から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

All Is Lost 【気になる映画】

2013-10-29 01:26:37 | 気になる映画


2012年、日本未公開映画(DVD鑑賞)の中で1番自分をアツくした映画「マージン・コール」。
金融街での危機を舞台に、ビジネスマンたちのエゴとプライドがせめぎ合う様を、
リアルタイムで追っかけた傑作。その脚本力に圧倒され、発奮してしまった。

脚本&監督を務めたJ・C・チャンダーの名を強く覚えていたが、
彼の次作となる「All Is Lost」という映画が、
「12 Years a Slave」と同時期公開の先々週から全米で公開された。

物語は海上でたった1人遭難した老人のサバイバル劇らしい。

Rottenでのレビューは94%のフレッシュと、非常に高い評価で、
とりわけ主演のロバート・レッドフォードへの絶賛ぶりが目立つ。
名優とも言われているロバート・レッドフォード史上でも、
本作が最高のパフォーマンスと評すレビューも見受けられる。

出演はロバート・レッドフォード、ただ1人とのこと。
前作の「マージン・コール」では何人ものキャラクターを登場させ、
オーケストラのごとく一体の協奏曲として奏でた前作から一変して、ソロ演奏である。。。

どんな映画になっているのか気になる。

とりあえず面白いことには間違いなさそうだが、日本公開は未定。
「マージン・コール」のように劇場公開がスルーされないことを願う。

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12 Years a Slave 【気になる映画】

2013-10-29 00:50:54 | 気になる映画


気づけばあと2ヶ月ちょっとで2013年が終わる。

毎年のことだが、この時期はオスカー賞レースに絡む上質話題作が
立て続けに全米で公開される。日本での公開はいつになるかわからないけど。。。

その中でも「ゼロ・グラヴィティ」と賞レースを今後確実に争うことになるであろう、
超注目作「12 Years a Slave」が先々週から全米で公開された。

内容は19世紀のアメリカを舞台に、
奴隷として売られてしまった黒人男性の12年に渡る物語らしい。

かつてアメリカという自由の国で確かに実在した、
理不尽で残酷な史実に対して目を背けることなく描いた人間ドラマとのこと。

限定公開映画ながら、Rottenでは150レビューの95%のフレッシュ。
注目すべきはオーディエンスの94%という驚異的な支持だろう。

監督は「シェイム」で忘れえぬ記憶を残させたスティーヴ・マックイーン。
キャストが豪華すぎてヤバい。主演はキウェテル・イジョフォーだが、脇役にビックネームが揃う。
スティーヴ・マックイーン映画のレギュラー、マイケル・ファスベンダーをはじめ、
ベネディクト・カンバーバッチ、ブラッド・ピット、ポール・ジアマッティ・・・
おまけにハッシュパピーの主演親子も出演するらしい。

撮影はショーン・ボビットだ。トレーラーを観るだけでも強いセンスを感じる。

日本での公開は来春になるとのこと。残念。
2月のアカデミー賞までに観ることは叶わなそうだ。

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ウォーキング・デッド シーズン3 【感想】

2013-10-27 10:21:36 | 海外ドラマ


先日、CSのFOXチャンネルで「ウォーキング・デッド」のシーズン1~3まで、
全35話を一挙放送をしていた。しかも無料放送!何という大盤振る舞いだろう♪

DVDのレンタルでは現在、シーズン3の前半部分の1話~8話までしかレンタルされておらず、
年末のレンタル開始まで後半部分を待たねばならない状況であったため、
その朗報に飛びつき、録画していた残りのシーズン3を見終わった。

ウォーキング・デッド、激しく面白い。
実にスリリングで、感情に訴えかけるエモーショナルなドラマだ。

最終話は全米でのケーブル放送視聴率の最高記録を更新したらしい。

シーズン1が全6話、シーズン2が全13話。
そしてシーズン3が全16話と、どんどんボリュームアップしている。
全米での支持に合わせているようで、いかにもアメリカらしい。

シーズン3は強いて一言でまとめると、
リック率いる仲間たちの成長物語だろうか。

シーズン3では物語の容量が増えたおかげか、
登場人物一人一人にスポットを当ててくれる。

想像だにしなかった悲劇が次々と襲う。
そのとき、仲間のリーダーであるリックに問われる資質。

リックの息子であるカールは逞しくなるとともに、
人として何かを失ってしまった危うさあり。。。

気弱で脆さが目立ったオバさんのキャロルもシーズン3では
傷ついた仲間たちを癒す肝っ玉母ちゃんになってる。

唯一のアジア系であるグレンは愛するものができたことで一層強くなる。

シーズン3で初めて登場した女剣士ミショーンは、
リックたちとの出会いによりかつての自分を取り戻していく。

シーズン2で少女だったベスは回を増すごとに綺麗になっていくし。笑

その中でも変わらぬ最長老のハーシェルが、
仲間たちを影で支える最大の功労者になる。

そして本作で最も魅力的に描かれているのがダリルだ。
シーズン3では強さ、カッコ良さだけでなく、弱さを魅せる。
ダリルの知られざる過去に踏み込んだ描写が印象的でグッときてしまった。
これまで見たことにないダリルを見ることができる。もっと好きになる。

