から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

2019年(第25回)アメリカ映画俳優組合賞が発表された件。

2019-01-28 23:00:00 | 映画


アカデミー賞の行方を占う上で、最重要の前哨戦となる、アメリカ映画俳優組合賞(SAG)が本日発表された。
今年のアカデミー賞は混戦模様になると思われたが、これでおおよそ見えてきた感じ(作品賞以外)。以下に、結果をまとめてみる。

【主演男優賞】
★ラミ・マレック(ボヘミアン・ラプソディ)(!!)
 クリスチャン・ベール(バイス)
 ブラッドリー・クーパー(アリー スター誕生)
 ヴィゴ・モーテンセン(グリーンブック)
 ジョン・デヴィッド・ワシントン(ブラック・クランズマン)
 
クリスチャン・ベールとの一騎打ちに、ラミ・マレックが勝利。GG賞の外国人記者たちだけでなく、同業からのマレックの評価も本物だった。前哨戦で圧勝していた、イーサン・ホークが外れてしまった今、ラミ・マレックがオスカーの大本命になった。「ボヘミアン~」は先週、日本で100億を越えたが、これでもうヒト伸びしそう。

【主演女優賞】
★グレン・クローズ(天才作家の妻 40年目の真実)
 オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り)
 レディー・ガガ(アリー スター誕生)
 エミリー・ブラント(メリー・ポピンズ リターンズ)
 メリッサ・マッカーシー(Can You Ever Forgive Me?)

オリヴィア・コールマンとの一騎打ちにグレン・クローズが勝利。先週末、「天才作家の妻~」を見たばかりだったので感慨深い。オスカー当確と見てよいだろう。

【助演男優賞】
★マハーシャラ・アリ(グリーンブック)
 リチャード・E・グラント(Can You Ever Forgive Me?)
 ティモシー・シャラメ(ビューティフル・ボーイ)
 アダム・ドライヴァー(ブラック・クランズマン)
 サム・エリオット(アリー スター誕生)

マハーシャラ・アリが2年前の「ムーンライト」以来、2度目の受賞。オスカー受賞もこれで決まりかな。

【助演女優賞】
★エミリー・ブラント(クワイエット・プレイス)
 エイミー・アダムス(バイス)
 マーゴット・ロビー(ふたりの女王 メアリーとエリザベス)
 エマ・ストーン(女王陛下のお気に入り)
 レイチェル・ワイズ(女王陛下のお気に入り)
 
レジーナ・キングが候補から漏れてしまった部門。本命なき候補者のなかで、受賞したのは、エミリー・ブラント。そもそも主演扱いでは?という疑問はさておき、彼女はオスカー候補入りされていないので、逆にレジーナ・キングがオスカーを受賞する可能性がさらに強まったといえる。

【アンサンブル演技賞】
★ブラックパンサー(!!!)
 ブラック・クランズマン
 ボヘミアン・ラプソディ
 アリー スター誕生
 クレイジー・リッチ!

今回最大のサプライズ。オスカーの演技部門に誰一人入っていない「ブラックパンサー」が見事受賞。このケース、初めてじゃないかな。やっぱアメリカ国内におけるブラックパンサーの人気は絶大だった。

アカデミー賞作品賞の混戦予想は変わらず。
今回の結果を見て思ったのは、
・「ブラックパンサー」がめちゃくちゃ愛されている
・「ボヘミアン・ラプソディ」もドラマ映画として、しっかり業界から評価を得ている(批評家との温度差)
・「女王陛下のお気に入り」「アリー スター誕生」は思ったほど、強力なコンテンダーではないかも

残るメインの前哨戦は2月10日に開催される、英国アカデミー賞。アメリカより愛されている「ボヘミアン・ラプソディ」がどれだけ存在感を示すかが、1つの見どころになりそう。

なお、テレビ部門では、主演男優賞(リミテッドドラマ部門)でダレン・クリスが受賞。これで2018年のテレビドラマの個人賞を総ナメしたことになる。「glee」を卒業してからしばらく彼の活躍を見ていなかったので本当にうれしい。このキャリアの成功をきっかけに、再び、いろんな映像作品に出演してほしい。やっぱ、ミュージカルとか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第91回アカデミー賞ノミネーションが発表された件!

