から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

アメリカ映画俳優組合賞が発表された。

2012-01-30 23:32:14 | 映画
昨日、今年(昨年)のアメリカ映画俳優組合賞が発表された。

来月26日に迫ったアカデミー賞。
アカデミー会員の2割近くを占めるのは俳優たちだ。
そういう意味では本賞はアカデミー賞の結果を占う上で最も重要な賞といえ、、
毎年、本賞の受賞者が高確率でオスカーを勝ち得ている。

で、その結果を振り返る。

◆主演男優賞

  デミアン・ビチル(A Better Life)
  ジョージ・クルーニー(ファミリー・ツリー)
  レオナルド・ディカプリオ(J・エドガー)
 ★ジャン・デュジャルダン(アーティスト)
  ブラッド・ピット(マネーボール)

◆主演女優賞

  グレン・クローズ(アルバート・ノッブス)
 ★ヴィオラ・デイヴィス(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
  メリル・ストリープ(マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙)
  ティルダ・スウィントン(少年は残酷な弓を射る)
  ミシェル・ウィリアムス(マリリン 7日間の恋)

◆助演男優賞

  ケネス・ブラナー(マリリン 7日間の恋)
  アーミー・ハマー(J・エドガー)
  ジョナ・ヒル(マネーボール)
  ニック・ノルティ(Warrior)
 ★クリストファー・プラマー(人生はビギナーズ)

◆助演女優賞

  ベレニス・ベジョ(アーティスト)
  ジェシカ・チャステイン(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
  メリッサ・マッカーシー(Bridesmaids)
  ジャネット・マクティア(アルバート・ノッブス)
 ★オクタヴィア・スペンサー(ヘルプ 心がつなぐストーリー)

◆アンサンブル演技(キャスト)賞

  アーティスト
  Bridesmaids
  ファミリー・ツリー
 ★ヘルプ 心がつなぐストーリー
  ミッドナイト・イン・パリ

主演男優賞。
オスカー最有力と予想していたジョージ・クルーニーが
フランス人俳優ジャン・デュジャルダンにやられた!!
2004年以降ずっと本賞受賞者がオスカーも受賞しているので、
これで一気にジャンが最有力にー! やったね。

主演女優賞。
圧倒的有利とされていたメリル・ストリープが逃したー。
これでオスカーの行方がわからなくなってきたかも。。。

助演男優賞。
クリストファー・プラマー強し。これで念願のオスカー受賞がほぼ確定。

助演女優賞。
ゴールデングローブ賞に引き続き、オクタヴィア・スペンサーが受賞。
クリストファー同様、オスカー受賞がほぼ確定か~。
ジェシカ・チャステイン、ダメか、残念。

最後に、ハリウッド俳優の中では名誉ある賞の一つとされるアンサンブル演技(キャスト)賞。
昨年は大納得の「英国王のスピーチ」だったが、今年は「ヘルプ~」に。
3月末の「ヘルプ~」の日本公開がますます楽しみになってきた。
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第69回ゴールデン・グローブ賞 授賞式の模様を観る。

2012-01-27 00:03:23 | 映画
先週末に放送された第69回ゴールデン・グローブ賞授賞式(録画)を観た。

今年の授賞式は、とても楽しかったので感想を残しておく。

授賞式の番組は、一昨年まで地上波のNHKで放送されていたが、
昨年より専門チャンネルAXNの独占放送になってしまった。

スカパー、ケーブルテレビでない我が家は視聴することができず、
悲しみに昏れていたが、職場でお世話になっている先輩が
自宅で録画できるということで、昨年から先輩が録画し、BDで焼いてくれたものを観ている。
誠にありがたいことだ。

実際の授賞式から、一週間後に日本でその模様が放送されるので、
賞レースの結果はすべてわかってしまっている。

ゴールデン・グローブ賞の見どころはなんといっても、
登場する俳優陣の豊富さと、アットホームな雰囲気による俳優陣の素顔である。

映画部門では、コメディとドラマで部門がわかれているので、
その分ノミネートされている俳優の数が多い。
テレビ(ドラマ)部門でも、ノミネートされている人には映画俳優が多いので、
毎回、お気に入りの俳優の誰かしらが必ず登場してくる。

司会は昨年に引き続き、リッキー・ジャーヴェイス。

昨年は自分のことばかり話して、それが只々うっとうしくて、ホントつまらなかったけど、
今年はドンピシャだった。彼独特の毒舌が吐き倒しながらも、授賞式の流れを壊さず、
大いに楽しませてくれた。彼の俳優いじりのおかげで、会場がアットホームな雰囲気になった。

アカデミー賞の司会のオファーを断ったエディ・マーフィーに対しては、
「あんなにも駄作に出ている彼が断るなんて、よっぽどだ。」とし、
プレゼンターで登場したジョニー・デップに対しては、
昨年、彼が出演した「ツーリスト」をコケにしていたことを話に挙げ、
「ドラッグやってる?ツーリストって映画はまさか見てないよね?」と言い、ジョニデもタジタジ。

以下、俳優ウォッチ。

助演ノミネートのジョナ・ヒル、かなり痩せてた。デブっちょが似合うので戻ってほしい。
共演のブラピとは同テーブルだが、何か距離感がある感じだった。
そんなブラピは例によって、アンジーと仲睦まじい様子。
ブラピとアンジーのツーショットをカメラがやたらとヌく。
アメリカ本国でもやはり彼らは人気ものなのだろう。
プレゼンターとして登場したアンジーはガリガリでちょっと気持ち悪かった。

主演女優賞を取った、メリル・ストリープ。素でビックリしたようで壇上でアワアワしていた。天然!?
キツイ役柄のイメージが強い彼女だが、素顔はとても気さくでチャーミングなオバサンのよう。
他候補に選ばれていた女優陣に対しても一人一人の名前をわざわざ呼び、飾らない言葉で賛辞を送った。
ノミネートされていないジェーン・エアに主演していたミア・ワシコウスカについても、
その好演に対して言及したのは驚いた。決して驕ることなく、一流女優はさすがだな~と思った。

セシル・B・デビル賞のモーガン・フリーマン。
「演技するのが、ただ楽しいだけ。自分はホント幸せものだ。」
シンプルで短い彼のスピーチが印象的だった。
プレゼンターは、黒人俳優の礎を築いたポワチエで、その登場に会場も自分も感動したが、
終始カメラ目線で、決められた台本を読んでいる感じ。老齢なので仕方ないが、ちと残念。

主演男優賞のジョージ・クルーニー。ハリウッドの兄貴と呼ばれる人気ぶりで、
プレゼンターでの登場、受賞時の壇上でのスピーチに会場が大いに湧く。
「ブラッド(ブラピ)に久々に会えて嬉しいよ。彼は今年2本の映画に出ただけでなく
 慈善活動にも積極的だった。僕は君のファンだ」
「今年、ヌード担当はマイケル・ファスペンダーに譲ったよ。彼のイチモツは相当なもので
 こうやって振り回せば(腰を振って)ゴルフでドライバーいらずだね」
締めるところは締め、気取らず、下ネタも辞さないユーモアセンス。かっこいいぜ、クルーニー。

ジョセフ・ゴードン=レヴィットは相変わらず、終始ニコニコ。

ディカプリオ、受賞逃しで、また眉間が深くなる。。。

ナタリー・ポートマン、リッキーのジョークを思いっきりスルー。ああいうの苦手っぽい。

コリン・ファース、足長くて、タキシード姿がやたらカッコよい。
リッキーのジョークにも余裕の返しで、さすがの器用ぶりだ。

ライアン・ゴズリング、2つもノミネートされてたのに、欠席。来てほしかった~。

チャニング・テイタム、マッチョ過ぎて首が太く、アニメチックなシルエットに笑えた。

ポニーテールのルーニー・マーラ。凄まじい輝き。
ソーシャルネットワークでの女の子のイメージから、
洗練された美女に大変身していた。ビビった。
アカデミー賞での彼女の姿を見るのが楽しみだ。

で、今年の感動スピーチは、
作品賞をとったフランス映画「アーティスト」のプロデューサー、のトーマス・ラングマン。

「1965年、ある青年が一つの短編映画を撮りました。彼の願いが届いたのか、
 その映画は海を超え、アカデミー賞を受賞しました。
 しかし、当時の彼には航空券を変えるお金がなくて、オスカーを受け取ることができなかった。
 それは、私の父です。父が亡くなって4年が経ちましたが、
 こうやって今、自分がこの舞台に立てていることが誇らしいのです」

会場が暖かい拍手に包まれ、こっちも思わず涙腺が緩んだ。

しかし、よくよく考えると、オスカー受賞時用のスピーチに取って置いたほうがキマっていたような。。。
勿体ない感じもするが、逆にオスカーをとる自信のなさから、この場で言ってしまおう、ということだったか。

ふう、とにかく今年のゴールデン・グローブ賞は楽しかったな。













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第84回アカデミー賞 ノミネーション発表!!!(泣)

2012-01-25 00:44:31 | 日記
第84回アカデミー賞のノミネーションが日本時間の今宵、発表された。

現在ヤケ酒中である。
明日、きちんと会社に行けるのだろうか。。。

ノミネーションの結果は以下だった。

◆作品賞

 アーティスト
 ファミリー・ツリー 
 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い<サプライズ
 ヘルプ 心がつなぐストーリー
 ヒューゴの不思議な発明
 ミッドナイト・イン・パリ
 マネーボール
 ツリー・オブ・ライフ
 戦火の馬

ダルドリーの新作「ありえないほど~」がノーマークでイン!!
これ、当てた人いないでしょ!?
ダルドリーは今回、監督賞のノミネートから外れ、作品賞でのノミネートとなったが、
これで監督した映画、4作すべてオスカーにノミネートされたことになる。すげぇ。。。
映画みてないから何ともだけど、出来過ぎ。。。
アカデミー会員への裏金疑惑ありか。。。

◆監督賞

 ウッディ・アレン(ミッドナイト・イン・パリ)
 ミシェル・アザナヴィシウス(アーティスト)
 テレンス・マリック(ツリー・オブ・ライフ)<サプライズ
 アレクサンダー・ペイン(ファミリー・ツリー)
 マーティン・スコセッシ(ヒューゴの不思議な発明)

テレンス・マリック、過去のオスカー振り返っても、
アカデミー会員のテレンス好きはわかるけど、
今回の映画(ツリー~)は自慰過ぎないか??個人的にはムリな映画。
アメリカでも賛否が分かれたって聞いたけど、
総じてみれば好評価だったってことか~

◆主演男優賞

 デミアン・ビチル(A Better Life)<サプライズ
 ジョージ・クルーニー(ファミリー・ツリー)
 ジャン・デュジャルダン(アーティスト)
 ゲイリー・オールドマン(裏切りのサーカス)<<会心の一撃
 ブラッド・ピット(マネーボール)

ヤケ酒の理由はココだ。
ライアンゴズリングとファスペンダー、両方ともスルーってどういうことよ!!(憤)
くそ~飲んでやる、くそ~飲んでやる、くそ~飲んでやる、

ライアンの「ドライヴ」は音響効果賞のみ、という無視っぷり。
話が陰惨だから!?ノーカントリーだって陰惨じゃん。。。(面白いけど)

そして、ファスペンダーのスルー!!!!
「シェイム」で前バリなしで、ヤリまくったのに~
前哨戦となる他の各映画賞では、ほぼ全てノミネートされていたと思う。
なぜアカデミー会員は彼を無視したのかーーーー無念。
これで確実に「シェイム」は近くのシネコンでは上映されなくなった。
完全な単館上映になりそうだ、渋谷まで出るのメンドくせーよー。

今年、ゴズリングは他にもラブアゲイン、スーパーチューズデーなど、
ファスペンダーに至っては、Xメン、ジェーン・エア、デンジャラス・メソッドなどなど、
良作での好演、その実力を発揮し大活躍した年だったといえよう。なのになぜ。。。(泣)

デミアン・ビチルは調べたけど、初めて知った。。。
ディカプリオのoutと、ゲイリー・オールドマンのinは予想的中だ。
ブラピは残ったか~。視聴率狙い!?

◆主演女優賞

 グレン・クローズ(アルバート・ノッブス)
 ヴィオラ・デイヴィス(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
 ルーニー・マーラ(ドラゴン・タトゥーの女)
 メリル・ストリープ(マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙)
 ミシェル・ウィリアムス(マリリン 7日間の恋)

結構、予想が外れた。
グレン・クローズ、ルーニー・マーラが順当に残った。
ゴールデン・グローブ賞でルーニー・マーラが一番綺麗だったので、
授賞式のドレス姿が楽しみである。

◆助演男優賞

 ケネス・ブラナー(マリリン 7日間の恋)
 ジョナ・ヒル(マネーボール)
 ニック・ノルティ(Warrior)
 クリストファー・プラマー(人生はビギナーズ)
 マックス・フォン・シドー(ものすごくうるさくて~)<サプライズ

ここも結構、予想が外れた。まず、ニック・ノルティがin。
そして、名脇役マックス・フォン・シドーがin。ドルドリーパワー強しだ。

大ベテランの爺ちゃんたちの中で、若きジョナ・ヒルが残って見事ノミネート!!
コメディ出身のジョナ。これは隠れた快挙だ。
「サイラス」での予感が的中。演技派の道を突き進むか~。(拍手)

◆助演女優賞

 ベレニス・ベジョ(アーティスト)
 ジェシカ・チャステイン(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
 メリッサ・マッカーシー(Bridesmaids)
 ジャネット・マクティア(アルバート・ノッブス)
 オクタヴィア・スペンサー(ヘルプ 心がつなぐストーリー)

ここはほぼ予想通り、希望のキャリー・マリガンはやっぱダメだったか。。。
前哨戦の顔ぶれ通り。

う~とにかく、主演男優の若き2人のスルーが痛すぎる。

こうなったらフランス映画の「アーティスト」で全てかっさらって、
ハリウッドを黙らせてほしい!!


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第84回 アカデミー賞ノミネーション予想

2012-01-23 23:42:46 | 映画
アカデミー賞のノミネーション発表が明日に迫った。

映画を見る上でキャスティングに注目している私にとって、
作品賞よりも俳優への個人賞が気になるところだ。

1年間銀幕を飾った数多くの俳優の中で、
5人という極限られたノミネーション枠に入ること。
それだけで大変な名誉なのだ。

過去の受賞作品を振り返れば、実際オスカーを勝ち得た俳優よりも、
他の候補者のほうがお気に入り度が高い傾向がある。

なので、明日の日本時間夜のノミネーション発表に期待し、
一人盛り上がっているため、勝手に個人俳優賞のノミネーション予想をしてみる。

◆主演男優賞(ノミネ予想)
 ジョージ・クルーニー(ファミリー・ツリー)
 ジャン・デュジャルダン(アーティスト)
 マイケル・ファスベンダー(SHAME シェイム)
 ライアン・ゴズリング(ドライヴ)
 ゲイリー・オールドマン(裏切りのサーカス)

◆主演女優賞(ノミネ予想)
 メリル・ストリープ(マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙)
 ティルダ・スウィントン(少年は残酷な弓を射る)
 ミシェル・ウィリアムス(マリリン 7日間の恋)
 ヴィオラ・デイヴィス(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
 キルスティン・ダンスト(メランコリア)

前哨戦の傾向と希望を合わせた予想。

主演男優ではゴールデン・グローブ賞のドラマ部門にいた、
ブラピとディカプリオをoutして、ゲイリー・オールドマンをinした。
彼が出演している「裏切りのサーカス」は今年私が注目している映画の一本。
レオンでの強烈なイメージはあるものの、演技派と言われながら、
これまで賞レースには無縁であった彼のノミネーションに期待だ。
ライアン・ゴズリングについては「スーパーチューズデイ」ではなく、
「ドライヴ」でのノミネーションにした。彼の狂気っぷりが楽しみな映画だ。

主演女優賞には、カンヌを制したキルスティン・ダンストを入れた。
超ドS男、フォントリアーにしごかれたであろう本作で、
女優として新境地を開いたっぽい。他4名は順当。

◆助演男優賞(ノミネ予想)
 ケネス・ブラナー(マリリン 7日間の恋)
 ジョナ・ヒル(マネーボール)
 クリストファー・プラマー(人生はビギナーズ)
 アルバート・ブルックス(ドライヴ)
 ヴィゴ・モーテンセン(A Dangerous Method)

◆助演女優賞(ノミネ予想)
 ジェシカ・チャステイン(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
 オクタヴィア・スペンサー(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
 ベレニス・ベジョ(アーティスト)
 シャイリーン・ウッドリー(ファミリー・ツリー)
 キャリー・マリガン(ドライヴ)or(SHAME シェイム)

助演男優はゴールデングローブ賞のままで予想。他、誰かいるかな??

助演女優賞は前哨戦で頻出していたメリッサ・マッカーシー(Bridesmaids)をoutして、
大好きなキャリー・マリガンをinした。対象作はドライヴかシェイム。
どちらも批評家から高い評価を得ている映画で、個人的にも非常に期待している映画だ。
腕のある俳優は、腕のある監督、良作に恵まれるということか。

明日、22時半からWOWOWストリーム動画で生中継されるらしい。ありがたい。

それまでに帰宅しなくては。。。
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アリス・クリードの失踪 【感想】

2012-01-22 01:33:21 | 映画
先週、久しぶりにTSUTAYAに行った。

知らぬうちに、劇場公開で見逃してしまっていた映画が結構な量で
DVDレンタルになっていた。当分、レンタルDVDでも楽しめそう。

その中の1つ「アリス・クリードの失踪」を観た。

海外の映画祭で高い評価を受けていた本作。
前評判に違わぬ面白い映画だった。

登場人物は3人のみ。
誘拐されてきた若い女と、
彼女を誘拐してきた2人の男による密室サスペンスだ。

オープニングが秀逸。

2人の男が、無言で黙々と何か準備をしている。
ホームセンターで道具や部品を買って、部屋を改装して、車を改装して。。。

どんな映画か全く知らなかった自分は「いったい何をしているのか」と、
ディテールに至るそのシーンにひたすら想いを廻らした。

のっけから完全に掴まれた格好だ。

その後、その答えが割とあっさり出て、肩透かしを食らうのだが、
3人が揃う密室劇が始めってから、息をも突かせぬ心理戦がラストまで続く。

2人の男が仕組んだ誘拐劇は完璧なものであったはずなのだが、
3人の人間関係(背景)と、僅かな言動の隙間が綻びとなって、どうのこうの・・・・

他に似たような映画も多くあると思うのだが、
同様の展開になった場合、その作戦が単におじゃんになるという流れが多いが、
本作は違う。

上手いこと表現できないのだが、身代金をもらうというゴールはそのままに、
その構造、形が変幻自在に変わっていく感じ。

そしていつしか3人の心の読み合いに、自分もその中に加わっているような感覚に。
その展開を先ヨミするのだが、見事に裏切られていく。

しかし、そこには強引さはなく、あくまでスマートでつっかえることがない。
その展開に裏付けされた伏線がきちんとあるからだ。

本作の監督はJ・ブレイクソンという34歳という若き脚本家。
自らが監督するために長年温めてきた脚本だという。
それは練りに練られたもの。すごいストーリーテラーだ。

また、英国映画ならではのキャスティングで、
観たことある程度の俳優であったが、皆確かな演技力。
緊迫した空気の中、3人の鼓動が音を立てて伝わってくるよう。

3人、小道具、密室、以上。

映画として、こんなにも限られた素材を使っても、
これだけ面白い映画が作れるとは、
ある意味映画の可能性をまた再発見したよう。

J・ブレイクソン、また今後が楽しみな映画監督が一人増えた。

【75点】

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2011年 第85回キネマ旬報ベスト・テン 結果発表

2012-01-17 23:44:17 | 映画
今日、昨年のキネマ旬報ベスト・テンが発表された。

日本アカデミー賞は2流の選定のため、
この賞の方が映画ファンにとっては信用度が高い。

で、その結果。

【個人賞】

 ◆日本映画監督賞

  園子温(冷たい熱帯魚、恋の罪)

 ◆主演女優賞

  永作博美(八日目の蝉)

 ◆主演男優賞
 
  原田芳雄(大鹿村騒動記)

 ◆助演女優賞

  小池栄子(八日目の蝉)

 ◆助演男優賞

  でんでん(冷たい熱帯魚)

 ◆新人女優賞
 
  忽那汐里(少女たちの羅針盤、マイ・バック・ページ)

 ◆新人男優賞

  松坂桃李(アントキノイノチ、他)

 ◆外国映画監督賞
 
  王兵(無言歌)

キネ旬はちゃんと、キワモノ扱いされがちな
園子温映画にもスポットを当てるから嬉しい。
「冷たい熱帯魚」のでんでんは圧倒的得票数ではなかっただろうか。
主演男優でもよかったと思うな。
作品性から日本アカデミー賞からは100%敬遠されるだろうけど。

小池栄子の受賞には拍手。ようやくとったかという印象。
タレント活動を兼ねているにも関わらず群を抜いて巧い人だ。

あと、ブーイング。。
新人男優賞は絶対「奇跡」の前田兄弟だ。
新人男優賞の松阪桃李、新人女優賞の忽那汐里、よくわからない。
対象映画観てるけど、2人の印象はイマイチだった。

【2011年日本映画ベスト・テン】

 1位 一枚のハガキ
 2位 大鹿村騒動記
 3位 冷たい熱帯魚
 4位 まほろ駅前多田便利軒
 5位 八日目の蝉 (蝉の文字は旧字です)
 6位 サウダーヂ
 7位 東京公園
 7位 モテキ
 9位 マイ・バック・ページ
 10位 探偵はBARにいる

ぶっちゃけ、上記あんまり観てない。。
冷たい~、八日目~、モテキ、マイ・バック~くらい。
私的邦画ベエストワンな「冷たい熱帯魚」が上位でよかった。
テレビシリーズとして初のランクインとなった「モテキ」は快挙といえそう。
ドラマサイズな映画だったけど普通に面白かったな~。DVD予約したし。
是枝の「奇跡」が入っていないのが個人的に意外でブーイング。

【2011年外国映画ベスト・テン】

 1位 ゴーストライター
 2位 ソーシャル・ネットワーク
 3位 英国王のスピーチ
 4位 無言歌
 5位 ブラック・スワン
 6位 マネーボール
 7位 トゥルー・グリット
 8位 ヒア アフター
 9位 灼熱の魂
 10位 家族の庭

キネ旬らしいランキング、選考員がオール映画評論家ならでは。
1位のゴーストライターなんて、ホント玄人好みな映画だったし。
あと、今年もさりげなく8位にクリント・イーストウッド作品が。。
日本の映画評論家のイーストウッド贔屓が甚だしい。
「ツリー・オブ・ライフ」が入っていないのが意外だ。
評論家と名乗る人たちは絶対好きそうなのに。

キネ旬の受賞結果を載せた特大号が楽しみだ。





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第69回ゴールデン・グローブ賞 受賞結果。

2012-01-17 00:38:51 | 日記
今年度のゴールデン・グローブ賞が発表された!

結果を振り返ってみる。

<ドラマ部門>
◆作品賞
 
 ★ファミリー・ツリー(アレクサンダー・ペイン監督)
  ヘルプ 心がつなぐストーリー(テイト・テイラー監督)
  ヒューゴの不思議な発明(マーティン・スコセッシ監督)  
  スーパー・チューズデー 正義を売った日(ジョージ・クルーニー監督)
  マネーボール(ベネット・ミラー監督)
  戦火の馬(スティーヴン・スピルバーグ監督)

前評判、予想とおりの「ファミリー・ツリー」の受賞。
内容はありふれた話っぽいのに、そんなに面白いのか。。。

◆主演男優賞

 ★ジョージ・クルーニー(ファミリー・ツリー)
  レオナルド・ディカプリオ(J・エドガー)
  マイケル・ファスベンダー(SHAME シェイム)
  ライアン・ゴズリング(スーパー・チューズデー 正義を売った日)
  ブラッド・ピット(マネーボール)

これまた、前評判、予想とおりのジョージ・クルーニーの受賞。
応援していたファスベンダーとゴズリング、やっぱダメだったか~。
ジョージ・クルーニー、オスカーも堅いか。。。

◆主演女優賞

  グレン・クローズ(アルバート・ノッブス)
  ヴィオラ・デイヴィス(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
  ルーニー・マーラ(ドラゴン・タトゥーの女)
 ★メリル・ストリープ(マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙)
  ティルダ・スウィントン(少年は残酷な弓を射る)

これもまたまた、前評判、予想とおりの結果のメリル・ストリープ。
サッチャー~映画自体は凡作と言われているようだけど、メリル・ストリープがすごいらしい。
ラストキングオブ~のフォレスト・ウィテカー のパターンか。。。
オスカーも堅いな。

<ミュージカル/コメディ部門>

◆作品賞

  50/50 フィフティ・フィフティ(ジョナサン・レヴィン監督)
 ★アーティスト(ミシェル・アザナヴィシウス監督)
  Bridesmaids(ポール・フェイグ監督)
  Midnight in Paris(ウッディ・アレン監督)  
  マリリン 7日間の恋(サイモン・カーティス監督)

希望とおりの結果、外国語映画かつ無声映画で受賞とは痛快。
オスカーレースではファミリー・ツリーと一騎討ちだな。

◆主演男優賞

 ★ジャン・デュジャルダン(アーティスト)
  ブレンダン・グリーソン(The Guard)
  ジョセフ・ゴードン=レヴィット(50/50 フィフティ・フィフティ)
  ライアン・ゴズリング(ラブ・アゲイン)
  オーウェン・ウィルソン(Midnight in Paris)

これまた希望とおりの結果にホっ。
まあこの部門の中では敵なしだったか。
オスカーノミネーションはこの部門からは、おそらくジャン~だけだろう。

◆主演女優賞

  ジョディ・フォスター(おとなのけんか)
  シャーリズ・セロン(ヤング≒アダルト)
  クリステン・ウィグ(Bridesmaids)
 ★ミシェル・ウィリアムス(マリリン 7日間の恋)
  ケイト・ウィンスレット(おとなのけんか)

希望とおり、ミシェル・ウィリアムス。おめでとう!!
オスカーはたぶんメリル~だろうけど。。。

<共通部門>

◆監督賞

  ウッディ・アレン(Midnight in Paris)
  ジョージ・クルーニー(スーパー・チューズデー 正義を売った日)
  ミシェル・アザナヴィシウス(アーティスト)
  アレクサンダー・ペイン(ファミリー・ツリー)
 ★マーティン・スコセッシ(ヒューゴの不思議な発明)

唯一のサプライズ、まさかのスコセッシ!!
スコセッシが描いた初のSFが大絶賛。
ヒューゴ~早く観たいな。。。

◆助演男優賞

  ケネス・ブラナー(マリリン 7日間の恋)
  アルバート・ブルックス(ドライヴ)
  ジョナ・ヒル(マネーボール)
  ヴィゴ・モーテンセン(A Dangerous Method)
 ★クリストファー・プラマー(人生はビギナーズ)

万歳!な結果。
前哨戦総ナメのアルバート・ブルックスの予想は外れたけど。
このままオスカーもプラマー爺さんにとってほしい。

◆助演女優賞

  ベレニス・ベジョ(アーティスト)
  ジェシカ・チャステイン(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
  ジャネット・マクティア(アルバート・ノッブス)
 ★オクタヴィア・スペンサー(ヘルプ 心がつなぐストーリー)
  シャイリーン・ウッドリー(ファミリー・ツリー)

同作のジェシカ・チャステインとの票割れもなんのその、な結果。
ヘルプの予告編見た感じ、オクタヴィア・スペンサーが
ユーモアたっぷりな役ドコロとみた。ヘルプも楽しみである。

授賞式始まる前は混戦と予想されていたが、終わってみれば、
監督賞のスコセッシを除いては、結構テガタい結果となった。

来週の1月24日、いよいよオスカーノミネーション発表だ。
今回のゴールデングローブ賞の結果でおおよそ見えた気がするけど。

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ヒミズ 【感想】

2012-01-14 23:55:11 | 映画
待ちに待ち焦がれた園子温の新作「ヒミズ」を見た。

感動し、打ちひしがれた。

3.11を経験した日本。

これまで人間の心の闇、欲望から派生する絶望を突き詰めた映画の多かった、
園子温だったが、3.11以降「希望を無視できなくなった」とした監督の、
本作で描いたものは「未来への希求」だった。

本作はボート屋の息子である中学男子の住田と、
その住田に恋焦がれる同級生の中学女子、茶沢の青春映画だ。

これは古谷実の原作、そのままの設定っぽいのだが、
主役2人の家庭内での父母から受ける虐待っぷりが悲惨。
「ごめんな、俺、ホントお前いらねーんだよ」と住田を殴り倒す父親。
その父親を演じた光石研、戦慄が走るほどの異常な悪役がハマっていてよい。

中盤での事件をきっかけに絶望の渕から抜け出せなくなる住田と、
そんな住田と共に生きることを唯一の希望とし、
住田と衝突しながらも寄り添おうとする茶沢。
その2人の姿が痛々しく、切ない。

主演を演じた染谷将太、二階堂ふみの名演は日本映画史において事件に近い。
これを目撃することは映画ファンにとっては必須科目といえる。

終盤、2人の想いが重なり合い、未来を語り合うシーンに、
こみ上げるものを抑えきれず。。。
徹頭徹尾、魂を揺さぶる演技とはマサにこのこと。
2人ともまだ若いのにホントすごいわ。。。
大いなる感動を与えてくれた2人、そして2人をオーディションのうえ、
起用した園子温に大きな拍手を贈りたい。

ニュースにもなったが、本作での演技が評価され、
2人はヴェネチア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した。
同賞は過去に、自分の好きなガエル・ガルシア・ベルナルや
ジェニファー・ローレンスらが受賞するなど、
結構名誉ある賞なので非常に嬉しい。

これから大きな飛躍を遂げるであろう2人の「若き日」となった本作。
そのパンフレットは結構な完成度で、彼らのみずみずしい演技風景も
余すところなく収められていて、永久保存版な一品だ。

住田の絶望と、震災という出来事をリンクさせた脚本、演出も秀逸。
映画という普遍的な映像世界に被災地の風景を
勇気と誠意をもってきちんと取り込んだ園子温はエラい。

今日は公開初日とあってか、満席に近い盛況ぶりだった。
これまで単館扱いが多かった園子温映画にあって、今回の配給は大手のギャガ。
近くのmovixとユナイテッドシネマの両方で上映されている。
リアルな暴力描写、家庭内の絞首刑台などの飛躍した描写、等々
園子温ワールドも健在であるため、万人の評価を得ることはまだ難しいかもしれないが、
彼のファンとしては配給を強化されることで観られる映画館が増えることは実に嬉しいことだ。

物語のラストは、自分の想いが届いたような展開になってホントよかった。

表層的で嘘っぽい「ガンバレ」という言葉。
ココまで真に響いたのは久しぶりだった。

【85点】
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フライトナイト/恐怖の夜 【感想】

2012-01-14 00:27:04 | 映画
年が明けて、3週間ぶりくらいに映画館に行った。

このブログをいじるのもかなり久しぶり。

で、新年一発目に選んだのは、
ヴァンパイアホラーの「フライトナイト」だ。

話はシンプル。
アントン・イェルチン演じる高校生と、
隣の家に越してきたコリン・ファレル演じる吸血鬼との戦いを描いたものだ。

隣人(人間)として生活していた吸血鬼が、
周囲にその存在がバレるのが実にあっけない。
「展開が安直過ぎるな。。。」とボヤキつつも、
中盤から繰り出される緊迫のアクションの連続に、
余計な意識は吹っ飛び、ハラハラドキドキな感じで楽しめた。

「フロムダスクティルドーン」や「30デイズ・ナイト」など、
迫り来る吸血鬼たちと対決する、このテの映画が大好物だ。

ゾンビよりも吸血鬼。
吸血鬼には知性がある分、攻め方もスマートだったりするし、
噛み付いた相手が吸血鬼になるという連鎖も楽しい。

しかし、本作のお目当ては自分の好きなネタというだけではなく、
久々登場のコリン・ファレルだった。
確実に巧い俳優ながら、最近パッとしない。
眉毛がやたらとぶっとい個性的な顔立ちなので、監督が使いづらいのだろうか。。。

そんなコリン・ファレルが本作で演じた吸血鬼はガチで怖かった。
ユーモア要素はほぼなく、ひたすら悪い奴。そしてエロい。
コリン・ファレル独特の色気が嫌味にならないので、エロくてもOKだ。
主役の男子高生のガールフレンド(やたら美人)を奪ったのち
体をクネクネさせながらのディープキスは、観ているこっちがムラムラするほどだ。
役柄なりの大胆な演技は勿論のこと、細かい仕草なども織り交ぜ、
演技派が演じるモンスターってこうなるんだなと感心する。

主役のアントン・イェルチンはまだ青い印象。
冴えない高校生という設定にはピッタリなのだが、
美人で積極的なガールフレンドとのミスマッチにやや嫉妬する。
ラブシーンで脱いだ身体は筋肉質。しっかり仕上げてきたようだ。
彼の新作「Like Crazy」がめちゃくちゃ楽しみだ。
予告編を見る限り、若ハゲのようだけど。。。

ホラーとしての驚かしも充実し、スプラッターも多分にあり。

男子高校生に加勢するヴァンパイア・ハンターに
もっと厚みを持たせたほうがカッコよい映画になったかも。

【60点】








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