また、本作での物語の大きな軸は人間対人間の戦いである。
カールの「殺さなければ殺される」というセリフが象徴的。

限られた物資、限られた安全のなか、自分たちの身を守るためには、
第三者を排斥するという姿勢を貫かなければならない。
シーズン2までに形成されていたこの概念を、
シーズン3で登場する「提督」という新たなキャラが潰してみせる。
「提督」が築いているコミュニティは他者を受け入れることを選んでいるが、
裏に潜むのは「提督」の無慈悲で絶対的な支配。これがなかなか現実的で面白かった。

リックたちとの衝突により、その化けの皮が禿げていく後半部分は、
サスペンスあり、ド派手なアクションありで、文字通り目が離せない。

人間同士の戦いの場にあってもゾンビという要素が変幻自在に使われていて、
あくまでゾンビがいないと成立しない展開になっているのが巧い。

変わりゆく世界の中で、変わるべきことと、変わってはならないこと。
人としての「良心」をどう支配していくか。そこに感動のドラマが待っているのだ。

本作の魅力は語り尽くせないほどだ。

第35話の放送後にやっていた、シーズン4は第一話だけ観たが、
また新しいアプローチに挑戦しているようだ。今後も楽しみだ。

過酷なドラマだけに、明るい舞台裏が見られるメイキングが見たいなと思う。








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偽りなき者 【感想】

2013-10-26 12:05:25 | 映画


偽りなき者 【75点】
新作レンタル。劇場公開を見逃した1つ。人間の愚かしさと強さを描いた秀作。
幼女の何気ない嘘で、地獄に突き落とされる男の話。子どもは純粋に嘘をつく。
誰が悪いのではない。そこにあるのは人間の普遍的な愚かしさだ。不快さが充満する。
凍てつく田舎町で堅い絆で結ばれきた町民たちとの絆が切れるとき、それは脅威に変わる。
愚かさはある意味、人間の弱さか。本作は人間の弱さに終わらず、人間強さまでをも描く。
北欧のカメレオン俳優ことマッツ・ミケルセンがひたすらに素晴らしい。観る側を離さない。
ラストが秀逸。監督のトマス・ビンターベアの過去作をチェックしたいと思う。

王になった男 【70点】
新作レンタル。振り返るとベタな映画だと思うがまんまと感動させられてしまう。
暴君な王の代役となった道化師が善き王として手腕を発揮する宮廷劇。
腐った世界を一喝して打破していく姿は「半沢直樹」によく似ている。
王として自身の末路を顧みず、立ち向かう勇気もさることながら、
偽物と知りながら、感化されていく周りの重臣たちの移ろいが感動的。
イ・ビョンホンの堂々たる演技と、「神弓」「トガニ」「サニー」等で、
気になっていたキャストがそろい踏み。そのアンサンブルも楽しい。

サブマリン 【65点】
新作レンタル。面白い。想像力にあふれる多感な男子の視点からみた青春の世界。
恋に落ちる風変わりな主人公男子と、これまた風変わりな女子のキャスティングが絶妙。
どこからみても可愛いとは言えない女子を主人公の相手に据えた巧さにセンスを感じる。
青春とは何と不確かなものだろう。そのかけがえのない人生の1シーンを、
独特のユーモアとリズムで魅せつける。魅了される。「潜水艦」と称したタイトルも巧い。
監督リチャード・アヨエイドは今後要注目だ。
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地獄でなぜ悪い 【感想】

2013-10-22 00:14:06 | 映画


園子温の新作「地獄でなぜ悪い」を観る。

昨日は20日でMOVIXさいたまが1000円の日だった。
大雨かつ公開の末時期だったので空いていると思いきや、結構な混みようで驚く。
埼玉県民の中にも園子温ファンはいるのだと実感。

本作は、2つの暴力団の抗争を映画として撮影しようとする人たちの物語だ。

血しぶきさえも「虹色」に変えてしまうメルヘン&ファンタジー活劇。

「地獄でなぜ悪い」の応えは「全然悪くないっス」。

様々なキャラが登場する。
長谷川博巳演じる、30を過ぎても定職につかず、映画を撮ることを夢見る男。
二階堂ふみ演じる、ヤクザの娘で、かつて子役として一世を風靡した女子「ミツコ」。
國村隼演じる、「ミツコ」の父親で暴力団「武藤組」の親分。
堤真一演じる、「武藤組」と敵対する「池上組」の親分で「ミツコ」に心奪われている男。
星野源演じる、「ミツコ」に関わったことで事件に巻き込まれる男。

どのキャラも主役と言って良さそうな脚本だ。
それぞれにちゃんとした物語が用意されていて、いろんなテーマをひとまとめにしている感じだ。
「恋愛」「任侠」「映画愛」「アクション」「スプラッター」・・・と、ゴッタ煮状態。

冒頭からそれぞれ異なるストーリーが同時並行に展開していくため、
どのように1つの物語にまとまっていくのか、気になりながら追っていくが、
まとめ方がもうメチャクチャである(笑)
「そんなのありか!」とその強引さにもう笑うしかない。園子温の勝ちだ。

徹頭徹尾、論理なし、秩序なし、常識なしだ。
ツッコミを入れるという発想自体が恥ずかしい。

園子温の映画に対する編愛、人格にある性癖、
そこから生まれ出る破壊力を堪能することに楽しみがある。

また、園子温映画に共通している頑丈なキャスティングが、
本作の140分という上映時間を飽きさせないものにしている。どのキャストもキマっている。
國村隼が確かであることは勿論のこと、堤真一がエラいことになっている。
「半沢直樹」なんて目じゃない凄まじい顔芸を披露。劇場の笑いを独り占めしていた。

そして何と言っても、「ミツコ」演じた二階堂ふみだ。
血まみれのベロベロディープキスを魅せたと思えば、
ホットパンツごしの彼女の半ケツをカメラは執拗に追っかける。
他にも二階堂ふみを通して多くのエロスが魅せつけられる。

荒唐無稽な本作のパワーの源泉はヒロインの「ミツコ」であることは間違いなさそう。
長谷川博己演じる映画バカの熱量をもってしても叶わない。
映画とは頭と心、そして下半身をもって感じるものであるだ、と言わんばかりだ。
園子温はつくづく女子の肉感が好きな男だ。大いに共感。だから楽しい。

映画を観て、その作り手である監督の思考を
これだけ気にしてしまう映画監督は日本にどれだけいるだろうか。
それを作家性と言い換えるのは語弊があるかもしれないが、
やはり園子温という映像作家は特筆すべき存在だ。

ラストの締め方は芸がなさすぎてさすがに買えない。
様々な立ち位置のキャラを同じ勢いで描いたことに散漫さも否めない。

完成度としては欠点多き映画でもあるが、
前作「希望の国」から見事復活を果たしてくれたようで嬉しい。歓迎。

【65点】

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テープ 【感想】

2013-10-20 00:37:30 | 映画
現在、ゲオで31日レンタルキャンペーンをやっているので、
旧作かつ、評価が高いのに、見逃している映画(DVD)を最近よく観る。。。
寸評を残しておく。



テープ 【70点】
とても面白い。登場人物3人のモーテル内での密室劇。
リチャード・リンクレイターの脚本の妙!
開始20分までの退屈な会話に観賞を途中でやめようかと思ったが、
「テープ」が出現する中盤から劇的に面白くなる。次々と入れ交わる事実と記憶。
3人の感情のすれ違いが生々しくてスリリング。話が進むにつれて前のめりになる。
自分とおよそ共通点のない登場人物たちの思い出話が不思議なほどに近くに感じる。

ダークシティ 【60点】
好きな世界観だと思って観たがそうでもなかった。終始グレーな世界に少し飽きる。
ストーリーラインははっきりしているのに何故か手応えがない。何かフワフワしてる。
15年前に作り出された映画だと考えると、その視覚効果は凄いのだけれど。
脇役のジェニファー・コネリー、キーファー・サザーランドは今やビッグネーム。
主演ののルーファス・シーウェルは以降の映画でずっと脇役だ。わからないものだ。

消されたヘッドライン 【65点】
ロン毛でデブっちょなラッセル・クロウが気持ち悪いが、まずまず。
ジャーナリズムと私的感情(友情)の狭間を描いて面白い。
ラッセル・クロウとベン・アフレックの同級生は無理がある。
新聞屋であることを、もう少しリアリティをもって描いてほしかった。

狼男アメリカン 【55点】
カルト的な人気を誇るホラー映画であるが、うーん面白さがわからない。
話は至って平凡だし、ユーモアもあまりツボに入らない。
32年以上前の映画製作で、あのメイキャップは驚くべきクオリティ。
殺された友人の顔面肉片ビラビラがひたすら気持ち悪い。想い出すんじゃなかった。。。



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HOMELAND シーズン2 【感想】

2013-10-19 00:42:45 | 海外ドラマ


もう2週間以上前になるが、海外ドラマ「ホームランド」の
シーズン2(全12話)を観終わったので感想を残しておく。

テロリズムというテーマを通して、大国アメリカの暗部、
現代を活きる人間の生き様、家族の情景を活写し、
その高い完成度から名だたる賞を総ナメにしたシーズン1。

シーズン2は、そのプレッシャーをモノともしない圧巻の仕上がり。
このドラマ、やっぱスゴイわ。

シーズン1同様、キャスティング、脚本、演出、どれをとっても隙がない。

シーズン2ではそれに娯楽性が加わり、よりスリリングでドラマチックな内容になっている。

「次の回ではどうなってしまうのか?」という引力もシーズン2の方が強くなっている。
但し、その魅せ方に展開を面白くするためだけのあざとさはない。
なので、観出すと止まらなくなる。。。

登場人物たちの言動、物語の展開が、強い説得力を保ちながら進行していく。
毎回毎回、その出来栄えに惚れ惚れする。

主演のダミアン・ルイスとクレア・デインズが何といっても素晴らしい。
その輝きは本作そのものを象徴しているようだ。彼ら2人をキャスティングした人は偉い。
凄い演技してくれるわ〜と、何度も胸がアツくさせる。

回を追うごとに存在感が増していくマンディ・パティンキンは見事な助演ぶりだし、
シーズン2で新たに加わった諜報員役のピーター・クインもドラマをより面白くさせる。

海外ドラマにはあまり明るくないが、全米では映画とドラマの垣根がなくなってきているようだ。
最近ではデヴィッド・フィンチャーが初めてドラマ・シリーズ(『ハウス・オブ・カード』)を手掛け、
また、来年1月全米放送開始のドラマ「True Detective(原題)」では、監督がケリー・フクナガで、
主演がマシュー・マコノヒーとウッディ・ハレルソンだったり、と、
映画界を盛り上げているメンツが続々とドラマ製作に乗り出している。

日本のドラマ文化とはおおよそ違う。
是枝監督のドラマ「ゴーイング~」はとても面白かったのに、人気が出なくて残念。

本作「ホームランド」は、映画でよく観る人はあまり出ないものの、
そのクオリティは、そこらの映画を遥かにしのぐ。
全12話、計12時間の映像作品として考えれば映画よりも秀逸かもしれない。

シーズン3は、全米で先月9月から放送を開始した。
日本では今年末より放送開始らしい。

シーズン2はドエラいエンディングだった。
シーズン3の予告編を見たところ、物語がもっとスケールアップしているようだ。

あぁシーズン3が楽しみで仕方ない。
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トランス 【感想】

2013-10-14 02:25:41 | 映画


映画館で映画を観ることが好きだが、それは良いことばかりではない。
見ず知らずの人と一緒に観るので、当然周りに気を使わなければならない。
自分自身が周りに気を使うことは面倒じゃない。当たり前のことだし。
だけど、特におっちゃんたち。。。
姿勢良く深く座ってもらうとシネコンの座席でも、頭部がスクリーンに被る。

日本での公開を楽しみにしていたダニー・ボイルの新作「トランス」を観た。

真ん前に座っていたおっちゃんが、自分の癖なのか、高揚するシーンで、
腕を上げてスクリーンに被っている後頭部を何度も手で撫でる。。。

どうしても我慢できなかったので、映画の中盤くらいに、
「すみません、腕をこうやって上げるの、やめてもらえますか?」
とお願いする。。。こんなこと初めてだ。

おっちゃんは素直に聞いてくれたが、「言うべきではなかったかも」と、
逆に気にしてしまって、その後も映画にあまり集中できなかった。。。

映画「トランス」を観終わって、まず思ったのは「ひぃー難解っ!!」。

ハッピーエンドなのか、デッドエンドなのかすらもわからなかった。

面白いと感じたが、咀嚼できない気持ち悪さは「裏切りのサーカス」に近かった。
自分の想像力の無さと、前席のおっちゃんのせいだ。(笑

物語は、オークション会場で40億の名画を盗んだものの、
名画を隠した男の記憶が喪失し、名画が行方不明になるという話だ。

名画を見つけ出すためには、男の記憶を呼び覚ます必要があり、
その手段が催眠(トランス)療法なのだ。

近年傑作を創出し続けているダニー・ボイルは本作でもキレキレだ。
彼の代名詞とも言えるスタイリッシュな映像と音楽の幸福な融合は本作でさらに進化。
魅せ方のテクニックに踊らされず、登場人物の確かな心情を掴み取りながら、
展開のウネリを力強く鮮烈に描き出す演出に何度も唸る。
「あぁダニー・ボイル、やっぱ好き」。

本作では、これまでのダニー・ボイル映画にはなかったアプローチをしている。
描かれる登場人物たちの脳内攪拌を、観客側にも体感させる点だ。

登場人物は主に3人。3人の記憶と現実が交互に照射される。
どこまでが現実で、どこまでが虚構の話なのか判別しにくい構成にしている。
「ということは、これはこういうことなんだな」という先読みが尽く潰される。
いや、それが正解なのかもちゃんと分かっていないのかも。
ちゃんと理由付けがなされているストーリーであることはわかるのだけれど。。。

主演のジェームズ・マカヴォイのパフォーマンスが光る。
「ラストキング・オブ・スコットランド」や「ウォンテッド」と同様、
ボコボコにヤられるのがよく似合う。ヘタレのようで芯に強さがあるので絵が悲惨にならない。
感情的になれる引き出しも含めて、本作のキャラにとてもフィットしている。
そして、ジェームズ・マカヴォイ同様、同級生であるロザリオ・ドーソンだ。
随分と老けた印象だが、衰えを知らないグラマラスバディにトランスする。
本作をきっかけに交際していたダニー・ボイルに嫉妬する。。。。

前作「127時間」同様、美しさと(半端ない)グロさのコントラストあり。
抜群のロマンスを感じる脚本は感動的で秀逸。傑作なのだと思う。

ただ、自分はよくわからなかったというのが事実。
おそらく「裏切りのサーカス」同様、2回目以降で好きになるのだろう。

【60点】



















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2013年の夏映画興行を振り返ってみた件。

2013-10-12 11:54:38 | 日記
10月に入って10日以上が経つ。
今更だが、自身の備忘録として今年の夏公開映画興行を振り返る。
今年の夏公開映画は例年以上に話題作が集中したが、勝者と敗者が綺麗に分かれたと思う。

【勝者】
・風立ちぬ(110億~)
・モンスターズ・ユニバーシティ(89億)
・ローン・レンジャー(19.6億)
【敗者】
・真夏の方程式(31億)
・スター・トレック イントゥ・ダークネス(10億)
・マン・オブ・スティール(9億)

勝者と敗者は個人的な主観だ。()は興行収入。

なんといっても「風立ちぬ」と「モンスターズ・ユニバーシティ」の圧勝だ。宮崎ジブリ初の脱ファンタジーで、公開後も賛否が分かれた「風立ちぬ」だったが、結局100億を超えている。宮崎ジブリの前作「崖の上のポニョ」の150億にはやはり及ばないものの、予想以上の結果といえそう。監督引退会見(なぜやる?)後、前週比で130%になるなど、戦略もハマった。自分はジブリの1人勝ちが気に入らないので観に行っていない。
「モンスターズ・ユニバーシティ」も「風立ちぬ」同様、夏興行をけん引したが、シリーズ前作(モンスターズ・インク)が93億だったことと比べると、良くも悪くもという見方もできそうだ。
「ローン・レンジャー」はおまけ。アメリカでは今年映画の中で最もコケて、映画ファンからの酷評にもさらされていたが、日本での評判はまずまずで、最終的には日本における夏公開(実写)洋画の中で一番のヒットだ。海外から見て、やはり日本は特殊と思われても仕方なさそうだ。

「敗者」と勝手に位置づけた「真夏の方程式」は、同時期にやっていた同TVドラマが20%超えという高視聴率、なおかつ、前作の「容疑者Xの献身」が50億近い興行収入であったことを考えれば30億という興行収入は、ちょっと見込み違いだったのでは?と思う。
そして特にイタかったのは遅れてきた洋画大作の「スター・トレック イントゥ・ダークネス」と「マン・オブ・スティール」だろう。
「スター・トレック イントゥ・ダークネス」については、早い段階からプロモーションを仕掛け、マス、ソーシャルを網羅し、徹底したプロモーションが続いた。「50億を目指す」という意気込みが本気であることがうかがわれたが、その配給コロンビアの鼻息も虚しく、一部の洋画ファン、一部のカンバーバッチファンにしか、響かなかった印象。結果、大コケした前作「スター・トレック」と大差ない興収。どちらも非常に面白い映画なんだけどな。。。。
そして愛しの「マン・オブ・スティール」は、これまでのスーパーマンを刷新し、ダークでシリアスな仕上がりにしたため、とっつきにくいタイプだと思われたが、それを差し引いても先進国の中で日本の興行収入が低すぎる。中国の7分の1で、お隣の韓国にすら負けている。公開時期が遅すぎたことも多分にあると思うが、このくらいのスケールの大作であれば、一昔前は余裕で30億は超えていたはず。日本での洋画低迷を象徴する結果だ。
他、今年の夏映画で最も映画ファンを熱狂させた「パシフィック・リム」は13億。10億を超えただけでも上出来という見方もあるが、クチコミが一部の男子の中でしか浸透しなかった模様。中国は何と110億という超メガヒット!!(笑)
日本における洋画マーケティングの難しさを印象付けた夏商戦だった。夏時期に話題作が集中していたので、今年の映画興行の盛り上がりは終了したと思っていたのだが、そこに5日前に観た「ゼロ・グラヴィティ」である!!現在、北米を中心に10月の歴代記録を塗り替える大ヒット中。観た人の絶賛クチコミも激しく、息の長いヒットになりそう。洋画不況な日本においても、大ヒットを飛ばすポテンシャルは十分だと思う。鑑賞ではなく映像体験なので、ライトユーザも取り込むことは可能だろう。一度経験したら他人に共有したくて仕方なくなるだろうし。配給のワーナーがしっかり宣伝してくれればよいのだが。。。
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ゼロ・グラビティ 【感想①】

2013-10-07 23:58:19 | 映画


ブログを初めてもう少しで3年が経つ。

当初、大好きな映画を中心に、自身の日記として独り言のように書いてきたが、
ブログのPV数が上がるにつれて、自身のブログをきっかけに多くの人に映画を広めたい。。。
みたいな欲が出てきた。好き勝手言うだけの素人のくせに。

ちゃんとした文章も書けないので、実に恥ずかしいことなのだが、
今回初めて、このブログを見る方に伝えたいと思う。

今日、完成披露試写で観たアルフォンソ・キュアロンの新作、
「ゼロ・グラビティ」がモノ凄い映画でした。

これまでに経験のない映像体験だった。

映画の限界を押し広げた記念碑的な映画といっても良い。

間違っていると思うが、あえて言わせてもらうと、
3D映画が第3次映像革命であるならば、
本作「ゼロ・グラビティ 」自体が第4次映像革命だ。

スクリーンに吸い込まれる感覚を初めて味わう。
その怖さと美しさ。この映画はまさに「宇宙」だ。

3Dはマストで、IMAXでないとダメ。
2200円での宇宙旅行は安すぎる。

未体験のSFスリラーであるとともに、崇高な人間ドラマ。
娯楽性と芸術性の高いレベルでの融合に息を呑む。
次のオスカーでの作品賞は本作で決まりだと思う。

多くの映画人が嫉妬し、若き才能の目標となるような映画になると思う。

自身の2013年ベスト映画は本作で確定であるとともに、
生涯映画の中でも5本の指に入る映画になった。

もう少し落ち着いたら、ちゃんと感想を残そうと思う。

【150点】





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そして父になる 【感想】

2013-10-06 08:11:18 | 映画


時代、人種、世代を問わず、これほどまで近い距離で感じとれる映画は希だと思う。
皆、かつては親を持つ「子ども」だったからだ。

好きな日本人監督である是枝裕和の新作「そして父になる」は、
親と子の絆を見つめ直すことのできるヒューマンドラマの秀作。

一昨日に観たが、余韻をもう少し噛み締めたい。
突きつけられた問題は深刻だが、その情景はあくまで温かい。
「この映画に出会えて良かったな」と素直に思える映画。勝手に涙が出る。

本作は、産まれたばかりの赤ちゃんの取り違え事件をきっかけに、
父親として未熟だった男が、成長していく過程を描いた話だ。

事件が起きてから6年後、実の子どもを選ぶのか、育ててきた子どもを選ぶのか。。。
「血縁」と「結縁」を選択することは、親にとって、子どもにとって、あまりにも酷いことだ。

幼児である子どもたちは、まだ十分に自己表現ができない。
近所に住む5歳の甥っ子もそうだ。
ボケっとして何を考えているのか、よくわからない時がある。

だけども、是枝監督は子どもたちが持つ感情のゆらぎをちゃんとすくい取ってくれる。
純粋無垢な子どもの眼差しの向こう側に、親への想いが浮上しているのだ。

本作が素晴らしいのは、物事を的確に捉え語ることのできる親の視点からだけでなく、
子どもたちの視点からもちゃんと語られている点だ。

「そして父になる」話であり、「そして子どもになる」話だった。

是枝映画を観ていつも思うのだが、
登場人物同士の距離、カメラと登場人物の距離の置き方がとても巧い。
登場人物たちの確かな息遣いを感じ、観る側に感じ取らせる余白を与えさせてくれる。
是枝映画の中で特に好きな「幻の光」によく似ていると思った。

そして、演者が演じる人物描写への演出がまた巧い。
キャストに役を嵌めこむのではなく、キャストの個性と役柄の個性を馴染ませている印象。
(好みの問題だが、正反対の李相日や石井裕也はこの辺り見習ってほしい。。。)

主演の福山雅治は、最初に観て「福山雅治はやっぱ福山雅治なんだな」と思ったが、
その違和感が、父親になりきれない父親という違和感とうまく同化していった。

尾野真千子、リリー・フランキー、真木よう子もその実力に違わず素晴らしかった。
演技力もそうだが、子どもたちの動きにリアクションする対応力が凄い。

「凶悪」を見たばかりだったので、「リリー・フランキーの悪役とのギャップ凄いなー」とか、
余計なイメージを引きづると思っていたが、冒頭から最後まで全く感じなかった。

登場する2つの家族が絵に書いたように対照的だったり、
福山雅治演じる父親がステレオタイプだったりと、
登場人物の構図、個性を単純化したことも正解だったと思う。
おかげで、物語の本質が容易に自分の深いところまで入ってきた。

映画を観終わって
「自分の親は、自分が子どもの頃、どんなことを想って自分を育てたのだろう」
「自分が子どもだった頃、親のことをどう想っていたのだろう」と思いを巡らせる。。。

近年の邦画の中でも屈指の良作。
本作が海外で評価されたことは実に嬉しい。

洋画の不況をみて、邦画のヒットを疎んじている昨今だが、
本作は多くの人の目に触れ、ちゃんとヒットしてほしいと思う。

【90点】


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無ケーカクの命中男/ノックトアップ 【感想】

2013-10-04 02:25:41 | 映画


「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」 【70点】
 旧作。さすがはアメリカンコメディ!!アッパレな映画。
 ナンパしてひっかけた女子とゴム無しでヤったことで妊娠させてしまう男の話。
 敬遠されがちな話を遠慮なしにコメディにして、最終的に温かい涙で泣かせてしまう。
 お馬鹿コメディ映画と思いきや、終わってみれば素敵なハートウォーミングコメディ。
 主演のセス・ローゲン、生理的に苦手だったけど本作で見直した。
 ラストのエンドロールは反則。笑いながら涙がじわ~。
 あー無性に家族を持ちたくなってしまった。

「ゼロ タウン 始まりの地」 【65点】
 新作レンタル。1980年代を舞台にパレスチナ難民少年とアメリカ人パイロットの友情劇。
 Rottenで酷評されていたけど全然悪くない。少年とパイロットの関係がドライで良い。
 物語は寓話だが、少年の目を通して語られるパレスチナの史実は身につまされる。
 見終わって余韻あり。久々にみたスティーヴン・ドーフも好演。禿げそうで禿げない。

「僕と彼女とオーソン・ウェルズ」 【65点】
 旧作レンタル。俳優志望の青年が怪物「オーソン・ウェルズ」に出逢ってしまった話。
 ほろ苦さの中に爽やかな後味が残る良作。「17歳の肖像」を観たときと同じ感じ。
 いつの時代も、出逢いが人を成長させるのだなぁーとしみじみ。

「ゴーストライダー2」 【35点】
 センスがない。退屈でつまらない。マーベルコミック映画の中で唯一ハマらない。
 観る側の期待を次々と裏切る演出は嫌がらせだろうか。
 そもそも骸骨ライダーというキャラ自体に魅力的がないような気もしてきた。
 もはやニコラス・ケイジは迷走中から遭難へ。。。。
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ウォーム・ボディーズ 【感想】

2013-10-03 07:45:31 | 映画


一昨日は映画の日だった。
待ちに待った「ウォーム・ボディーズ」を観る。

チャーミングでロマンティック。萌える!!
主演のニコラス・ホルトが最高。

本作はゾンビだらけになってしまった世界で、
心優しきゾンビ男子が、人間女子に恋するラブコメディだ。

現在、海外ドラマ、ウォーキングデッドのシーズン3を観ている。
これまでのゾンビ映画同様、ゾンビは人間の脅威として描かれている。

本作は、冒頭から最後までゾンビ主観で描かれている。ありそうでなかった設定。
人間だった頃の記憶はなくなっているものの、人間と同じ思考能力が残っている。
ただし、体はしっかりゾンビなので人間の言葉は話せないし、
ゾンビっぽい動きしかできない。お腹が空けば人間の肉体を欲する。

物語の冒頭で、この一連の設定を主人公のゾンビ青年「R」の思考を通して説明するのだが、
その脳内にあるセリフと、画のシュールさが実に秀逸で笑いを堪えられない。

本作はコメディであり、ラブストーリーであり、青春ドラマだ。

捕食する側のゾンビと捕食される側の人間との、許されざる愛。。。。
姿カタチは違えど、その風景はまるで「ロミオとジュリエット」のようだ。
実際に2人の名前である「R」と「ジュリー」はその古典劇から由来している模様。

ゾンビ男子「R」は草食系男子を彷彿とさせる。
誰かと繋がりたいと強く願いながらも、ゾンビだけに一歩を踏み出すことができない。
ジュリーに出会い、初めての感情の芽生えに「進化」を遂げていく過程は、
草食系男子の成長物語のようにも映って面白い。ゾンビ映画なのに青春してるわーと。

恋人をゾンビに喰われたジュリーの行動がやや短絡的だったり「そんなにウマくいくかよ」と、
脚本と演出の甘さも大いに目立つが、それをも許容して見せてしまう力がある。
これは主演ゾンビの「R」演じたニコラス・ホルトの好演によるところが大きい。

ゾンビという無表情の中に、瞳の表情で想いを感じ取らせる巧さあり。
青く美しい瞳の奥に叶わぬ愛への切なさが宿り、観ていて堪らない。
ティーンエイジャーにも見えるあどけない表情の中に、垣間見える色気。
気持ち悪いはずのゾンビメイクが、ビジュアル系バンドみたいで艶っぽい。(笑
その色温度は違えど、「シングルマン」で彼を見たときと同じ煌めきを感じ、
すっかり魅了された。長身で、どの距離、どの角度から見ても綺麗なのだ。
彼のプライベートでの、ジェニファー・ローレンスとの復縁は非常に嬉しいニュースだ。

「愛は世界を救う」という使い古されたメッセージも、
本作を通して見ると、また新鮮に映る。

ゾンビ映画としてカテゴライズするには抵抗があるが、
面白かったのでこれはこれで良し。

本作をレイトショーで見たが、観客席を眺めて驚いたのは意外な女子の多さ。
「R」が危機を迎える場面に、思わず女子からため息が出たりしていて、
そのリアクションにも萌えてしまった。

【75点】
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悪いやつら 【感想】

2013-10-02 01:09:10 | 映画


もう一ヵ月以上前になるが、韓国映画の新作「悪いやつら」を観ていたので感想を残す。
劇場は久々のシネマート新宿。

本作のあらすじ解説では

 「1990年の盧泰愚(ノ・テウ)大統領による「犯罪との戦争」宣言を契機に、
  港町釜山で生き残りを懸けた戦いに挑む男たちの生きざまを描く。」
  
とあった。
「戦いに挑む」のは韓国ヤクザということは知っていたので、
男臭い厳つい映画を期待していた。

主演は「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシクと若き演技派のハ・ジョンウで、
いずれも信頼度の高いキャスティングだ。

チェ・ミンシクのドスの効いた迫力のヤクザっぷりを楽しめるものと、
勝手に思っていたが、そのイメージとのギャップに拍子抜けした。

チェ・ミンシク演じる男「イクヒョン」は釜山の税関で働く安月給の公務員だった。
酒に溺れやすく見栄っ張り。度胸もなく、年下のものにだけ横柄な態度をとる小物だ。
オヤジ狩りに会いやすいタイプのオヤジといった感じ。
映画が終わるまで、イクヒョンの個性が変貌することもなかった。。。

最初、期待ハズレと思って見始めたが、意外と普通に楽しめた。
ヤクザの若き組長役のハ・ジョンウ演じる「ヒョンベ」と「イクヒョン」の関係が面白かったからだ。

韓国は儒教の国ということで、
目下の者が目上の者を無条件に敬うという価値観が本作のベースにある。
その価値観に違和感を感じると本作を楽しめないと思ったので、そのまま受け入れて観た。
金、権力ともに持っているヒョンベが、遠縁にあたる目上の親戚というだけで
イクヒョンの依頼を呑み、一緒に組んで裏仕事を始める。。。

自分が感じた限りでは、イクヒョンが処世術に富んでいたわけではなく、
ひたすら酔っぱらって、金魚の糞のようにヒョンベの付きまとっていた印象だ。
チェ・ミンシクの酔っぱらい演技が抜群に巧いが、演じたイクヒョンの魅力は薄い。
本作の引力は、冷酷無比な若きヤクザ組長のヒョンベが、
「家族」というだけでヒョンベを赦し、信頼してしまう悲哀だと感じた。

ただ「家族」というだけで2人が引き合うにはやや磁力不足だったような気もしたが。。。

ハ・ジョンウが相変わらず素晴らしい。カメレオン俳優とはまさに彼のことだろう。
ラストの追い込まれた彼の演技が凄まじくて、絶品。
同世代の日本の俳優であんな表情が出来る人っているのかな〜

期待以上の面白さはなかったものの、1990年代の空気感とともに楽しめた韓国映画。

日本のヤクザ役として紅虎餃子房の社長が出演していたのには吹いた。
いつか悪役としてドラマか、映画に出るだろうと思っていたので予想が当たった。

【65点】
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ラッシュ(原題) 【気になる映画】

2013-10-01 01:14:27 | 気になる映画


F1の面白さは正直よくわからない。
だけど、先週より全米公開されたF1の映画「ラッシュ(原題)」が非常に気になっている。

現時点でRottenで88%のフレッシュを獲得。
オーディエンスも94%の支持と絶賛に近い評価だ。

1970年代にF1レーサーとして活躍した実在の人物、
ジェイムズ・ハントとニキ・ラウダというライバル関係にあった2人の男を描いたドラマらしい。

キャラクターもドライブテクニックも異なる2人の栄光と挫折、
命をかけるレースでしか生きられない男たちの性が丁寧に描き込まれているらしい。

監督は実話モノで絶対に外すことのないロン・ハワードだ。間違いなさそう。

ジェイムズ・ハントを演じるのはクリス・ヘムズワースで、
ニキ・ラウダを演じるのはダニエル・ブリュール。

2人とも実在の2人によく似ていてびっくりする。

クリス・ヘムズワースって演技が巧い印象はないのだが、
本作もそうだが、昨年の「アベンジャーズ」しかり「キャビン」しかり、
良作映画に多く出ている印象だ。2010年のスター・トレックにも出ていたし。

「グッバイ、レーニン!」が懐かしいダニエル・ブリュールは
今やハリウッド大作にも名を連ねる国際派俳優となった。

本作での彼のパフォーマンスに大きな支持が集まっている模様。
次のオスカー、助演男優賞にノミネート確実との声もレビューから散見される。

日本公開はギャガの配給で来年の2月とのこと。
オスカー賞レースでは作品賞、監督賞、助演男優賞あたりでノミネートか。。。
オスカー授賞式の前に何としても観たい。

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