2019-01-22 23:29:02 | 映画


仕事に追われ、オスカーノミネーションの発表のタイミングを完全に逸していた。
帰宅後、20分遅れでストリーミング動画を追っかけた。
今回もテキスト情報でしか、発表されなかったので味気なし。(顔写真を載せてほしい!)
ノミネーション結果を以下にまとめてみる。上から発表順。

【作品賞】
ブラック・パンサー(!)
ブラック・クランズマン
ボヘミアン・ラプソティ
女王陛下のお気に入り
グリーンブック
ROMA ローマ(!)
アリー/ スター誕生
バイス

ここの焦点は、「ブラック・パンサー」がアメコミ映画初の候補入りなるか、そして、「ROMA ローマ」が動画配信映画として初の候補入りなるかの2点だったが、どちらも見事に候補入り!前哨戦を見れば、明らかな結果だったが、改めて大きな事件だったと感じる。変化を受け入れようとするアカデミー会員の姿勢が伝わる。あと、「ボヘミアン・ラプソティ」も批評家の悪評を覆し候補入り。嬉しいけど、さすがに意外だった。日本でも、再びBuzzりそう。「ボヘミアン・ラプソティ」は編集賞にも候補入りされていて、やっぱ好きな人はとことん好きなんだよな~。

【監督賞】
スパイク・リー(ブラック・クランズマン)
パヴェウ・パヴリコフスキ(COLD WAR)(!)
ヨルゴス・ランティモス(女王陛下のお気に入り)
アルフォンソ・キュアロン(ROMA ローマ)
アダム・マッケイ(バイス)

ここの焦点は、俳優のブラッドリー・クーパーが初監督作にて候補入りなるか、だったが、候補入りならず。個人的には当然と思える結果だけど。その代わりに、日本公開が決まったばかりの「COLD WAR」のパヴェウ・パヴリコフスキが候補入り。今回最大のサプライズ。この予想、誰もできなかったのではないか。

【主演男優賞】
クリスチャン・ベール(バイス)
ブラッドリー・クーパー(アリー/ スター誕生)
ウィリアム・デフォー(永遠の門 ゴッホの見た未来)
ラミ・マレック(ボヘミアン・ラプソティ)
ヴィゴ・モーテンセン(グリーンブック)

残念!前哨戦を圧倒していた、イーサン・ホークがアウト。やっぱSAGを落としたのが大きいか。他は順当。ラミ・マレックも勢いそのままに候補入り。

【主演女優賞】
ヤリーツァ・アパリシオ(ROMA ローマ)
グレン・クローズ(天才作家の妻 40年目の真実)
オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り)
レディー・ガガ(アリー/ スター誕生)
メリッサ・マッカーシー(Can You Ever Forgive Me)

やっぱ、「ROMA ローマ」は愛されているな。。。昨年のベスト映画だけど、アパリシオは作品の人気に乗っかった印象が否めない。トニ・コレット(ヘレディタリー)が外れたのは残念。

【助演男優賞】
マハーシャラ・アリ(グリーンブック)
アダム・ドライヴァー(ブラック・クランズマン)
サム・エリオット(アリー/ スター誕生)
リチャード・E・グラント(Can You Ever Forgive Me)
サム・ロックウェル(バイス)

サム・ロックウェル以外は順当。ロックウェルの登場時間は少ないと聞いていたけど、やっぱ、演技部門も「芋づる」になる傾向強いな。

【助演女優賞】
エイミーアダムス(バイス)
マリナ・デ・タヴィラ(ROMA ローマ)(!)
レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)
エマ・ストーン(女王陛下のお気に入り)
レイチェル・ワイズ(女王陛下のお気に入り)

「ROMA ローマ」のマリナ・デ・タヴィラが、今回2つ目のサプライズ。確かに彼女の演技は素晴らしく、彼女なしでは、ある意味「ROMA ローマ」という映画は語れなかったと思う。

最多候補入りは「ROMA ローマ」と「女王陛下のお気に入り」でそれぞれ10個ずつ。部門数でいえば「ROMA ローマ」が最多。

ほか、ゴールデングローブ賞同様、日本からは「万引き家族」(外国語映画部門)と「未来のミライ」(アニメ部門)が候補りを果たす。アニメ部門は「スパイダーマン:スパイダーバース」が圧勝すると思うが、「万引き家族」については、「ROMA ローマ」が作品賞にも候補入りされたので、その隙を狙えるかも。あ、でも「COLD WAR」も監督賞にノミネートされてる、受賞はかなり難しくなったか。。。


2018年ベスト映画トップ10

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリード 炎の宿敵 【感想】

2019-01-16 08:00:00 | 映画


まさかこんな形で、珍作「ロッキー4」が救われるなんて。「ロッキー」の精神を正しく継承し、「クリード」らしい重層的なドラマが展開。前作があまりにも素晴らしかったため、早すぎる続編製作と監督交代に不安が先立っていたが、すっかりのめり込んでしまった。枯れたドルフ・ラングレンがカッコよく「ドラゴ親子」に感情移入し、マイケル・B・ジョーダンのダッシュシーンが美しく鳥肌が立ち、互いの人生を賭けて拳を交えるボクシングの美学に酔う。

ロッキーシリーズにおいて、パート5に次ぐ「黒歴史」だったパート4。「アポロ」を殺した「ドラゴ」、そのドラゴを打ち負かした「ロッキー」。筋書きは良かったものの、個人同士の対戦構図が、米露間の調和にすり替わる奇妙な脚本だった。しかし、本作ではこのパート4の出来事が脈々と生きていたという設定で、3人の運命が、息子たちの世代で再び交わることになる。

映画の起点が主人公ではなく、ドラゴの息子ヴィクターから始まる。ボクシングだけでは生活できず、ロシアの凍てつく屋外で肉体労働に勤しむ日々。父1人子1人、傍らには父のドラゴがいて、トレーナーとして息子のボクシングを鍛え上げる。輝かしい栄光を手に入れたロッキーと、転落を人生を歩んできたドラゴ、語らずとも対照的な2人の人生が見えてくる。

映画の主人公はあくまでクリードであり、その立ち居地は本作でも崩れない。前作での敗北以降、連戦連勝、ついにはヘビー級のチャンピオンにまで上り詰める。そのクリードの初の防衛戦で、興行者がドラゴの息子とのマッチメイクを持ちかけ、実現に至る。その結果はさながら歴史は繰り返す。。。ここまで巧く「ロッキー4」が活かされるとは驚きだった。

クリードが再び立ち上がるモチベーションは、父アポロの仇討ちにあらず。かつてアポロがそうだったように、自身も子どもを持つ父親になったことが大きい。ボクサーとして戦い続けることを選んだ人生に、守るべき家族ができた。超えなければならない壁に立ち向かうクリードの決意に、人生の師であるロッキーが再び手を差し伸べる。荒野でのトレーニング風景はまさに「ロッキー」そのものであり、「再誕」のクリードに命を吹き込むマイケル・B・ジョーダンの肉体の仕上がりに圧倒される。

前作に続き、試合シーンの迫力に息を呑む。本作ではヴィクターとの圧倒的な体格差もあって、体重制限なしのヘビー級の怖さが足される。一打一打の重み、それを受けたときの痛み。これほど命がけの競技があるだろうかと何度も反芻する。「世界一孤独な戦場」というロッキーの言葉が印象的で、リング上の2人は己の勝利のために人生を賭ける。不屈の2人に、それぞれが背負う人生が透ける。

欲をいえば、ドラゴ親子の人生をもっと深く掘り下げてほしかった気もする。その一方で、クリードの物語としては本作のバランスが最適だったようにも思える。ドラゴ親子の人生も今後も変わらず続くようなシーンも捉えれていたのは良かった。映画のラストは「ロッキー」からの完全な卒業を匂わせるものだった。続編が製作されるとしたら、もう少し時間をおいて、さらなるクリードの成長を見届けたい。

