から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

インサイド・ヘッド 【気になる映画】

2015-06-26 09:00:00 | 気になる映画


今年は、ハリウッドがいろいろとアツい。
日本でも公開中の「マッドマックス~」が、空前絶後の絶賛を受けたと思えば、現在アメリカで公開中である「ジュラシック・ワールド」が歴史的な特大ヒットを飛ばしている。そして、先週末より公開されたピクサー映画「インサイド・ヘッド」が、これまた大変なことになっている。

映画の中身は、とある少女の心の中に住む、5つの感情「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」が、ハプニングに見舞われ大冒険を繰り広げる話らしい。興奮と感動で涙が止まらない映画のようで、レビューを見ると、2010年の「トイ・ストーリー3」の熱量に似ている。かつて映画界の絶対王者であったピクサースタジオだったが、「トイ・ストーリー3」以降、「カーズ2」、「メリダ~」、「モンスター~」と、どれもパッとない作品をリリースし、その座は現在、ディズニーアニメに取って代わられた(同じ資本だけど)。「ピクサースタジオといえど、続編に頼らざるを得ないか」という印象が強まっていたなか、堂々の完全オリジナル作品としてリリースされた。これが大成功。その圧倒的な出来栄えに「お帰りなさい!ピクサー!!!」など、その復活を高らかに謳うレビューが目立つ。

こうした、批評家たちからの前評判が功を奏したのか、興行収入はオープニングで9000万ドルを稼ぎ出した。これは、ピクサー映画史上2位の記録。凄い。不幸にも「ジュラシック・ワールド」が異常なヒットを継続しているため、ピクサ ー映画として初の2位発進となったが、これは大変な快挙といえる。RottenTomatoのレビューを見ても、その絶賛ぶりは凄まじく、98%のフレッシュを獲得(かつてのピクサーの平均レベル)、オーディエンスでも90%の支持を超えている。

日本での公開は7月18日。あと3週間後だ。日本でも今年の夏映画の中で最大ヒットになる予感。非常に楽しみだ。
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グローリー/明日への行進 【感想】

2015-06-25 09:00:00 | 映画


アメリカの汚点といえる歴史。その1つが、黒人を中心とした有色人種への差別だ。その問題を扱った映画は過去にも多く作られているが、キング牧師を主人公に据えた映画は、意外にも本作が初めてだという。
また、昨年のアメリカ国内で最高レビューを獲得したのは、おそらく本作(原題「Selma」)だと思われる。アカデミー賞における2部門のみのノミネートは、アカデミー会員へのスクリーナー(試写用DVD)配布に失敗したことが原因。キング牧師の初の映画化&アメリカでの圧倒的評価。その期待値に違わぬ傑作だった。とりわけ、当たり外れの多い伝記映画としては本作は間違いなく「当たり」だ。

物語はキング牧師がノーベル平和賞を受賞するところから始まる。不勉強な自分は、彼の公民権運動の成果(結果)が受賞理由だと思っていたのだが、この時点では、まだ公民権運動の最中であり、彼の目指すゴールまでの道のりは遠い段階。なので、彼が世界的に名誉あるノーベル賞を受賞した後も、国内に戻れば、差別主義者たちからの風あたりは強いままだ。「キング牧師~♪」と親しげに握手を求めてきた白人が、いきなり彼の顔面を殴打する。正義は明らかにキング牧師にあるのだが、それを理解せず、なおかつ世界的に評価されたことに腹を立てて、黒人へのさらなる憎悪を膨らます差別主義者たち。不条理極まりない光景が、当たり前のように存在した時代がアメリカにはあった。

キング牧師のみならず、黒人たちに否応なく向けられる差別と暴力。しかし、キング牧師が掲げるのは「報復」ではなく「非暴力」だ。それは、彼が神の使いである牧師であることと無関係ではないのだが、それよりも、憎しみの連鎖からは何も生まれないことを熟知していることに由来する。憎むべきは個人ではなく、その価値観を生む社会であり、それを正当化する立法、政府にある。本作で描かれるのは、その政府(国)を相手に、キング牧師が公民権法制定に向けた交渉と、多くの画策に奔走する姿だ。

「高潔の人」というイメージが強いキング牧師は、理想主義者ではなく現実主義者として描かれる。おそらく、本作で描かれるその人物像が実態に近いのだろう。非暴力による抗議活動はすべて「公民権法」の実現という目標のためにある。もっというと、その実現に向けた最短の近道として 、「非暴力」という手段をとった。劇中で描かれる大統領との駆け引きについては、多少の脚色を感じるが、彼の強い信念と突破力を再現するには適切な描写であったと思う。
また、キング牧師は試合巧者として、したたかな一面もみせる。メディアの力を利用し、「『ドラマ』を見せることが世論を動かす」と言い放つ。キング牧師がどこまで望んだ形なのかはわからないが、その最大のドラマとなるのが「血の日曜日事件」だ。テレビを通して映し出された多くの痛みと犠牲は、結果として、人種の壁を超えて世論を一気に動かすことになる。多くの血が流れた事件の凄惨さと、それをきっかけに世界が大きく変わる瞬間を、スクリーンを通して目の当たりにし、感情が大きく揺さぶられる。

