から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

2022年邦画 トップ5

2023-01-08 21:55:35 | 勝手に映画ランキング
2022年の映画の振り返り。洋画に続いて邦画(日本映画)のランキングを勝手にまとめてみる。
が、今年は例年の半分くらいの鑑賞本数だったため、トップ10ではなくトップ5まで。
1位は別枠で良かったかも。。。

1位 THE FIRST SLAM DUNK


日本中の原作ファンが「私の宝」として大切している漫画の映像化。大きなリスクを伴った挑戦だったはず。創造主であり、アニメ初挑戦の井上雄彦が選んだ選択は”新しいスラムダンク”を描くこと。郷愁を超え、想像を超えるドラマとアクションに震える。ずっと見たかった彼らの魂の共鳴。この映画自体、山王に勝利した湘北の奇跡の偉業とも重なる。
井上先生、本当にありがとう。

2位 MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない


「タイムループ」映画の新たな傑作が、日本映画から生まれたことの驚き。先の見えない展開にワクワクが止まらない。ありそうでなかったタイムループ攻略のオリジナリティ。「社畜あるある」のギャグからの鮮やかな変貌。人生を振り返り、この人生をどう生きるか。竹林亮という新たな才能の発見。

3位 流浪の月


時を超えて再び巡り会う2つの魂の行方。寓話的アプローチにより、性愛のあり方、家族のあり方を問う。世界の残酷さに晒される純愛の脆さと尊さ。役者、松坂桃李の凄み。

4位 ちょっと思い出しただけ


「今」は「過去」の積み重ねでできている。1組の男女のどこにでもある等身大のロマンス。始まって終わる。その過程を逆側から振り返ることの切なさ。楽しいことがあった、後悔もあった、でも、私は今を生きている。

5位 恋は光


恋の定義を探求し、恋の成就を巡る男女の四角関係。説明が多くなってしまうプロットも、抜群のバランス感覚で心地よいラブコメに着地。恥ずかしながら、あの無音シーンに胸キュン(やられた~)。若手4人の絶妙なキャスティングと瑞々しい輝き。倉敷のロケも良し。

次点 ケイコ 目を澄ませて


「痛いのは嫌です」の、聴覚なき主人公がボクシングに没頭するモチベーション。結局、本人もわからないというリアリティと、傷だらけのリング上で見える生の鼓動。日常の濃ゆい空気感を発する16ミリフィルムの映画的味わい。

2022年洋画 トップ10

2023-01-08 20:52:51 | 勝手に映画ランキング
2022年の映画の振り返り。昨年は例年よりも鑑賞本数は少なく、普段なら単館系でも積極的に見に行っていたが、鑑賞予定作をことごとくスルーした(例えば「わたしは最悪。」「あのこと」)。そんな状況だが、一応、昨年のまとめとして、私的ランキングをまとめてみる。
まずは「洋画編」。1位~5位までは、いずれも年間ベスト級。
1位はベタだけど仕方ありません。

1位 トップガン マーヴェリック


最後のハリウッドスターは映画の救世主になった。コロナ渦で失われた映画の栄光を取り戻した男の物語。トム・クルーズと同じ時代に生きれて良かった。

2位 アバター:ウェイ・オブ・ウォーター


その未曾有の映像体験から透けるキャメロンの狂気。魂と肉体と水の躍動。「パンドラ」のドキュメンタリーを目撃。前作にはなかった”雑味”も、この映像体験に必要なスパイス。日本では不調だが、全世界興収では黒字。安堵。

3位 RRR


映画の世界勢力図の改変。映画は楽しくて良いのだ。イマジネーションの洪水に、血湧き肉躍る3時間。思い出すだけでカラダが熱くなる。「最高」以外の語彙力を失う。

4位 西部戦線異状なし


反戦映画の新たな金字塔は、原作の本家であるドイツによってもたらされた。血と肉と泥。生死を分かつは神のきまぐれ。おそらく第一次世界大戦を最も近く再現した映画。「演じる」ではなく「地獄を生きる」演出と俳優たちの献身。「異状なし」が突き刺さる。

5位 スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム


愛した「スパイダーマン」シリーズは本作を実現させるために作られたか。これまでのMCUの「横」展開から「縦」展開への進化。大いなるサプライズと、過去の後悔、そして悲しみが美しく浄化される。

6位 カモン カモン


未来を創る子供たちに「個」として誠実に向き合うこと。1組の大人と子供を間で育まれる暖かく愛おしい時間。社会が果たすべき使命と、導出される希望。

7位 THE BATMAN-ザ・バットマン-


しがみ倒す「バットマン」モノにまさかの傑作が誕生。貫かれるリアル路線。暗く妖しい光を洩らずゴッサムシティは、現代社会と地続きにあるよう。若きバットマンのカオスな感情。対するリドラーとの攻防に正義と悪の境界が揺らぐ。

8位 NOPE/ノープ


アイデア先行の怪作で終わるはシャマランとの違い。それを確たる映画術で魅せ切るはピールの作家力。映画愛を内包した「撮影」アクション。極上のスリルとダイナミズムにひれ伏す。再見したらもっと自身の評価が上がりそう。

9位 ザ・トリップ


今年イチのジェットコースタームービー。前半の装いから想像だにできないラストの光景ったらない(笑)。伏線回収の教科書的な設計と、壮絶なスプラッターアクションの融合。天井知らずの怒涛の展開。ラストの下らなさ含めて痛快。

10位 ボイリング・ポイント/沸騰


「90分ワンカット」が凄いことと思わせない凄さ。手法ありきではなく、描くべきドラマの最適手法として採用。レストランという「戦場」でぶつかり合う本音。その熱は沸点に達する。もう目が離せない。

次点「コーダ あいのうた」「ドクター・ストレンジ MoM」「ブラックフォン」

2021年洋画 トップ10

2022-01-15 11:00:12 | 勝手に映画ランキング
新年ムードもとっくに過ぎたが、昨年の洋画の振り返りができてなかったので、私的ベスト10を決めてみる。日本映画と比べると昨年の洋画は魅力不足と思ったが、実際、並べてみると面白い映画が沢山あったたなと実感。

1位 ザ・スーサイド・スクワッド

ルール無用、破天荒なイマジネーション、グロテスクで美しいルック、魅力的に輝くキャラクター。ぶっ飛びジェームズ・ガンの場外ホームラン。ワクワクが止まらず、最後はエモーショナルにグッと惹きつける。「ヴィランでヒーロー」というハードルも余裕でクリア。サイコーです。もう全てのアクション映画はガンが撮ればいいw

2位 プロミシング・ヤング・ウーマン

カラフルでブラック。鮮烈のサスペンスは展開を読ませない。男性優位社会への一打、という社会性を孕みながらも、実はもっと深いところにテーマあり。主人公のリベンジを通して描かれる「正義の在り方」に唸らされる。

3位 ファーザー

今年最も完成度が高い映画。緻密な空間設計と演出。体験するのは、我を忘れ他者を忘れる認知症の絶望と恐怖。長かった人生の終焉に浮上する愛。昨年の主演男優賞は本作のアンソニー・ホプキンス。

4位 Swallow/スワロウ

理解できないではなく理解しないこと。想像を絶する主人公の行動に「特異な精神異常」というレッテルは徐々に剝がれていく。背景には確固たる必然性あり。逃れる術が「異食」だったということ。人は他者をどれだけ理解することができるのだろう。昨年の主演女優賞は本作のヘイリー・ベネット。

5位 最後の決闘裁判 

1つの物語に3つの真実。主観でみることしかできない人間の残虐性。女性を搾取する時代の罪は現代社会の根底にも息づく。血と泥にまみれた中世の圧倒的再現。生きるか死ぬかで正義を決める決闘シーンに打ちのめされる。昨年の助演男優賞は本作のアダム・サンドラー。

6位 tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!

なぜミュージカルは人の心を打つのか?その答えが本作にあり。そこに音楽で奏でるべきドラマがあるからだ。「レミゼ」や「グレイテスト~」で感じた退屈と大きく乖離。創作の苦しみと諦めきれない夢、そして表現することの悦び。歓喜と感動。A・ガーフィールドはキャリアベストのパフォーマンス。天才、リン=マヌエル・ミランダが満を持しての映画監督デビュー。お見事。

7位 パーフェクト・ケア

社会の盲点といいつつ、真実味のない設定。だが、主人公の悪女を暴れさせることの快感が勝る。敵なしの悪女VSギャング。「ヤラれたらヤリかえす」正義なきマウントの取り合い。胸糞を抱えつつ、展開は痛快。そして最後はしっかり落とし前。演者陣の見事なアンサンブル。昨年の助演女優賞は本作のダイアン・ウィースト。

8位 Mr.ノーバディ

「実は凄い奴だった」シリーズの新たなスター誕生。銃ではなく拳。被打による痛みすらもボルテージの燃料になる。冴えない中年男の覚醒に大いなるカタルシス。純度の高いアクションと、ボブ・オデンカークというキャスティングの妙。元気のない時に見るべきカンフル剤。

9位 聖なる犯罪者

少年院上がりの悪ガキが聖職者と偽り村に希望を照らす。実話ベースの現代の寓話。正体を隠し続けることのスリルと、主人公の純粋さが村社会の矛盾や歪みを正していく様。「信じるものは救われる」信仰の危うさと本質。

10位 ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット

悲劇を乗り越えザック・スナイダーが帰ってきた。4時間でしか描くことのできない壮大なスケールとドラマ。新キャラの納得の補完。ゴリゴリの視覚効果もスナイダーの真骨頂。非マーベルのダークな世界観を堪能。

次点:シャン・チー/テン・リングスの伝説、DUNE/デューン 砂の惑星

2021年日本映画 トップ10

2021-12-31 19:49:58 | 勝手に映画ランキング
「今年は日本映画の豊作年」と言い切れるのは、このブログで初めてのこと。
特に、トップ3についてはどれも1位といってよい。「優れた」作品よりも「面白い」作品ということで順位付け。

1位 空白

実は群像劇。狭い間口からどんどん物語が広がっていく驚きと、1つの事件をきっかけに翻弄されていくキャラクターたちの濃密なドラマに引き込まれる。人間は複雑な生き物。シンプルに評せない人間の感情を見事に掬い取る。救済へと繋がるラストに深い深い余韻。今年の主演男優賞と助演女優賞は本作の松坂桃李と寺島しのぶ。

2位 素晴らしき世界

予感は的中。西川美和監督と役所広司のマッチングで新たな傑作が誕生。社会の問題になすり付けるだけなく、個性というものにもしっかり焦点が当てられている。優れた主人公の人物描写は西川監督の洞察力と役所広司の名演の賜物。

3位 ドライブ・マイ・カー

語るべきことが多く総括するのが難しい。2021年の映画を語るうえで最重要となる1本。3人の「人殺し」の物語。「喪失と再生」という枠組みだけでは全然足りないほどにテーマは多面的であり、その表現手法は重層的。今年の助演男優賞は本作の岡田将生。

4位 孤狼の血 LEVEL2

圧巻の前作超え。体感したかった熱量の120%で応える仕上がり。ボルテージMAXの演技合戦とバイオレンスアクション。スリルを帯びて交錯する3人の「主人公」のドラマの妙。

5位 劇場版 呪術廻戦 0

ストレス発散。見たかった「呪術廻戦」の劇場版はまさにコレだ。シネスコープで拡大された世界で、魅力的なキャラたちがクールで大迫力のバトルをキメる。朴監督率いるMAPPAの作画力と演出力は日本の宝。

6位 騙し絵の牙

「面白いもの」至上主義な主人公を通してみる出版業界の今。変化に順応しない者は振り落とされる競争下マウントの取り合いがスリリング。そして、最後に愛は勝つ。

7位 街の上で

特別でない物語が特別な物語へ昇華する。「LOVE 下北沢」な舞台で繰り広げられるミラクルな恋愛群像劇。可笑しくて切なくて、あの頃の青春が頭をよぎる。

8位 あのこは貴族

嘘みたいな階級差の2人の女子を通して描かれる、新しい時代のための正しい生き方指南書。ジェンダーレスという言葉すら古く、出身地、家柄、境遇、様々な違いも超えて「認め合う」というシンプルで幸福な関係。そして愛おしいシスターフッド。今年の主演女優賞は本作の門脇麦。

9位 ミセス・ノイズィ

まさかの秀作。よく知らない人との関係構築。自身の一方的な主観でその人の個性を捉えていないか。相手をどれだけ思いやり、その人の本質をどれだけ知ることができるか。自身への戒めになった1本。

10位 BLUE/ブルー

栄光なき男たち。負け様にドラマが宿るボクシングという競技を鮮やかに切り取った1本。持てる者と持たざる者、人生は不平等で残酷だ。負け組の男たちを輝かせた吉田監督の愛が胸に沁みる。

次点:東京リベンジャーズ、浅草キッド

2020年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2021-01-01 00:35:18 | 勝手に映画ランキング
引き続き、2020年の洋画の映画ベストを決めてみた。
過去最高に悩んだ。(1位と2位はどっちでもいいかな)

あ、年が明けちまった。。。。
(1月11日、後記を追記)

1位 ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから


2位 アンカット・ダイヤモンド


3位 ブックスマート


4位 ブルータル・ジャスティス


5位 ナイチンゲール


6位 ソウルフル・ワールド


7位 TENET テネット


8位 透明人間


9位 サウンド・オブ・メタル


10位 ペイン・アンド・グローリー


次点
ジョジョ・ラビット、フォードVSフェラーリ、無垢なる証人、ウルフウォーカー

コロナだった2020年。人と人のつながりを見つめ直すなか、勇気と希望を与えてくれた「ハーフ・オブ・イット」は自分にとって今年一番の映画のプレゼントだったなーと。人間の面白さをみた、という点でいうと「ブックスマート」もあてはまり大好きな1本だ。「アンカット・ダイヤモンド」は、サフディ兄弟にしか撮れない無二の映画、アダム・サンドラーを主演にもってきた妙も光る。緊張と緩和→極上のスリル、今年最もジェットコースターだった「ブルータル・ジャスティス」。とうとう行き着くところまで来てしまった感のある「ソウルフル・ワールド」(ピート・ドクターが最高傑作を更新)。手垢がつきまくった素材を使って新たな金字塔を打ち立てた「透明人間」。学生時代、ミニシアターの象徴であったアルモドバルのひとつの区切りになった「ペイン・アンド・グローリー」はどうしても今年のベスト10に入れたかった。あと「サウンド・オブ・メタル」と、次点で入れた「無垢なる証人」はいずれも知らなかった現実世界を体験できた(前者がろうあ、後者が自閉症)。
ベスト10中、半分が配信で見た映画。大画面で見られないというストレスより、時間に縛られない視聴形の便宜が勝っているところもあって、通常の映画興行に戻ってもこの価値観は大きく変わらなさそうだ。

ちなみに、批評家といわれるキネ旬あたりで選考する人たちのベストは「燃ゆる女の肖像」あたりで、「映画秘宝」読者あたりは「ミッドサマー」をベストに挙げるんだろうなと予想。どっちも納得。

今年は大作洋画を中心に昨年延期になった映画が、無事に公開してくれることを祈る。「デューン」を早く観たい。

2019年ベスト映画トップ10 【洋画編】
2018年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2020年ベスト映画トップ10 【日本映画編】

2020-12-31 23:35:31 | 勝手に映画ランキング
年末ギリギリのタイミングだが、2020年、今年の映画ベストを決めてみる。
まずは日本映画から。

例年以上に日本映画を見ていないため、トップ5までにする。
あと、時間がないので、寸評は年明けの時間あるときに追記する。

1位 罪の声



2位 アルプススタンドのはしの方



3位 窮鼠はチーズの夢を見る



4位 劇場



5位 his

2020年注目映画10選

2020-01-04 15:00:48 | 勝手に映画ランキング
2020年がスタートした。今年注目、あるいは期待している映画をまとめてみる。上から公開順。

フォードvsフェラーリ(1月10日公開)

年始しょっぱなから、熱い映画で幕開け。”漢”くさい、迫力の映画を期待。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(1月31日公開)

ライアン・ジョンソンが昨年絶賛をかっさらった。大作よりもこのくらいのサイズの映画がよいかも。モノすげぇーキャスティング。

アンカット・ダイヤモンド(1月31日配信)

サフディ兄弟の新作。日本での遅い劇場公開を待たずして、ネットフリックスで配信してくれるらしい。ありがとう!

1917 命をかけた伝令(2月14日公開)

昨年のベストに挙げる人多し。全編ワンカットの戦争映画とのこと。主演は若手注目株のジョージ・マッケイ。

ミッドサマー(2月21日公開)

ようやくの日本公開。アリ・アスターの待望の新作。ポスターの泣き顔が絶望感に溢れ秀逸。

初恋(2月28日公開)

三池崇史の久々の傑作とのこと。予告編からもヤバい匂いがプンプンする。

ブラック・ウィドウ(5月1日公開)

エンドゲームの罪滅ぼし(笑)。監督は大抜擢となるケイト・ショートランド。今年は女性監督活躍の年となるか。

ワンダーウーマン 1984(6月公開)

80年×ワンダーウーマンときたか。待望の続編。クリス・パインの再登場は不安材料として気になるところ。

クワイエット・プレイス PARTII(5月公開)

予告編から大幅なサイズアップの予感。吉と出るか、凶と出るか。

TENET テネット(9月18日公開)

ノーランが新たな伝説を作るか。予告編から傑作の香り。

ほか、ジョーカーと同じパターンでヒットを狙いたい、「ハーレイ・クイン~」(3月公開)、大作映画だと「Godzilla vs. Kong」、「007」の続編、「トップガン」の続編あたりか。日本公開が決まっていない映画で楽しみにしているのは、ロバート・エガースの新作「The Lighthouse」、自分がフォーローしているレビュアーが絶賛していたフランス映画の「Portrait of a Lady on Fire」。
また、日本での公開はおそらく来年になると思われるが、ドゥニ・ヴィルヌーヴによる「デューン」の映画化も大いに気になるところ。

今年は、ネットフリックスの功績も手伝って、オスカー候補になるであろう作品の大半を授賞式前に日本でも鑑賞することができる。毎年、会社から有休をもらってリアルタイムで見ていた授賞式だが、来週より新たな職場に転職するため、諦める予定である。残業が甚だ多い職場と聞いているので、これまでのようなペースで映画を鑑賞することも難しくなりそう。

2019年映画 勝手に個人賞

2020-01-03 22:16:48 | 勝手に映画ランキング
2019年の映画を盛り上げてくれた映画人たち。
勝手に個人賞を決めてみる。

監督賞:ポン・ジュノ「パラサイト 半地下の家族」

映画監督とは優れた作家であり、優れた演出家であることを証明してみせた。怪物的傑作を作ってしまったから、これからが大変。

主演男優賞:アダム・ドライバー「マリッジ・ストーリー」

勿論、ホアキンは凄い。が、今年、最も心臓を鷲づかんだのはアダム・ドライバーだった。今年は「ブラック・クランズマン」「ザ・レポート」「スターウォーズ~」と、他作品でも活躍。背が高い、声がこもりがちといった肉体的ハンデを感じさせず、作品の表現者に徹する献身と実力。

主演女優賞:ルピタ・ニョンゴ「アス」

ホラージャンルのため、オスカーには敬遠されそうなのが残念。別世界の二役であり、同時に表裏であったキャラクターが脳裏にこびりつく。

助演男優賞:ブラッド・ピット「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

映画界の黒子として主役を支えながら、わが道をゆくスタントマン。フリーウェイを疾走する姿に、加齢なる色気と、陰り。

助演女優賞:レイチェル・ワイズ「女王陛下のお気に入り」

ブラックユーモアが多めゆえ、賑やかで軽薄になりがちな演技合戦を絞める存在感。強い眼差しの奥に見えた弱さがスリリング。

2019年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2019-12-30 23:59:23 | 勝手に映画ランキング
日本映画に続き、2019年の洋画のベストをまとめてみる。

1位 アベンジャーズ/エンドゲーム

MCUを愛したファンへの最高のプレゼント。これ以上ない結末。一言、ありがとう。

2位 パラサイト 半地下の家族

普遍的社会性を持った超一級の娯楽作。神がかり的な面白さ。笑いと驚きに満ちた展開、美しい脚本、完璧な演出。ポン・ジュノが辿り着いた境地。

3位 スパイダーマン:スパイダーバース

奇想天外な設定にも見事な「スパイダーマン」映画として着地。イマジネーションの洪水に震えが止まらない。アニメジャンルの枠を広げた金字塔。

4位 アメリカン・アニマルズ

語るべき物語の力。青春の焦燥を捉え、日常が非日常に変わる危うさ、容易さに、笑うよりも凍る。

5位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

2大スターを配した正義の歴史改変。タランティーノ流のハリウッド、すわなち映画へのラブレター。

6位 マリッジ・ストーリー

離婚協議は死者の出ない戦争。家族になった愛する人と刃を交える残酷さ。2人の口論シーンは2019年映画のベストアクト。出会いと別れ、喜びと悲しみ。結婚の物語。

7位 フリーソロ

男は「完璧」な達成感を求め、極限状態に身を置く。凡人を恐怖に満ちた超人の世界に引きずり込む映画。撮る者と撮られる者の狭間にドキュメンタリーの在り様。

8位 THE GUILTY/ギルティ

ワンシチュエーションドラマのド傑作。人間の想像力では届かない闇の深さに打ちのめされる。

9位 魂のゆくえ

創造主である神は、それを破壊する人間の愚行を赦すのか。世界、あるいは信仰に絶望した神父の「魂のゆくえ」。

10位 ヒックとドラゴン 聖地への冒険

傑作で在り続けた3部作は、堂々の有終の美を飾る。一貫「犠牲」という重いテーマを扱いながらもアニメとしての見やすさを保持。成長という確かな進化。驚愕のスペクタクルと高揚の飛翔シーン。スクリーンに埋没、これぞ劇場で見るべき映画。配給に踏み切ったギャガの英断に拍手。

「パラサイト~」を見たあと、あまりの面白さ、完成度の高さに、普通に選んだら2019年のベストになると思われたが、やっぱ、MCUのゴールの感動には代えられなかった。1位の「エンドゲーム」は別格としてカウントしなければ、2位の「パラサイト~」と、3位の「スパイダーマン:スパイダーバース」は、どっちが1位でも良かったほど。なお、アメリカの多くのレビュアーが今年のベストに上げている「アイリッシュマン」、自分も2回見たけど、やっぱ長い、つまり冗長。。。。映画に鈍感な自分は2回目でようやく細かい脚本の意図が見えてきて評価される理由がわかった。1つ、「アイリッシュマン」を見て感じたことは、ネトフリの「クリエイターファースト」がなければ、この映画は生まれなかったということ。とても地味な内容の割に、めちゃくちゃ予算がかかっていることがわかる。3時間半という上映時間も、このようなドラマ映画の興行では考えられないし。名匠スコセッシが撮りたいものを好きなだけ撮った結果、多くの映画人を魅了する映画になったことは間違いなさそうだ。

2018年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2019年ベスト映画トップ5 【日本映画編】

2019-12-30 23:14:13 | 勝手に映画ランキング
洋画のトップ10の前に、今年の日本映画のベストをまとめてみる。昨年同様、日本映画を見ている数は少ないため、トップ5まで。

1位 宮本から君へ

未体験の人生賛歌。キャラクターに待ち受ける試練、それを自らの力でねじ伏せんとする熱量に無敵感覚に陥る。自分は己の人生をどれだけ生きているか、命がけで人を愛せるか。

2位 新聞記者

こういう日本映画を待っていた。忖度なしのポリティカルサスペンス。権力とは?メディアとは?個人とは?試されるのは観客の「眼」。正義に向かう人間たちの生き様に震える。こういう日本映画、増えてほしい。

3位 この世界の(さらにいくつもの)片隅に

やっぱ、この映画は特別なんです。久しぶりのすずさんとの再会を喜び、すずさんの本当の想いを知る。素晴らしい拡大版。笑って生きていくことの尊さ。すずさんはこれからも心の中で生き続ける。

4位 岬の兄妹

絶望が体中を締め付ける。クソみたいな現実を生きる。足が不自由な兄は打算的に生きることしかできず、自閉症の妹は「冒険」の意味を理解している。どこまでも誠実な人間描写に日本映画の底力を見る。

5位 WE ARE LITTLE ZOMBIES

映画はもっと自由であっていい。従来の方程式で計れない本作は、今年最も新しい映画だった。ミュージックビデオの延長??いやいやむしろジャパニーズアート。面白ければよいでしょ。

次点
愛がなんだ、アルキメデスの大戦、蜜蜂と遠雷、カツベン



2018年ベスト映画トップ5 【日本映画編】

2019年ベスト映画トップ(11位~20位) 【洋画編】

2019-12-28 15:38:13 | 勝手に映画ランキング
2019年の映画の総括。今年は、例年よりも映画を見ることができなかった。ベスト10に絞ろうと思ったけど、入れたかったけど入れられない映画が多かったため、昨年に続き、洋画のみベスト20でまとめてみる。まずは20位から11位まで。

11位 ジョーカー

コミックムービーが重厚なドラマに昇華。人生は喜劇。笑うことに決めた男がダークヒーローへと生まれ変わる瞬間。その大ヒットは2019年映画界における最大のサプライズ。

12位 インスタント・ファミリー

里親制度で形成された「即席家族」の甘くない現実と、それを補って余りある、家族の絆を見つけた喜び。大いに笑って大いに泣く。

13位 グリーンブック

アメリカの汚点、時代の罪に立ち向かう人種の壁を超えたおっさん2人の友情。あざとさなきコメディの名人芸。

14位 ハッピー・デス・デイ1と2

まさかの快作。ホラー映画の外見とは裏腹に、大胆で緻密なSF設定、恋愛、友情、家族愛が詰まったドラマ。人生を考えちゃったよw。

15位 ゴッズ・オウン・カントリー

凍てつく大地で交わる肉体。無骨な男と男の間に流れる熱情と、擦り切れる痛みの先にある希望。

16位 女王陛下のお気に入り

ランティモスの変態性が、名女優たちとの化学反応で化ける。マウントが入れ替わる3人のパワーゲームが癖になる。

17位 エイス・グレード

理想の自分を求めて、もがく少女の背中から、明日へ一歩踏み出す勇気と希望が滲む。イタくて愛おしい映画。

18位 オーヴァーロード

B級映画にカテゴライズしたくない高濃度スリラー。キャラクターたちのヒロイズムが見事に弾けてキマる画。痛快。

19位 僕たちは希望という名の列車に乗った

正義は信じた道を突き進む原動力になる。実話モノに留まらない青春ドラマの深い味わい。邦題のセンス、ドンピシャ。

20位 幸福なラザロ

前後半で全く異なるルック、その急展開に驚き、眠気が吹っ飛ぶ。現代に生きる人間たちに贈る寓話。

2018年ベスト映画トップ(11位~20位) 【洋画編】
2018年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2019年上半期 ベスト映画ランキング

2019-07-02 23:00:00 | 勝手に映画ランキング


今年も1年の折り返しに入った。劇場公開、未公開映画(Netflixなど)を含め、上半期映画のベスト10を勝手に決めてみる。なお、実質1位の「ローマ」は、昨年のベストに入れているので除外。

”神”:アベンジャーズ/エンドゲーム

1位:スパイダーマン:スパイダーバース
2位:アメリカン・アニマルズ
3位:グリーンブック
4位:インスタント・ファミリー
5位:WE ARE LITTLE ZOMBIES
6位:女王陛下のお気に入り
7位:サバハ
8位:魂のゆくえ
9位:ゴッズ・オウン・カントリー
10位:オーヴァーロード

「アベンジャーズ/エンドゲーム」は、他の映画と比較するのが、双方にとって申し訳ないので別枠に設定。そのなかで、ダントツの1位は「スパイダーマン:スパイダーバース」。日本でも、もう少し評価されても良い気がする。2位の「アメリカン・アニマルズ」も同様。3位の「グリーンブック」は振り返ると優等生が過ぎる映画だったけど、見終わった余韻の気持ちよさには代えられず。6位以降は、年間のベストでは消えてしまいそうだけど、今のうちに入れておきたい作品群。B級映画だけど「オーヴァーロード」はかなりツボに入った。あと、上半期の最後に観た「スパイダーマンFFH」はちょっと期待ハズレで残念だった。

2018年ガッカリ映画トップ10

2018-12-31 08:00:00 | 勝手に映画ランキング
ベスト映画があればワースト映画もあり。
今年においては、例年よりも見た本数が少なかったため、「ワースト」ではなく、期待値に対してどれだけ失望したか「ガッカリ」映画でまとめてみる。(完全な好みの問題)

1位 15時17分、パリ行き
思い付きの素人起用による再現ドラマ。無駄なエピソードが垂れ流され退屈を超えて我慢。途中、映画館を出ようと思った1本目。

2位 未来のミライ
途中、映画館を出ようと思った2本目。キャスティングを含め、的外れな人物描写。「くんちゃん」のわがままに付き合わされる。

3位 サニー/32
アイドル映画だったのか。。。お遊びが過ぎる狂乱シーンがグダグダ過ぎて辛抱できず、途中で早送り。

4位 ヴェノム
不自然なお子様仕様。アクション殺しの数々。良い役者を配してるのに、登場人物がみんなお馬鹿キャラに見えてくる。

5位 グレイテスト・ショーマン
綺麗に飾り立てた仮想パーティ。もっともらしく描きつつ、嘘が透けるミュージカルに踊らされる気持ち悪さ。

6位 ハード・コア
ダメ人間たちの集い。ユルい空気だけで、物語を持たすには無理がある。ラストのオチ、いったい何を描きたかったの??

7位 パシフィック・リム アップライジング
予告編で覚悟はしていたものの、前作とは全くの別物。ロボット実写からCGアニメに変わり、デルトロの魂は呆気なく断ち切られた。

8位 Mute/ミュート
困り顔の大男が、恋人探しのためグルグル動き回る映画。ダンカン・ジョーンズ、戻ってこいー!

9位 アリー/スター誕生
実は演技が上手い歌手、実は歌が上手い俳優。それ以外の新鮮さはなく、古典劇をそのまま古臭く描いていて共感に至らない。アメリカのレビュアー、みんなベストに入れているけど、どこが響いたのだろう。。。

10位 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
前作が良すぎたのかな。。。ややこしい話をややこしく描いて、睡魔が襲ってきた。

2018年ベスト映画トップ10 【洋画編】

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2017年ワースト映画トップ10

2018年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2018-12-30 09:00:00 | 勝手に映画ランキング
2018年のベスト10を決めてみた。「洋画編」だが「日本映画」を含めても、洋画が上位を占めるのでイコール2018年のトップ10。
映画館で見たのは合計72本、DVDレンタルで追っかけた新作に、Netflixで見たオリジナルタイトルを加えた約110本が対象。


1位 Roma ローマ


2018年で最も美しい映画。監督による監督のための究極の個人映画は、鑑賞者と記憶を共有する。カメラは神が宿る日常の光景を捉え、1971年のメキシコの喧騒を蘇らす。モノクロから鮮やかに映し出される色彩。感情を揺さぶる人生の悲喜と、共に歩む人々の繋がり。生きることの意義が浮上する。新時代の映画のあり方を示した映画でもある。アルフォンソ・キュアロンの大いなる挑戦と勝利に喝采する。


2位 ミッション:インポッシブル/フォールアウト


最後のハリウッドスターは、映画に魂を捧げる。己の肉体をもって観客に感動を与える映画の力を信じているからだ。その気迫に応えるアクションシーンは全てがクライマックス。演じるイーサン・ハントの愛すべき個性を前面に押し出すドラマが展開。多くの苦悩を背負いながら、正義に献身してきたハントの生き様がトム・クルーズ本人と重なる。シリーズの集大成かつ、紛うことなきシリーズ最高傑作。


3位 バッド・ジーニアス


洋画における2018年のサプライズは、タイの国から誕生した。スタイリッシュな映像でお届けする、心拍上昇”カンニング”アクション。尻上がりに予想を超えていく展開。人生の岐路に立たされた天才たちの試練は、常軌を逸する頭脳戦になだれ込み、大胆なショットと繊細な演出で高鳴る鼓動に肉薄。変化する2人の天才に、ビターな後味を残す青春ドラマの傑作。天才こそが世界を支配する。


4位 パディントン2


世界平和のヒントはここにあり。紳士なクマさんこと「パディントン」の生き様を見よ。性善説な物語にも関わらず、善良さの押し売りにならないのは、純粋無垢な良心ゆえ。周りを幸福色に染めるパディントンに笑い、ときに涙する。心優しきブラウン一家との絆はより強固となり、伏線回収で畳み掛ける列車アクションシーンは圧巻。最後の最後までハートフルな多幸感に包まれる。


5位 アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル


”世紀の嫌われ者”の半生は喜劇と悲劇の繰り返す。恥も外聞もどこ吹く風。己の栄光のために、周りを蹴散らし猛進する。華麗さよりもパワー。異形のスケーターの氷上アクションを見事に映像化。周りの全員がクズ人間で悪女を形成した必然あり。が、そんな負の状況すらも自らの生命力に転化。トーニャのパワフルな生き様に同調する疾走感。喧嘩上等、女は再び輝く。


6位 ボヘミアン・ラプソディ


身震いするほどの興奮と熱狂は、2018年最高の劇場体験だった。伝説的歌手の音楽シーンにフォーカスした英断。稀に見る脚色の成功事例。迷い彷徨った自己探求の旅路の末、辿りついた主人公の境地と悲しき運命、全てはラストのステージへ向かう。ドラマのカタルシスと音楽の魔力が科学反応を起こし、エモーションが爆発。涙腺を決壊させる。


7位 へレディタリー/継承


ホラー映画の新たな金字塔。家族という逃げ場のない空間で、悪夢が現実を浸食する生々しさ。見る者の想像力を利用し、恐怖を増幅させる演出に匠の技が光る。新人監督とは思えない腕前。あるときはカルト、あるときは人間、ホラーの源泉は多方面にあって一向に油断ができない。容赦ない恐怖の追い込みは続き、神々しいまでの結末へと突き進む。


8位 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー


2018年最大の映画イベントは、鮮やかにファンの期待に応える。膨張したユニバースをよくぞここまでまとめてくれた。初顔合せのヒーローの対面、パワーアップされたヒーローたちの力量、創造性溢れる連携プレー、ジャンプ世代を熱くさせる1on1のバトルシステム、ド肝を抜くスペクタクル、ずっとワクワクが止まらない。思わぬヴィランの存在感と、衝撃のラストに次作への期待が高まる。


9位 クレイジー・リッチ!


実は久しいラブコメの傑作。同じ肌の色、だけど異なる人種の違い。オールアジア人キャストという新鮮さ以上に、充実の脚本力が際立つ。1組のカップルに立ちはだかる高い壁、ブレることのない2人の愛は勇敢で痛快、奮闘する姿に何度も胸が熱くなる。脇を固める個性的なキャラクターと、平行するもう1つのドラマ、オリエンタルでゴージャスな衣装と美術の数々。眼福と心福に浸る。


10位 A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー


今年最も影響を受けた映画。「死んで幽霊になったらどうなる?」の、最も有力と思う仮説。幽霊が生まれて死ぬまでの一生を、シーツをかぶった男の愛の軌跡として描く。前進する時間の概念は、自分たちが生きる現世にだけ存在し、魂の執着は現世にとってはホラーになる。その生涯は「失う」のではなく「得る」ことで閉じる。

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2018年映画 勝手に個人賞

2018-12-30 08:00:00 | 勝手に映画ランキング
2018年の映画を盛り上げてくれた映画人たち。
今年も勝手に個人賞を決めてみる。

まずは洋画編。

監督賞:アルフォンソ・キュアロン「Roma ローマ」

彼にしか語れない物語を、彼にしか撮れない映像で映画化。商業主義が支配する時代にあって、この映画を生み出した意義はあまりにも大きい。

主演男優賞:ティモシー・シャラメ「君の名前で僕を呼んで」

まさにセンセーショナルだった。彼自身と役柄が運命的な出会いを果たしたと思え、その若い肉体から強烈な輝きを放つ。愛の虜となる彼の姿に、いつしかこっちも虜になっていた。

主演女優賞:サリー・ホーキンス「しあわせの絵の具」

全く異なるキャラクターであった「シェイプ・オブ・ウォーター」「パディントン2」も素晴らしく、今年は彼女なしでは語れない映画イヤーだった。

助演男優賞:ヒュー・グラント「パディントン2」

長いキャリアで培われたコメディセンスが炸裂。チャーミングで愛情が滲む悪役を好演。エンディングのステージパフォーマンスも最高。

助演女優賞:アリソン・ジャネイ「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」

悪女トーニャを生み出した”怪物”。同情の余地のないキャラに徹したことに、彼女の度量を感じずにはいられない。凄みのなかに、ユーモアを滲ます余裕。

新人俳優賞:アレックス・ウルフ「へレディタリー/継承」

「ジュマンジ~」でコメディ路線の人かと思いきや、とんでもなかった。絶望を観客に体感させるキーマンを見事に演じきった。


次に日本映画編。

監督賞:吉田恵輔「愛しのアイリーン」「犬猿」
主演男優賞:安田顕「愛しのアイリーン」
主演女優賞:趣里「生きてるだけで、愛。」
助演男優賞:松坂桃李「孤狼の血」
助演女優賞:柴田理恵「来る」
新人俳優賞:江上敬子「犬猿」