【70点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019年注目映画 トップ10

2019-01-11 23:06:47 | 映画
2019年も話題作が公開を控えている。備忘録として個人的に注目している映画を10本ピックアップする。なお、昨年海外では公開済みで、まだ日本公開が決まっていないタイトルも含む。上から公開順。()は公開予定日。

ファースト・マン(2/8)

デイミアン・チャゼルの新作。ライアン・ゴズリングと再ダッグを組んだ宇宙飛行士の伝記映画。オスカー候補入りは黄色信号だが、チャゼルファンとしては見逃すことはできない。今回は脚本が別担当という点は気になる。

女王陛下のお気に入り(2/15)

変態監督ヨルゴス・ランティモスが、メジャーで評価された初(?)の映画。予告編を見る限り、かなり異形の時代劇のよう。3人の名女優陣のアンサンブルも楽しみ。

スパイダーマン:スパイダーバース (3/8)

昨年、アメリカの映画ファンに最も愛された映画であり、批評家も絶賛一色。年末に公開されるなり、各賞レースで一気にゴボウ抜き。複数のスパイダーマンが登場する話っぽいが、それ以外の事前情報はシャットアウト中。隣国を含め海外では既に公開済み、日本だけ相変わらず遅い!

キャプテン・マーベル (3/15)

マーベルヒーロー史上最強キャラがいよいよ登場。予告編では自由に飛びまわったり、手からビームを出したり、超サイヤ人になったり、聞きしに勝る戦闘力っぽい。「アベンジャーズ」続編ではどう絡んでくるか。

アベンジャーズ/エンドゲーム (4/26)

見事な成功を収めた前作。広げた大風呂敷をどう収束させるのか。。。そのあたり、製作陣も重々わかっているはずなので、その期待値をどう超えてくれるか楽しみ。「タイムストーン」が鍵を握ると勝手に予想。

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ (5/31)

とにかく予告編の映像が大変なスペクタル。空振りするパターンも大いに考えられるが、あまりにも有名な3体の怪獣を、ハリウッド品質で拝めるだけでありがたや。

ライオン・キング (2019年時期未定)

かつてない無双の1年となるディズニーの2019年(株があったら買いたい!)。数ある話題作のなかでも、最も注目するのは本作。自分がディズニーアニメを初めて知った映画。だけに実写化されることに怖さもあるが、監督は安心のジョン・ファブロー。

Us(2019年時期未定)

「ゲットアウト」の奇跡、再来なるか。ジョーダン・ピール、脚本&監督の長編2作目が3月8日に北米公開予定。なので、公開が遅い日本でも秋くらいまでには公開してくれると期待。今回もホラー映画だが、予告編が既に怖い。

トリプル・フロンティア(2019年時期未定)

Netflixオリジナル作品で今年最も注目している映画。10割バッター監督、J・C・チャンダーの5年ぶりの新作。退役軍人が麻薬カルテルの金を強奪するという話らしい。ベン・アフレックを筆頭に、大好きな俳優陣がキャスティングされている。

American Animals (日本公開未定)

自分と映画の趣味が合う、海外のレビュアーが2018年のベストに上げていた映画。ドキュメンタリーのようなクライムスリラーとのこと。注目する若手男子俳優たちが出演。日本公開が早く決まってほしい。

ほか、オスカー賞レースの一角となる「グリーンブック」(3月1日)や、イーサン・ホークがオスカー前哨戦で各賞を総ナメにしている「First Reformed」(日本公開未定)、巨匠スコセッシがNetflixと手を組んだ「The Irishman」、タランティーノがブラピ×ディカプリオをダブル主演に据えた「Once Upon a Time in Hollywood」(日本公開未定)あたりも気になるところ。日本映画では、昨年、自分を釘付けにさせたTVドラマ「宮本から君へ」の映画化に期待。

映画界では「トイストーリー4」の公開が最も大きな話題になるだろう。個人的には「トイストーリー3」が完璧な幕切れだったので、ネタ切れ感と手堅さを感じてしまう。しっかり観にいくけど。