当然ながら、そのムーブメントはキング牧師、一人の力によるものではない。彼と意見を戦わせ、ときに彼を鼓舞する仲間たちの存在が大きく、彼の家族や活動を共にする牧師たちとの絆もしっかりと描かれる。一個人としてのイメージしかなかったキング牧師の知られざる背景は、映画に強い説得力をもたらす。彼の公民権運動の代償として支払われる仲間たちの犠牲は、キング牧師を自責の念に追い込む。理想と現実の狭間で揺れ動くリーダー像は、とても普遍的な姿として映る。

キング牧師を演じたのは、デヴィッド・オイェロウォ。舌を噛みそうで覚えられない名前はさておき、歴史上誰もが知る偉大な人物を初めて演じることに、並々ならぬ想いがあっただろう。体重を増量するなど体型の役作りは勿論のこと、キング牧師の代名詞である演説シーンは圧巻の迫力だ。かの有名な演説シーンは出てこないものの、何度も鳥肌が立つほど素晴らしかった。その一方で、家庭や仲間など、守るべき者を持つ、いち個人の葛藤と苦悩を繊細に体現する。そのほか、ティム・ロス演じる差別主義を地でいく市長のヒールっぷりが、見事なほどに憎たらしく、物語にコントラストを与えた。

今もなお、アメリカ発で、白人による黒人の射殺事件がニュースに流れる。
キング牧師たちが多くの犠牲を払って、勝ち取った権利と差別の撤廃は、今に繋がる未来のための礎だったはずだ。

【75点】
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天才スピヴェット 【感想】

2015-06-24 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
その発明により権威ある科学賞を受賞した10歳の天才少年が、その授賞式の出席のために、たった一人でアメリカを縦断する話。子どもの可能性や、ロードムービーでの成長をみせる内容かと思いきや、家族愛を語ったホームドラマ。監督のジュネにとって扱いなれないテーマかと思えたが、なかなか後味のよい快作だった。
天才少年ゆえの、発想、世界の見え方が可愛くてユニーク。そして少々の毒ッ気あり。次々に繰り出される想像力豊かな描写は「アメリ」を彷彿とさせる。少年の旅は家出同然であり、亡き弟への悲しみを引きずる。小さな体には酷にも見える大き過ぎるスーツケースを一緒に持ってくれる大人はいない。それどころか、少年の旅路を阻もうと、大人たちが追いかけ回す。少年は可愛いのに、下手に甘やかされないのが良い。可愛さ余って抱きしめようものなら、肋骨が折れているので「痛い!!」(笑)。
それにしてもアメリカは広い(カナダ?)。車窓からの雄大な景色を見送る日々は、まさに少年の心の旅といったところ。少年が行き着いた先に待ち受けるのは「家族の再生」というゴールだ。
主人公演じた男の子は実際に何カ国語も話せるガチな天才とのこと。なるほどー。

【65点】
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日々ロック 【感想】

2015-06-23 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
「ロック」とは何か?「日々ロック」というタイトルからイメージする、生き方としての「ロック」ではなく、音楽の1ジャンルとして「ロック」にまとめられる。では音楽としての「ロック」の魅力は何か?この映画は、それすらも触れてくれない。「ロックの力」は、喚き散らすことではなく、馬鹿を突き通すだけでもない。物語は、ミュージシャンとして成功を夢見る若者が挫折を経験するという話で、物語もありきたりであれば、音楽パフォーマンスも平凡。二階堂ふみの歌唱シーンも新鮮に映っただけでハイライトにはならない。
二階堂ふみ演じるアイドル(?)が、ロックに憧れる理由は明らかになるが、主人公たちの音楽に感化される動機づけは弱い。そもそも、ロックと、ビジュアル系音楽、ポップミュージックを、いとも簡単に同じ土俵に並べることにセンスの悪さを感じる。主人公の挙動不審、過剰なピエロっぷりはコメディを狙ってか。あの意味のわからない空回りっぷりをロックというのであれば呆れる。

