から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

2012年カンヌ映画祭

2012-05-29 01:03:09 | 日記
昨日5/28、今年のカンヌ国際映画祭が終わる。

受賞結果は以下。

◆パルムドール
 『Love』(ミヒャエル・ハネケ)

◆グランプリ
 『Reality』(マッテオ・ガローネ)

◆監督賞
 カルロス・レイガダス(Post Tenebras Lux)

◆男優賞
 マッツ・ミケルセン(The Hunt)

◆女優賞
 コスミナ・ストラタン、クリスティナ・フルトゥル(Beyond the Hills)

◆脚本賞
 『Beyond the Hills』(クリスチャン・ムンギウ)

◆審査員賞
 The Angels' Share(ケン・ローチ)

知らない人ばっかだ。。。

近年の何かしらのカンヌの賞に絡んでいた
ハリウッド映画が今年は皆無で寂しい。

注目はやはり2度目のパルムドールとなったミヒャエル・ハネケか。
いつも、決して心地がよくないエグい人間心理の描き方をするハネケの映画。。。
まだトレーラーが公開されていないが、どうやらお爺ちゃんとお婆ちゃんが主役っぽい。
これまでとテイストが違うのかも。だけどあんまり惹かれないな~。

あとはマッツ・ミケルセンの男優賞。
故郷の北欧系映画を中心に重厚な人間ドラマに出演する一方で、
ハリウッドのB級アクションムービーにも出まくるスーパー雑食系俳優。
来るもの(オファー)を拒まない(!?)そのスタイルに潔さすら感じて逆に好きだ。
そして脱いだら堂々のゴージャスボディ。
ダニエル・クレイグと張ったカジノロワイヤルでは筋肉合戦をしてほしかったな。。。

ここ3年はクリストフ・ヴァルツ、ハビエル・バルデム、ジャン・デュジャルダンと、
同男優賞をとった俳優陣がコゾッてオスカーに絡んでいるので
ミケルセンもひょっとしたらノミネートされるかも。

彼の「The Hunt」は日本公開、いつになることやら。。。





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【続】映画「アベンジャーズ」が全米で沸騰している件。

2012-05-22 00:28:07 | 日記
アメリカでの「アベンジャーズ」の勢いが止まらない。

全米で公開3週目。
昨年の全米の年間興行収入1位の「ハリポタ」(3億8000万ドル)を抜きさり、
4億5000万ドルに到達した。

歴史的ヒットといわれた「ダークナイト」が33週かけて樹立した
全米歴代3位の5億3000万ドル超えも時間の問題だろう。

「アベンジャーズ」の大ヒットの影響で、
日本でもお馴染みの「ダーク・シャドウ」と「バトルシップ」が大コケしている模様。
また「バトルシップ」についてはアメリカ国内での叩かれっぷりが尋常じゃない。
自分の目に狂いはなかったとホっとする。
今年のラジー賞候補の作品賞、主演賞ともに筆頭である。

世界の興行収入でみると
8月まで公開がオアズケの洋画ガラパゴス日本を除いた、
世界の興行収入は7億ドルを超えた。

まー日本でどんなにコケても
ハリポタを抜いて「アバター」「タイタニック」に続く、
全世界歴代興行収入3位になることは間違いなしだ。
さすがに「タイタニック」超えはないだろうけど。。。

先週だったと思うけど、一昨年アバターのIMAX3D上映でガッポリ儲けた109シネマが、
予想外(!?)のアベンジャーズの記録的ヒットを受けて、
興行に力を入れるみたいなニュースがあったな。。。

仕事の関係で映画館利用者の今サマーシーズンの大作映画の
注目度を調べてみたら「アベンジャーズ」がめちゃくちゃ低い。。。
スパイダーマンより注目度が低いのはまぁわかるが、
バイオハザードよりも低いのは悲しい。