2019年は映画興行収入が過去最高に達すると予想する。前述のほかに、「コナン」の新作、「名探偵ピカチュウ」、「ワンピース」の新作、「アナ雪」の続編、「おっさんずラブ」の劇場版、「天気の子」、「スターウォーズ」の続編など、どう転んでも大ヒットするタイトルが公開を控えている。多くは東宝とディズニーの映画であり、両者の1人勝ちが今年はさらに加速しそうだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019年(第76回)ゴールデングローブ賞が発表された件。

2019-01-08 23:00:00 | 日記

昨日、ゴールデングローブ賞の授賞式が開催され、各賞が発表された。
外国人記者が投票する特性が顕著に出たようだ。結果をまとめてみる。

<ドラマ部門>

【作品賞】

★ボヘミアン・ラプソディ(ブライアン・シンガー監督)
 アリー スター誕生(ブラッドリー・クーパー監督)
 ビール・ストリートの恋人たち(バリー・ジェンキンス監督)
 ブラック・パンサー(ライアン・クーグラー監督)
 ブラック・クランズマン(スパイク・リー監督)
 
 最大のサプライズ。「ボヘミアン・ラプソディ」が見事に受賞。アメリカ本国よりも海外での評価が高い作品だったが、まさか受賞までするとは。。。いかに、作品が愛されているのかがわかる。ただ、アカデミー賞の作品賞にはさすがに候補入りは難しいかな。

【主演男優賞】
★ラミ・マレック(ボヘミアン・ラプソディ)
 ブラッドリー・クーパー(アリー スター誕生)
 ウィレム・デフォー(At Eternity's Gate)
 ルーカス・ヘッジズ(Boy Erased)
 ジョン・デヴィッド・ワシントン(ブラック・クランズマン)
 
 ここでも「ボヘミアン」旋風。ラミ・マレックの演技は勿論素晴らしく、然るべき評価だと思うのだけれど、以前に海外ドラマ「ミスター・ロボット」で主演男優賞を与えた会員だけあって、自分たちが育てた感も強かったのではないかと察する。

【主演女優賞】
★グレン・クローズ(天才作家の妻 40年目の真実)
 レディー・ガガ(アリー スター誕生)
 ニコール・キッドマン(Destroyer)
 メリッサ・マッカーシー(Can You Ever Forgive Me?)
 ロザムンド・パイク(A Private War)

 ガガの話題性に流れず、グレン・クローズに栄誉を与えた。アカデミー本戦では、オリヴィア・コールマンとの一騎打ちになりそう。

<ミュージカル/コメディ部門>

【作品賞】
★グリーンブック(ピーター・ファレリー監督)
 女王陛下のお気に入り(ヨルゴス・ランティモス監督)
 クレイジー・リッチ!(ジョン・M・チュウ監督)
 Vice(アダム・マッケイ監督)
 メリー・ポピンズ リターンズ(ロブ・マーシャル監督)

 ここは予想通りの結果。アメリカだけでなく、外国人にも「グリーンブック」が響いたのか。日本公開が楽しみ。

【主演男優賞】
★クリスチャン・ベール(バイス)
 ヴィゴ・モーテンセン(グリーンブック)
 リン=マニュエル・ミランダ(メリー・ポピンズ リターンズ)
 ロバート・レッドフォード(The Old Man & the Gun)
 ジョン・C・ライリー(Stan and Ollie)

 作品の評価がイマイチ伸びない「バイス」だが、クリスチャン・ベールの「変身」は圧倒的だったのかな。

【主演女優賞】
★オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り)
 エルシー・フィッシャー(Eighth Grade)
 エミリー・ブラント(メリー・ポピンズ リターンズ)
 シャーリズ・セロン(タリーと私の秘密の時間)
 コンスタンス・ウー(クレイジー・リッチ!)