【40点】
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激戦 ハート・オブ・ファイト 【感想】

2015-06-22 09:00:00 | 映画


総合格闘技を通じて、己の誇りを取り戻そうとする2人の男を描く。久々の香港映画。
八百長で人生を棒に振った元ボクシング王者の中年男と、破産して酒浸りになる父を立ち直らせようと、賞金目当てに総合格闘技に挑む青年。まず、彼らを演じた2人の体の仕上がりが素晴らしい。人生を賭けた決意に、みるみるうちに体が絞り上がっていく過程は、ライザップも真っ青。彼らの役者魂とともに、肉体の昇華は精神力によりもたらされるという事実に勇気をもらう。やはり男子たるもの身も心もマッチョでありたい。
主人公たちの決意の裏にあるドラマパートは、自分がもつ香港映画のイメージにはないもので、シリアスの割合に対してユーモアが多めの印象だ。そこで大きな役割を果たすのが子役の存在。天才子役は万国共通らしい。よくあるパターンとはいえ、主人公の動機付けとしては十分。さー試合だ!と勢いづきたいところだが、そうはならず。試合までのトレーニングのBGMが感傷的なチョイスだったり、どの試合がクライマックスなのか、わかりにくい構成だったり、「引き分け」で勝利など、シンプルに熱くなりたい自分にはミスマッチだった。
格闘シーンは大いに沸く。寝技が含まれる総合格闘技は、映画と相性が悪いと思えたが、見事なアクション演出とカメラワークで、スピード感を失わず、シーンの迫力を伝える。
ラストのほんわかした空気はよくわからず。

【60点】
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マッドマックス 怒りのデス・ロード 【感想!!!!】

2015-06-18 09:00:00 | 映画


熱狂、熱狂、熱狂。アドレナリンで血潮が沸騰する。
最上級の賛辞として贈りたい言葉は「この映画、狂ってるッ!!!」

フラフラになった。観終わって1ヶ月ほど経って、「あの体験は何だったのか」と未だに余韻が反芻する。
アクション映画、ここに極まる。凄まじい没入感とライブ感。本作によってその可能性と限界がまた1つ引き伸ばされた。映像の力だけではない。映画の完成度という点においても、突き抜けている。先に公開された北米での未曾有の絶賛ぶりの理由がよくわかった。本作において、おそらくこれ以上の映画は作り出せないはずだからだ。

あらゆる意味で規格外だ。この映画は2015年の事件であり、アクション映画史は、本作を境に前と後で分かれるのではないか。

「汚い?醜い?観たくない奴は観なきゃ良い」、そんなメッセージが画面からほとばしるようだ。生理的嫌悪もなんのその。観客に媚びることはしない。映画はあくまで嗜好品だ。映画ビジネスという観点においては、その嗜好の最大公約数を取ることが「ヒット」という成功に結びつく。それは、一人でも多くの人に受け入れられる作品作り。日本で現在大ヒット中の「シンデレラ」はまさにその典型といえるだろう。美しいもので散りばめた眼福感は観客を夢の世界へと誘い、善意、希望といったテーマを掲げ、「感動した♪」と観客の共感をさらう。「シンデレラ」も自分は傑作だと思うが、観客へのアプローチは容易だ。

その対極にあるのが本作。希望なき世界には狂気が渦巻いている。自身が生き延びるために限られた資源を奪い合う。思いやり、助け合いといった善意は過去の遺物だ。そこに生きる人たちは、皮膚病を患ったり、何かしら四肢がなかったり、健常者なみの外形を維持している者は少ない。残酷な描写も含め、「気持ち悪い」と思う人も少なくないだろう。しかし、その荒廃の世界には、核によって全てが奪われた現実が確かに息づいている。監督のジョージ・ミラーは、その世界観の臭気を画面の隅々までに行き渡らせる。とても強烈。そしてマッドな世界に飲み込まれる。

狂気の世界で人間たちが拠り所にするものがある。本作のそれは、神のように崇拝される狂信的なリーダーだ。その男は民に施しを与える救済者の顔を持つが、その実像は紛れもない支配者。自由を求め、支配者から逃れようとする愛人(妻?)の女たち、彼女たちを連れ戻そうと追いかける支配者と、その男のためなら命を投げ出すことも厭わない配下たち。そして、その抗争に巻き込まれる主人公のマックス。追いかけ、追いかけられ、衝突する。極端にいうとストーリーはそれだけだ。しかし、文句なしに面白い。

そのバトルの主戦場は広大な砂漠と乾いた岸壁だ。大地のイエローと空のブルーのコントラストが眩しい。そこに放たれるのは玩具のように改造された大小の戦車たち。形状は歪で、1つとして同じものがない。共通するのは、ジェットエンジンを積んだようなスピード仕様であること。巨大なタンク車から、小さいミニカーまでありえないスピードで爆走する。しかもブレーキ知らず。激突は必至 。 重金属のクラッシュと、立ち上る爆炎は、荒涼の地で舞い上がる花火だろうか。徹底した実物主義によってもたらされる映像の力に圧倒される。それは、ワイスピを初めとする、これまでの同系アクション映画とは別次元のレベルにある。

