、
第3章を観て、その見解を一気に改めることにした。

本章では離散したスターク家を中心に、10のエピソードが同時進行していく。
登場人物の数も大幅に増え、物語はさらに複雑の度合いを増した。
この圧倒的な物語のボリュームに対して、熱量が均等に与えられている印象を持つ。
派手な展開はなかった一方で、脚本に隙がなくなり、格段に洗練されている。
ファンタジーを感じるよりも、ドラマを感じる仕上がりになっている。

物語が膨らんだ分、映像描写も大幅にスケールアップしている。
永遠と続く大群の群れを観て「一体どんだけ製作費をかけてるの?」と思ってしまう。
スケールという点で、このドラマの右に出るドラマは存在しないだろう。

本章で強い印象を残したのは、タイレル家の長女マージョリーと、その祖母である。
無敵のラニスター家と互角に渡り合う程の試合巧者で、
今後、王族の足をすくうのではないかと期待してしまう。
本章ではピーター・ディンクレイジ演じるティリオンよりも効いている。

そして、デナーリス(ターガリエン家)の台頭である。
慈愛をもって、民衆の支持を勝ち取り、勢力を増やす過程は痛快である。
スターク家の復讐、および、王座奪還を応援する反面、
ターガリエン家に国を治めてほしいという想いが強まる。

その一方で、本章でもスターク家を虐めることをやめない。
後半クライマックスのまさかの展開に、かなりのショックを受ける。
もう悔しくて悔しくて堪らない。。。スターク家は挽回してくれるのだろうか。

煮えくり返る想いを抱きながら、このドラマの行く末が気になってしかたない。

来月の10月にスターチャンネルで次の第4章が一挙放送されるとのこと。
「true detective」と「Girls」も同チャンネルで放送が開始される。
月額3000円弱の安くない出費であるが、加入することに決めた。

るろうに剣心 伝説の最期編 【感想】

2014-09-07 11:02:34 | 映画


日本映画がついにアクション映画に目覚めた。

「るろうに剣心 伝説の最期編」を試写で観た。
圧倒された。凄い日本映画だ。

前編からの期待に見事に応えてくれたと思う。
前編よりも後編の本作の方が断然好きだ。

正直なところ、ドラマ部分についてはやや物足りない。
明治維新となり、失われゆく侍魂の悲哀をもっとドラマチックに描いてほしかったし、
政府側によるラストの締め方についても「何を今さら」と違和感が残った。

しかし、それを補って余りあるほどの魅力が本作にはある。

格闘系アクション映画としては、タイ映画「トム・ヤム・クン!」や、
インドネシア映画「ザ・レイド」に匹敵する傑作と言ってよいのではないか。

前編の「京都大火編」よりもアクションのガチ度がアップしている。
前編では、クライマックスで女優たちが果敢にアクションに挑戦するのをみて、
シーンの迫力よりも、サービスカットの匂いが強く出ていた。

しかし、後編の本作では、出演俳優たちの身体能力、そして、
スタントマンたちの身体能力に懸けたアクションが目につく。
「限界のアクションを見せてやろう」という覚悟を感じる。

後編でも、多くのバトルシーンが用意されているが、
お気に入りは前編同様、剣心と宗次郎の一騎打ち(再戦)だ。
船上の形状を生かした秀逸なアクション演出に鳥肌が立った。

物語の軸をヒーロー(剣心)とアンチヒーロー(志々雄)に絞ったことも大きい。
おかげで、よりインパクトの強い人物描写が実現した。特に志々雄だ。

刹那的で道徳心が破綻。危うい妖気を放ち、圧倒的な強さを誇る。
魅力的な悪役がいてこそ面白くなるという、ヒーロー映画の成功例だ。
声と眼力だけで志々雄を体現した藤原達也に拍手。
劇中の名言は「何だ、チミは(お前は)!!」。笑

物語も剣心が志々雄を倒すというシンプルな方向性にしたため、熱中度が上がった。

クライマックスでの壮絶バトルは、「死闘」という名にふさわしい。
かなりの長尺だが「伝説」にするには適切な時間だったと思う。
船の美術セットも素晴らしい。

魅せることを強く意識した演出も良かった。これぞ正しい娯楽作。
海外に持っていっても堂々と見せられる日本製アクション映画の誕生だ。

【75点】

錦織圭が全米OPで決勝に行く件。

2014-09-07 09:00:13 | 日記
日本のスポーツ史上で歴史的快挙が生まれた。

今日の夜中に行われた全米オープンテニスの準決勝、
日本の錦織圭がランキング1位のジョコビッチに勝った。

信じられない。これは物凄い快挙だ。

テニス四大大会の男子シングルスで日本人が決勝戦に行くなんて、
ワールドカップで日本が決勝に行くよりも難しいことだろう。
誰が想像できただろうか。夢のまた夢のような話が現実になってしまった。

前試合に勝利し、ベスト4に入っただけでも号外モノの快挙だった。
96年ぶりの快挙と言われるが、96年前は戦前でテニス人口も少なかった時代だ。
この時点で日本人初の快挙と言えるほどの偉業達成だった。

で、準決勝、ジョコビッチ戦。

錦織が勝てるとは予想しなかった。

現時点の世界ランキングTOP3である、ジョコビッチ、ナダル、フェデラーは、
個人的には以下の4位以降の選手と少し次元の違うレベルだと考えている。

まさか、そのTOPに君臨するジョコビッチに勝てるなんて。。。

ジョコビッチほどの選手であれば、例え調子が悪くてもゲームを立て直す力を持っている。
競技の特性上、テニスという競技ほど選手の実力に依存する競技もないかもしれない。
強い者が必ず勝って、弱い者が必ず負ける競技といえる。

錦織圭は本物の世界トッププレイヤーになったということ。

日本人が優勝するなんて、あり得るのだろうか。
期待すること自体がおこがましいほどの凄い話である。

決勝に行くだけでも十分なので、
錦織には悔いのない試合をしてほしいと思う。

決勝への進出、心からおめでとうございます。



TOKYO TRIBE 【感想】

2014-09-06 12:47:50 | 映画


以前、園子温がTBSの「情熱大陸」に出ていた。
そこで「エログロと言われるが、撮る映画を勝手に固定化されたくない」
と話をしていた。商業映画等、ジャンルを問わず撮りたいとのことらしい。
撮ったことのない映画を撮ることはチャレンジになるだろう。
失敗するリスクも高まる。

園子温の新作「TOKYO TRIBE」を観た。
で、これは失敗作。期待していたので残念だ。

120分に及ぶミュージックビデオだ。とても長い。
「ラップによるミュージカルを撮ることに挑戦した」、
それだけの映画であり、脚本による面白みは皆無。

「俺たちは仲間だ!決起しようぜ!!」みたいなシーンのドン臭さは、
「希望の国」に通じるものがある。園子温の不得意分野と思われる。

1シーン、1シーンを見世物として作っているようだ。
とりあえず、画として魅せたら面白いと思った素材を並べているように見える。
最初だけ真新しさに目を引かれるが、中身がないので次第に飽きてくる。

歌舞伎町に実存するギリギリガールズや、ロボットレストラン等、
出来合いのモノを取り入れている点とか、安易過ぎて興冷めた。

普段、高い演技力を求める役者陣たちに対して、本作においては
賑やかしのための要員に過ぎず、他の誰であっても成立したかのようだ。

楽しみにしていた鈴木亮平のマッチョ姿は最高に可笑しかったが、
同じような体格の素人プロレスラーでも演じられる低い要求レベルで勿体ない。

鈴木亮平にタイマンを張る「カイ」役のYOUNG DAISは明らかに迫力不足。
ラップが巧く、原作キャラに似ているだけでキャスティングされたみたいだ。

ヒロイン役の清野菜名もアクションができて脱げるというだけで、
本作の一発だけで終わってしまう気がする。

救いは竹内力の怪演だ。いちいち白目剥いている。そのイキ顔が楽しい。

とりあえず、退屈でつまらなかった。
園子温という才能の枯渇を感じずにはいられない。
次回はちゃんとしたドラマを撮ってほしい。

【50点】

2014年、年末までの注目映画をまとめた件。

2014-09-05 18:29:04 | 映画
9月に入り、気づけば、今年も4カ月を切った。

年末までに観る予定である注目映画を備忘録としてまとめてみる。
☆は期待値

【9月公開】
9月13日
 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ☆☆☆
 舞妓はレディ
 フランシス・ハ ☆
9月19日
 猿の惑星:新世紀(ライジング) ☆☆
9月20日
 柘榴坂の仇討
9月27日
 アバウト・タイム 愛おしい時間について

【10月公開】
10月4日
 アンダー・ザ・スキン 種の捕食
 蜩ノ記
 FRANK フランク ☆☆
 レッド・ファミリー ☆
10月11日
 ふしぎな岬の物語
10月17日
 誰よりも狙われた男 ☆☆
10月18日
 泣く男 ☆☆
 メアリーと秘密の王国
 まほろ駅前狂騒曲
10月24日
 ヘラクレス ☆
10月25日
 小野寺の弟・小野寺の姉 ☆☆

【11月公開】
11月8日
 嗤う分身 ☆☆
11月14日
 6才のボクが、大人になるまで。 ☆☆☆
11月15日
 紙の月 ☆☆
 ショート・ターム ☆☆☆
11月22日
 インターステラー ☆☆☆
 オオカミは嘘をつく ☆☆
 ザ・レイド GOKUDO ☆
11月29日
 寄生獣 ☆
11月未定
 フューリー ☆☆☆
 西遊記 はじまりのはじまり
 天才スピヴェット

【12月公開】
12月6日
 メビウス
12月12日
 ゴーン・ガール ☆☆
12月13日
 ホビット 決戦のゆくえ ☆☆
12月19日
 ミュータント・タートルズ
12月20日
 ベイマックス

今のところ、今年は11月が当たり月になりそうな予感。

「6才のボクが、大人になるまで。」が来年にならなくて良かった。
最注目作のイニャリトゥの新作「バードマン」はさすがに来年公開かな。。。