 ここは順当にオリヴィア・コールマン。

<共通部門>

【監督賞】
★アルフォンソ・キュアロン(ROMA ローマ)
 ピーター・ファレリー(グリーンブック)
 ブラッドリー・クーパー(アリー スター誕生)
 アダム・マッケイ(バイス)
 スパイク・リー(ブラック・クランズマン)

 ここも順当。

【助演男優賞】
★マハーシャラ・アリ(グリーンブック)
 リチャード・E・グラント(Can You Ever Forgive Me?)
 アダム・ドライヴァー(ブラック・クランズマン)
 サム・ロックウェル(Vice)
 ティモシー・シャラメ(Beautiful Boy)
 
 ここも順当にマハーシャラ・アリ。アカデミー本戦では、リチャード・E・グラントとの一騎打ちになりそう。

【助演女優賞】
★レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)
 エマ・ストーン(女王陛下のお気に入り)
 レイチェル・ワイズ(女王陛下のお気に入り)
 エイミー・アダムス(Vice)
 クレア・フォイ(ファースト・マン)
 
 ここも順当。レジーナ・キング、SAGに漏れたサプライズがあったけれど、アカデミー本戦では1人勝ちだろうな。

アカデミー賞の前哨戦と言われるが、GG受賞者が本戦の候補入りから外れるのはよくあることなので、あくまで参考レベルだろう。そのなかで、「ボヘミアン~」のラミ・マレックは、SAGにも候補入りしているのでアカデミー本戦候補入りは安全圏になったと思われる。
また、テレビドラマ部門に関しては、「ジ・アメリカンズ」が初受賞で有終の美を飾り、リミテッド部門ではエミー賞同様、「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」が作品賞と主演男優賞(ダレン・クリス)を受賞し、その強さを見せた。コメディ部門では「コミンスキー・メソッド」が2冠。Netflixファンなのにスルーしていたドラマ、今度見たいと思う。
今年は、AXNで字幕版を放送してくれないらしい。リチャード・マッデンなど、自分が支持していた人が受賞していたので、彼らの受賞スピーチを聞けないのは残念だ。英語ができればな。。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2018年海外ドラマ 勝手に個人賞

2019-01-06 08:00:00 | 海外ドラマ
2018年の海外ドラマのベストに続き、
映画同様、海外ドラマでも個人賞を勝手に決めてみる。


主演男優賞:リチャード・マッデン「ボディガード -守るべきもの-」

「glee」ファンとしては「アメリカンクライム~」のダレン・クリスを推したいところだったが、リチャード・マッデンの迫力は別格だった。恐れ、慄き、怒り、悲しみ、全身の毛穴から発せられる激情の生々しさたるや。「真に迫る」という表現が一番しっくりくる。

主演女優賞:レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」

彼女のパフォーマンスは痛快で最高だった。「ハウス・オブ・カード」での暗い役柄から一転(反動!?)、どこまでもポジティブな女子をエネルギッシュに演じ、観る者を魅了する。50年代ファッションの着こなしもバッチリ。

助演男優賞:エドガー・ラミレス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」

伝説的デザイナー「ヴェルサーチ」。ラテン系でワイルドな役柄の多い彼が、繊細な同性愛者かつ、カリスマ性を帯びる天才を見事に体現。その存在感に犯人の憧れとなった必然性を強く感じさせた。

助演女優賞:パトリシア・クラークソン「KIZU-傷 -」

このドラマでの彼女は「魔女」だった。妖艶で残酷。異常的母性。絡みつくような負の魔力で、文字通りに物語を支配する。

新人俳優賞:ビクトリア・ペドレッティ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」

個性豊かな5人兄弟のなか、末っ子を演じた彼女。唯一「死」を知るキャラクターだったが、その表現力は際立っていた。映画界でも今後活躍しそう。

ベストエピソード:ジ・アメリカンズ シーズン6 エピソード10「START」

ドラマの終着点。すべてに「ケリ」をつけた最終回を、胸が張り裂ける思いで見届ける。「終わり」なのに「始まり(START)」。文句なしの神回。


2018年映画 勝手に個人賞
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2018年ベスト海外ドラマ トップ10

2019-01-05 08:00:00 | 海外ドラマ
2018年は、過去最高数の海外ドラマを見た。大半はNetflix作品であり、同社による2018年のリリースラッシュは凄まじく、影響をもろに受けてしまった。年は明けてしまったが、2017年同様、海外ドラマのベスト10を勝手に決めてみる。映画と違って、どれだけ楽しめたかだけ。

1位 ボディガード -守るべきもの-


警護の”仕事人”たる男の生き様と、裏側に隠された闇。命の危機に直面する人間の反応が生々しく描かれ、密着する人間ドラマも的確で誠実。濃密なスリラーとミステリーにずっと釘付けになる。各話にクライマックスが用意されるサービス精神にも感謝。


2位 ワイルド・ワイルド・カントリー


嘘みたいな本当の話。カルト教団が田舎町をのっとる事件を振り返るドキュメンタリーは、まるで連続ドラマのようで見ると止まらなくなる。当事者たちの過去と現在をシンクロさせる構成が斬新で効果的。彼らに与えたものは何か?感動の余韻と、宗教の真髄を垣間見る。


3位 ナルコス メキシコ編 シーズン1


満を持しての「メキシコ編」は堂々の船出。メキシコカルテルを生んだ男と、DEA(麻薬取締局)の精神的礎を築いた男の運命が交錯。永きに渡る麻薬戦争の歴史教材として、また、ダイナミックな犯罪スリラーとして、さすがの面白さ。


4位 マーベラス・ミセス・メイゼル シーズン1


まだまだ理解できない「スタンダップコメディ」の面白さだが、笑いの本質は、和製の漫才やコントと変わらない。保守的な時代にあって、自立することを選んだ主人公の鮮やかな転身と、場の空気を笑いで一変させる話術に魅せられ、ひたすら痛快。ご機嫌な50年代の音楽と、美しい衣装にアガる。


5位 ジ・アメリカンズ シーズン6


有終の美。納得の結末。アメリカに潜伏し「アメリカンズ」となったスパイ一家の落とし前に、震える。設定は極めて特異だが、中身は普遍的なホームドラマだった。また、強制的に家族となった主人公2人の恋愛ドラマであったことを最後のカットで実感。


6位 スタートレック ディズカバリー シーズン1


SF万歳なドラマ。「宇宙を放浪するクマムシでジャンプ」「パラレルワールドで別人になりすまし」など、知的好奇心を刺激するプロットの数々と、それらを支える緻密な脚本に圧倒される。宇宙モノには珍しい、アフリカ系の女性ヒロインも魅力的。


7位 オレンジ・イズ・ニュー・ブラック シーズン6


シーズン2と並ぶ、傑作のシーズン。喜劇と悲劇がこのドラマの真骨頂。対立する刑務所の勢力図で、正しいことに奔走するキャラクターたち。報われる人生と、報われない人生のコントラスト。次が最終シーズンになるとのこと、楽しみ。


8位 ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス


アメリカでは本作を2018年のベストに上げる人も多く、非常に野心的な作りのホラードラマ。呪われた家に住んでいた5人兄弟の思い出と、大人になった彼らに進行形で及ぼす恐怖。怖さよりも、描き方、見せ方の面白さに唸らされる。幽霊の捉え方は映画「A GHOST STORY」に良く似ていて、家族愛に回帰されるドラマに感動を覚える。双子兄妹の幼少期を演じた子役2人がめちゃくちゃ可愛い。


9位 アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺


犯罪歴史ドラマシリーズの第2弾。暗殺事件の発生を起点として、事件に至った経緯を9話に渡り振り返っていく。「嘘つき」の血統を持った主人公は「特別な人間」であることを信じ、教養と話術で上り詰め、その限界に達したのち、転落していく。暴力の味を知ってしまったが最後、妄想を現実化することに歯止めが利かなくなる。憧れから憎しみへ、恐ろしくて切ない物語が展開。浮上するのは、同性愛に対する時代の罪。「glee」のブレインこと、ダレン・クリスが連続殺人犯の男娼役を熱演。