日本人はやっぱダントツ「踊る大捜査線」なのだ。(笑
「俺には仲間しかいないんだ!!」って。。。ダサいわ。

結構テレビCMもやっていると思うのに、
「アベンジャーズ」がまったく響いていないことに
日本における映画マーケティングの難しさを感じた。



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ファミリー・ツリー 【感想】

2012-05-20 23:32:54 | 映画
職場の女子はハワイ好きが多い。

「ハワイは観光地だし、面白くなさそう」と言うと、
「食わず嫌いは良くない」と言われる。

今日観た待望の映画「ファミリー・ツリー」を観て、
ハワイファンが多い理由が少しわかった気がした。

この映画、好きだな~。
普通に感動してしまった。

本作はジョージ・クルーニー演じるオアフ島に住む弁護士とその家族の物語。
ボート事故で意識不明となった妻が不倫していたことが発覚し、
その妻の不倫に対する夫と娘たちの決着と、夫が所有する先祖代々受け継がれてきた
広大なカウアイ島の土地をどこに(誰に)売却するのか、
その決断までに至る人間模様を描いたものだ。

原題の「Descendants」は子孫という意味で、
邦題の「ファミリー・ツリー」は家系図という意味らしい。
どちらも同じような意味だ。

本作は今年(昨年)のオスカーで脚色賞を受賞した。
元の原作があった上での脚色賞であるものの、
先祖代々から受け継がれた土地の売却問題を通して、過去の家族(先祖)とのつながりと、
妻の不倫と生死を通して、今いる家族とのつながりを同時に見つめた脚本が味わい深い。

本作の前提にあるのはアメリカの家族観だ。
「現代社会において日本の家族の絆は希薄になりました~」みたいな話を
聞いたような、聞かなかったような気がするが、
アメリカの家族に対する人生の優先度は間違いなく日本よりも高いと思われる。
その強い絆は愛情と信頼関係から成っているので、
不倫などの行為の裏切り度合(憎悪度)はハンパない。

妻の不倫に見舞われたジョージ・クルーニー演じる弁護士(夫、お父さん)は
まったくの被害者と感じられた。子どもの面倒を妻に任せっきりだったことを除けば、
妻に対しては変わらぬ深い愛をもって接していたようだし、不倫は気の毒の一言。
なので、その妻の不倫と知ったときの怒りと絶望感は想像に容易い。

この本作キャラの冴えない男を描くためには、演じる人間がイケてるオーラを醸してはならない。
「ハリウッドの兄貴」「セクシーな俳優」などと称されるジョージ・クルーニーが
本作で新境地を開いた、と言われた所以はここにあった。
不器用で加齢臭漂う(ような)オジサン役をユーモラスに、そして情感たっぷりに演じて魅せた。
妻の不倫を知った直後、抜け殻となってアスファルトの道を突っ走った時のその表情が絶品。
あのシーンが本作におけるキャラを雄弁に語っているようだ。
終盤、彼が片付けなければならない2つの課題に対しての決断が感動的だ。
ラスト、妻に想いを語りかけるシーンは涙なしには見られない。

17才の娘役を演じたシェイリーン・ウッドリーも前評判通りの好演。
彼女の存在が物語をいっそう特別なものにしている。
彼女がプールに潜って感情を吐き出すシーンが印象的だ。
監督アレクサンダー・ペインの演出も随所に光る。

そして特筆すべきは本作の背景となるハワイに対する大いなる愛だ。
全編ハワイの魅力満載で、心地よいハワイの空気、風を感じることができた。
雄大で美しいハワイの風景とハワイアンミュージックを全身で感じるという点では
本作は極めて映画館(鑑賞)向きな映画といえそう。

「最高の映画」と評した「ドライヴ」ではクレーム凄かったけど、
これだったら人にもオススメできるな。

【85点】









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ダーク・シャドウ 【感想】

2012-05-20 16:03:28 | 映画
ジョニデ&ティム・バートンの新作「ダーク・シャドウ」を観た。

一昨年の日本の映画興行収入で100億円を超えた映画は3本。
その1つがジョニデ&ティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」。
日本市場における洋画の中では、最も知名度が高く、
最も人気を博す名物コンビと言ってもよいだろう。

土曜日のレイトショーで観たのだが、公開開始2日目ということもあり、館内は満員。
客層も老若男女問わず、友人同士、カップル、お一人さま・・・と様々。
前席のカップルが上映中、結構イチャイチャしてたな。。。
デートムービーとしては良いチョイスなのかも。

本作はジョニー・デップ演じる魔女に呪いをかけられてヴァンパイアにされてしまった男が、
200年後となる70年代のアメリカで目覚め、没落してしまった末裔家族を立て直すという話だ。

最近のティム・バートンは個人的にイマイチだ。
前作のアリス~同様、映画館スルーをするつもりだったが、
映画関連の仕事をしている同僚が試写会参加後、
「ここ10年間のティム・バートン映画の中では一番面白かった」
と、頼もしいレビューを発していたので、観に行ったのだが、
見終わって、正直「う~ん・・・」であった。

普通に楽しめるのだが、期待していたものとは異なり、
その内容もパッとしなかった。

おそらくだが、原作ドラマのリメイクという側面が影響してか
バートンのオリジナリティがあまり反映されていないように思えた。
バートンならではの、物事を斜めに捉えた解釈、無駄とも思えるこだわり、
「毒」という言葉だけでは片付けたくない作家性が本作ではあまり発揮されていなかった。
万人受けを狙って作ったホラーコメディといったところ。

工場の爆破がなぜかピンク色であったり、部屋をめちゃくちゃにするラブシーンとか、
随所にバートンらしいビジュアルは頻出するのだが、それを観るだけでは何かモノ足りない。
妖怪大戦争的なクライマックスで若干テンションが上がったものの、時既に遅しだ。

そんな中でも楽しかったのは魔女役を演じたエヴァ・グリーンの存在。
彼女のコメディをあまり知らないのだが、デカい目と相変わらずの巨乳は、
この映画と相性バッチリである。彼女自身も楽しんで演じているようだった。
召使い役のジャッキー・アール・ヘイリーの怪演も本作に凄い馴染んでる。
最近3本に1本は出てる(!?)クロエ・グレース・モレッツ、売れてますな。。。

あと70年代のカラフルなファッションや音楽が、本作を楽しめるポイントになるだろうか。
だけどカーペンターズとか、そんな好きでもないしな。。。

映画見終わったあと、ロッテンの評価を観たが42%。。。低っ!
オーディエンスでも54%で、興行的にも大苦戦している模様。
2週目に突入し、その勢いが衰えない1位のアベンジャーズに大きく水を開けられ2900万ドル。
製作費は1億ドル以上だったので、アメリカ本国だけでの回収はほぼ不可能っぽい。

日本でのプロモーションにやけに力を入れているな~と思ってたら、
日米ほぼ同時公開であるものの、アメリカでの失敗は折り込み済みだったのかな。。。

個人的にはちょっと期待外れな内容だったが、
本作同様、アメリカと同時公開の映画をもっと増やしてほしい。

【60点】







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SHAME -シェイム- 【感想】

2012-05-19 00:15:26 | 映画
お気に入りのライアン・ゴズリングと並び今注目の俳優の一人、
マイケル・ファスベンダー主演の「SHAME -シェイム-」を会社帰りに観た。

挑発的で勇敢。
あらゆるセンスの塊のような映画だった。

日本公開は今年の3月。渋谷や新宿のみの単館上映であったため、
出向くのが面倒で、映画館での鑑賞を諦めていたが、
行きつけのユナイテッドシネマ浦和で上映されることとなり喜び勇んで観に行った。
日本公開の2ヶ月後ではあるものの、元上映館の渋谷シネクイント等よりも
大スクリーンでかつ快適な座席で観られることにホント感謝である。

客層は想定通り、男性1人客が大勢を締め、女性1人客が数名。
この映画をカップルで観られる人は尊敬できるかも。

本作はニューヨークに住む、性欲に支配されたセックス中毒の男の物語。

男は仕事ができて、お金もあり、ハンサムだ。
女性にモテて愛に生きることも簡単だろうに、男はそれを拒み続ける。

シェイムは日本語で「恥」。
その男は仕事以外の(一部仕事中含む)時間を全てオナニーとセックスに費やしている。
その男が浸隠す「恥」部を、映画は文字通り丸裸にして見せる。

「セックス」は普通に気持ち良い。
「快楽」や「悦楽」なんていう言葉にも置き換えられると思うけど、
本作で描かれるセックス、延いてはオナニーを引っ括めた「性」は、
そういった前提とは全くの無縁のものだ。

痛々しくて、苦しい。。。。
主人公の男は自らの何かを埋めるために、ひたすらチ●コを酷使する。
どんなに他人と体を重ねても、焦燥感と孤独がつきまとう。
「エロい」「官能的」という言葉は本作には全く相応しくない。

物語はセックス中毒者の男の自宅に、
奔放な妹が突然転がりこんで同居することになったことをきっかけに、
男の(ある意味)完璧な世界が崩壊していく様を描いていく。

それは男が自身の「恥」と向き合うことのきっかけでもあった。
深まる苦悩と、相反する性へのさらなる渇望。
行き場のない欲望とともに、混沌とした夜のニューヨークに身を投じていく。

複雑な感情を併せ持つキャラを見事に体現して魅せた主演のマイケル・ファスベンダー。
そのパフォーマンスは奇跡的といっても良い。
やはり彼が前回のオスカーノミネートに漏れたことはどうにも納得できないわ~
皮と筋肉だけの一見研ぎ澄まされた肉体は、
性欲という魔物に取り憑かれて、脂肪が削がれてしまったようにも見え病的。
前貼りなしで反復される彼の全裸姿のファーストショットが印象的だ。
数あるお気に入りのシーンの中でも乱交のオーガズムの果てに魅せた
彼の表情は映画史に残る名シーンだ。

そしてそして、妹役はキャリー・マリガン。
「ドライヴ」でのライアン・ゴズリングとの共演が記憶に新しいが、
本作ではフルヌード込みの貫禄のパフォーマンスを魅せる。
愛を拒む兄とは正反対に、愛を渇望する激情型女子。
しかし、その姿は儚くて危うい。彼女も何かを埋めるために愛を乞い続ける。
ある意味、兄と同じ中毒者だ。
圧巻の演技の数々にため息が出た。彼女はホントに素晴らしい女優だ。
結婚相手、シャイア・ラブーフじゃなくて良かった。。。

マイケル・ファスベンダーとキャリー・マリガン、ハリウッドの至宝ともいえる
この2人の激しく、そして切ない演技合戦を見るだけでも必見といえそう。

本作の脚本は凡作な「マーガレット・サッチャー鉄の~」と同じ人らしい。
たまたま本作の脚本が良く出来たのかもしれないけど、
監督スティーヴ・マックイーンの演出力の賜物といえそう。
漂う魂の行き場を、人間が持つ五感をもって照射した映像の切り取り方が秀逸でカッコよい。
また前作から引き続き主演に抜擢したファスペンダーとの強い信頼関係も随所に見えた。

観る人によっては「何も残んねーよ」で終わる可能性大だが、
自分はこの映画好きだな。

【75点】




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裏切りのサーカス 【感想】

2012-05-12 11:27:08 | 映画
3週間前だが「裏切りのサーカス」を公開初日に観た。

2008年の傑作「ぼくのエリ 200歳の少女」のトーマス・アルフレッドソンの新作とあって、
期待で鼻息荒く観たのだが、感想は3週間も寝かせてしまった。
映画の内容をすぐに咀嚼しきれず、パンフレットを見て、
ようやくわかったところが多かったからだ。
情けないが、馬鹿は馬鹿なりに素直に感想を残そうと思う。

本作は東西冷戦下時、英国諜報機関でソ連の2重スパイが紛れ込んでいるという疑惑が浮上し、
ゲイリーオールドマン演じる引退した老齢元スパイがその容疑者を見つけ出すサスペンスだ。

本作はアルフレッドソンにとって初の英語作品。
そして、前作「ぼくのエリ〜」のホラーファンタジーとは180度の毛色が異なる硬派な社会派映画。
出てくるキャストも瑞々しい子役から、ベテラン英国俳優のオッサンたちに変わっている。
だけども、その監督手腕は作品が変わっても大絶賛され、
昨年の英国アカデミー賞で作品賞をとったり、アメリカのアカデミー賞でも複数ノミネートされた。

本作は全く新しいスパイ映画だ。
英国のスパイ映画をイメージすると真っ先に007が思いつくが、
そのシリーズにありがちな派手なアクション、銃撃戦は全くないし、
スクリーンを彩るボンドガール的な美女たちも一切出てこない。

そこで描かれるのは、諜報員と名乗る地味なオッサンたちがテーブルを介して、
歴史として残らない取引・作戦を協議・実施決定を行っている光景だ。
その様はまるで、(デスクワークのイメージが勝手に強い)どっかのお役所っぽい。
しかし、それは時に世界を、そして歴史を変えるシーンである。
本作の原作者は実際の元英国諜報員ということもあり、リアリティを感じた。

本作でもアルフレッドソンの美学とも思える徹底した画作りがなされている。
諜報員幹部たちが議論を交わす部屋は、煙草の煙(?)で終始スモークがかっている。
壁紙は細かい升目模様で、チェスの碁盤の目に似ていて、
容疑者候補に挙がる4名の駆け引きを象徴しているようだ。

イギリスの諜報機関の通称は「サーカス」。
容疑者候補の4人の幹部には、それぞれの個性を捩ったコードネームが振られている。
「ティンカー(鋳掛け屋)」「テイラー(仕立て屋)」「ソルジャー(兵隊)」「プアマン(貧乏人)」、
そのネーミングを聞いただけで、男子的にワクワクし、テンションが一気に上がる。

しかし、このネーミングがかなり厄介ものだった。
キャラクターたちの呼び名はこのコードネームの他に、
普段の名前のファーストネームとラストネームで呼び合い、
ひとつのキャラクターを指すのにも3通りもの名前が使われている。
「●って誰だっけ?」というシーンも多く、勘違いして話を理解すると、
結末へと向かうレールから脱線し、再乗車するのがなかなか大変だ。

そのネーミングのみならず、人物の関係性、構図、シーンの時間軸が複雑に入れ込むため、難解。
観る側の集中力、想像力、洞察力をフルに回転させないとなかなか展開を飲み込めない。

普段から読書をして、活字から世界をイメージする読解力を身につけている人とかだったら、
理解は早いのだろうけど、個人的には厳しかった。

なので、本作はリピート鑑賞で普通に楽しめると思われるが、
1回目となる今回は、名だたる英国俳優陣たちの演技を堪能した。

中でもやはり特筆すべきは主役を演じたゲイリー・オールドマンの渋すぎる演技。
常にひたすら黒ぶちメガネでポーカーフェイス。
一見、腹の中で何を考えているのかわからないが、感情の起伏をを眼差しの隙間に見せる巧さ。
ソ連側の謎の大物スパイとの関係について、回想してドアップで語るシーン。
アカデミー賞で彼のノミネート紹介にも使われていた有名なシーンだけど、
いつもの黒ぶち眼鏡の奥にあるわずかな眼光から、
スパイとして駆け回っていた若き頃の姿が見えるようで凄かった。

また今、イケイケなトム・ハーディは金髪に染めて繊細っぽい役柄を演じた。
シャツから明らかにわかるマッチョ過ぎる体つきが笑えた。
ダークナイト期待してまっせ♪

惜しむらくは各キャラのコードネームに象徴される個性が本作ではあまり描かれていなかったこと。
まあ、あんだけ複雑な内容を一人一人の人物描写まで追ってたらキリないのかもしれないけど。
DVD視聴での再見が楽しみである。

【65点】

にしても最近、北欧系映画監督がアツいな。
本作のトーマス・アルフレッドソン(スウェーデン)もそうだし、
現段階で私的年間ベスト映画「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン(デンマーク)しかり、
昨年の「未来を生きる君たちへ」のスサンネ・ビア(デンマーク)しかり。。。
日本人監督もガンバってほしいな〜

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映画「アベンジャーズ」が全米で沸騰している件。

2012-05-07 23:04:34 | 日記
先週末(5/4)、ついに全米で映画「アベンジャーズ」が封切られた。
オープニング記録としては、これまでの最高記録であった「ハリポタ最終章パート2」の
1億7000万ドルを3000万ドルも上回り、2億ドルの大台にのり新記録を樹立した。

オープニングだけで2億ドルか。。。
これは昨年の年間興行収入(全米)のTOP10にゆうに入る興行収入だ。
男性に偏るかと思われた客層も、女性も半数近くいるそうで、理想的っぽい。

このテのアメコミ映画は、たいがい不評となるRotttenでもまさかの大絶賛の嵐。笑
「ポップコーン片手に楽しむ至高のエンターテイメント!」みたいなレビューが多く、
映画館から離れた客層を呼び戻すという、大きな期待を寄せられているようだ。

自分はアメコミ映画が大好きであるが、世界観が異なるそれぞれのアメコミヒーローを
ひとまとめにするのはいかがなものかと思っていたけど、トレーラーを見たら不安は払しょくされた。
なんと言ってもトニー・スタークことアイアンマンの空中戦のカッコよさ、
アイアンマンがやられた~と思ったら、ハルクが飛んできて助けるあたりとか鳥肌が立った。

既に大ヒットを飛ばしているハンガーゲームといい、
大ヒット間違いなしの今年最注目のダークナイトライゼスといい、
今年は前年の興行収入を上回ることは必至と思われる。
アメリカの映画業界は盛り上がるな~。

その流れで日本も盛り上がってくれればよいが、
日本人の映画文化・価値観はアメリカとだいぶ違うから、
ダークナイト同様、アメコミ映画は日本ではコケそうな気がする。

日本の公開は8月17日。。。。ああ遅い。遅すぎる。
待ちきれないわ。
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テルマエ・ロマエ 【感想】

2012-05-05 15:13:08 | 映画
映画の「テルマエ・ロマエ」を昨日観た。

前日にオンラインで席をとったが、
席がほとんど埋まっていてびっくりした。
公開1週間後であるが、大ヒットしているのはホントらしい。

当日もGWの真っ只中ということもあってか、
観に行ったユナイテッドシネマ浦和は大混雑。
チケット売り場には午前中にも関わらず長蛇の列ができていた。
本作のヒット含め、映画界が盛り上がるのは喜ばしいことだ。

「テルマエ・ロマエ」は漫画が原作だ。
漫画「モテキ」を自分に勧めてくれた会社の同僚の先輩から、
「これも●君が好きかも」と貸してくれて読んだのをきっかけに、本作の大ファンになった。
マを抑えた笑いのセンスの良さと、お風呂万歳な内容がツボだ。
作者ヤマザキマリの古代ローマ人たちの生活ぶりがわかる解説も興味深くて面白い。

同僚との「テルマエ~が実写化されたら主役のルシウスは誰が演じるかね?」という雑談の中で、
「やっぱ阿部ちゃんじゃない」と意見が一致。

で、そのとおり的中した。

大いに笑った。周りを気にしながらも腹を抱えて笑った。

本作映画は阿部寛を主役に据えたことで、ほぼ9割成功している。
そのビジュアルは勿論のこと、ルシウスの生真面目過ぎる面白キャラは阿部寛にドンピシャ。
確かな演技力に裏打ちされた、ダチョウ倶楽部も真っ青なリアクションがイチイチ面白い。
劇中、裸でのシーンが多く、その肉体美は男子でも惚れ惚れする。
引き締まった綺麗なお尻には、周りの女性陣からため息が聞こえた(ような気がした)。

原作に忠実なキャスティングは他脇役でも徹底している。
顔の濃くて役柄のイメージに非常に近い北村一輝や宍戸開。
舞台役者ならではの抑揚があってドスの利いたセリフ回しが
本作キャラにぴったりな皇帝役の市村正親など。

しかし最も特筆すべきキャスティングは前半で登場するお爺ちゃんたち(素人?)である。
銭湯のお爺ちゃんや在宅ヘルパーに世話になっているお爺ちゃん。。。最高である。
「顔の平たい族(日本人)」として描かれた原作キャラに
ビジュアル、テンポがそっくり過ぎる。笑笑
ルシウスとの絡みのシーン、もう一度観たいな。。。

映画は2時間で完結せねばならないため、
まだ継続中の原作と違い、一つの結末を作らなければならない。
なので後半からは原作にはない(原作ではありえない)展開になる。
ここからキャスティングも笹野高史らをはじめとする演技ができる俳優たちに変わるのだが、
原作ファンとしてはそのオリジナルがイマイチで、一気にパワーダウンした感が否めない。

後半からの救いは、学生時代、友人たちとよく行っていた奥那須の北温泉が
日本の温泉宿として舞台になったことだ。ここの源泉かけ流し度合いは尋常じゃない。
泥酔して大いなる醜態をさらしたり、何かの罰ゲームで裸にお盆で電柱まで走ったりと。。。
個人的な想い出が沢山ある北温泉の変わらぬ美しい風景を見て、ひたすら懐かしんだ。

原作の力と、キャスティングや脚本含め、
その原作に身を委ねた結果、面白い映画ができたと思う。
後半はちょっと惜しいな。。。

お風呂は最高の娯楽であることを再認識させてくれた。

【65点】









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ケンミンショーで埼玉が取り上げられた。

2012-05-03 23:50:20 | 日記
日テレのケンミンショーで、今日、地元埼玉が取り上げられた。

悲しいが、埼玉は日本で一番特徴がない県だと思われる。
同番組でもこれまで取り上げられたネタはほとんどなかった。

言い方を変えると「特徴が一番ない」というのが特徴かも。

そんな埼玉がケンミンショーでついに主役で取り上げられるということで、
どんなネタを持ってくるのか、そしてどんな演出でみせるのか、
非常に高い感心を持って、リアルタイムで見た。

取り上げられたネタは

・山田うどん
・るーぱん
・県民の日(11/14)
・NACK5(79.5)
・免許センター(鴻巣)

であった。

なるほど・・・と、どれも埼玉県民が頷くネタだが、
これ見て盛り上がるのは埼玉県民だけじゃなかろうか。。。

おそらく他県民から見て、「え~そんな(意外な)事実があったのか」という
リアクションが得られたのは「るーぱん」くらいかと思われる。

「山田うどん」は埼玉県内に展開する店として
「早い、安い、旨い」と絶賛されていたが、正しくは、
「早い、まあまあ安い」だ。

前職で埼玉県内を車で営業していた際、
お客さんに連れていってもらって初めて体験した「山田うどん」。
「前から気になっているお店だったんですよ」と自分、
「ここはね、早くて、安くて、そこそこ美味しいんだよ」とお客さん。
お客さんの勧めで番組でも取り上げられた、かき揚げ丼とうどんのセットを
頼んで食したが、こんなの旨いと思う人の気がしれないと思った。。。
味が無駄に濃い。。。うどんはやたら醤油臭く、うどんは給食のソフトめん。
かき揚げ丼もやたらしょっぱく、天かすだらけで油っぽい。
そのあとも付き合いで行くことが何度かあったが、うどん屋なのに
カレーなど、メニューが豊富なのだが、どれも旨くない。
セットメニューで700円、800円払うのだったら、迷わず他の店に行くだろう。
番組を見て、県外の人が「山田うどん」に行ったら、その味に失望すると思われる。

だけども、もう一つの「るーぱん」は県外の人にも
胸を張って自慢できるお店だ。このテのレストランにしては非常に美味しい。
パスタ、ピザも旨いが、特にいか納豆サラダLOVEである。

他、県民の日、NACK5(ラジオ局)、免許センターのネタは
他県でも普通にある話なので、番組側も「埼玉県民のヒミツ」ではなく、
「埼玉県民の常識」として紹介していた。笑

ネタが尽きたのか、番組後半でやる「辞令は突然に・・・」では、
大宮に東夫婦が折りたった直後「東京からも通えるよね?」で初の速攻終了。

やっぱ、ケンミンショー的に埼玉は厳しいよな。

全国視聴率はイマイチだったかもしれないけど、
埼玉県内の視聴率は高かったと思われる。











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わが母の記 【感想】

2012-05-03 12:14:51 | 映画
今年は邦画もきちんと観ていこうと思い、
例年ならスルーしていたであろう「わが母の記」を観た。

監督原田眞人と役所広司のタッグとくれば、
ほぼ堅いと思っていたが、そのとおりだった。
年末の各映画賞の候補には間違いなく入るであろう良作。
シリアスな内容かな〜と構えていたら
ユーモアたっぷりの内容でかなり笑えて、嬉しい裏切りにあった。

本作は樹木希林演じる認知症を患った老いた母と、
その母を引き取った役所広司演じる息子(洪作)一家の物語だ。

序盤から原田眞人の脚本ならではの、
活きたセリフと軽妙な会話がイチイチ楽しい。
そしてそれぞれのキャラクターの個性が見えてくる。

認知症を患った母を中心に、周りの人間が振り回されるのだが、
それに終始、愛をもって接する息子家族のネアカな雰囲気が心地よい。

物語はいろんな家族の成長過程を追いながら、
わかりあえなかった母と子の距離がじょじょに縮まっていく様を描いていく。

観る側をぐいぐいと引き込む語り口は作品のテイストは違えど、
原田眞人の過去作「金融腐蝕列島」や「クライマーズ・ハイ 」に似てる。

親子の絆の確信をつくシーンは、
樹木希林と役所広司の迫真の演技と相まって、深い感動。
引き込まれ、時が一瞬止まったような感覚になった。

本作の最大功労者は間違いなく樹木希林。いやぁホントすごい。
今の記憶がなく、過去の記憶に行きる老婆を体現。
ただし認知症の姿に悲壮感はなく、劇中セリフにもあったように
冗談なのか、本気でボケているのかわからない塩梅が絶妙だ。
確信犯的に笑いを放りこんでくるような場面もあり、
そのセンスのよさに舌をまく。演じることへの余裕と遊び心を感じる。
良い歳のとり方をしている樹木希林が素敵だ。

他にも本作では多くの芸達者な女性陣が出てくるが、
とりわけ、洪作の妹役のキムラ緑子が素晴らしかった。
宮崎あおい始めとする有名女優も多数出演して一見目立たないけど、
キネ旬あたりで助演女優賞を彼女が取るのではなかろうか。

物語に寄りそうなような、移りゆく伊豆の美しい情景の切り取り方も素晴らしい。

笑いを交えて語り口はあくまで軽い、
しかし、味わい深く、感動的な親子愛を描いた本作に賛成。

【70点】


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