カーアクションだけではない。猛スピードで走る車上で、壮絶な肉弾バトルが繰り広げられる。誰がどのタイミングで逝ってしまうのかわからない。生と死が表裏にある緊張感が持続する。そして、多彩なカメラワークと演出により、アクションが縦横無尽に変化し続ける。この波状攻撃が凄い。ガチンコなアクションの中にも多くのファンタジーが挟まれる。とりわけ音楽の使い方が秀逸。劇中鳴り止まない大音量のヘビメタはBGMだけでなく、劇中の演奏パフォーマンスからも発せられる。アクションと音楽のオーケストラだ。

ジョージ・ミラーは溢れ出るイマジネーションを抑えることができなかったか。もはや芸術。映画というキャンパスにミラーの狂気が炸裂する。

主人公のマックスを演じるトム・ハーディは勿論カッコいい。 ニコラス・ホルトのキレっぷりと哀愁も素晴らしい。しかし、何といってもシャーリーズ・セロンの存在感が光る。カリスマ性を放つ隻腕の女戦士「フュリオサ」を演じる。幼少期に遡る過去の闇、かつての主君であった支配者への怒りと復讐心、望郷と絶望。クライマックスのシーンがカッコ良すぎて鳥肌が立った。彼女の肉体改造と体当たりなアクションに留まらない、確かな演技力がキャラクターに一層の深みを与えた。公開時期が早いので難しいと思うが、オスカーの助演女優賞に是非とも候補入りしてもらいたい。マックスとフュリオサの絆の描き方も素晴らしく、完全にヤラれた。

本作は30年前の同作シリーズのリメイクだ。自分はオリジナルのファンではない。世界観はそのまま踏襲しているものの 、オリジナルで感じたチープさはなく、全く新たな映画として再誕した印象だ。しかし、結末を見届けて「おぉ~やっぱり『マッドマックス』なんだー」と思った。それは主人公マックスの位置づけにあり、感動の結末を迎える。

ジョージ・ミラーに万歳。映画に万歳。
これだから映画はやめらんない。

【120点】

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海街diary 【感想】

2015-06-14 13:29:58 | 映画


その日を境に、可愛い妹ができた。優しいお姉ちゃんができた。「そして父になる」の次は「そして家族になる」。

待望の是枝監督の新作は、親と子という家族の原点から遠ざかり、自活する女子たちで形成された家族の姿を描く。

かつて家族を捨てた父親。母親とも別れ、残された3人姉妹。彼女たちは社会人となり、仕事に恋に大忙しの女盛りを迎えている。そんなある日、父親の死をきっかけに腹違いの妹と出会う。彼女たちは4人姉妹として新しい家族になることを決める。腹違いの妹はいわば「家族を壊した愛人の子」。しかし、健気で思いやりのある腹違いの妹を見て、3人姉妹は迷わずその子を引き取りたいと思う。中学生という多感な時期に取り残された妹を、不憫に思う同情心があっただろう。しかし、それ以上に、父親から同じ血をひいた「妹」(家族)と感じたからではないか。「よく見れば私たちと似ているじゃない」。ロクでなしの父親は宝物を残してくれた。愛おしい家族が増えた喜びは、鎌倉の美しい四季のなかで日々増していく。

映画を観ている最中に何度も思う、「女の子って可愛いなー」と。悲観よりも楽観することを本能的に選ぶ。何でも楽しむことが好きなのだ。姉妹が密着すると、何かにつけじゃれ合う。本作ではアドリブによって、こうした女子の明るさが巧く表現されている。友情にも似た姉妹の関係性が観ていて何とも清々しい。すべての女性や姉妹が、本作のような姉妹像に当てはめることはできないのはわかっている。本作の姉妹関係は、大きな衝突、亀裂を生むこともなく、展開の変化すら望まない。4人姉妹のそれぞれの個性とその人生を丁寧に描きつつ、喜びがあれば姉妹で共有し、悩みがあれば互いに寄り添い前に進む。その繰り返しにより、家族として醸成していく姿を追っていく。

是枝映画としては久々の原作あっての脚本。もしかすると原作の世界観に起因する部分なのかもしれないが、穏やかすぎる内容に「もう少し何かほしい」と物足りなさを感じてしまった。期待が大き過ぎたのかも。
しかし、やっぱり是枝演出が大好きだ。思い描いた役柄の個性に俳優をはめ込んでいく作業ではなく、俳優の個性に役柄の個性を寄せていくのだ。天然キャラと言われる綾瀬はるかの、シッカリ者の長女役もミスマッチだとは思わない。是枝監督の確信犯的なキャスティングとみる。

本作の見所は何といっても、4姉妹を演じる女優陣のキャスティングと、彼女たちのアンサンブル劇にある。主要人物が全員女性であっても、是枝演出は抜群の相性を見せる。4人が生み出す空気感から、彼女たちが辿ってきた過去の記憶や、家族の未来予想図というのが鮮やかに浮かび上がってくる。要は、疑うことなく本物の姉妹のように見えたということだ。

豪華キャスト陣のなかで、最も印象的だったのは、腹違いの妹で4人姉妹の末っ子となる「すず」を演じた広瀬すずだ。CMを初め、メディア露出が昨今多いので、事務所のゴリ押しを勝手な先入観として持っていたのだが、演者としてかなりの大器と思われる。「すず」の強さと脆さを秘めた複雑な個性を確実に表現したことで、「見守っていたい」と観客を共感させることに成功した。また、彼女の最大の武器はその「声」にあると思われる。耳に心地よく残る、よく通る声であり、意志や感情が乗りやすい声色である。来月公開される「バケモノの子」でも主要キャラの声優を担当するということで、間違いなく良い仕事をしてくれるだろう(さすが細田守のキャスティング!)。あと、彼女のサッカーシーンにおける、ドリブルが巧過ぎてびっくりした。経験者?役作り!?いずれにせよ、今後要注目だ。

【65点】
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ザ・ゲスト 【感想】

2015-06-14 13:27:58 | 映画


新作DVDレンタルにて。劇場鑑賞を逃した1本。
NHKで放送された海外ドラマ「ダウント・アビー」(DA)。先日、そのシーズン3の最終話が放送され、自分含め、多くのDAファンが絶叫したはずだ、「マシュー~~~!!」と。で、その「マシュー」こと、ダン・スティーブンスが主演を果たした「ゲスト」を観る。見終わって「そりゃないよー」とツッコミたくなるが、ダン・スティーブンスのカッコよさには代えられない。笑

戦争で息子を亡くした一家のもとに、その息子の戦友と名乗る男が訪れ、「ゲスト」としてしばらくの間、一家に居候する。ゲストの男は穏和で誠実で男前。と思えば、突然狂気に駆られ、尋常じゃない戦闘能力を発揮する。男は一家にとって救世主か悪魔か。そのミステリーとスリルが映画の引力となり、「男の正体は何者か?」というネタばらしが、大きな焦点となる。中盤までは夢中になるが、後半にかけて明かされる「答え」が拍子抜けするほどに安直(笑)。いや、発想の安直ぶりはOKとしても、家族と良好な関係性を築きながらも最終的な行動に至った動機がまったく描かれていない。非常に残念。「とりあえず一掃する」では話にならない。演出、音楽にはセンスを感じるので、あとは脚本だ。

ダン・スティーブンスのスター性と、俳優としての実力を再認識するには十分であり、それだけでも観る価値があったというもの。甘く、知的さが隠せないマスクに、サービスショットで明かされる見事な肉体美。DAでの役柄とのギャップも手伝い、カッコよくて仕方なかった。「ドライヴ」を観たとき、ライアン・ゴズリングに心底惚れた感覚に近いかも。今年公開されたナイト・ミュージアムで端役を演じるなど、彼の公開予定作を見ても、あまり期待できそうにないのだが、早く彼の才能が発揮される映画にキャスティングされてほしいものだ。

【65点】
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トラッシュ! この街が輝く日まで 【感想】

2015-06-14 13:24:23 | 映画


新作DVDレンタルにて。
スティーブン・ダルドリーの新作。ブラジルのスラムを舞台に、ゴミ捨て山で偶然ワケありの財布を拾った少年たちの冒険を描く。物語はあくまでファンタジー。劣悪な環境に身を起きながらも、状況を悲観するのではなく、子どもたちの楽観的な逞しさに比重をおく。どこまでも子どもたちの可能性を信じる視点は、ダルドリーならではといったところか。子どもたちを純粋な良心として描くのは全然ありなのだが、スラムで育った子どもたちが非常に優秀であり、大人の警官たちと互角に追走劇を演じるのはいかがなものか。展開を盛り上げるための脚色が、スラムという特異な世界では、かなり浮いてみえてしまう。子どもたちと悪徳警官が、広い市街地にも関わらず安易に繋がってしまうのも典型的なご都合主義だ。爽快なラストだったが気分が乗らなかった。

【60点】
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トップ・ファイブ 【感想】

2015-06-12 11:00:00 | 映画


昨年、北米で賞賛を浴びた映画。非常に面白い映画なのだが、本作に限ってはDVDスルーで納得。

コメディアン出身の人気俳優が、自身のイメージを払拭するために挑んだ新作映画のプロモーションで、奔走する1日を追っかけた物語。主人公の男を通じて描かれるのは、現代のアメリカエンタメ界の盛況と、その裏側にある本音だ。主人公はスタンダップコメディ出身者。そんな彼をスターダムに押し上げたのは、熊(着ぐるみ?)と人間のコンビで事件を解決していくB級コメディ映画だ(どっかで観たことあるような。。。)。その映画は批評家からのブーイングをよそに映画は大ヒットし、シリーズ化までされている。ジャンクフードを美味とするアメリカ人の性質か。彼が演じていたのは熊役の「ハミー」で、そのイメージが定着してしまっているため、どこに行っても町を歩けば「ハミー!」と声をかけられる。「コメディ映画はもう嫌だ」と抗う主人公に対して、世間は「ハミー」の4作目を期待するのだ。主人公が製作まで担い、意気込んで作った新作は、その才能のなさを露呈するものであり、当然ごとく興行は失敗する。また、新作映画の公開と同時に主人公はリアリティーショーのスターとの結婚式を翌日に控える。リアリティーショーが大好きなアメリカ人、キム・カーダシアンが真っ先に頭をよぎる。結婚相手は「あなたとのキスはカメラが回ってないと意味がない」と、私生活を金と人気に換えることに躍起になっている。周りに振り回 され、自身も空回りする主人公。「自分がどうあるべきなんだ?」と、映画はいつしか主人公の自分探しの様相になっていく。

監督、脚本、主演はコメディ俳優のクリス・ロック。皮肉と下劣で積み上げた展開の中に鋭い考察が見え隠れする、コメディ映画としては、なかなかの完成度だ。クリス・タッカーとの違いが今でもよくわからないほど、印象の薄い俳優であったが、こんな才能があったとは驚く。会話劇が中心であり、そのセンスの良さはウディ・アレンを彷彿とさせる。全ロケがニューヨークであるが、華やかな商業エリアだけでなく、公営住宅エリアも網羅しているのが新鮮だ。そこに住むのは中間、あるいは低所得層だが、コメディ映画やリアリティーショーの人気の背景にはこうした人たちが 沢山いるのだと実感する。主人公は当然架空のキャラであるが、周りの同業セレブの実名はバンバン出ており、ジョークのネタにする。大いに笑える映画であることは間違いないが、タイトルにもなっている「トップファイブ」のトークしかり、そこに出てくる固有名詞のほとんどがわからない(笑)。ここまでドメスティック(米国内)な映画も珍しい。

惜しむらくは主演のクリス・ロック本人の演技の下手さ(笑)。演技力がないのは明らかであり、シリアスな場面だったり、ロマンスを感じさせる場面が、彼の身構えた演技によってどうにもバシっと決まらない。コメディに終始する映画ならまだしも、ドラマの要素が入った映画に関しては、脚本・監督に専念したほうが良いと思われた。

【70点】
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リアリティのダンス 【感想】

2015-06-12 10:00:00 | 映画


監督ホドロフスキーがチリで過ごした少年時代の自伝を映画化したもの。厳格な父と大らかな母、多感で風変わりな少年(監督)。過去の記憶の断片をかき集め、時代のリアリティを匂わせつつ、ファンタジーな描写で物語る。少年の目に映るのはカラフルで誇張された世界だ。それはときに美しく、ときにグロテスク。自分にとって、ホドロフスキーの映画は本作が初体験。監督の志向、偏愛を知るための入門映画としてはとても有効だと感じる。しかし、彼のファンではない(本作を観てもファンにならない)自分には正直、視覚的な興味を上回るものは得られず。2時間を越える時間も長く感じた。ファンタジーの延長にあるメタファーを感じる には、もっと映画を観る眼を養わなければならないか。

【60点】
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シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア 【感想】

2015-06-12 09:00:00 | 映画


おぉーその手があったか、とアイデアの勝利。
ニュージーランドのウェリントンを舞台に、「もしも現代社会でヴァンパイアが人間と共存していたら?」という設定をモキュメンタリーで描く。シェアハウスに同居するヴァンパイアたちの「あるある」は悲喜こもごもだ。別題をつけるなら「ヴァンパイアはつらいよ」。そのユーモアは日本のお笑いコントに近いかも。なので字幕よりも吹替の方が相性が良い。シュールな空気の作り方も巧く、アメリカ映画にはないセンスを感じる。ヴァンパイアと人間のつき合いで終始するかと思いきや、狼男まで出てきて展開が広がっていく。これまた「あるある」のオンパレード。プロットの意外性はあるにせよ、観ている側の予想の範囲に収まってしまう物足りなさは残るが、久しぶりに笑えたコメディ映画だった。

【65点】
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テニス全仏オープン2015、決勝戦にシビれた件。

2015-06-09 01:16:17 | 日記


日本人テニスプレーヤー、錦織選手の活躍が目覚しいテニス界。
錦織選手への注目ついでに、最近、彼以外の試合を含めてテニス観戦の熱が再燃してきた。

そんで、最近、錦織選手以上にお気に入りのテニス選手ができた。
スイスのスタン・ワウリンカだ。人によってはパブリンカと発音されている。

彼の魅力は超攻撃型のプレースタイルと、泣く子も黙る「バックハンド」だ。
そして「熊」に似たブサ顔がどこか愛嬌があって好きだ。
彼のバックハンドは片手バックハンド。通常両手打ちじゃないと弾に力が伝わらないのだが、彼のバックハンドは片手でも凄い威力。放たれた瞬間、レザービームのような スピードで相手陣営を鋭くエグる。これがめちゃくちゃカッコいい。クロス、ストレートと自在に打ち分けることができ、その精度も高い。

今年の全仏オープン。準々決勝で錦織選手が「ラガーマン」の地元のツォンガに負けた。サーブとフォアハンドの力だけで押しまくるツォンガに勝手に腹が立ち、次の準決勝、ワウリンカ戦でコテンパにやられてほしい、という想いから、それを見届けるため急遽WOWOWに加入した。その結果はツォンガのサーブに少々苦しめられたものの、ワウリンカが勝利。そして、その後の決勝であるジョコビッチ戦が昨日開催され、最初から最後まで見届けた。素晴らしい試合で感動した。

ジョコビッチは現在不動のNo1プレーヤー。4大大会のうち、この全仏だ けタイトルを獲っておらず、彼にとっては是が非でも勝ちたい一戦だった。準々決勝では前回王者でクレイコートの神、ナダルに完勝。準決勝では同級生ライバルのマリーとの死闘を制した。4大大会完全制覇、その偉業達成のお膳立てはすべて整った。大会のムード、大方の予想は完全にジョコビッチになびいていたはず。自分もワウリンカファンとはいえ、ジョコビッチが勝利すると予想していた。。。。

結果はワウリンカの完全勝利。
しかも、4─6、6─4、6─3、6─4の逆転。
その結果だけ見れば、ワウリンカの3-1の圧勝だが、その中身はシビれるほどの接戦だった。

序盤からジョコビッチの精度の高いテニスが光る。基本ミスをしない。ワウリンカの強打に対して、守って守 って守りきる。序盤から攻撃的に飛ばすワウリンカはジョコビッチの堅守に対してミスを連発。マリー戦の疲れは全く感じさせない、いつものジョコビッチだ。1セット目だけをみれば、ジョコビッチの勝利は目に見えていた。

しかし、2セット目から様子が変わってくる。
まず、ワウリンカのファーストサーブが決まり出す。そして、ラリーが長くなる。つまり、ワウリンカのボールコントロールの精度がジョコビッチに並ぶ。ワウリンカの集中力が増しているのは明らかだ。そうなると、互角にはならない。ストローク戦において武器を持つワウリンカが押し始める。鋭利なフォアハンドとバックハンドのウィナーが、ジョコビッチ相手でもズバズバと決まり出す。ジョコビッチは食らいつく。食らい ついて、わずかなほころびをポイントに変える。しかし、ワウリンカの好勢は変わらない。2セット、3セットをワウリンカがモノにする。途中、絶対王者のジョコビッチはストレスで自らのラケットを叩き割る。

確実に勝利を置きにいったジョコビッチは、言わばノーリスクノーリターン。一方のワウリンカは最初から最後まで攻撃の手を緩めないハイリスクハイリターン。観ていて面白いのは後者のワウリンカだ。



3セット目の中盤から、ようやくジョコビッチも攻撃的なスタイルをとるが、とき既に遅しだ。ワウリンカの勢いは止められない。気づけばワウリンカのウィナーの数が、ジョコビッチのそれを倍以上も上回っている。会場もワウリンカのスーパープレーに大いに沸く。ジョコビッチ の歴史的快挙達成のムードはどこへ。

そして運命の第4セット。
ワウリンカのマッチポイントの決まり手は、伝家の宝刀「バックハンドのダンザライン」!!。鮮やかにウィナーで決まった。
あーー何てスカっとするプレイを魅せてくれるんだ、ワウリンカ!!

試合後、ジョコビッチはワウリンカを笑顔で祝福した。準優勝の登壇時、鳴り止まぬジョコビッチへの喝采に、ジョコビッチは涙を堪えきれない。こっちももらい泣きである。「人生にはテニスよりも大切なものがある」「人間としてもスタン(ワウリンカ)を尊敬している」とジョコビッチ。さすが人格者としても世界王者だ。それに対して「いつかノバク(ジョコビッチ)が生涯グランドスラムを達成することを信じている」とワウリンカ。
スポーツマンシップ、ここにありだ。これがテニスの魅力でもある。

素晴らしい試合を魅せた2人に拍手だ。


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チャッピー 【感想】

2015-06-03 10:00:00 | 映画


ニール・ブロムカンプの待望の新作を観る。
その期待に違わぬ、無二の作家性、オリジナリティを強く感じる映画だ。しかし、後半に連れて「渋滞」が酷くなり消化不良が否めない。もっとシンプルにしたほうが良かったのでは??

南アフリカを舞台に、増加する凶悪事件の対抗策として、ロボット警察が治安を維持する近未来。ロボット警察による完全なコントロールというより、生身の警察と連携で凶悪事件を取り締まる形だ。激しい銃撃戦の中、ロボット警察は人間たちの盾となる。ロボットたちに課せられる使命は、犯罪者たちへの攻撃よりも、人間たちの身代わりとなる防御の印象が強い。犯罪者たちからの攻撃を一身に受け、壊れれば、修理して直すか、廃棄されるかだ 。使えなくなったら新しいロボットを使えばよい。人間にとっては道具であり、消耗品。ロボットたちは、それを自覚する術はない。

そんな中、人間と同じ感情が持ち合わせ、自身で成長することができる、人口知能を搭載したロボット「チャッピー」が誕生する。その誕生は人間の赤ん坊と同じで、何色にも染まっていない純粋無垢な存在として描かれる。自立して生きていくための知識、道徳は、すべて周りの環境によって育まれていく。社会のルールを遵守する開発者の想いとは裏腹に、チャッピーは犯罪に手を染めるギャングの下で成長することとなる。ギャングの中には母性に目覚める女子の存在があるものの、結局は犯罪行為に利用できるロボットに成長させたい。チャッピーの幼児性と感情の芽生えは、「ピノ キオ」のように可愛く、観ている側の同情を誘う。そこに投下されるのは人間の醜さ。「どうして僕にそんなことするの?」と助けを求めるが、「荒療治」としてギャングたちはチャッピーを傷つける。物語上必要なプロセスなのかも知れないが、幼児虐待や動物虐待を想起させ、見ていて非常に不快なシーンだった。

チャッピーを中心に3つの欲望がせめぎ合う。チャッピーを好きなように利用したいギャングたち、チャッピーを通じて人工知能の可能性を広げたい開発者(これも結局エゴと思われ)、そして、コントロール可能なロボットを理想とする反「チャッピー」の技術者。物語は3番目の技術者を最大の悪玉として描く。演じるヒュー・ジャックマンの怪演も功を奏して、その暴走ぶりがスリルとなってアク ションを盛り上げる。技術者の操縦する巨大ロボットとチャッピーの対決アクションが面白い。監督の過去2作にも通じるガジェットの描き方、アクションへの活かし方については、ブロムカンプの腕の見せ所であり、大いに楽しませてくれる。男子のテンション上げ方をよくわかってるなーと改めて感心する。

しかし、後半から頭を出して、物語の転結までにつなげた「意識の転化」には正直ついていけない。それまでにも、多くのキャラ設定、それぞれの思惑がいささか雑に扱われる部分もあり、物語の勢いに任せて目をつぶってこられたが、「意識の転化」というテーマを最期のメインディッシュとして大きな塊のまま持ってこられても食べきれない。物語の疾走感を保つためか、そのテーマに伴う背景やプロセスがざっくり端折られる。それは破綻に近い印象すら受ける。渋滞中の道路で玉突き事故を起こしているのに、ピョンピョンと車の上を跳ねて、先に進んでしまう感じか。百歩譲っても「チャッピー」単体で留めておくべきだった。そこに深いドラマを感じることは到底できない。

とはいえ、ニール・ブロムカンプへの信頼が損なわれることはない。ハリウッドに戻ってもよいので、次回作に期待してます。

【60点】
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ダウントンアビーS3の最終話が大ブーイングだった件。

2015-06-02 23:44:18 | 海外ドラマ


おととい、NHKで放送中の「ダウントンアビー」のシーズン3が終わった。
シーズン2から、そのままシーズン3まで連続放送してくれたNHKには感謝感謝なのだが、シーズン3の最終話の内容に大ブーイングである。
シーズン1からダウントンアビーの虜となり、従来の海外ドラマとは一線を画す作りだと惹かれていた。しかし、一昨日の最終話を見て、他の海外ドラマと変わらないレベルに成り下がってしまった。

最近の海外ドラマだと「ウォーキング・デッド」だろうか。次回への興味を惹くために、登場人物を安易に殺してしまう。残された者たちの感情を考えれば、次の展開を見届けなくては気が済まない。この手法をダウントンアビーも採用するようになったようだ。物語の中盤にあった悲劇、シビルの急逝から怪しいと思っていたが、まさか、あんな力技でシーズン3を終わらせるとは思わなかった。

残されたクローリー家は一体どうなってしまうのか?メアリーは大丈夫か!?など、シーズン4への関心が高まるのは当然だ。それをわかってか、シーズン4の放送がとっくに終わっているスターチャンネルが、今月から再放送を始める。JRを中心に「ダウントンアビーのシーズン4は、NHKに替わりスターチャンネルでやりますよ!」という電車内ポスターが最近やけに目に付く。(というか、シーズン4のポスターがすでにネタばれなのだけれど)

スターチャンネルもNHKの放送によるダ ウントンアビーの人気上昇はまったく予想していなかっただろう。一挙放送を狙って、スターチャンネルの短期加入を目論むが、この様子だと、一挙放送はなしで継続放送でしか観られなくなりそうだ。現在のスターチャンネルには魅力的なコンテンツがないため、加入するにしても、できるだけ短期の加入で済ませたい。

【75点】
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