10位 バリー シーズン1


2018年最も笑ったドラマ。殺し屋として真面目に働く男が、見つけた新たな生きがい。暗殺と演劇のまさかの2足草鞋の生活。2つの生活が互いに影響を及ぼす様が見事。コメディで遊ぶばかりでなく、人殺しの業をシリアスに捉える視点も良い。オープニングのタイトルバックまでの寸劇が秀逸。


次点 「DEUCE シーズン1」

ワースト 「ハウス・オブ・カード シーズン6」

掘り出しもの 「カー・マスターズ ~スクラップがお宝に変わるまで~」
NETFLIXのリアリティ番組。何の気なしに見たのだが、あまりにも面白くてハマってしまった。車を改造し、高値で売り、それで得た資金でまた車を改造し、さらなる高値で売る、これを繰り返し、10万ドルを獲得するまでを追った番組だ。映画「アイアンマン」のパート1で、主人公のトニー・スタークが、洞窟内のガラクタでロボットを作った面白さと似ていて、この番組でも、DIY先進国のアメリカの強さを見せつけられる。できるだけお金をかけずに、あらゆる部品をかき集め、再利用し、新たなコンセプトをもった自動車にリメイクする。車に興味のない自分だが、完成された車の造形がどれもカッコよくてシビれてしまう。なお、あとで調べたら舞台となる改造工場は実在するものの、代表の男を除いて参加メンバーは架空らしい。なるほど、これがアメリカの「リアリティーショー」というやつか。

ほかに見たタイトル(シリーズもの)は以下のとおり。()内はシーズン。
「ツイン・ピークス The Return(1)」「ハンドメイズ・テイル(1)」「ビリオンズ(1)(2)」「ロスト・イン・スペース(1)」「アンという名の少女(2)」「オザークへようこそ(1)」「クィア・アイ(1)(2)」「マニアック」「ジャック・ライアン(1)」「ウエストワールド(1)(2)」「ベター・コール・ソウル(4)」「悪魔城ドラキュラ-キャッスルヴァニア-(2)」「アトランタ(1)」「KIZU―傷―」

2018年は楽しみにしていたシリーズが軒並み期待ハズレだったり、「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終章が2019年に伸びたり、喜べない場面が多かった。しかしその半面、新たに面白いシリーズをいろいろと見つけることもできた。なかでも「マーベラス・ミセス・メイゼル」は想定外の面白さで、引き続き、現在配信中のシーズン2を見ていこうと思う。
もはや、NETFLIXの存在感は自分のなかでは、映画やテレビと並ぶジャンルにまで肥大化していて、オリジナル映画を含めて、今年のNETFLIXのラインナップもかなり大変なことになっている。
昨年の年末、NETFLIXが誇る傑作オムニバスドラマ「ブラック・ミラー」の2時間ドラマが配信されていたので言及する。「ブラック・ミラー: バンダースナッチ」というタイトルで、展開の分岐点で、主人公の行動を視聴者自身が選択して進めていくというインタラクティブドラマだった。途中、別の選択をしても、1方向にしか進めないパターンがあって「意味ないじゃん」と途中で離脱。結果、面白かったのかわからないけど、こうした新しいチャンレンジは歓迎すべきことだ。今回のドラマで多くの課題が見えたと思うので、また面白いコンテンツを作ってくれると信じている。


最後に、海外ドラマと関係ないけど、日本のテレビ番組で印象に残ったドラマとバラエティ番組を残す。

【日本のテレビ番組】

TVドラマ「宮本から君へ」(テレ東)
がむしゃらに全力で生きることのカッコよさ。ビジネスが人間の絆で結ばれていた時代の輝き。主演、池松壮亮の新境地。真利子監督、またテレビドラマを撮ってほしい。

バラエティ番組「かたせ梨乃が進駐軍の前で踊り狂った時代…とマツコ」(日テレ)
エロスではない日本の風俗史を探求、考察した知的バラエティ。攻めた企画と貴重映像の数々に驚愕し、女性への敬意と愛を込めた内容に深く感動。マツコが女性を愛する理由。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする