から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

2013年、サマーシーズン映画の興収を占う。

2013-06-28 22:16:20 | 映画
2013年、今夏に日本で公開されるサマーシーズン映画は、例年以上に期待作が目白押しだ。
邦画、洋画含めて、日本での興収レースを勝手に占ってみる。

全体的には、昨今の日本市場における、「邦画の高い興収」「洋画の低い興収」という
邦高洋低傾向は揺るがないだろう。。。(非常に不本意だが)

邦画の牽引役は「真夏の方程式」と「風立ちぬ」で、ほぼ堅いだろう。
TVドラマの延長を映画館で観ることに慣らされた日本において、
高視聴率ドラマ「ガリレオ」の劇場版「真夏の方程式」には皆飛びつくだろうし、
最強であるジブリ×宮崎駿の久々の新作「風立ちぬ」は幅広い客層を引き込むだろう。
2作品だけで、200億円は行きそうな気がする。
いずれも「東宝」の配給。今年も「東宝」はウハウハだろう。

今年、「レ・ミゼラブル」「テッド」でスタートダッシュを決めた洋画興収は今年の夏にかかっている。
タイトルラインナップをみると、50億は超えてもおかしくない注目作が揃っているのだが、
洋画の大作でも20億を超えることすら難しくなった日本市場において、
今夏公開洋画も苦戦を強いられそうな気がする。
実際、既に公開しているレオ様映画「華麗なるギャツビー」や、
ウィル・スミス映画「アフター・アース」は着地が10億を超えるかどうかの大コケである。
このようなハリウッドスター主演映画としては、これまで考えられない数字だ。

洋画のなかでも健闘しそうなのは、ネームバリューのある「モンスターズ・ユニバーシティ」や、
日本で人気の「パイレーツカリビアン〜」シリーズの西部劇版よろしくな「ローン・レンジャー」。

個人的にダークホースと睨んでいるのは、ロボットVS怪獣映画の「パシフィック・リム」だ。
公開の1ヵ月以上前にも関わらず、SNS等で結構盛り上がっている。
洋画に縁遠い10代男子にも、「エヴァンゲリオン」ファンが流れて、
ひょっとするとヒットするような気がする。

アメリカで2億ドル超えとなった「マン・オブ・スティール」の公開は8月30日。
盆明けである。。。。公開時期が遅いー。
配給側も「ダークナイト」同様、日本でのヒットを期待していないのかも。

【邦画】
俺はまだ本気出してないだけ
真夏の方程式
劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ
劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ
風立ちぬ
謎解きはディナーのあとで
ガッチャマン
許されざる者

【洋画】
華麗なるギャツビー
G.I.ジョー バック2リベンジ
アフター・アース
ハングオーバー!!! 最後の反省会
モンスターズ・ユニバーシティ
ワイルド・スピード EURO MISSION
ローン・レンジャー
パシフィック・リム
ワールド・ウォー Z
スター・トレック イントゥ・ダークネス
マン・オブ・スティール
ウルヴァリン:SAMURAI
エリジウム

インポッシブル 【感想】

2013-06-25 01:20:35 | 映画


「インポッシブル」を観る。

忘れがたい映画体験。
圧倒され、感動した。

本作は2004年に起きたスマトラ沖地震で津波に襲われた5人家族の実話ベースの話。

実話はスペイン人家族の体験談。
演じるのはナオミ・ワッツ、ユアン・マクレガーなどの良く目にする英語圏俳優なので、
一見、ハリウッド映画に見えるのだが、アメリカ資本が入っていない純スペイン産映画。
アメリカ資本が入っていたら、きっと違うテイストになっていただろう。

この映画を前にして、脚本がどうだ、演出がどうだ、と語ることが野暮に思える。
リアリティの追求。それが被災者への敬意にも感じ取られ、評価が憚られる。

映画を通して目の当たりにする津波の惨劇が凄まじい。
その迫力に胸が張り裂けそうになる。息が苦しくなる。

津波による脅威は水中での溺死のイメージが強かったが、
津波により破壊された木々や、建物などの造形物が鋭利な凶器となり、
人間の肉体を切り刻む恐怖を知る。

すべてをのみこんだ津波のあとには、文字通りの悪夢の世界が広がる。
あまりの心的ショックに、自身の大怪我にも気付かない被災者の姿が生々しい。

津波による引き裂かれた5人家族を軸に、生き残った人たちのドラマを描くのだが、
本作では綺麗ごとでは済まされない事態も丁寧に掬い取っていく。

そんな中でも、確かに存在した、他人を思いやる善意や、
言葉や人種を超えた人間の絆を目の当たりにして胸がいっぱいになる。
なんと力強く、美しいのだろう。

極限の世界に密着したキャストたちのパフォーマンスにまた圧倒される。
キャストたちの演技を超えたような演技に感涙。
主演女優オスカーにノミネートされたが、ナオミ・ワッツは本作で新たな伝説を作った。
本作が長編デビュー作となる一家の長男役のトム・ホランドの存在が素晴らしい。
今年の助演男優オスカーにノミネートされても、おかしくなかったと思うほど。
物凄い大器を感じる。

監督はスペイン人監督のJ・A・バヨナ。本作で初めて知る監督。ノーマークだった。。。。
前作の「永遠のこどもたち」ではアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされていたらしい。
観終わったあと、「永遠のこどもたち」をツタヤに借りにいくが置いてなーい!

震災、津波を経験した日本人として、未だ冷静に観られない部分もあるが、
人と人との絆をもう一度信じたくなる、自分にとって特別な映画になった。

【80点】

スプリング・ブレイカーズ 【感想】

2013-06-21 01:36:51 | 映画


「スプリング・ブレイカーズ」を観る。

今年の3月に全米で公開され、「(監督)ハーモニー・コリンの最高傑作」みたいな
評判を聞いていたので楽しみにしていた。

面白かった。
下品を通り越したエネルギッシュな世界に酔う。
ファンタジー色も強い不思議な映画だった。

本作は春休み(スプリング・ブレイク)に、
フロリダでハッチャけまくる女子大生4人グループを描いた話だ。

日本では「ひと夏の思い出」という言葉がよく使われているように、
「夏」こそ、開放的になれるイメージが強いが、アメリカでは春休みがメインのようだ。
いろいろ調べたら、大学生が春休みにどこか海辺のリゾートに出かけて、
酒、ドラッグ、セックスに溺れるというのは、ありがちな話らしい。

本作については、日本のWikiでは「コメディ映画」とあったので、
「ハング・オーバー」の女子大生版か?と思っていたが、
作りは結構シリアスで、「青春クライムムービー」という言葉がしっくりくる。

冒頭からエネルギー全開である。
聴覚を刺激する爆音BGMに、フロリダの海で狂喜乱舞する若い男女の肉体が弾ける。
欧米では、男子の興味の対象は、おっぱいよりもお尻と聞くが、それがよくわかるカットが満載。

フロリダの地に降り立った女子大生4人も、朝から晩までビキニかホットパンツだ。
キャストの4人は、みな小柄で、とてもギャルギャルしている。
4人とも実年齢は20を超えているが、ティーンエイジにしか見えない。

単体で観ると、男を発奮させるような画が多用されているのだが、不思議とムラムラしない。
海と空の青、カラフルビキニの原色、夕焼けのオレンジ、夜のプールの蛍光ブルー・・・と、
目に鮮やかな極彩色のオンパレードの中で、弾ける肉体たちもそのアイテムの一部のようだ。

主役の4人のうち、印象的だったのがディズニー映画のアイドルで
清純なイメージの強かったセレーナ・ゴメスとヴァネッサ・ハジェンズ。
2人とも本作の出演で、女優として見事に脱皮した模様だ。
金髪に染めたヴァネッサ・ハジェンズの長い舌とビッチな腰つきに萌える。

また、本作で強烈なインパクトを残したのが、
ラッパー兼ギャングの「エイリアン」を演じたジェームズ・フランコだ。
温和な笑みの先に底知れぬ狂気を湛えている。目がイっちゃているのだ。
拳銃をつけられた直後の濃厚フ●ラがヤバくて笑いが引きつる。。。
無敵だった女子大生4人たちの火傷のきっかけとなるキャラを怪演し、物語を引っ張る。
「オズ~」ではやや消化不良だったが、自分の好きなジェームズ・フランコが帰ってきた!

躍動感たっぷりの映像と、見事なシンクロを魅せるビビットな音楽も秀逸。
ブリトニー・スピアーズってアメリカではやっぱ偉大なのね~。

彼女たちが大立ち回りをする際の、ニット帽にビキニという異様なイデタチも、
浮世離れしたファンタジーに映り、本作の世界観にマッチしている。

オープニングとエンディングのクレジットのネオンがユニークだ。
ネオンってキツイ光を放って目に鮮やかなんだけど、
電気代かかって、すぐ切れるんだよなー。
刹那的で、儚い残り香を残す本作によく合っているなと思う。

あと、お目当ての一つだった「glee」のブリトニー役のヘザー・モリスは
出番少なすぎて残念だった。あっけなかったなー。

【70点】

This is the End 【気になる映画】

2013-06-19 00:57:37 | 気になる映画


コメディ映画がヒットするアメリカで、毎年どんなコメディ映画がウケているのか注目している。

昨年は「テッド」と「21ジャンプストリート」が全米で1億ドルを超える大ヒットとなったが、
日本では両者の明暗が分かれた。
「テッド」が劇場公開で大ヒットした一方で、
「21ジャンプストリート」はDVDスルーでレンタル稼働率も悪そうだ。

個人的には「21ジャンプストリート」が最高に面白くて、
かなり周りに推しているのだけれど、どうにも伝わらない。

そんな中、先週全米で公開され、
観客を爆笑の渦に巻き込んでいるっぽいコメディ映画を見つけた。

「This is the End」という映画。

直訳すると「これが終焉だ。」である。(たぶん)

あらすじは、世界規模の大災害が起こり、ロサンゼルスの家に閉じ込められた
6人の男子グループを描いたアクションコメディとのこと。

先週から同じタイミングで公開された「マン・オブ・スティール」に客を持っていかれ
1週目にして3300万ドルというやや苦しい興収だが、評判が非常に良い。

ロッテンでは85%のフレッシュで、批評家たちの大歓迎を受けている。

注目すべきは、今のアメリカのコメディ映画界を盛り上げているコメディ俳優たちの豪華共演だ。

本作で初監督を兼任したセス・ローゲンを初めとして、
ジェームズ・フランコ、ジョナ・ヒル、ダニー・マクブライド、ジェイ・バルチェルなど、
日本でもB級コメディ映画として馴染みの(顔を見たことある)面子が大集合した感じ。
彼らの競演によるアンサンブルも成功している模様。

日本で有名なのはジェームズ・フランコくらいだから、
DVDスルーの予感もするが、劇場公開を期待したい。

全米で「マン・オブ・スティール」が公開された件。

2013-06-18 07:10:20 | 気になる映画
先週より全米で「マン・オブ・スティール」が公開された。

現時点で今年最大ヒットの「アイアンマン3」のオープニング記録には及ばなかったものの、
1.1億ドルの興収記録。シリーズものではない新タイトルとしては
申し分のないロケットスタートといえそうだ。

で、気になる評判は。。。
あれれ、ロッテンでの56%フレッシュに象徴されるように
批評家たちの評価は真っ二つに割れているようだ。

長い間、愛されてきたスーパーマン像を刷新したことが裏目に出たレビューが多く見られる。
「マジメか!」と、否定的にツッコミを入れているレビューが目立つ。

これまでのスーパーマン像にあったユーモアやウィットがないシリアスな作りと、
とにかくド派手なアクションとビジュアルの連続に、抵抗感をもった人が多い模様。

しかし、一方的に悪い評価ばかりではなく、
ロッテンでのオーディエンスの支持は82%と頗るよいし、
最大評価をしているレビューも少なくない。

個人的にはザック・スナイダーのやり過ぎ感たっぷりなアクションが大好きだし、
スーパーマンに対して特に愛着を持っていないので、期待感が揺るぐことはない。

ただ、しっかりとした人間ドラマが描かれているのでは?と
オスカーショーレース参戦に期待していたが、完全に離脱したっぽい。残念。

イノセント・ガーデン 【感想】

2013-06-14 07:26:08 | 映画


韓国映画における要チェック人物の1人、パク・チャヌク。

彼が手掛けた「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」、
復讐3部作と言われるこれらの映画が大好物だ。
そして、人間の闇に肉薄する韓国映画のスタンダードを生み出した印象がある。

彼の最新作で、ハリウッドデビュー作となった「イノセント・ガーデン」を観る。

日本でのレビューは散々のようだが、大いに楽しむ。

本作は、父親の急死をきっかけに家に居つくようになる謎めいた叔父と、
その姪っ子にあたる主人公の女子高生の間で起こるサスペンス&ミステリーだ。

原題は「Storker」(ストーカー)。
追っかけまわす(ストーカー)ではなく、(ストーカー)家で起きる事件を描いたものだから、
同名タイトルをつけたと思われるが、ちょっとわかりづらい。(原作名のままだが)
邦題の「イノセント・ガーデン」(純潔な庭?)が、
物語の世界観をよく表していて巧いなーと思う。
実態は全く純潔じゃないのだが、あえて逆説的なネーミングしているのがミソだ。

ミステリーだが、先の読めない展開ではない。
物語は想像したまんまの展開で進んでいく。
本作はそれでよい。パク・チャヌク映画の楽しみは別にある。

登場するキャラクターたちの隠れた狂気や恥部を、
容赦ないバイオレンスとエロスを用いて、迷いなく暴き出していく。
それがスリリングで楽しいのだ。

その美学はハリウッドの大女優ニコール・キッドマンらを前にしても揺るがず、健在。
主役のミア・ワシコウスカをも脱がしてしまう。
ハリウッドという大舞台においても、一目でパク・チャヌク映画とわかる堂々とした筆致だ。

かといって、韓国映画のままの撮り方を貫き通しているわけではない。
ハリウッドという新たな土壌を得て、これまでのパク・チャヌク映画にはあまり見られなかった、
耽美で清冽な描写が多くみられる。それが美しい主要キャスト3人の個性と相まって、
幻想的な世界観を形成している。個人的にはいつも感じる痛みよりも爽快感が強かった。

「ジェーン・エア」ですっかりファンになったお気に入りのミア・ワシコウスカは
本作で新たな表情を魅せてくれる。終始硬質で、ときにサディスティックな眼差しに萌える。
そして、オープニングの意味を知ることとなる、彼女の「覚醒」に鳥肌が立つ。

彼女の母親を演じたニコール・キッドマンの脇役っぷりが良い。
苦悩するステレオタイプな母親像が本作のような物語にはよく似合う。

エンディングの動機がイマイチわからなかったのが残念だが、想定以上に面白かった。
パク・チャヌクのさらなるハリウッドでの活躍に期待してしまう。

【70点】

サウンド・オブ・ノイズ 【気になる映画】

2013-06-10 23:20:46 | 気になる映画
今日、ネットのニュースで「サウンド・オブ・ノイズ」が日本公開されることを知る。

忘れたころに日本公開が決まるパターンである。

2010年に製作されたスウェーデン産の映画で、
社会秩序を壊す音楽テロリストたちと、音楽音痴の刑事の対決を描いたコメディらしい。

昨年の3月に全米公開されて、話題になっていたのを想い出す。
トレーラー観て、摩訶不思議で音楽が楽しそう。
洋楽オンチな自分もハマりそうな予感。

日本公開日は7月27日とのこと。
近くのシネコンで上映してくれないかな。。。多分ムリだろうけど。





マン・オブ・スティールの最新トレーラーがカッコ良すぎる件。

2013-06-08 12:10:44 | 気になる映画
今年の夏公開映画は例年以上に期待作が大集中している。
映画ファンとしては非常に嬉しい限りだ。

そんな中、個人的に最注目している1本、
「マン・オブ・スティール」の最新トレーラーがアップされた。

カッコ良すぎてシビレた。血が滾る。

クリストファー・ノーラン製作&ザック・スナイダー監督という夢のコンビ。
ブランド力のあるクリストファー・ノーランに目がいってしまいがちだが、
これまでのトレーラーを観る限り、ザック・スナイダー色が強そうだ。
スナイダー節炸裂!といったアクションと世界観が広がっている。
不発だった「エンジェル・ウォーズ」の鬱憤を晴らしてくれそうで、実に楽しみ。

アメリカ本国では来週公開。日本では8月30日公開。
アメリカでの評判が気になる。
「ダークナイト」の再来なるか。



プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 【感想】

2013-06-02 07:29:55 | 映画


今年1番期待していた映画「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」を観る。

うぅ・・・ハマれなくて残念だった。

本作は、移動遊園地のバイクスタントマンの男(ルーク)と、
そのルークと関わり、十字架を背負うことになる警察官の男(エイヴリー)、
そして、ルークの息子で高校生となったジェイソンの物語である。

2世代に渡る3人の物語を通して、親子の血のつながりと、
冒した罪への贖罪、拭うことのできない人間の因果を描いている。

アメリカでの評価も高かった本作。日本でのレビューも絶賛の嵐だ。
「ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランスが、ライアン・ゴズリングと再タッグを組み、
「世界に一つの~」で演技派に脱皮したブラッドリー・クーパーがゴズリングと夢の競演。
「クロニクル」で主演したデイン・デハーンがジェイソンを演じるなど、
期待するには十分過ぎる素材が揃っていた。

冒頭のシーンが強烈で、掴まされる。
鍛え抜かれた体に、刻み込まれた無数のタトゥーのアップ。
その肉体を纏うライアン・ゴズリング演じるルークは表情を見せずに
命がけのスタント会場に上がるまでの道のりを、ルークの背中だけを追う長回しで魅せる。

「ドライヴ」で感じたオープニングの熱に近い。

しかし、その後、熱が冷めていく。
特にジェイソンが主役となる3部目が残念だ。

3つの物語で構成されていることを知らなかった自分は、
まったく想定していなかった展開に面喰った。ゴズリングファンなのでなおさらな感じ。
その後、本作が描こうとするテーマに気付くが、どうにも流れに乗れない。

「宿命」というパズルが巧くハマらなかった印象がぬぐえない。
偶然性と必然性の狭間をいとも安易に繋げてしまっている感じ。
「そんなにあっさり繋がっちゃってよいの?」というシーンが多い。

ジェイソンが父親のルークやエイヴリーと対峙する過程が
「宿命だから」ではなく、もう少し必然性を感じさせる動機がないと
「宿命」とは感じられない。

音楽を多用している点も、説明過多に映り、ややシラケさせる。

キャストのパフォーマンスは期待以上に素晴らしかった。
脇役のレイ・リオッタや、ベン・メンデルゾーンの存在感も抜群。
完璧なキャスティングである。

オープニングでの長回しや、バイクが激走する迫力を捉えたショット、
背負いし宿命を映し出すような滑走する自転車のバックショットなど、カメラワークがとても良い。
あとで調べらたら「シェイム」を撮ったショーン・ボビットという人が撮影したらしい。

とても惜しい。
少なくとも「ブルーバレンタイン」で感じた、
感情が擦れ合ってヒリヒリとする感覚は味わえなかった。
久しぶりにキマったライアン・ゴズリングを見られたのは満足だけど。

あと、物語のクライマックスで、ブラッドリー・クーパーの頬に
確実に大きめの蚊がとまっていたよな。。。ちょっと気持ち悪かった。

【65点】








オブリビオン 【感想】

2013-06-01 08:09:56 | 映画


トム・クルーズの新作「オブリビオン」を観る。

1億ドル以上もの製作費を注ぎ込まれた大作SF映画だったが、
何度も眠気が襲ってきて大変だった。

本作は2077年の未来、エイリアンからの侵略により荒廃してしまった地球を
監視する男に起きる出来事を描いたSFスリラーだ。

今年で50歳となるハリウッドスター、トム・クルーズは健在。
シャワーシーンなど、無駄に筋肉美を魅せるシーンがあったりするが感心する。
アメリカ本国では、製作費を回収できない興行成績となっているようだが、
「顔」で客が呼べる数少ない俳優だと再認識。

しかしながら、映画はまるで面白くない。

過去あまたのSF映画を作られ、観られている中で、
観ているこっちは無意識に「斬新さ」であったり「カッコよさ」を期待してしまう。
それは物語(脚本)しかり、ビジュアルしかりである。

本作は過去のSF映画のツギハギに近い内容だ。
既視感たっぷりで、「その展開、●と同じだよなー」というのが続く。

では、SF映画ならではのビジュアルで楽しませてくれれば良いのだが、
映し出される背景は荒涼とした大地(たまに森と滝)ばかりで、
バトルアクションはガンダムのハロを彷彿とさせる丸型ロボットとの撃ち合いに徹する。
出てくる武器も軽量なプラスチックのおもちゃみたいでカッコよくない。
登場人物も限られ、魅力的なキャラも特に出てこない。
主役も平凡なため、本作で「トム様、カッコよい」とはならないだろう。

俯瞰してみると、ラブストーリーに近い味付けになっているみたいなのだが、
その展開も「見たことある」なので、どうしても盛り上がれない。

盛り上がったのはトムクルーズ演じるジャックと一緒に住んでいた、
ヴィクトリア演じるアンドレア・ライズボローの全裸スイミングシーンくらい。
露骨なヌードシーンではないが、しなやかで綺麗な体だった。

監督は「トロン: レガシー」のジョセフ・コシンスキー。
前作の「トロン: レガシー」は凡作呼ばわりされているようだが、
凝ったビジュアルが目に楽しかったので、前作のほうが好きだ。

【55点】