から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

怪しい彼女 【感想】

2015-01-31 01:03:49 | 映画


怪しい彼女 【75点】
やられた。面白い。「ソウォン~」が涙が止まらない映画である一方で、本作は笑いが止まらない映画。映画を観てこんなに笑ったのは「変態仮面」(前半部)以来かも。
20歳に若返ってしまったお婆ちゃんの話。若返ったお婆ちゃんを演じたシム・ウンギョンのコメディエンヌぶりに抱腹絶倒する。「サニー」でもその片鱗はあったものの、ここまでとは思わなんだ。お婆ちゃんならではの「厚顔無恥」な表情がイチイチ可笑しい。その顔芸に留まらず、言葉、しぐさ、体の動きなど、アンダーザスキンがお婆ちゃんではないかと思うほどのなりきりぶりだ。爆笑しながら「凄いなーこのコ」と感心しきり。秘密を知らず、あくまで女の子として扱う周りの反応にニヤニヤし、若さを取り戻し、少しずつ変わっていくお婆ちゃんのチャームに魅了される。ストレートなコメディ映画でありながら、「老い」というテーマに鋭く突っ込む。どんなに抗っても老いは肉体は醜く変え、死に近づけかせる。「若さ」を取り戻した喜びと共に、老いをどう受け入れいていくのか、そんなことが描かれていた気がする。お婆ちゃんになっても、昔の思い出をそのままに「お嬢さん」と慕う、幼馴染みのお爺ちゃんがとても良い。シム・ウンギョンだけじゃなく、他のキャストたちの好演も手伝いドラマも十分に感じた。笑ってホロっとさせる、これぞ大好きなコメディ映画。監督は、前作「トガニ」で社会を変えるインパクトを与えたファン・ドンヒョク。それにしても凄い振り幅だ。

アンダー・ザ・スキン 種の捕食 【60点】
「万人ウケしない映画」の「万人 」に自分が属することを痛感する映画。少なくとも「2001年宇宙の旅」に感動を覚えない自分の感性では、理解、共感は難しい。地球人ではない何者かが、スカーレット・ヨハンソン演じる女の体内に寄生し、スコットランドの男たちを次々と捕食する。その目的は一切説明されない。いや、その答えを求めること自体が製作者の意図ではないのだろう。捕食を繰り返すだけの映像から、何を感じ取るのか。それがお手上げであれば、映像を楽しむのみ。このテの捕食者でイメージするのは人間離れしたモデル体型だが、スカーレット・ヨハンソンの手足の短くグラマラスな肉体を持ってきたのが面白い、あと、餌食が無差別であることも興味深い。。。以上か。捕食シーンは、ややワンパターン過ぎるかも。それにしても難解だわ。

円卓 こっこ、ひと夏のイマジン 【65点】
行定勲が描く子どもたちの世界。「風変わりな女の子の話」と、予告編の内容から構えていたが、意外なほど共感度の高い物語だった。普段の自分同様、劇中でも「全く何考えてんだか?」と子どもたちの不可解な言動を見ると辛かってしまう。大人たちに理解ができないのは、子どもたちの断片しか想像(「イマジン」)できてないからであり、子どもたちの行動には確固たるロジックがあると本作は解釈しているように思う。子どもたちは家族、学校、友達、自然などの様々な環境の中で、初めて聞いた言葉、始めて観た光景に触れ、自分の世界を形成していく。そして子どもたちはその不確かな世界をあらゆる手段で試してみるのだ。全ての大人たちが経験しているはずなのに、それを「不可解」と見てしまう可笑しさと、それを忘れてしまった悲しさ。本作で用いられる「イマジン」は想像という意味の他に、相手を思いやるという意味で用いられる。何が正しくて何が間違っているのか、その判断の1つの尺度が相手への「イマジン」なのだ。主人公演じた芦田愛菜も好演だが、主人公の親友で、心優しい「ぽっさん」を演じた男の子が非常に良い。彼の「イマジン」にもらい泣きしてしまった。

ブラインド 【65点】
交通事故で視力を失った女性が、連続殺人犯に襲われたことをきっかけに、刑事と共にその犯人を追い詰めていくという話。殺人犯をどう見つけ出すのかというミステリーと、殺人犯の標的になるというスリラーが同居。冒頭の交通事故や、犯人の無敵ぶりなど、いろいろと布石作りのための描写に粗さを感じるものの、盲目であるが故のアイデアが面白い。特に、地下鉄での一幕が秀逸。目の見えない主人公が犯人に襲われそうになるが、スマホのテレビ電話を介して少年が主人公の目となり、逃がすために音声でガイドしていく。そのアイデアもさることながら、犯人がテレビ電話に映りこむシーンなど、恐怖演出が抜群に巧い。ただし、ワンちゃんのクダリは可哀そうで生理的にNG。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サスペクト 哀しき容疑者 【感想】

2015-01-31 00:55:28 | 映画


サスペクト 哀しき容疑者 【70点】
いやはや凄いアクション映画がまた隣国で生まれた。妻子を殺された元エリート工作員がその復讐のため犯人を追う追跡劇であり、同時に、殺人容疑をかけられ警察から追われる逃亡劇だ。追い、追われる、主人公は大忙しだ。そのテンションは緩むことなく、ダイナミックなアクションと共に、ラストまで突っ走る。カーアクションだけ見れば、そのカメラワークも含め、ハリウッドも真っ青の出来栄えじゃないだろうか。主人公演じたのが、アクションのイメージのないコン・ユだったのが大きい。男が惚れる男、めちゃくちゃカッコいいじゃないか!!恵まれた体型&研ぎ澄まされた肉体が躍動し、画面に映える映える♪彼の格闘シーンの迫力と説得力に目が釘づけになる。激しい展開の中にも、彼の誠実な眼差しは変わらず、がっつりアクション、がっつりドラマで感情を揺さぶる。ハ・ジョンウしかり、韓国にはアクションもこなせる演技派俳優が多数いるのが凄い。主人公が不死身、ライバルとの絆、悪役が悪役らしい等、やや大袈裟に見える描写も、このテのアクション映画にはちょうど良い。かなり長尺だったが、見応えのあるアクション映画だった。

サード・パーソン 【65点】
ポール・ハギスの新作。NY、ローマ、パリを舞台に3組の男女が織りなす物語。これでもかと練りに練った、ポール・ハギス手製の脚本に舌を巻く。話の繋がりにわざと粗さを残したあたりとか、確信犯的で凄いなー。まったく接点の見えなかった3組の関係性が次第に明らかになり、最後には納得のネタばれ。これくらいの明確さが程良い。そのうえ、さらに深読みできそうな余白もあったりする。惜しむら くは、その長さ。「138分」という実時間以上の長さを感じてしまった。3組の物語として必要な容量であったかもしれないが、謎を追う観客側の視点を考慮すれば、もう少し短い方が良かったかも。

アイ・フランケンシュタイン 【55点】
「怪物」の名のつくアクション映画には、どうしても反応してしまう。ダメな映画であろうがなかろうが、観ずにはいられない。で、本作はダメな方の映画だ。本作でフランケンシュタインを演じるのは何とアーロン・エッカート!!オリジナルを全く無視したスタイリッシュなフランケンシュタインは大いに結構。だが、観ていて盛り上がらない。B級映画なのでストーリーに難癖をつける気はないが、人間にとって見方である「ガーゴイル」とフランケンシュタインの関係性がフワフワしていて、「悪魔たちを倒すぞー」という基本的な構図が不明確なのが痛い。ガーゴイルがバキバキのCGである一方で、悪魔が普通にお面を被っ たようなクオリティ。そのギャップがアクションに水を指す。「アンダーワールド」同様、ラスボスがビル・ナイ(笑)。そのラスボスとのバトルもややグダグダ。「ガーゴイル」に目をつけたのは面白かった。

フルスロットル 【60点】
観ながら初めて気付いたが、「アルティメット」のリメイクだったのか。。。「パルクール」で魅せるダヴィッド・ベルはそのままに、格闘アクションで魅せた刑事役は、ポール・ウォーカーに変更されている。体技によるアクションが一級のエンタメになることを高らかに示した「アルティメット」。そのオリジナルからのパワーダウンが否めない。身体能力に取り柄のないポール・ウォーカーに与えられたアクションはカーアクション。「ワイルドスピードじゃん」とツッコミを入れる。刑事役のアクションの役割が変わったにも関わらず、「巨人との対決」など、オリジナルのシーンがそのまま踏襲されているのが気になる。10年前とは思えないダヴィッド・ベルの動きのキレに魅了される。その彼女役のアジアンビューティーな女優さんの容姿と、見えそうで見えないチラリズムも本作の魅力か。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コーヒーをめぐる冒険 【感想】

2015-01-31 00:45:20 | 映画


コーヒーをめぐる冒険 【70点】
面白い。「その日、彼はツイ てなかった」そんな冒頭ナレーションが似合う。大学を中退した青年の、ツキに見放され、コーヒーに嫌われ続けた1日を追った映画。全編モノクロ。主人公が彷徨うベルリンの風景をスタイリッシュに映す。主人公が何かするでもなく、特別悪いワケでもないのに、様々な人たちとの偶然の濃ゆい出会いによって振り回されていく。その「どうにも、巧くいかない」加減が絶妙だ。ツイていない1日は、見方を変えればスペシャルな1日。その日を超えて、主人公がようやくありつけたコーヒーの味わいが、観る者にもじっくりと伝わる。監督のドイツの新星、ヤン・オーレ・ゲルスターに今後要注目。

やさしい本泥棒 【45点】
第二次大戦中 のドイツ(ミュンヘン)を舞台に、里子に出された少女と里親家族の生き様を描く。傑作になり得たドラマだと思うが、まるでダメ。読み書きができない少女が「本」という魔法に出会うことで、彼女にどういった影響をもたらしていくのか、その核となる部分が全く活かされていない。そもそもドイツを舞台にしているにも関わらず、全編「英語」なのは全く解せない。ナチスな人たちが敵国の言葉を話すことに強い違和感。子役には珍しく、主人公の女の子があまり演技が巧くないのが気になるし、エミリー・ワトソンの肝っ玉母さんぶりも上滑り気味。「わざわざ、そんなことする?」な描写も多く、ラストまでほとんど感情移入ができなかった。

パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間 【50点】
史実をテーマにしたドラマは、相対的に大スベリは少ないのだが、本作は別だった。ケネディ暗殺という歴史的事件の裏側で、実際にあった関係者たちの姿を描く。暗殺シーンを偶然撮影した男、ケネディの手術を担当した医者、容疑者の家族、容疑者を逮捕する機会を逸したFBI捜査官・・・等、様々な関係者の視点から事件の裏側を描くのだが、その事態の再現VTRに終わってしまった。知られざる裏側を知ることができた、という点では興味深いのだが、それだけであればドキュメンタリーで十分。状況を説明しただけのドラマに物足りなさが残る。ケネディの死に、関係者のみならず、国民が大号泣。まるで家族の1人が死んだような騒ぎ。アメリカって凄い国だ。

フライト・ゲーム【60点】
飛行機テロに見舞われた、機内での航空保安官の活躍を描く。アクション×サスペンス。犯人探しは観る者を大いに振り回し、結局、誰も予想がつかない仕掛けになっている。だが、「じゃ、犯人はあの時はどうしたの?」というタネ明かしが明快でないのが残念。190オーバーの大男、リーアムニーソンの狭いトイレでのアクションシーンが良く考えられてる。いつの間にかすっかりアクション俳優になってしまった感あり。ダウントンアビーのミシェル・ドッカリーやハウスオブカードのコリー・ストールなど、自分の好きな海外ドラマの出演者が本作(映画)で活躍してくれているのが嬉しい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Paddington(パディントン) 【気になる映画】

2015-01-29 23:11:24 | 気になる映画


昨年末全米で公開され、まさかの大絶賛を浴びている映画がある。
英国映画の「Paddington(原題)」だ。

日本でも児童文学として馴染みのある(自分は知らなかったが)、「くまのパディントン」の実写映画化だ。トレーラーを見る限り、B級映画の匂いがプンプンするのだが、あまりの評価の高さに見過ごさずにはいられなかった。

Rottenでは現時点(1月末時点)で115レビュー中の98%フレッシュという驚愕のスコア。
98%って。。。

観た人がみな、パディントンの可愛さ、可笑しさにノックアウトしている模様。但し、ここまでの評価を得ているのはキャラクターのチャームに留まらず、原作の「家族愛」というテーマを丁寧に掬い取った脚本にあるとのこと。このテのファミリー映画には珍しく、今年の英国アカデミー賞で脚色賞にノミネートされていることからも、その程が伺える。

キャストたちにも注目である。バディントンの声を演じるのはベン・ウィショーだ。なるほど、あの独特のバリトンボイスの起用するとはセンスがあるなー。バディントンを一家に迎え入れるお父さん役は、ヒュー・ボネビル。現在、NHKでシーズン2が放送されていて、その虜となっている「ダウントンアビー」のお父さんである。

クマといえば、一昨年の「テッド」の日本での記録的なヒットが記憶に新しい。クマの可愛さは女性ウケしやすく、ヒットに結びやすいと思うのだが、日本での公開は未定とのこと。DVDスルーの予感がするが、 いずれにせよ、早く観たい。先に海外盤のBDを購入してしまうかもしれないな。。。。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

全米映画俳優組合賞が発表された件。

2015-01-29 01:01:07 | 映画


一昨日、今年(2014年対象作品)の全米映画俳優組合賞が発表された。
オスカーの投票権を持つアカデミー会員のうち俳優が多く占めるため、オスカーの行方を占う上で非常に重要な賞である。結果は下記のとおり。★が受賞者。
かつてないほど、今年は鉄板の賞レースになると思いきや、サプライズが起きた。

◆主演男優賞
 ★エディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー) !!!!
  スティーヴ・カレル(フォックスキャッチャー)
  ベネディクト・カンバーバッチ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
  ジェイク・ギレンホール(Nightcrawler)
  マイケル・キートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))

◆主演女優賞
 ★ジュリアン・ムーア(アリスのままで)
  ジェニファー・アニストン(Cake)
  フェリシティ・ジョーンズ(博士と彼女のセオリー)
  ロザムンド・パイク(ゴーン・ガール)
  リース・ウィザースプーン(Wild)

◆助演男優賞
 ★J・K・シモンズ(セッション)
  ロバート・デュヴァル(ジャッジ 裁かれる判事)
  イーサン・ホーク(6才のボクが、大人になるまで。)
  エドワード・ノートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
  マーク・ラファロ(フォックスキャッチャー)

◆助演女優賞
 ★パトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)
  キーラ・ナイトレイ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
  エマ・ストーン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
  メリル・ストリープ(イントゥ・ザ・ウッズ)
  ナオミ・ワッツ(St. Vincent)

◆アンサンブル演技賞
 ★バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
  6才のボクが、大人になるまで。
  グランド・ブダペスト・ホテル
  イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
  博士と彼女のセオリー

◆スタントアンサンブル賞
 ★Unbroken
  フューリー
  ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男
  ホビット 決戦のゆくえ
   X-MEN:フューチャー&パスト

ここにきて、盤石と思われていたマイケル・キートンがエディ・レッドメインに破れる大波乱!
過去10年間、主演男優賞で同賞を獲得した俳優は100%、オスカーを獲得している。おお、これはわからなくなってきたぞ。。。実在の人物を演じたパフォーマンスが評価される傾向にあるアカデミー賞において、フィクションのキャラを演じたマイケル・キートンに期待を寄せていたのだが、「博士と彼女のセオリー」の予告編をみるたびにエディ・レッドメインの凄さに圧倒される。ただ、先に発表されたGG賞での受賞ステージを比べると、マイケル・キートンよりもエディ・レッドメインのほうが、断然盛り上がりそうな気がする。
他の受賞結果は予想通り。
アンサンブル演技賞は「バードマン」 が受賞したけど、オスカーは「6才のボクが~」で揺るがないんだろうな。
アカデミー賞授賞式まで1ヵ月を切った。それまでに賞レースに絡む映画はできるだけ観たいのだけれど、今年はほとんど受賞結果後の公開だ。先に観られるのは2月14日公開の「フォックスキャッチャー」くらいで、残念。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビッグ・アイズ 【感想】

2015-01-25 02:52:57 | 映画


ティム・バートンの映画の中で一番好きな映画は「エド・ウッド」だ。それ以来、10年ぶりとなる実話を扱った本作。否が応でも期待が高まる。

内容は、予告編で観たままだ。奥さんが描いた絵「ビッグ・アイズ」を、旦那の名で売りさばく夫婦の話で、ゴーストペインターとなった奥さんがその正体を世間にバラし、その顛末までを描く。

あっという間の2時間だった。これは誉め言葉ではなく、悪口に近い。「え?それで終わり!?」とエンドロールで呟いた。終わり方の問題ではない。

ティム・バートン映画の魅力は、彼の「偏愛」に基づくユニークな世界観にある。「自分が好きなんだからしょうがないでしょ」といった風で、メルヘンな物語であっても、時に「毒っ気」と映る描写も平気で放り込んできたりする。それを彼の作家性と位置づけるには不十分かもしれないが、少なくとも彼の映画を観るにあたっては、彼の「偏愛」ぶりを目撃することは大きな楽しみなのだ。(ここ最近の映画ではだいぶ薄れているけど)
で、本作。まず実話の素材がとても起伏に富んだ話にも関わらず、映画の中身は驚くほど平坦だ。ティム・バートンが監督したという情報がなければ、彼が手がけた映画とはわからないだろう。本編を通じて終始感じたのは、ティム・バートンの傍観ぶりである。「自分だったら、こう解釈してこう描いてやる」という気概が全く見えない。実在の人物に取材をして、そこからヒアリングした情報をそのまま、劇中の登場人物たちの心情として描いただけだ。とりわけ本作では、瞳が異様に大きい「ビッグ・アイズ」という絵が、物語の軸となっているというのがポイントで、それは主人公の「目は心の窓」という表現手法に基づくもの。かつて純粋に愛し合った夫婦の形が、いびつに変形する過程を目撃するシンボルとして役割を担うはずなのだが、本作はそれを活かし切れていない。とても勿体ないことだし、ティム・バートンであれば如何様にでも料理できたはずだ。

主演はエイミー・アダムスとクリストフ・ヴァルツの2人。何をやらせても間違いのない演技派2人の夢の初競演で、その期待に見事に応える名演ぶりだ。クライマックスの裁判シーンは、クリストフ・ヴァルツの真骨頂のようなもので大いに楽しませてくれる。もっと面白い映画になっただろうなーと思う。1950~60年代のファッションを初めとする、時代の光景は目に楽しい。

見終わってWikiで調べたら、主人公の実在の女性はティム・バートンの知り合いとのこと。その関係性が影響したのだろうか。
映画監督の「新境地」というのは、何かを捨てるのではなく、何かを足すことを意味するものだと思う。とてもじゃないが本作をティム・バートンの新境地として評価したくない。

【60点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015年注目映画10選 【洋画編】

2015-01-22 00:45:48 | 映画
日本映画に続き、洋画の私的注目作を10タイトル選んでみる。
続編が多い分、今年はややパワー不足か。()は日本公開予定日。

1.バードマン(4月) 監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
2.アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン(7月4日) 監督:ジョス・ウェドン
3.セッション(4月17日) 監督:デミアン・チャゼル
4.スター・ウォーズ フォースの覚醒(12月18日) 監督:J・J・エイブラムス
5.ファンタスティック・フォー(公開時期未定) 監督:ジョシュ・トランク
6.イミテーション・ゲーム(3月16日) 監督:モルテン・ティルドゥム
7.フォックスキャッチャー(2月14日) 監督:ベネット・ミラー
8.ジュピター(10月11日) 監督:ウォシャウスキー
9.ナイトクローラー(公開時期未定) 監督:ダン・ギルロイ
10.ジョン・ウィック(公開時期未定) 監督:チャド・スタエルスキ

ほか、「博士と彼女のセオリー」「白鯨のいた海」「ジュラシック・ワールド」「ワイルド」など。

1位はやはり「バードマン」。イニャリトゥの新作。邦題が「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」と、やたら長く、意味が全くわからない(笑)。アカデミー賞では「6才のボクが~」にまるっとオスカー像を持っていかれると思うが、ワンカットで撮りまくった映像でどんな世界を魅せてくれるのか、楽しみだ。2位は「アベンジャーズ」の続編。おそらく本作が今年の最大の映画プロジェクトだと思われる。昨年、同マーベル映画として「ガーディアンズ~」が面白過ぎたので、前作並、いや前作以上の面白さを誇示することができるか。3位の「セッション」は昨年インディーズ映画として、最もアメリカを熱狂させた映画。「スター・ウォーズ フォースの覚醒」は怖いもの見たさに近い。今でもJJエイブラムスの監督起用は間違っていると思う。「スタトレ」と「スターウォ ーズ」は同じ監督がやっちゃダメだ。5位の「ファンタスティック・フォー」は日本公開がまだ決まっていないが、「クロニクル」のジョシュ・トランクがリメイクすることに注目。8位の「ジュピター」は、ウォシャウスキーが久々に会心の一撃を決めそうな予感。「ナイトクローラー」と「ジョン・ウィック」はカルトな傑作の予感。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015年注目映画10選 【日本映画編】

2015-01-22 00:38:12 | 映画
2015年に入り、1月も中旬を過ぎたが、備忘録として、今年公開される映画の中で私的注目作を10タイトル選んでみる。
まずは日本映画。
上から順に期待値が高い順。()は公開予定日。

1.海街diary(6月13日) 監督:是枝裕和 出演:綾瀬はるか他
2.バケモノの子(7月11日) 監督:細田守
3.バクマン。(10月) 監督:大根仁 出演:佐藤健、神木隆之介 他
4.恋人たち(今秋) 監督:橋口亮輔 出演:リリー・フランキー他
5.味園ユニバース(2月14日) 監督:山下敦弘 出演:渋谷すばる、二階堂ふみ他
6.さよなら歌舞伎町(1月24日) 監督:廣木隆一 出演:染谷将太、前田敦子他
7.寄生獣 完結編(4月25日) 監督:山崎貴 出演:染谷将太他
8.この世で俺/僕だけ(1月31日) 監督:月川翔 出演:マキタスポーツ、池松壮亮他
9.悼む人(2月14日) 監督:堤幸彦 出演:高良健吾他
10.駆込み女と駆出し男(5月16日) 監督:原田眞人 出演:大泉洋他

今年は、日本映画が熱い!かも。
トップ5の監督はいずれも、私的に10割バッターな監督たち。まさに「待望の新作!」だ。なかでも「ぐるりのこと」以来、7年ぶりの新作となる橋口亮輔監督の「恋人たち」は要チェック。また、大根仁が人気漫画をどう料理し、佐藤健、神木隆之介という若手俳優の化学反応をどう見せるのか、楽しみな「バクマン。」。トップ1,2の是枝監督と細田監督の新作は間違いなさそう。ほか、「この世で俺/僕だけ」は役者として期待するマキタスポーツが、今最もノっている池松壮亮と嬉しい共演。あぁー楽しみだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アメリカン・スナイパー 【感想】

2015-01-17 22:35:16 | 映画


先週、第87回アカデミー賞の各候補が発表された。一番印象的だったのは「グランド・ブダペスト・ホテル」の最多ノミネート。そして、一番のサプライズは「アメリカン・スナイパー」の逆転ノミネートだった。作品賞と主演男優賞、ほか4部門(計6部門)に入る。外国人記者によるGG賞では総スカンだったのだが。。。やはり、この映画が扱うテーマはアメリカ人にとって特別なものだったのだろう。

その発表の前々日に、運よく完成披露試写で観ることができた。

抜群の狙撃の腕を持つネイビー・シールズの男が、アルカイダ殲滅を目的として、イラク戦争に従軍する話だ。映画を観て初めて知ったが、主人公は実在の人物らしい。
9.11を目の当たりにした主人公はネイビー・シールズに入り、母国を守ることを決意する。イラクという戦地に赴き、目の前の敵を殺すことが母国の平和に直結すると信じて、銃弾の引き金に一心する。「殺される前に殺す」という戦争原理は変わらないが、狙撃による攻撃という点が本作のポイントだ。相手に隠れ、見方の命を奪おうとする脅威を銃弾一発で仕留めることが主な役割だ。見方からすれば「守護神」であり、敵からすれば見えない「脅威」。狙撃手にとって殺した敵の数は、イコール救った味方の数(もしくはそれ以上)である。多くの命を救った(殺した)狙撃手は必然的に英雄になる。
また、軍法が整備された現代において、狙撃手は敵と味方を瞬時に見極めなければならない。誤った判断によって一般人を殺せば法律によって裁かれ、逆に敵を見過ごせば味方が殺される。本作ではその状況を若干の脚色を加えながら、緊張感をもって伝える。
スナイパーによる攻撃は決して穏やかなものではなく、その一発を皮切りに激しい銃撃戦になだれ込む。想像以上に戦闘アクションに多くを割かれていた印象だ。なので、同じ戦争を描いた映画として「ハートロッカー」や「ローンサバイバー」などを想起し、比較して観てしまうのは避けられない。これらの傑作は生と死の狭間にある、人間の本能に近い心理を生々しく描いてきた。それに比べると、本作ではリアリティよりもセンチメンタルを優先したかのような戦闘シーンが多く出てくる。その度に「そんな余裕ないでしょ」と熱が冷める。これは人の好みによる部分なのかしれないが、他の描き方も多分にあったはずで自分は好みでない。あと細かいところだけれど、主人公の帰国時のシーンで、登場キャラが人形で代用されるシーンもあったりした。諸事情があったかもしれないが、イーストウッドはフィンチャーやノーランなどの完璧主義者とは、良くも悪くも違う次元で映画を撮る人なのだと実感する。

戦闘シーンがまず印象に残るが、本作において最大のテーマは、過酷な戦場で狂気にとりつかれてしまった兵士の苦悩だ。戦場のリズムが、母国の平和な日常の中のリズムとシンクロするシーンは、実際の体験談が元にしなっていると思われる。それは現在のアメリカ国内でも多くの元兵士が苦しめられている後遺症であり、その事態の深刻さを浮き彫りにする。実在の人物を描いた伝記ドラマであると共に、硬派な社会派ドラマだ。

主人公演じたブラッドリー・クーパーは大幅な肉体改造をして熱演を魅せる。製作も兼ねており意気込みが違う。マッチョというよりも、脂肪もしっかり蓄えた冬眠前の熊のようだ。どてっぱらに丸太のような太い手足が突き刺さっている。喧嘩したらリアルに強そうな体型だ。顔面にも肉がついたことで、ライフルのスコープをのぞき込むたびに頬の肉がムニュっとなる。抹殺者であり、ヒーローであり、父親。多くの顔を持った実在の人物の人間性を綿密に分析した、彼の実直さが演技にも現れているようだ。(ただ、個人的にはナイトクローラーのジェイク・ギレンンホールに候補入りしてほしかったなー)

自分はイーストウッド信者ではないので、彼が手がけた映画に対して、もれなく「さすが~」という枕詞をつける日本の風潮が好きではないのだけれど、80を超えた年齢で立て続けに映画を生み出すそのエネルギーは本当に凄い。ただ、もう少しじっくり映画を撮ってもよいかな、と。

母国に戻り、新たな生き方を見つけた主人公に待ち受けているラストに衝撃を受けた。もしかすると、これが本作の一番大きなテーマだったのかもしれない。まさにアメリカが無視してはならない映画だった。

【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薄氷の殺人 【感想】

2015-01-17 22:26:17 | 映画


「薄氷の殺人」を観る。中国映画を劇場で観るのは何年ぶりだろう。ベルリン国際映画祭で2冠をとった話題作&水曜日のサービスデーということで、劇場には空席が見当たらなかった。

中国の地方都市を舞台に、連続殺人事件を追う刑事と、その捜査線上に浮かびあがった女性を描く。タイトルから察するに「殺人の追憶」みたいな犯人探しをベースとするサスペンスかと思いきや、まるで違った。犯人の正体は容易に明かされ、その動機や手口もそれほど複雑に描かれない。映画は、刑事と女、2人の関係にフォーカスする。

まず、舞台となる北部の地方都市の光景が目に焼きつく。空は曇天か、雪空。地表は雪と氷に覆われている。ひたすら寒い。緩和を許さず、緊張を強いるような凍てつくカットが続く。1999年~2003年という時代設定からか、あるいは中国の地方都市ならではのセンスなのか、その街並みが何とも言えない味わい。雑然として粗く、ありとあらゆるものが洗練されていない。スケートリンクがデコボコ(笑)。
特に夜の光景だ。古めかしくひびが割れる建造物から、ケバケバしくだらしのないネオン照明がなだれ、登場人物たちを妖しく照らす。演出にも独特の匂いがあり、登場人物たちは、計算された構図の中で無制限に泳がされ、観る者が意図しないスピードで物語が紡ぎ出されていく。それらのワンカットワンカットが鮮烈で、これが監督の作家性なのだと気づくのにあまり時間がかからない。全く方向性が違うが、レフンの「ドライヴ」を初めて観たときのインパク トに近いかも。ただし、その作家性は両刃の刃のようなもので、観る人が考えるイメージ(ある種の共感)とズレも多く、冗長と感じるシーンも少なくない。

主人公の刑事がのめり込んでいく女を演じた、グイ・ルンメイが印象に残る。演じるキャラは、結果として男たちを翻弄する役回りなのだが、それは彼女にとって、美しさ故の悲劇といって良いだろう。主人公を含めた男たちの欲望の的になりながら、底の見えない闇を抱える女性を見事に体現している。彼女のアップが、ネオンの光の中に溶け出していく。何とも美しい画だ。

男は女を愛したが、女は男を愛したのか。事件の果てにある結末も味わい深い。夢の中に出てきたような映画。「眠くならなかった」と言えば嘘になるけど、面白い映画だった。

【65点】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第87回アカデミー賞、ノミネーション発表された件!!!

2015-01-15 23:22:24 | 映画
たった今、第87回アカデミー賞、ノミネーションが発表された!!!!

「グランド・ブダペスト・ホテル」(最多9部門ノミネート)と「アメリカン・スナイパー」が愛された。

主要部門の結果をまとめてみた。(△が予想ハズレ)

【作品賞】
 「6才のボクが、大人になるまで。」
 「バードマン」
 「イミテーション・ゲーム 」
 「博士と彼女のセオリー」
 「グランド・ブダペスト・ホテル」
  「Selma」
 「セッション」
 「アメリカン・スナイパー」△

今回は8作品に絞られた。「ゴーン・ガール」は入らなかった。今週試写で観た「アメリカン・スナイパー」がイン!(うーむ、、、アメリカ人の好みだろうな)。セッションがちゃんと入ったのがうれしい!!

【監督賞】
 リチャード・リンクレイター(6才のボクが、大人になるまで。)
 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン)
 モルテン・ティルドゥム(イミテーション・ゲーム)△
 ウェス・アンダーソン(グランド・ブダペスト・ホテル)
 ベネットミラー(フォックスキャッチャー)△

デヴィッド・フィンチャー(ゴーン・ガール)がアウト!!!で、「イミテーション・ゲーム」のモルテン・ティルドゥムがイン!!!

【主演男優賞】
 マイケル・キートン(バードマン)
 ベネディクト・カンバーバッチ(イミテーション・ゲーム)
 スティーヴ・カレル(フォックスキャッチャー)△
 エディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー)
 ブラッドリー・クーパー(アメリカン・スナイパー)△!!!

最大のサプライズがこの部門のブラッドリー・クーパーのノミネート。確かに熱演だったが、個人的にはジェイク・ギレンホール(ナイトクローラー)に入ってほしかったな。

【主演女優賞】
 ジュリアン・ムーア(Still Alice)
 ロザムンド・パイク(ゴーン・ガール)
 リース・ウィザースプーン(Wild)
 フェリシティ・ジョーンズ(博士と彼女のセオリー)
 マリオン・コティヤール(サンドラの週末)

ここはすべて予想が当たった。鉄板の結果だったなー。

【助演男優賞】
 J・K・シモンズ(セッション)
 エドワード・ノートン(バードマン)
 イーサン・ホーク(6才のボクが、大人になるまで。)
 マーク・ラファロ(フォックスキャッチャー)
 ロバート・デュヴァル(ジャッジ)△

ここも下馬評を大きく裏切らない結果に。

【助演女優賞】
 パトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)
 キーラ・ナイトレイ(The Imitation Game)
 エマ・ストーン(バードマン)
 メリル・ストリープ(イントゥ・ザ・ウッズ)
  ローラ・ダーン(Wild)△

ローラ・ダーン(Wild)がサプライズノミネート。「A Most Violent Year」のジェシカ・チャステインが漏れる。

今年も作品に偏った傾向は変わらず、また、アルゴの悲劇があった、おととしの教訓を踏まえ、大きなサプライズは今年もなかった。大ファンである、J・C・チャンダーが手掛けた「A Most Violent Year」は今年もカスリもせず残念。昨年最も評価が高かった「Selma」は作品賞にノミネートはされたものの、他の主要部門では総スカン。噂で聞いていたとおり、十分なプロモーションができなかったみたいだ。GG賞の勢いをそのままに「グランド・ブダペスト・ホテル」が最多ノミネート。個人的にはそれほどな映画ではなかったが、ウェス・アンダーソン映画がこれほどアカデミー会員に愛されたことに、進歩を感じた。「アメリカン・スナイパー」は完全にアメリカのツボだったのだろう。。。あと、アニメーション部門で「レゴムービー」が落ちたのが納得できないけど、高畑勲の「かぐや姫」が見事ノミネートされた。これはうれしい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第87回アカデミー賞、ノミネーション直前予想。

2015-01-15 01:39:58 | 映画
第87回アカデミー賞、ノミネーション発表までついに24時間を切った。

先日、GG賞が発表されたばかりだが、ノミネーションの直前予想をしてみる。

【作品賞】
 「6才のボクが、大人になるまで。」
 「バードマン」
 「ゴーン・ガール」
 「The Imitation Game」
 「Foxcatcher」
 「博士と彼女のセオリー」
 「グランド・ブダペスト・ホテル」
 「Selma」
 「セッション」
 「Nightcrawler」

作品賞はパーフェクト予想の自信あり。これまで個人的に無視していた「グランド・ブダペスト・ホテル」がGG賞で強さを見せたので、候補入りは間違いなさそう。また、独立系映画だが、主演と助演のノミネートが濃厚であるため、作品賞にも挙がる可能性大の「セッション」と「Nightcrawler」。「Unbroken」は完全になくなった。

【監督賞】
 リチャード・リンクレイター(6才のボクが、大人になるまで。)
 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン)
 デヴィッド・フィンチャー(ゴーン・ガール)
 ウェス・アンダーソン(グランド・ブダペスト・ホテル)
 エヴァ・デュヴルネ(Selma)

ここでも、「グランド・ブダペスト・ホテル」が候補入りの予感。個人的には、デイミアン・チャゼル(セッション)が入ったら面白いと思う。

【主演男優賞】
 マイケル・キートン(バードマン)
 ベネディクト・カンバーバッチ(The Imitation Game)
 ジェイク・ギレンホール(Nightcrawler)
 エディ・レッドメイン(The Theory of Everything)
 デヴィッド・オイェロウォ(Selma)

スティーヴ・カレル(フォックスキャッチャー)をアウト。前哨戦の結果を考慮すれば、この5人で決まりそう。

【主演女優賞】
 ジュリアン・ムーア(Still Alice)
 ロザムンド・パイク(ゴーン・ガール)
 リース・ウィザースプーン(Wild)
 フェリシティ・ジョーンズ(The Theory of Everything)
 マリオン・コティヤール(サンドラの週末)

マリオン・コティヤール以外の4人目までは確実だろう。5人目はジェニファー・アニストン(Cake)になるかも。

【助演男優賞】
 J・K・シモンズ(Whiplash)
 エドワード・ノートン(バードマン)
 イーサン・ホーク(6才のボクが、大人になるまで。)
 マーク・ラファロ(Foxcatcher)
 トム・ウィルキンソン(Selma)

トム・ウィルキンソン以外の4人目までは確実だろう。5人目はロバート・デュヴァル(ジャッジ)になるかも。

【助演女優賞】
 パトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)
 キーラ・ナイトレイ(The Imitation Game)
 エマ・ストーン(バードマン)
 メリル・ストリープ(イントゥ・ザ・ウッズ)
 ジェシカ・チャステイン(A Most Violent Year)

ここはすべてに当確予想。今年もメリル・ストリープは候補に挙がって記録を更新しそう。受賞はないけどね。

日付変わって、今晩の22時45分からネット中継。。。緊張してきたー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第72回ゴールデン・グローブ賞が発表された件。

2015-01-14 00:58:59 | 日記
一昨日、第72回ゴールデン・グローブ賞が発表された。
で、昨日、AXNで授賞式を観た。結果と授賞式の様子についてまとめておく。★が受賞。

<ドラマ部門>
◆作品賞
 ★6才のボクが、大人になるまで。(リチャード・リンクレイター監督)
  フォックスキャッチャー(ベネット・ミラー監督)
  イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密(モルテン・ティルドゥム監督)
  Selma(エヴァ・デュヴルネ監督)
  博士と彼女のセオリー(ジェームズ・マーシュ監督)

受賞部門の中で一番の華。「6才のボクが~」がやはり強かったという印象。まあ文句なしです。共演者たちが壇上に上がり、成長した「ボク」こと、エラー・コルトレーンに、「パパ」ことイーサン・ホークが長く抱擁するシーンを観て感涙してしまった。カッコいいぜ、イーサン・ホーク!!!

◆主演男優賞
 ★エディ・レッドメイン(博士と彼女のセオリー)
  スティーヴ・カレル(フォックスキャッチャー)
  ベネディクト・カンバーバッチ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
  ジェイク・ギレンホール(Nightcrawler)
  デヴィッド・オイェロウォ(Selma)

ここも下馬評通りだが、若いエディ・レッドメインが受賞してなかなか痛快。先輩たちに気遣いながらも喜びを噛みしめるエディ・レッドメインが新鮮で良かった。早く彼の熱演(映画)が観たいわ。あと、彼の受賞で時折映るフェリシティ・ジョーンズが可愛い。

◆主演女優賞
 ★ジュリアン・ムーア(アリスのままで)
  ジェニファー・アニストン(Cake)
  フェリシティ・ジョーンズ(博士と彼女のセオリー)
  ロザムンド・パイク(ゴーン・ガール)
  リース・ウィザースプーン(Wild)

年末になってロザムンド・パイクが一気に追い上げ てきたけど、本命は変わらなかったということかー。満を持してのジュリアン・ムーアの受賞だ。同じ候補になっていたリース・ウィザースプーンと何度も抱擁し、談笑するシーンが印象的だった。2人は仲良しだったのかー。
  
<コメディ/ミュージカル部門>
◆作品賞
 ★グランド・ブダペスト・ホテル(ウェス・アンダーソン監督)(驚!!!!)
  バードマン(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)
  イントゥ・ザ・ウッズ(ロブ・マーシャル監督)
  パレードへようこそ(マシュー・ウォーカス監督)
  St. Vincent(セオドア・メルフィ監督)

今年の受賞結果の中で、最大のサプライズ。これまでの前哨戦で「6才のボクが~」の対抗馬として強さを見せつけてきた「バードマン」が「グランド・ブダペスト・ホテル」に負けたー。イニャリトゥファンとしては面白くない結果だけど、これまで散々無視されてきたウェス・アンダーソンに「おめでとう」という気持ちもあり。。。うーむ。

◆主演男優賞
 ★マイケル・キートン(バードマン)
  レイフ・ファインズ(グランド・ブダペスト・ホテル)
  ビル・マーレイ(St. Vincent)
  ホアキン・フェニックス(Inherent Vice)
  クリストフ・ヴァルツ(ビッグ・アイズ)

ここも鉄板でマイケル・キートンが獲得。スピーチはイマイチだった。また、俳優仲間からあまり慕われてないのか、会場の反応もイマイチだった。そもそも、彼をキャスティングしたイニャリトゥの功績が大きいかと。

◆主演女優賞
 ★エイミー・アダムス(ビッグ・アイズ)
  エミリー・ブラント(イントゥ・ザ・ウッズ)
  ヘレン・ミレン(マダム・マロリーと魔法のスパイス)
  ジュリアン・ムーア(マップ・トゥ・ザ・スターズ)
  クヮヴェンジャネ・ウォレス(ANNIE アニー)

オスカー有力候補が「ドラマ部門」に集約されてしまったため余りモノ感が強く、消去法な感じが否めないが、エイミー・アダムス、おめでとう。

<共通部門>
◆監督賞
 ★リチャード・リンクレイター(6才のボクが、大人になるまで。) 
  ウェス・アンダーソン(グランド・ブダペスト・ホテル)
  エヴァ・デュヴルネ(Selma)
  デヴィッド・フィンチャー(ゴーン・ガール)
  アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(バードマン)

順当にリンクレイターが受賞。彼のこれまでの功績を考えたら、イニャリトゥはまだ早いのかな。

◆助演男優賞
 ★J・K・シモンズ(セッション)
  ロバート・デュヴァル(ジャッジ 裁かれる判事)
  イーサン・ホーク(6才のボクが、大人になるまで。)
  エドワード・ノートン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
  マーク・ラファロ(フォックスキャッチャー)

エドワード・ノートンと前哨戦が拮抗していたけど、主演女優のジュリアン・ムーアと同様、J・K・シモンズがやっぱり強かった。スピーチもキレてたなー。祝、日本公開。

◆助演女優賞
 ★パトリシア・アークェット(6才のボクが、大人になるまで。)
  ジェシカ・チャステイン(A Most Violent Year)
  キーラ・ナイトレイ(イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密)
  エマ・ストーン(バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡))
  メリル・ストリープ(イントゥ・ザ・ウッズ)

パトリシア・アークェットの圧勝。お約束のメリル・ストリープも候補に挙がっていて、そのサービス精神で何度も会場を沸かす。

◆脚本賞
 ★バードマン
  6才のボクが、大人になるまで。
  ゴーン・ガール
  グランド・ブダペスト・ホテル
  イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密

おお、ようやくイニャリトゥが一矢を報いる。だが、作品賞を「グランド・ブダペスト・ホテル」に獲られたのは痛いな・・・。アカデミー賞本戦でも苦戦しそうな予感。

映画部門をまとめると、ほぼほぼ予想通りの結果だった。同時通訳のせいもあって、あまり受賞者のコメントがよくわからなかった。
もう1つのTVドラマ部門は結構な波乱が起きた。嬉しいサプライズは、現在夢中になって観ている「ダウントンアビー」の「アンナ」こと、ジョアンヌ・フロガットが受賞したことだ。対象はまだ観ていないシーズン3なのだけど、現在NHKでやっているシーズン2で彼女の名演にウットリしたばかりだったので、めちゃくちゃ嬉しかったなー。あとは、「ゲーム・オブ・スローンズ 」「ハウス・オブ・カード」など、並いる候補を押しのけ、「THE AFFAIR」という不倫をテーマにした新作ドラマが作品賞を受賞した。また、ミニドラマ部門で絶賛されていた「TRUE DETECTIVE」が「FARGO/ファーゴ」に一蹴されてしまった。確実と思っていた主演男優賞もマシュー・マコノヒーではなく、「FARGO/ファーゴ」のビリー・ボブ・ソーントンが受賞。あんだけ凄い演技をしたのになー。現在録画中でまだ観ていない「FARGO/ファーゴ」を観るのが楽しみになってきた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第88回キネマ旬報ベストテンが気持ち悪かった件。

2015-01-10 23:25:47 | 映画
一昨日、2014年公開映画のキネマ旬報ベストテンが発表された。
例によって「映画評論家」という人たちの投票だが、その結果がとても気持ち悪かった。

日本の映画評論家たちのイースットウッドへの偏愛は、もはや病的だ。

<外国映画ベスト・テン>
1位 ジャージー・ボーイズ
2位 6才のボクが、大人になるまで。
3位 罪の手ざわり
4位 エレニの帰郷
5位 ブルージャスミン
6位 インターステラ―
7位 リアリティのダンス
8位 インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
9位 ウルフ・オブ・ウォールストリート
10位 ラッシュ/プライドと友情

「ジャージーボーイズ」が1位って。。。「イーストウッド」という判が押されて、悪くない映画であれば迷わず1位にする、毎年のキネ旬の恒例なのはわかるけど、ここまで続くと呆れを通り越して、さすがに気持ちが悪い。監督賞も勿論「イーストウッド大先生」。映画評論家の人たちは「イーストウッド」を支持しないと、何かにハブられるとか、表沙汰にできない事情があるのだろうか。数少ない歴史ある映画情報の発信媒体として、キネ旬はいい加減、「イーストウッド縛り」を見直した方が良いんじゃないかな。ホント良くないと思うし、品位に欠ける。真っ当な映画評論家の選出であれば1位は間違いなく「6才のボクが、大人になるまで。」だろう。
他の選出作は、個人的な賛否に関係なく、どれも「巨匠」作品ばかりで面白くない。新しい才能に対して素直に評価するということを、この人たちはしないのだろうか。

<日本映画ベスト・テン>
1位 そこのみにて光輝く
2位 0.5ミリ
3位 紙の月
4位 野のなななのか
5位 ぼくたちの家族
6位 小さいおうち
7位 私の男
8位 百円の恋
9位 水の声を聞く
10位 ニシノユキヒコの恋と冒険
10位 蜩ノ記

やっぱ1位は「そこのみにて光輝く」になるのねー。苦笑。
2位以降は、キネ旬にありがちな選出ながら、8位の「水の声を聞く」は全く知らなかった。調べてみたら面白そうな映画だ。てか、主演が元ブランチリポーターの玄里(ヒョンリ)ちゃんじゃないか。。。ますます観たくなるが、DVDレンタルは未定らしい。早く観たいな。

<個人賞>
日本映画監督賞:呉美保「そこのみにて光輝く」
日本映画脚本賞:高田亮 「そこのみにて光輝く」
主演女優賞:安藤サクラ 「百円の恋」「0.5ミリ」
主演男優賞:綾野剛 「白ゆき姫殺人事件」「そこのみにて光輝く」
助演女優賞:小林聡美 「紙の月」
助演男優賞:池松壮亮「愛の渦」「ぼくたちの家族」「紙の月」他
新人女優賞:門脇麦「愛の渦」他
新人男優賞:東出昌大「アオハライド」他
外国映画監督賞:クリント・イーストウッド大先生「ジャージー・ボーイズ」(笑)

「そこのみにて光輝く」って褒めすぎ。。。芋づるで3名が選出。綾野剛はこれからだろうに。
小林聡美と池松壮亮の選出は素直に嬉しい。演技部門の選出は毎年、真っ当なんだよなー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2014年映画 勝手に個人賞【洋画・日本映画】

2015-01-10 23:16:40 | 勝手に映画ランキング
2014年の映画の総括として、最後に個人賞を勝手に選んでみる。

<洋画編>
【監督賞】 クリストファー・ノーラン(「インターステラー」)
【主演男優賞】 マシュー・マコノヒー(「ダラス・バイヤーズ・クラブ」「インターステラー」)
【主演女優賞】 ロザムンド・パイク(「ゴーン・ガール」)
【助演男優賞】 イーサン・ホーク(「6才のボクが、大人になるまで。」)
【助演女優賞】 パトリシア・アークエット(「6才のボクが、大人になるまで。」)


<日本映画編>
【監督賞】 大友啓史(「るろうに剣心 2部作」)
【主演男優賞】 佐藤健(「るろうに剣心 2部作」)
【主演女優賞】 安藤サクラ(「百円の恋」)
【助演男優賞】 池松壮亮(「愛の渦」「ぼくたちの家族」「紙の月」)
【助演女優賞】 小林聡美(「紙の月」)


洋画個人賞について
監督賞については、本来オスカーの最有力でもある、12年のプロジェクトを成功させたリチャード・リンクレイターを挙げるのが順当かもしれないが、「インターステラー」という映画は、ノーランという映像作家でしが生み出せなかったはず、という点で決めた。主演男優賞のマシュー・マコノヒーは昨年のオスカー受賞者であり「ダラス・バイヤーズ・クラブ」でのパフォーマンスに文句なしなのだが、昨年はTVドラマにも進出し、その「True Detective」で演じた主人公が、まーーー素晴らしかった。ドラマ枠の演技で鳥肌が立ったのは、ブレイキングバッドのブライアン・クランストン以来。それも加味しての選出。他、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞はかなり順当。

日本映画個人賞について
娯楽系映画、中でもアクション映画という日本映画が弱いジャンルにおいて、新風を吹き込んだ「るろうに剣心~」の監督、大友啓史を選出。同作で主人公を演じ切った佐藤健は、体力的な消耗はハンパなかったと思い「お疲れ様でした」。主演女優賞は「紙の月」の宮沢りえで濃厚だったけど、年末に観た「百円の恋」で安藤サクラにひっくり返された。助演男優賞の池松壮亮は2014年の日本映画におけるマンオブイザイヤー(拍手)。どの作品も素晴らしく、今後の日本映画を間違いなく牽引する逸材。助演女優賞の小林聡美は、彼女なくして映画「紙の月」の成功はなかったと思えるほどの助演ぶりだった。

以上で、2014年の私的映画総括は終了。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする