から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

誰よりも狙われた男 【感想】

2014-10-28 11:00:00 | 映画


9.11によって、世界の多くの価値観が変わったと思う。
イスラム教へのイメージしかり、危機管理に対する意識しかり。。。
国境を越えた諜報活動の在り方も大きな変貌を遂げたようだ。

名優、フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作でもある、
「誰よりも狙われた男」を観る。かなり硬派な映画だった。

ドイツのハンブルグを舞台に諜報機関に勤めるベテランスパイの中年男が、
ドイツに未入国した、テロリストと疑わしき青年を追っかける話だ。

元諜報員のジョン・ル・カレ原作の映画化だ。
「裏切りのサーカス」同様、派手なアクションはなく、淡々とした語り口で、
容疑者、あるいは内部関係者との駆け引きを中心に諜報活動のリアルを描く。

「疑 わしきは悪」と、やられる前にやってしまおうという諜報チームと、
主人公側の「犠牲は少なく、泳がせて大物を釣る」という思惑が衝突する。
そうしたドイツ内部の紛糾の中にアメリカが加わる。ありそうな話だ。

テロリストの容疑をかけられた青年の境遇がまた複雑だ。
それは、偏見として抱かれるイスラム教徒への先入観を問うたものであり、
また、今もなお、ロシアという別地で起きている国際問題を明らかにする。

テロリストVS諜報機関という構図に、
彼を保護しようとする人権活動家の女弁護士、
青年との遠縁により、大金を指し出す役目を担う銀行家、
テロリストへの資金提供の疑いがかかっている大学教授等が加わり、
先の見えない展開に突入していく。動き のない画に十分なスリルを感じる。

こうした関係者を次々と囲い、利用していくのが、主人公のやり方だ。
テロ根絶という先の見えない戦いに勝利するためには、
その根源から断たねばならず、芋づる作戦のように、
テロ関係者との糸を切らぬようにして大物を釣り上げなければならない。
それは効率的な作戦のように見えて、大きなリスクを伴うため、
どのやり方が正解なのか、見ていてまったく答えが出ない。

言えることは2つ。
いずれにせよ、犠牲なきテロ戦争はありえないということ。
そして、現時点においては、そこに出口はまったくないということだ。

主人公演じたフィリップ・シーモア・ホフマンは今年の2月に急逝した。
遺作だからといって、観終わっ て本作に特別な想いが残ることはなかった。
普段通り、間違いのない名演であり、普段通り、作品を引き締めてくれたからだ。
彼が出るだけで、その映画が1段階特別なものになる、そんな稀有な俳優だった。
映画界において大いなる損失であり、彼の出演作はこれからも輝き続ける。
以前、彼が「ブレイキング・バッド」への出演を希望していたらしい。
製作のヴィンス・ギリガンは無名の俳優を起用することにこだわったため、
彼の出演を拒んだらしいが、彼ほどの俳優が出演していれば
ドラマは間違いなく一層面白くなっていたはずだ。とても残念。

他にキャストの中で印象的だったのは、
主人公の補佐役を演じたドイツ人女優や、大学教授の息子で主人公に情報を流す青年。
それぞれ「東ベルリンから来た女」と「もうひとりの息子」で主役を演じた俳優だ。
国籍を問わず、国際的な評価を受けた作品に出演すると結果が伴ってくるということだ。
2人とも助演に徹した好演だった。

タイトル(原題のとおり)はネタばれに近い。
そこに込められたラストが痛烈で深い余韻を残した。

【65点】

ヘラクレス 【感想】

2014-10-26 10:00:00 | 映画


「ヘラクレス」を観る。

ギリシャ神話モノのアクション映画は評判に関係なく観ることにしてるが、
本作については珍しくアメリカでの評判が上々だった。

神話上、全能の神「ゼウス」と人間の間に生まれたハーフの子「ヘラクレス」を描いた話。
本作の予告編でもバンバン流れているとおり、ヒドラや巨大ライオン等、
神話の怪物たちとの戦いを辿る「12の試練」が有名である。
本作もその過程を描いた物語だと思っていた。

が、全然違っていた。
序盤の種明かしで早々に面食らう。「そういうことなの!?」と。
ただ、観終わった後味は意外にスッキリ。「これはアリだ」。

本作での「ヘラクレス」はハーフゴッドという特別な力を持った人間ではなく
かなりの力持ちではあるものの、生身の人間として描かれる。
おそらくこの点がアメリカでも評価された点なのだと思う。
伝説は、その生き様によってのみ生み出されるというべきか。
まったく新しいギリシャ神話の解釈だ。

生身の人間といっても、そこはフィクションの世界。
片手で敵を持ち上げ投げ倒し、太い棍棒を振り回して敵を容易になぎ倒す。
無駄なリアリティは追わず、エンタメとしてのアクション演出に徹する。

なんといっても、ロック様こと、ドウェイン・ジョンソンだ。

血管が異様に浮き出て、はちきれんばかり極太マッチョボディ。
顔にも迫力があって、これほどヘラクレスがハマる役者はいないだろう。
筋肉はアクションに歓迎されるのだ。その筋肉が悪を粉砕する様は痛快。
「アイアム、スパルタカース!」と、どっかで効いたフレーズも気にしない。
カタルシスも気持ちよくキマッた。

このテの肉体でアクションを魅せる俳優がすっかりいなくなったと思う。
昔はシュワちゃん、スタローンを初めとして沢山いたのだけれど、
今や皆おじいさんになって「エクスペンダブルス」だ。
40を過ぎてなお、それを体現するドウェイン・ジョンソンに恐れ入る。

勧善懲悪なストレートなヒーロー映画。
そのクラシカルな作りに懐かしさを感じた。

本作を観てふと思い返した。
同じギリシャ神話モノの神ゲー「ゴッドオブウォー」の映画化はまだか。

【65点】

ゲーム・オブ・スローンズ 第四章 【感想】

2014-10-25 10:00:00 | 海外ドラマ


スターチャンネルの一挙放送にて「ゲーム・オブ・スローンズ 第四章」を観た。

感想、相変わらず凄い。よくこんなドラマ作るな。。。

「ハウス・オブ・カード」と並び、このドラマも最強かつ順調。
どんどん面白くなっている。「ブレイキング・バッド」の嬉しい系譜。

また、これまでのシーズンの中で1番好きかも。

大きな傷跡を残した第三章。残されたスターク家の面々同様、
自分も第3章でのショックを引きずったまま、第4章のスタート。

本章では、離散し過酷な運命をたどるスターク家の面々が、一番接近する。
「あぁ、早く再会させてあげたい」と何度も願う。
彼らの距離が目と鼻の先に近づいても、運命のいたずら、
もしくは、背負いし宿命のために再会することが叶わない。
このドラマならではのドSぶ りは、第1章から全くブレない。

また、これまでの章の中で1番ファンタジーを感じた章である。
デナーリスのドラゴンは強さを増し、新たな方向性を見出す彼女の足かせになる。
ホーダーにおんぶにだっこだったブランは自身の特殊能力を飼いならし、強者に変貌。
ジョン・スノウは巨人たちを相手にガチンコのバトルを繰り広げる。

シリアスでガチな中世の戦国絵巻に、遅まきながら、
ファンタジーが追いついてきた印象だ。非常に楽しい。

また、これまでの章の中で、最も大きく状況が変化した章でもある。
まったく予想していなかった大物が殺された。。。
次章以降、七つ国の勢力図が変わることは必至だ。

圧倒的なスケールとともに、本章でもドラマパートがしっかりしている。
タフで強い女性としていつの間にか成長を遂げたサンサとアリア。
それぞれの魅せ場ともいえる圧巻のシーンにシビれた。
ジョン・スノウとイグリットの「あの洞窟を出なきゃ良かったね」に涙。
そして、ティリオンとシェイの悲愛にまた涙。。。

ファンタジーとドラマが見事に融合。
どこまで欲張れば済むのだろう。ファンとしては嬉しい悲鳴。
本当に素晴らしい。

第5章は来年2015年放送予定とのこと。
第6章は再来年2016年放送予定とのこと。

正直待てない。もう原作本を読むしかないか。

物語があまりに壮大すぎて原作者が存命中に結末まで描けるのだろうか。
ちょっと心配になってきた。

まほろ駅前狂騒曲 【感想】

2014-10-22 10:00:00 | 映画


数少ない日本映画で好きなシリーズである「まほろ駅前~」の新作、
「まほろ駅前狂騒曲」を観る。

間違いのない面白さ。劇場で見て良かった。

高校時代の旧友である多田と行天がいる多田便利軒に
ワケあって、行天の娘が1ヶ月半預けられるという話だ。

そもそも、このシリーズの変遷が興味深い。
2011年に大森監督で初の映画化。
その後、2013年にテレビ東京で大根仁監督により連続ドラマ化。
そして本作で、再び大森監督により2度目の劇場映画になった。

前作と本作の間に、大根演出による連続ドラマが作られたことが大きい。

前作以上に、多田と行天の関係性がこなれていて絶妙な塩梅になっている。
2人の間に流れる空気感が心 地よく、スンナリ物語に入れてしまう。
TVドラマで醸成されたユーモアもちゃんと活かされている。
特に本作で強く感じたのは、多田の実直さ故に自然発生するユーモアだ。
狙わずとも、真面目に生きている人間の周りには必ず笑いの隙間ができるのだ。
そこに行天という予測不能な生物が加わることで笑いの波が大きくなる。
映画館でここまで笑ったのは、久しぶりだ。しかも日本映画で。
この高度なユーモアの描き方は多くの日本の映像作家は見習うべき。

コメディとして十分楽しめるが、前作に引き続き
映画としてドラマパートもしっかり作られている。

本作のメインは、多田と行天が父性を取り戻す過程だ。
「子ども」という存在を巡って、切ない過去を持つ2人だ。
その過去とどう向き合い、どう受け入れていくのか、
それは同時に、30を過ぎた2人の男子の成長物語でもある。
純粋無垢な子どもは大人を前にして無敵であり、父性に抗うことができない。
多田と行天と、1人の幼女。この3人の出会いに必然性を感じてしまった。

多田と行天を演じた、瑛太と松田龍平が本当に素晴らしい。

テレビ、映画での2人の活躍は留まることを知らないが、
本作を見て「どんどんいい役者になるなー」と感心した。
何の特異性もないキャラを演じることこそ役者の真価が問われる。
2人を通して映るキャラは、特別じゃないのに特別な存在として
スクリーンに収まってしまう。発するセリフの一つ一つが胸にしみる。

その一方で、残念だったのはク ライマックスのバスジャックのクダリ。
クライマックスが、一番らしくなくて、つまらない。笑
原作にそのまま合わせたからか、もしくは映画として「転」を求めたからか、
奇をてらったようなドタバタぶりに、やや興冷めてしまった。
「多田便利軒」はそのままで十分なのだ。

大スクリーンで見るようなスケールではないが、
スクリーンでないとこの感動を味わえなかったと思う。
おかげで、まほろに流れる風を感じることができた。

気持ちよく笑って、さらりと心の琴線に触れる良作ムービー。
また、連続ドラマで戻ってきてくれないかなー。

【65点】

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 【気になる映画】

2014-10-21 11:00:00 | 気になる映画


メキシコ人監督が今アツい。
敬愛する3大監督はすべてメキシコ人監督であることに気付いた。
アルフォンソ・キュアロン、ギレルモ・デル・トロ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。
前者の2人は昨年、「ゼログラ」と「パシリム」で映画界を熱狂させた。
そして、今年、3人目のイニャリトゥが満を持しての登場である。

イニャリトゥの期待の新作「バードマン」が先週より北米で公開された。
で、前評判に違わぬパワフルな興収と絶賛レビューに包まれている。

まず、興行収入は4館のみの公開のため、全体としては大きなインパクトはないが、
その1館あたりの興行収入が公開館の歴代最高記録となる10万ドル超えを達成。

レビューについてはRottenで92%のフレッシュを獲得。

内容は、かつて「バードマン」として一世を風靡したオヤジが、
再起をかけてブロードウェイの舞台劇に挑むという話らしい。

イニャリトゥの新境地ともいえるダークコメディ&ダークファンタジーとのこと。
撮影監督はルベツキ!!
ほぼ全編ワンカットのような撮影に成功しているとのこと。

また、キャスティングがとても面白い。
主演はかつて「バッドマン」を演じたマイケル・キートン。役柄そのものじゃないか。。。
「21グラム」ぶりのイニャリトゥ映画となるナオミ・ワッツ(大ファン)に、
久々の本領発揮となりそうな演技派エドワード・ノートン、
そこにコメディ映画のイメ ージの強いエマ・ストーンと
「ハングオーバー」のザック・ガリフィナーキスが加わる。
このキャスティングで面白くないわけがない。

次のオスカーでは、複数部門でのノミネートは確実だろう。
作品賞、監督賞、主演男優(キートン)、助演男優(ノートン)、脚本賞、撮影賞(ルベツキ)。
場合によっては、エマ・ストーンの初オスカーノミネートもあるかもだ。

そして、つい先週末、日本での公開が決まった(祝)。
邦題は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」。
なんだか、よくわからないぞ。笑
()内にはどんな意味があるのか、そもそもなんで()書きにするのか。
観る前の興味喚起を引くというより、観終わって納得するタイトルなのかも。

公開日は「2015年春」とのことなので、アカデミー賞直後の3月~4月になるのかな。
とりあえず1年後とかにならなくて良かった。早く観たい!


フューリー 【気になる映画】

2014-10-21 09:00:00 | 気になる映画


日本でも認知度の高い俳優が出てくる洋画は、
北米公開と日本公開のタイムラグが少ないので嬉しい。

ブラピが製作・主演を果たした「フューリー」が先週より全米で公開された。

第二次世界大戦中、たった1台の戦車でドイツ兵300人に挑んだ、
5人のアメリカ人兵士を描いた戦争アクションドラマとのこと。

オープニングの興行収入は2350万ドルで初登場首位。
大作映画としては物足りない数字ではあるが、戦争映画としては上出来。

気になったのはレビューの動き、当初、Rotttenで60数%のフレッシュだったが、
レビュー数が増えるにつれ、レビューのスコアがみるみる上昇。
現時点(10月20日)で80%まで上昇した。通常の映画はスコアが下降することが多い。
アカデミー賞の作品賞候補までにのし上がるためにはまだ心もとないスコアだが、
その他の部門では候補に挙がる可能性は十分にあり。

注目しているのは、新米兵士を演じたローガン・ラーマン。
近年「ウォールフラワー」でも素晴らしい好演を魅せた彼だが、
本作で本格的に演技派俳優として脱皮に成功した模様。
レビューの中でも彼の熱演に言及するものが少なくない。
助演男優でのオスカーノミネートの可能性は十分あるとみた。

あと、「ウルフオブウォールストリート」に続き、映画での活躍が目立つ、
ウォーキングデッドのシェーンこと、ジョン・バーンサルもメインキャストに名を連ねる。

トレーラーを観ると圧倒される。
生死をかけた壮絶な戦いを臨場感たっぷりに描き出しているようだ。
このあたりは監督デビッド・エアーのなせるわざだろうか。
また、その描写とともに男たちのアツい絆が形成される過程がみてとれる。

日本公開は来月末の11月28日。楽しみだ。


チューダーズ 背徳の王冠 シーズン1【感想】

2014-10-21 07:00:00 | 海外ドラマ


テレビの歴史バラエティの再放送で、イングランドの歴史の中で
最も悪名高い国王と呼ばれた「ヘンリー8世」が紹介されていた。

色情に溺れ、新しい妻をめとるために、昔の妻を処刑しまくったという。
その再現VTRで流れていた海外ドラマがhuluで配信中のものだった。

「チューダーズ 背徳の王冠」というHBO制作のドラマ。
2007年から2010年までに放送されたもので計4シーズン。

で、シーズン1をhuluで観終わった。

日本でいうNHKの大河ドラマのようだ。
史実を知るという知的好奇心を満たしてくれる。その時代の再現性は見応え十分。
なぜか印象に残った当時の文化は「血抜き」。何の知識もないヤブ医者が、
「病を治すために、陛下、血抜きをします」ともっともらしく言って流血させる。
血を抜くことで、体内の毒素が抜けると信じられていた医療処置だ。
あとで調べたら、血抜きが原因で死に至る人も少なくなかったとか。。。

史実がベースになっているという制限もあってか、
脚本に面白みはあまりなく、演出も物足りない。

ドラマの主人公はヘンリー8世。ドラマで描かれる個性は、
歴史バラエティで見聞きしたヘンリー8世のそれとかなり違う。
ちゃんと分別のある人で、他者への気遣いも相応にある。
女好きは聞いていたとおりで、妃がいるにも関わらず、
とっかえひっかえ、若い女子とコトに及ぶ。酒池肉林な日々を送る。
Hな描写は予想していた程ではなかった。

シーズン1では、そんな遊び人の国王が無二の愛に目覚め(と言っても既婚者)、
その愛人の女と結婚するために、スペインから嫁いできた現在の妃と、
どうにかして離婚しようと奔走する過程が描かれている。

当時の政治や法律は宗教に密着しているもので あり、
聖職者が国の舵取りを行っていた。聖職者なのに金と権力を追っかける不可思議さ。
結婚は神に誓いを立てる行為であったため、それを破る離婚はご法度だ。
そのため、ヘンリー8世は、元の結婚は「あれは不当だった(結婚したことはなし)」と、
苦し紛れの言い訳を振りかざし、聖職者たちに強引に離婚を認めさせようとする。

「真の愛のためにやったこと」と言いたげな風だが、
見ている限り、ヘンリー8世の姿に同情の余地はなく、
そのみっともない悪あがきを半ばコメディとして楽しむ。

演出が平凡だからか、どのキャラクターも魅力的に映らない。
ヘンリー8世を演じるのはジョナサン・リース=マイヤーズ。
あまり最近観ないなと思ってたら、このドラマに出 ていたようだ。
他に、GOTで活躍中の金髪美女なナタリー・ドーマーや、
現スーパーマンこと、ヘンリー・カヴィルらが脇を固める。
その他のキャラ含め、それぞれ面白い役割を担っているのだが、
とても役不足に感じてしまう。演技が下手というわけではないが。

全4シーズン、huluで観られるので、残りの3シーズンも観たいと思うが、
今月から、「マッドメン」の配信が始まったので、そっちを優先したい。
観たい映画も溜まっているので、時間が足りない。

ハウス・オブ・カード シーズン2 【感想】

2014-10-18 12:28:52 | 海外ドラマ


待望のハウス・オブ・カードのシーズン2、
レンタル開始初日にBDを一気に借りて観終わった。

感想、凄い。
最後まで圧巻。

傑作だったシーズン1を超えた。
キャストの演技、演出、脚本を堪能したいがために
もう一度見返したいと感じたのは「ブレイキング・バッド」以来。

主人公フランクが副大統領として新たな出発を迎えるシーズン2。
「国民のために!」という大義はそっちのけで、
権力闘争というパワーゲームに徹するスタイルはそのまま。
大統領とともに、アメリカが直面する様々な問題に挑んでいく。
シーズン1からシーズン2で、このスケールアップが大きな変化だ。

中国との外交問題、エネルギー問題など、時代性をしっかり抑えつつ、
海千山千な政治家たちの巣窟で、フランクの剛腕ぶりが発揮される。
こちらの想像力を凌駕する力強い展開と、圧倒的な説得力。
シーズン1でも完成度の高かった脚本はさらに磨きがかかった。
キャラクターの歪みを捉えた人物描写も見事。ノーマルな人間なんて少ない。
本シーズンでフランクのバイセクシャルが確定した。

登場人物のセリフ、カッコよすぎ。特にフランク語録はさすが。

 権力に至る道は偽善と数々の犠牲者からできている
 後悔は無用だ

 感情をあふれさせてしまえば理性は窒息する

 ライオンの巣からオオカミの群れへ放て
 誰かを殺してもっと新鮮な肉を与えねば


本シーズンのテーマを一言で言い表せば、「権力」対「金(経済力)」。
前者がフランクで、後者が億万長者の実業家レイモンド。
権力と金は表裏一体と解釈するのが容易だが、
本作では分けて対立させる。これがこのドラマの凄さだ。
ありとあらゆる手段を使って、 生き残りをかけたバトルが繰り広げられる。

キャストのパフォーマンスは言わずもがな。
カリスマ性を放つフランク演じるケヴィン・スペイシーと、
その妻クレアを演じるロビン・ライトが本作でも素晴らしい。

そして本シーズンから加わった若き女性政治家のジャッキーが面白い。
元軍人で過去の暗い記憶を紛らわすためにタトゥー(痛み)を体に刻む。
フランクの飼い犬になると思いきや、堂々と渡り合う強敵に変貌。
その美貌と強かさに魅了された。

唯一、残念なのは、前シーズンに引き続き
明確な犯罪シーンをエピソードに加えたこと。
物語の展開上、必要なシナリオだったかもしれないが、
これほどの脚本力があるのだから、他の描き方でもOKだったはず 。
「犯罪のスレスレを行く」スタイルと矛盾していてつまらない。
あれがなければ本シーズンは100点満点だった。

あと、「犠牲はつきもの」と言われたとおり、
大好きなキャラがシーズンのラストで消えた。残念過ぎる。

ドラマの進化を認めざるを得ない面白さ。
650分(計13話)の傑作映画といえる。

シーズン3は全米でも来年以降なので、日本でのリリースは暫く待ち。
シーズン2のBDが値下がったら購入したいと思う。

レッド・ファミリー 【感想】

2014-10-17 10:00:00 | 映画


韓国映画「レッド・ファミリー」を観た。

惜しい。。。けど、なかなか面白い。
最近、観る映画すべてが当たりで調子が良い。

韓国に潜入している北朝鮮の工作員4人が、
家族に偽装して任務を遂行しているという話。

朝鮮半島の南北問題を扱った映画は過去にも沢山あるけれど、
本作は南北問題を描いた映画というより、南北問題をフックに
普遍的な家族の在り方を問うた映画という印象が強い。

偽装家族は一見、なかむつましい理想的な家族だが、その外面は演技。
家に戻ると「同志!」と呼び合い、関係性はあくまでドライ。
美人なお母さんが工作員チームの班長であるため、
義父さんや旦那がヘマをすると本気のビンタを食らわす。笑

そんな家族の隣に住む、韓国人家族がポイントだ。
母親の浪費&借金中毒がもとで、怒鳴り合いの夫婦喧嘩が絶えない。
資本主義の中で自由を謳歌しながらも家族の絆を粗末にする隣人家族と、
北朝鮮の母国に残されている実の家族を想い、涙を流す偽装家族。
本作ではこの2つの家族をユーモアを交え誇張された形で描いており、
その対称性が際立ってみえる。そこにちゃんと南北問題が横たわる。

そして、2つの家族が交わる。ご近所付き合いだ。
価値観のギャップによるユーモアは思いのほか薄味だった。
もう少し、笑わせてほしかったかも。中盤から一気にシリアスになる。
偽装家族に課せられた出口の見えない試練が悲痛。
真の家族が生まれる瞬間を目撃するクライマック ス、
そこに去来するのは「家族って何だろ」。

監督は本作が長編デビュー作となる新人監督。
キム・ギドグが製作、脚本、編集をしているというが、
演出についてはノータッチだったのだろう、全く別物の映画。
作家性よりも娯楽性をもった映画に仕上がっている。

キャスティングで印象的だったのは、偽装家族の娘役を演じたパク・ソヨン。
韓国では珍しい天然な美少女。熱演もさることながら非常に可愛い。

ツッコミどころも多く粗さを感じる映画だったが、見ごたえは十分。
韓国映画のクオリティの高さを再確認した。

【70点】

「TRUE DETECTIVE」/「GIRLS」1話目、感想。

2014-10-17 08:00:00 | 海外ドラマ
今月から初スカパー&スターチャンネルの契約を始めた。

お目当ては「TRUE DETECTIVE」、「GIRLS」、
「ゲームオブスローンズ 第4章」(一挙放送)だ。

で、「TRUE DETECTIVE」、「GIRLS」の先行1話目を観たので感想を残す。


「TRUE DETECTIVE 二人の刑事」
面白い、面白くないの判断がまだつかないが、
これまでの刑事ドラマと一線を画すと言われる意味がわかる。
事件解決に向け、犯人を追うサスペンススリラーが半分、
登場人物の内面に迫るドラマが半分、といった具合だ。
後者の印象が強いのがこのドラマの特徴かもしれない。
不気味な事件の闇と、主人公の刑事が抱える闇がシンクロしているかのよう。
映画でいえば「羊たちの沈黙」に近いイメージだ。
主人公「ラスト」を演じるマシュー・マコノヒーに惹きつけられる。
彼がこれまで演じてきたどのキャラクターにもあてはまらないキャラクターだ。
暗い過去を抱えた寡黙な男。口をついて出るのは「人間」についての哲学的な考察。
ウディ・ハレルソン演じる、彼の相棒と安易に仲良しでない点も面白い。
1話目で準備完了、2話目がとても楽しみだ。


「GIRLS」
聞いてはいたが、エンドロールを見て驚く。
監督、脚本、製作、主演、すべて「レナ・ダナム」。26歳の女子だ。
昨年、全米でドラマの話題をかっさらったニューヨークを舞台にした女子ドラマ。
聞いていたとおり、コメディであったが、やや狙い過ぎなところもあって、
1話目見ただけではハマらない。吹き替えで印象が変わったことも大きいか。
特徴的なのは、可笑しく生々しいセックス描写。確かにこれは新しい。
「隠さないでよ、みんなセックス好きでしょ?」という声が聞こえてきそうだ。
1話目で出てきたのは、主人公のセフレっぽい馬鹿男。リアルな感じでとても良い。
それにしても、なんで男は別の穴に入れたがるのだろう。。。
レナ・ダナムが可愛い。ぼっちゃりだが、おっぱいはなく、ドラえもん体系。
丸い目と丸い顔、丸い体系が愛くるしくて応援したくなる。
1話目の字幕版がそろそろ放送されるので、そっちを観ようと思う。

Whiplash 【気になる映画】

2014-10-15 09:00:00 | 気になる映画


面白い映画の鉄則がある。
助演俳優のパフォーマンスが高く評価されている映画だ。
それがオスカーを受賞するレベルだと、さらに間違いがない。

典型的な映画で、自分の好きな映画を挙げると
「ノーカントリー」「ダークナイト」「イングロリアス・バスターズ」あたり。
いずれも共通するのは主役を食うほどの存在感があったこと。
主演を助ける助演ではなく、映画を盛り上げる助演だと捉えている。

で、今年、その1つに加わりそうな映画が先週全米で公開された。

「Whiplash」という映画。
日本語にすると「ムチ打ち」ってこと。

名門音楽院に通う若き青年ジャズドラマーと、
彼を指導する鬼教師を描いた話とのこと。

公開館数6館という単館系映画のため、レビュー数は少ないものの、
Rottentomatoで96%のフレッシュを獲得。(10月13日現在)
今年のサンダンス映画祭ではグランプリを受賞。

脚本、演出、キャストにもれなく賛辞が飛び交っている。
脚本&監督は本作で長編デビューとなるデミアン・チャゼル。若干29歳。
主演は、コメディからシリアスまで器用にこなす若き演技派マイルズ・テラー。

そして注目は、鬼教師役を演じたJ・K・シモンズ だ。
今年の助演男優オスカーは彼で確定予想。
いつものコメディ映画で知る、穏やかパパのイメージを封印。
異常なまでに心身ともに主人公を追いこむ教師役を熱演しているようだ。

本作のトレーラーを観る と、その熱量に圧倒される。
J・K・シモンズのスパルタぶりがえげつなくてビビる。笑
マイルズ・テラーとJ・K・シモンズで発せられた摩擦熱が、
映画のボルテージを一気に上げているのがわかる。

日本での公開はまだ未定。
「ショートターム」みたいに公開されても来年末になるのかも。
ああ、早く観たい。



悪童日記 【感想】

2014-10-12 08:00:00 | 映画


2か月前に16,000円の格安タブレットを購入した。
スマホを持っていないので、初めて「アプリ」というものに触れた。
で、知人から勧められた、映画レビューアプリ「Filmarks」を最近使っている。
自分の知らない映画で、評判の良い映画を見逃さないのに使える。
それでさっそく、その成果が出た。

「悪童日記」という映画が凄かった。

観た劇場は、初の新宿シネマカリテ。

物語は戦時中、ナチス占領下のどこかの国の話だ。
双子の少年が疎開先で生き抜く姿を追ったドラマだ。

シリアスで重い映画だと身構えていたが、
語り口がとてもユニークで惹きつけれた。
寓話というか、ファンタジーの世界という か、
リアリティを追うことに重きを置いていない。
ただ、作品の色はひたすらダーク。

主人公の双子の少年は美しい顔立ちで、イノセンスな香りが漂う。
彼らを取り囲むキャラクターも独特だ。
疎開先で預けられた祖母は少年たちを虐げる「(おデブ)魔女」。
隣に住む盗み癖のある少女、同性愛を匂わせるナチス将校、
ユダヤ人を「獣」と忌み嫌う美女、妖怪のように変貌した父親。。。
「なぜそうなったのか」それらキャラクターの背景は明かされることはない。
少年たちが空想で描いた世界の住人のようにも見える。

過酷な戦時下にあって、少年たちは様々な「訓練」を自らに課していく。
寂しさ、痛み、空腹、残酷さなどに耐えるためにだ。
その過程に現実性を感じたなら ば、「かわいそう」「たくましい」といった、
通り一辺倒な感情に留まるのだが、本作はそうはならない。

自分には、少年たちの訓練が「悪童」を通り越して、
「モンスター」に変貌していく過程のように見えた。
それは少年たちが純粋であるがために起こった、必然的な事態だ。

物語を追うごとに、戦争の真理や、悪に対する倫理観などが浮かび上がる。
独特な音楽の使い方も作用して、その様はとても鮮烈だ。

そして、この映画のテーマを決定づけたラストに驚愕した。

「反戦映画」という枠では収まり切らない映画。
見直してみるとまた違った印象を持つんだろうな。。。。

【75点】

ドラマ24「玉川区役所OFTHEDEAD」がつまらない件。

2014-10-11 01:16:47 | 日記
秋の新番組が始まる中、最も注目していたドラマが、
TV東京のドラマ24の枠で放送される「玉川区役所OFTHEDEAD」。

今日、2話目が放送されたが、やはり酷くつまならい。
もう観るのをやめようと思う。

タイトルから想起されるとおり、「ゾンビ」が出てくるドラマ。
ゾンビが日常化された社会で、その捕獲と管理を行う役所の人たちの話。
そのプロットは面白い。日本のドラマとしてはかなりの意欲作。と思われた。

予算的に、技術的に、倫理的に「ウォーキング・デッド」みたいな、
シリアスなゾンビドラマを日本で作れないことはわかってるので、
コメディドラマとして楽しませてくれれば良い。

しかし、このドラマは無駄にはしゃぎ回るドタバタ劇。
いろんな意味で寒い。痛くて観ていられない。
製作陣はこのドラマを面白いと思って放送しているのだろうか。

「日本ではゾンビモノは無理」ではなく、脚本・演出の明らかな技量不足。
せっかく面白いプロットのドラマなのだから、面白く作れたはずだ。

演出は河原雅彦という、舞台演出をメインにやっている人らしい。
調べてみると、映像作品の演出経験はあまりないようだ。
確かに、ドラマを観ていると舞台演出をそのまま持ち込んでいる模様。
完全に間違っている。

「リバースエッジ 大川端探偵社」、「アオイホノオ」と、
ドラマ24の過去2作がもれなく面白かったので、この失望感は大きい。

現在、海外ドラマにハマり中。
日本のドラマのレベルの低さが身に沁みる。
見なきゃいいんだけど、日本にも良い役者が多いので勿体ないと思う。

演出は無理だとしても、アメリカの脚本家に一度、
日本のドラマの脚本を描いてもらったらどうか、と思った。





蜩ノ記(ひぐらしのき) 【感想】

2014-10-10 10:00:00 | 映画


久しぶりに日本の時代劇を観に行こうと思い、
小泉堯史の新作「蜩ノ記」を観に行った。

感動した。「日本映画って良いな」と実感。

最近ハマっている海外ドラマ。惹かれる理由の1つが
アメリカ人の「欲しがり」っぷりだ。欲望に対してストレードで忠実。
日本人にはない積極性や上昇志向が、面白い人間ドラマを生み出す。

だが、この映画はその対極にある。

「想いを寄せた人と同じ風景を観ている、
 それだけで生きる幸せを感じる」(みたいな)

「奥ゆかしさ」という言葉だけでは片付かない精神性がある。
自身の欲望を制し、自身よりもまず他者を思いやる。
そうした心持ちを素直に美しいと思えるのが日本人なのだろう。
そして、この精神性は現代の日本人のDNAに残されていると思う。
「お・も・て・な・し」も、その1つなのか。

本作は日本の精神性をジンワリ味わうだけの映画ではない。
本作で観て、一番響いたテーマは「正義」のあり方だ。

本作では、それを「なすべきこと」と言う。
自身の損得ではなく、人の道としてやるべきことを遂げるということ。

その話の顛末が思いのほか、大胆だったので驚いた。
とても痛快で、思わず鳥肌が立った。地味な映画に見えて結構なスリル。
主人公の「なすべきこと」のターゲットとなった家老の、
「これ以上、私に恥をかかせるな」にもグッときた。

主人公を演じた役所広司と岡田准一が素晴らしい。
その表情、 その佇まいが、日本の美しい風景に映える。
1つ1つのセリフが説得力をもって胸に響く。
やはり役所広司は日本の映画界の至宝だなーと再実感。
「渇き。」での消化不良を本作で見事晴らしてくれた。

小泉監督の演出も冴える。特に印象的だったのは人物描写。
執拗な表情のアップを避け、人物も風景の一部のように俯瞰で捉える。
だけど、しっかり登場キャラの心情が浮かび上がってくる。

観終わったあとは、晴れやかな気分と共に深い余韻を残した。

日本人にしか撮れない映画であり、日本人にしか理解できない映画だろう。
日本人に生まれた恩恵を享受できる映画と言い換えられるかもしれない。

正直、前半ウトウトしてしまったので、
DVDレンタルが始まったら、ちゃんと観返したいと思う。

【70点】

写真集「奇界遺産」を購入した件。

2014-10-08 10:00:00 | 日記


クレカのポイント交換など、商品券が多く手に入った。

さて、何を買うか。。。。

コンビニを介して、商品券をAmazonポイント(ギフト券)に変える方法があったが、
今年の2月末に廃止され、現状は完全にリアルな店舗でしか使えないようになった。

ECサイトで購入したほうが安い商品を、
リアルな店舗(高い価格)で商品券を使うのは勿体ない。

ECサイトで購入しても、リアルな店舗で購入しても
価格が変わらない商品に商品券を活用したいと思った。

そうなると、手近な商品では書籍くらいしかない。

で、前から気になっていた写真集「奇界遺産」を購入した。
価格は税込み4,000円ちょっと。他の写真集もチラ見したが、
「こんなのでも2,000円するの?」とかなり高い。
普段、あまり本屋で価格の見ないのだが、写真集に関わらず
昨今の書籍全般、知らぬうちに随分と価格が上がっているみたい。

そして「奇界遺産」を読み終わった。
写真集なのだが、読み物に近い。

まず、大型本の写真は凄い迫力だ。
狂気に近い人間の情熱によって生み出され創造物の数々と、
奇妙なモノに取りつかれた筆者の情熱に圧倒される。

特筆すべきは、各奇界遺産についての筆者の解説だ。
短文の中に、5W1Hをわかりやすくまとめている。
この書き方を日本の博物館は学んだほうがよい。
また「奇界遺産」に出会っ て筆者が感じた紹介文が面白い。

普通のパンダですらパンダに見えない。
キリキリとしたパンダの眼差しに製作者の狂気がみてとれる。

身体の各部がホテルになっており、肝心な頭部は、
なぜか駐車場というアバンギャルドな作り。
これが国営だというのだから、中国はヤめられない。

ドクロも笑うメキシコならではの生死感は、
むしろロマンチックですらある。


写真から発せられる熱量と、クールな視点のギャップが楽しい。
奇界遺産に出会ったことへの高揚感に踊らされることなく、
一貫してブレることのない分析眼が素晴らしい。
そこに、筆者の独特のユーモアセンスが加わり、その文章にニヤニヤする。

読み終わって、当然ながら実際に行ってみたいと旅心をくすぐる。
個人的には行ってみたいと思ったスポットは東南アジア集中した。

「ワッパーラックローイ(タイ)」(狂気でカオスな地獄寺)
「ハウパーヴィラ(シンガポール)」(狂気でツッコミ満載のテーマパーク)
「スイ・ティエン公園(ベトナム)」(狂気で壮大な遊園地)

「ダサカッコいい」はアジアの特権である。

カバー写真のインパクトが強いので、インテリ アとしても使えそう。
この買い物は想定以上の満足度だった。

で、余った商品券で続編の「奇界遺産2」を購入してしまった。

読み終わったら、また感想を残そうと思う。