映画の大当たりフィーバーが止まらない。。。
急きょ観ることにした「LEGO ムービー」が凄い映画だった。
ただのCGアニメーションだと侮るなかれだ。
この暖かく抱きしめたくなるような余韻は「トイ・ストーリー3」に近い。
アカデミー賞がひと段落して、アメリカの映画興行において、
パッとしない映画の公開が続く中、久しぶりに大ヒット&大絶賛を受けている本作。
Rotttenでは175レビュー中、97%のフレッシュという驚異的な数字を叩き出す。
これは現在、日本で超絶ヒット中の「アナと雪の女王」のそれを大きく上回る。
観てみて、その絶賛ぶりがよくわかった。
物語は、レゴブロッグの世界を舞台に、ごく普通の青年エメットが、
邪悪な「おしごと大王」による世界征服を阻止するために冒険する話だ。
何から何までレゴブロックで表現する。
水、煙、炎など、形をとどめない物体に至るまですべてだ。
スケールがデカいのに、細部に至るまで描写は緻密。
柔軟な発想力に裏打ちされた映像の躍動感に目を奪われる。
ストップモーションで全部撮影していたら、エライことだなー、と思っていたら、
ストップモーション風に見せたCGということで、なぜかホッとする。
っていうか、わざわざストップモーション風に見せているのがイケている。
レゴブロックの無限の可能性、その自由度を感じるとともに、
映像として見せる上で、表現の制限になることも認識している作りだ。
しかし、確信犯的にその制限を残し、ユーモアやメッセージに転じさせているのだ。お見事。
途中からバットマンが主要メンバーに加わるなど、スターウォーズ、ロードオブザリング・・・
他映画へのオマージュもタンマリあって映画ファンには堪らない。
映画「テッド」みたいにローカライズされたセリフの数々も楽しい。
吹き替え版、声優の森川さん、山寺さんらのプロのパフォーマンスに酔う。
普通のアニメーションとしても、かなり完成度の高い映像作品なのだが、
それで終わっていないところが、この映画の凄いところだ。
終盤、まさかの展開になだれこむ。
エメットが冒険する劇中で感じていた違和感が、
すべて伏線だったことに気づかされる。何ということか。
レゴブロッグが人種・年代を問わず世界に愛されている理由は、
人の創造性や想像力を肯定する玩具であるからだ。
そこに正解はなくて、何度もやり直しが効く。
予想だにしなかった本作のメッセージに触れたとき、
勝手に涙が溢れてきた。
この、とんでもない離れ技をやってのけたのは、
本作の監督・脚本を手掛けたフィル・ロードとクリストファー・ミラー。
大傑作「21ジャンプストリート」のコンビだ!!!
全米との公開のタイミングがかぶったせいか、
十分なプロモーションがなされなかったのが可哀そうだ。
日本でのヒットは見込めなさそうだが、埋もれてしまうには勿体ない。
劇場は子ども連れが多かったが、
大人でこそ楽しめる映画だと思う。
【80点】