から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

キッズ・オールライト 【感想】

2011-04-30 22:46:11 | 映画
今年の3月の終わりごろ、大阪出張で初の前乗りをした。
その際泊まったビジネスホテルでの朝食(ビュッフェ)時、
隣の席で同じく朝食をとっていた金髪の外国人男性がいた。
日本に出張で来ているのか、トレイには日本食はまったくなく、
オムレツやらソーセージやらの洋食系料理が並ぶ。
フォークで突き刺せば一口で食えるようなソーセージも、
わざわざフォークとナイフを使って、チマチマと一口大にしてから口に運ぶ
「それ食べづらいだろ~」と突っ込みを入れたくて仕方がない。。。
でも、これが欧米の日常スタイルなのだ。

今日観た「キッズ・オールライト」の食事シーンからそんなことを回想した。

本作は昨年のオスカーノミネーション10作品のうちの1本だ。
本作主演のアネット・ベニングはオスカーでナタリー・ポートマンの対抗馬となった。
助演男優ではマーク・ラファロがノミネート。
オスカーでは無冠に終わったが前哨戦のゴールデングローブでは
コメディ・ミュージカル部門で作品賞と主演女優賞を受賞するなど、
アメリカで高い評価を博した作品だけに、公開を楽しみにしていた。

本作は上映館が限られている、いわゆる単館系の映画であるが、
ありがたいことに近所のシネコン、MOVIXさいたまで上映してくれている。
公開2日目のホヤホヤ、レイトショーで観たが、観客が少ない。
一見地味な映画だし、そんなに宣伝もしてないからか。。。

本作は、アネット・ベニングとジュリアン・ムーア演じる中年レズビアン夫婦と、
彼女たちが精子提供によって産んだ18歳(娘)と15歳(息子)の子どもたち、4人の家族の物語だ。
子どもが18歳になるとアメリカでは、自分の精子提供者(父親)を探す権利が
与えられるらしく、そこでマーク・ラファロ演じる精子提供者(父親)が出現し、
家族ぐるみの付き合いが始まることで起きる騒動を描いている。

本作、終始楽しかった。

まず、レズビアンの性や、アメリカのセミセレブたちの生活のリアリティが興味深い。
監督のリサ・チョロデンコ(何系?)もレズビアンで、描かれるエピソードが生々しくてよい。
また、アネット・ベニング演じるニックは医者で、一家はそこそこよい生活をおくっているのだが、
カリフォルニアの明るい日差しのもと、広い家、広い庭。。。と余裕のある生活ぶりに、
「これぞ理想のアメリカンライフなのだな」と羨ましくなる。

また本作では食事のシーンがとても多く、お気に入りのポイントだ。
「今日は何とかのワインをもってきたよ、何とか年ものだから美味しいよ」と言いながら、
食事中、気取らず水変わりにワインをカブのみしていたり、
チマチマとナイフとフォークを使ってステーキを食べ、
「このステーキ最高だわ、焼き加減もちょうどよいわ」
「トリュフで風味付けしてあるんだ。レア過ぎるかと思ったけどよかった」とか、
「ルバーブのパイだ、美味しいよ」「太るからダメよ、でも最高だわ」と口いっぱい頬張ったり。
料理一つずつを映す画は全くないが、キャラクターの会話とリアクションで、
こっちは涎じゅるじゅるである。食を楽しむ映画として個人的に歴代トップ5に入るだろう。

そして、本作で描かれる登場人物が皆個性的で、その人物像の描写も丁寧で鮮やかだ。
ウィットに富んだ会話(脚本)と自然体の演出、キャスト陣の確かなパフォーマンスも手伝って、
あっちゅう間に感情移入してしまう。

本作では何かとアネット~が注目されたが、個人的には相方役のジュリアン・ムーアがツボだ。
彼女がもつユーモアのセンスと大胆さが本作で遺憾なく発揮される。
マーク・ラファロとの絡みが笑えて最高。彼女のスリム寸胴でアメリカンな体系と
皮膚のザラツキ具合も本作のキャラクターにフィットしている。
マーク・ラファロもよい。
一見そんな男前ではないが、女にモテるスマートで魅力的な男性像がリアル。
家族に対する執着も、単純に男の愚かさでは片づけてほしくない感情にちょっと共感を覚えた。
終盤の、彼のほったらかし具合は女性監督ならではで、
男性に対する排他的なフェミニズムに感じてしまったが、まあ仕方ないのか~と消化。
娘役のミア・ワシコウスカは、前作「アリス~」ではティム・バートンが描いた絵の中の住人だった。
一発屋で終わるかと思ったが、本作では内気で優等生キャラと思いきや、実はムラムラしている、
そのエロい眼差しが垣間見えて、演者としての彼女のキャリアは本作から始まる印象だ。

家族とは何か?という、うるさいメッセージがないものの、
ふと自身と家族の在り方を振り返ってしまうような家族映画の佳作。
個人差はあるが、女性の価値観を知る面白い映画でもあった。

【85点】












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麺や 七彩

2011-04-26 23:21:11 | グルメ
東京ラーメンストリート4軒目である「麺や七彩」に入る。

時間は15時半ごろ。アポ前で時間もなかったため、
行列のない店で、まだ入店していない店を選んだら、ここだった。

七彩は素材にこだわる、喜多方ラーメンの店とのこと。
喜多方ラーメンは麺が平打ちであること以外、
普通の醤油ラーメンと変わらぬイメージを持っていたため、
あまり期待せず「喜多方ラーメン(醤油味)」を頼む。
値段は750円。

5分ちょいで出てくる。



まず、器が真っ白で、やや細めのシルエット。
銀色の盆に鎮座するその姿は、凛としている。
具材はネギ、チャーシュー、メンマのみとスタンダードでシンプル。
この一杯に対する作り手の自信の表れにも映る。

さっそくスープからいく。

。。。。。普通の醤油味のスープだ。
特に美味しい訳でもなく、特徴もない。ひたすらあっさり。

次に麺をススる。
不思議なことに麺を食べることで、スープの旨み、深みを感じる。

あれ?と思い。確認するために再度スープだけ飲むとやはり、
ただあっさりしているだけ。
他の店ではよくある、残ったスープを飲み干す行動は考えにくい。

もう一回、麺をススる。やっぱ麺を食べると美味しい。

麺だけ食べるので、完食まで3分もたない。
物足りなさが残る。

良くいえば洗練されている味。とでもいえるかもしれないが、
悪くいえばインパクトがなく、この店で食すメリットも感じることができない。
どこにでもありそうな醤油ラーメンに思えた。

結果、予想(期待)通りといえるか。
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ひるがお

2011-04-25 21:11:35 | グルメ
先日の「らーめん むつみ屋」に続き、
東京ラーメンストリート3軒目となる「ひるがお」に入る。

時間は外出ついでで14時過ぎ。並ばずに入れた。

「ひるがお」は有名店「せたが屋」のオーナーがやっている塩ラーメン専門店だ。
この店もありがたいことに、つけ麺を提供している。
迷わず「塩玉つけ麺」を頼む。
値段は750円。

塩のつけ麺。どんな味だろうか?やっぱあっさり系か?。。。と出てくるまで想いを巡らす。

5分たたずして、つけ麺が出てくる。



スープはいかにも、塩ラーメンという色だが、
もっと澄んでいるスープをイメージしていたが、底まで見通せない。
逆にいろんなスープが混ざっているのでは。。。と期待が膨らむ。
麺は白く、やや平打ちの縮れ麺。

さっそく食べる。

ウマい~~~~!!

箸が止まらない。
一口終わると、もう一回。
それが終わると、もう一回。。。とエンドレス。

スープはやはり定番の動物系スープ(鳥!?)と魚介系のミックスか。。。
魚介は特に、貝系スープの旨みが強い。
塩味というシンプルな味付けだけに、スープの深い味わいが引き立つようだ。
あっさり、軽いというより、意外と力強い、細マッチョな印象だ。
麺の、プリプリ感と、ツルツルとしたのど越しの良さ。
スープが程よく絡む、麺の縮れ具合。スープとの相性をホントよく考えている。
スープの中のキザみ海苔の風味、七味のさり気ない辛みも美味さに相乗している。

ラーメンも嗜好品。人により好みが分かれるが、
ひるがおのつけ麺は私にとって、どストライクの味だった。

今回警戒して、並盛を頼んだが、次回は大盛りにしないと気が済まないだろう。
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らーめん むつみ屋

2011-04-22 22:01:58 | グルメ
「六厘舎」でつけ麺を食べた後、ハシゴして隣の「らーめん むつみ屋」に入る。

むつみ屋は北海道の店で「味噌ラーメン」が有名な店らしい。
名前だけは聞いたことがある。

味噌ラーメンを久しく食べてなかったので、
「美味しい味噌ラーメンってどんな味だったっけ。。。」と思い、入店する。
また、2軒目ということもあり、早めに食事を済ませたく、
17時前なのに、店がガラ空きであったことも理由だ。

味噌ラーメン目当てだったが、
自分が猫舌であることを思い出し、つけ麺を頼む。
ネーミングが面白い「暴れん坊 味噌つけ麺」。
値段は850円。

麺のゆで時間が結構かかるようで、
注文してから出てくるまで10分近くかかった。。。想定外のロスだ。

スープというより、つけダレに近い。どろどろだ。
ビーフシチューとミートソースを足して2で割って、
ラー油をかけたようなビジュアルだ。

麺は、幅広の縮れ平打ち麺。
全粒粉を使っているのか、麺は小麦色。

麺をスープにつけると、絡み具合がすごい。
この粘度は煮込んだすね肉によるものと思われる。

口に入れると、今まで食べたことのない味。
味噌味で山椒などの独特なスパイスが効いている。
すね肉をふんだんに使っているが、臭みはなく、肉の力強さがガツンと来る。
しかし、脂が多いため、肉の旨みよりも、脂のしつこさが後に残る。
また味噌味なので、もっと深みのある味わいを期待していたが、
表層的な味で、六厘舎のつけ麺に続いて2杯目ということもあるが、
すぐ飽きてしまって箸を進めるのがしんどくなる。
麺に添えられた、ゆでキャベツが口直しとして救いだった。

空腹時で「アブラを摂取したい!」という状況以外では、
再度食べたいとは思わないかも。
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六厘舎TOKYO

2011-04-21 12:38:37 | グルメ
営業での外出の折、
東京駅八重洲南口にある、東京ラーメンストリートに行く。

今月4月にオープンしたばかりのエリアで、
全国の有名行列店8店舗が軒を連ねる。

その中でも一番の行列店、つけ麺の「六厘舎」に行く。

何度か様子見に来たことがあるが、この店だけずっと行列が絶えない。
各店舗の配置も当然ながら考えているようで、
最も集客力のある、六厘舎が一番奥にある格好だ。

あとでわかったことだが、六厘舎は本店の大崎を閉店させ、
現在ここでしか営業をしていないようだ。

HPにある閉店の理由がすごい。
「行列ができてしまい、近隣の影響を考えると営業を継続することが
困難と判断・・・」としている。
繁盛し過ぎて、店をたたむとは前代未聞だ。

私が六厘舎に到着したのは16時過ぎ。
最も空いている時間と踏んだが、六厘舎は別のようだ。
「斑鳩」を除いて他店舗は空席があるようだが、六厘舎には行列が。。。

時間を計ってみる。
結果、並ぶこと20分ちょい。席についてから、つけ麺が出てくるまで5分。
食事ができるまでに、30分は必要のようだ。

で、肝心の味はというと、確かにうまい。
魚介と動物系のミックススープ。濃厚で甘じょっぱい。
麺も太麺でスープがよく絡み、後引くウマさで箸が進む。
値段は、一番安い「つけ麺」を頼んで850円。
割高だが、立地を考えればそんなもんだろう。

麺は350グラムなので、3分程度で完食する。
30分待って、3分で済む食事。

もう一度来るかと考えると、リピートはないだろう。

並ぶのがまず嫌だし、近場の大宮にある「TETSU」のつけ麺と
ウマさ、味の印象は大差はないように思えた。
強いていえば「六厘舎」の方が、魚介の旨みが少し強い。

夕方5時前に店を出る。
行列を見ると、私が最後尾で並んでいた時より、
1.5倍くらい長くなっている。

キャパを大きくすればするほど、この店は儲かるだろう。




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エンジェル・ウォーズ 【感想】

2011-04-17 01:30:00 | 映画
おととい金曜日、公開初日に待望の「エンジェル・ウォーズ」を観る。

私が大好きなザック・スナイダーの新作であったが、
本作を観るにあたって、日本の配給会社(ワーナー)の対応に憤りを感じていた。

原題は「サッカー・パンチ」で、そのまま邦題にすればよいものを、
ベタでダサい「エンジェル・ウォーズ」という邦題にしてしまった。
残念。「わかりやすさをモットー」にしたのだろうが
作品の格がガタ落ちだ。短絡的過ぎてホント頭悪過ぎ。

また、コスプレした少女のバトルアクションもの、ということで、
ヲタ系をターゲットにしたマーケティングが見え見えで、腹が立った。
ソフィアとかいうその業界では有名っぽい、声優アイドルグループを
無理やり、登場人物の吹き替え担当にしている。
いくつか上映館の公開スケジュールを観たが、
本作については全体的に吹き替え版が字幕版を上回っており、
映画館によっては吹き替えのみも少なくない。
私も吹き替え版しかなかったため、泣く泣く吹き替えで観ることに。
チケット購入後入場時、「ソフィアの着ボイスをもれなくプレゼント」
とかいうカードを渡された。あきれた。。。。アホか。
映画ファンを舐めるのもいい加減にしてほしい。

と、観る前から1人穏やかではなかったが、
席について周りを見ると、意外とヲタ系が少なかった。
配給会社の思惑は外れたっぽい。ザマみろだ。

しかし、カンジンの作品自体はというと、
結構なコケっぷりであった。。。。

男のための男の映画、筋肉祭り「300」で、類をみないビジュアルセンスと、
「重量感」と「キレ」という相反する要素をアクションで共存させた、
本作監督のザック・スナイダーの手腕に脱帽した。
続く「ウォッチメン」で難解で複雑な話を、見事な脚色でまとめ上げ
深みのあるアクションエンターテイメントに仕立てた。
「ガフールの伝説」もフクロウたちのお子ちゃま向け映画と侮っていたが
映像のクオリティと、変わらぬアクションセンスに驚かされた。
私は彼の作品のファンになった。

ザック・スナイダーとしては初のオリジナルストーリーとなる本作。
1年前から日本公開を待ち望んでいたが、観終わった感想としては「退屈」。

精神病院(刑務所のような位置づけ)に幽閉されてしまった少女が、
精神病院で知り合った他少女たちと力を合わせ、脱出する過程を、
主人公の少女ベイビードールの脳内で起こるサバイバルアクションを通して描く。
一見わかりにくいが、面白いアプローチではないか、と感心した。

また脳内(空想世界)でのバトルアクションは完全に監督の趣味。
これも大いに結構。
主人公のベイビードールはミニスカセーラー服になぜか日本刀。
ステージによって異なる世界観で、敵たちも
デカイロボット侍、ナチス(ゾンビ?)、ドラゴンなどのバラエティ豊かで、
もうメチャクチャ。(笑)

そのメチャクチャな好き放題ぶりに、私も盛り上がることができたが、
話の構成上、2つの世界を交互に見せるため、バトルで盛り上がった熱も
現実世界の設定に戻るたびに冷めてしまう。これがしばらく続くため、
中盤からウンザリしてくる。
空想の世界だから仕方ないかもしれないが、
バトルアクションのご都合主義も若干過剰で鼻についた。

また、これは完全に私の好みであるが、
キャラクターが類似していて個性が物足りなく、
そのキャラクターたちが歩む、話の展開もどうしても好きになれない。
話はムチャクチャなのだから難解な話にするのではなく、
迷いなくスカッとした作りにしてほしかった。

本作について調べたら、ザック・スナイダー作品では初めて
全米で(興行)大コケしているらしい。
ザック・スナイダーの映画はこれまで日本ではヒットしなかったが、
今回もその傾向になりそうだ。

第二のMナイトシャマランにならないことを祈る。

【40点】



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築地「渡辺商店」

2011-04-15 21:11:15 | グルメ
築地の「鳥藤」で昼飯を食ったあと、
これまた食べログで調べた評判の玉子焼き屋「渡辺商店」に向かう。

築地市場内にあるかと思いきや、地下鉄に戻る方向で、
かつ、市場からかなり離れた場所にあった。

ショーケースも、店員もおらず、店舗の趣きはない。
外に開かれた作業場(倉庫?)があるだけ。
「玉子焼1本600円」という控えめな手書きの張り紙だけが
目的地であることを証明した。

中を退くと人の気配があったので、
「すいませ~ん、玉子焼1本お願いします~~」と
声をかけると、白い作業着姿でおかめ顔のお姉さんが、
「は~い」とニコニコして出てきた。人が良さそうな感じだ。

両手をイソイソと、スプレーで消毒し、
冷蔵庫から玉子焼きを取り出し、品のよさげな綺麗な箱に入れて渡す。

渡された途端、その重量感と大きさにびっくり。

テリー伊藤の実家の玉子焼きなど、他の築地の玉子焼きの
1.5倍くらいの印象。価格は同じなのに。

ここまで私が買いに来てくれたことへの御礼も含めてか
奥にいた大将(?)も出てきて「ありがとうございました~」と、
何とも気持ちのよい声色でお礼をされた。

その後、会社に戻り、割り箸で玉子焼きを分けて、
周りの同僚と一緒に食べる。



「ウマい~~~」

私含め、皆大喜び。

他の築地の店の玉子焼きも美味しいが、
ここの玉子焼きは、だし汁が少なめなのか味が濃い。
そして結構甘めの味付けだ。
そのため、家庭的な味わいだが、品よく、クドくなく後味もさっぱり。
プロの仕事であることは十二分にわかる。
お茶うけとしても、ご飯のおかずとしても最高だろう。
手土産にしたら、ウケるな、これは。。。

食べログでも、絶賛されていたが、
築地の玉子焼き屋の中では唯一、手割りで玉子を割っているらしい。
箱にぎっしりと詰まったボリューム感からも、お店の心意気を感じる。

余った玉子焼きを自宅に持ちかえり、
親に食べさすが、やっぱ絶賛。

人の好き好きだが、個人的には、
ダシのうまさが前提にある他の玉子焼きよりも、
ここのお店の玉子焼きが好きだ。

築地に行く際は、この店は必須になるだろう。









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築地「鳥めし 鳥藤分店 」

2011-04-15 20:09:35 | グルメ
今日、11時の営業アポで築地に。
40分ちょっとでアポが終わり、昼食のため築地市場に向かう。
何度も仕事で築地に来ているのに、初の築地市場だ。
時間は11時50分、築地市場は大賑わいだ。まっすぐ進めない。

向かった店は食べログで評価の高い「鳥めしの鳥藤」。
行列が出来ている。やっぱ有名らしい。
隣の寿司屋とか必死に呼び込みしてるのに、余裕の風格だ。
待つこと、20分弱。スタンダードな「親子丼」はあえて頼まず、
「ぽんじり丼」を頼む。並んでいるときに注文を聞いていたからか、
座ってすぐに出てきた。



まず、第一印象。
どんぶりが薄く、大食らいの私にとっては量が少ない印象。
予想していたポンジリならでは脂身オンリーの肉かと思いきや、
脂身が多い肉であった。豚でいうバラ肉かな。
美味しいは美味しいが、予想とおりのままの味(食ったことのある味)。
並んでまで通う店ではないと思われた。
案の定、1分くらいで完食。
価格は680円。意外と良心的だった。

帰り際、店の前には大行列。
親子丼は美味いのだろうか?

でもリピートはないだろう。
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大阪出張、最終日。

2011-04-14 01:14:03 | 日記


昨日、大阪出張にて最終のクライアント報告会が無事終了し、
4か月に渡った大阪でのプロジェクトがようやく終息した。
これでようやく、日帰り大阪通いをしなくて済む。

私は声が低いため、前回の報告会で、クライアント担当者から、
「次回の最終報告会では、もっと声を張って、トーンを上げてください」とダメ出しされ、
気をつけたが、いざ本番、マイクごしに自分が発した声が思いのほか低く、
どのトーンで話せばよいのか迷いながら声を発したため、不必要にシドロモドロになった。
別に声が低くても滑舌が悪いわけではなく、きちんと聞けるんだから、
落ち着いて話をさせてほしかったな。。。まあとにかく終わったのだからバンザイ。

報告会が終了したのが、15時。
クライアントとの打ち上げが18時半開始のため、3時間半自由行動となった。

まず、近くの大阪城のお堀の桜を軽く見物する。
多くの大阪人を改めて観る。やっぱ大阪の女子は化粧が濃いな。

そして移動。
行く場所はザ・大阪の「新世界」と
美味しんぼ大阪編で、山岡が大阪の食を語るならマストスポットと言った「鶴橋」に行く。

まずは「新世界」。地下鉄動物公園前駅から、通天閣を目指す。
途中、お馴染みの新世界の風景が広がる。
しかし、時間が中途半端だからか、思っていたより人がいない。
もっと大阪のオバチャン、オジチャンが道端に大量にタムロしている風景を想像していたが、
新世界をブラブラしているのは、観光客と飲食店の客引きだ。
もっと、ゴタゴタして大阪クササを感じたかったが、残念。
通天閣は聞いていたより立派だった。写真映えするよい姿をしている。
「串カツ」を食べたかったが、時間がないため我慢する。

次に地下鉄を乗り継ぎ「鶴橋」へ向かう。
地下鉄を降りて、コリアンタウンっぽい狭い路地に直面するが、
焼肉屋ばかりで、お目当てのキムチやチヂミを売る店が一向にない。
あてどなく歩くと、スーパーイズミヤの看板を見つける。
地のカラーを知るには、まずはスーパーだ。外国に行った時と同じテイだ。
キムチは後回しにし、スーパーに入る。

鮮魚コーナー、鹿児島産やら高知産やら徳島産やらで、西を感じる。
海苔売り場、ケンミンショーのとおり、ほとんど「味のり」だ。
めんつゆコーナー、想定外に関東と同じ醤油っけの強いめんつゆが最前列に鎮座している。
たまらず、近くにいる店員のオバチャンに聞いてみる。
「つかぬことを聞きますが、大阪の人はうどん作るとき、このめんつゆを使うのですか?」
すると
「うどん作るときのつゆは、めんつゆじゃないですわ」と乾物の売り場に案内してくれた。
そして「このヒガシマルにお湯入れて作ります」と言う。
「この粉末状のヒガシマルってやつは大阪じゃ、ポピュラーなものなんですか?」と聞くと、
「めちゃめちゃですわ(とてもポピュラーなものです)」とナイス関西弁で返してくれた。
唐突な私の質問に対して、身構えることなく親切に対応してくれたオバチャンに御礼を言い、
大喜びで「ヒガシマル」を購入する。
そのほか、イカリソースのウスター、つゆが関東と違うカップめん諸々、
南アルプスでないサントリーの天然水などを購入する。
スーパーで30分以上時間を費やしたため、キムチはあきらめ、打ち上げ場所の新大阪に向かう。

打ち上げ場所は、クライアント担当者がチョイスした「ジャズライブバー」だった。
こっちはせっかく大阪まで来ているのに、大阪のものを食わせろや!と腹の中で思いつつ、
しぶしぶ席につく。食事はイタリアンで、想定外にうまかったが、
やっぱ大阪のものが食べたかった。ジャズは素人の演奏なのだろうか、最悪。
選曲のセンスも悪く、ひたすら退屈。
ひたすらメシに集中し、20時を回ったところで1人抜け出す。

帰りの新幹線で大阪を想う。
今回の出張で、生まれて31年、初めて大阪に行った。
学生時、国内を回っていたが大阪に対しては特別な思いがあり、あえて避けてきた。
大阪人が持つ笑いのセンスに羨望のまなざしを持ちつつ、
東京への対抗心、排他的・・・という、ある種の脅威を感じていた。。。
また、中学時代に出会った大阪出身の同級生や、海外旅行で知り合った大阪人と
仲良くなれなかったこともトラウマとなっていた。

しかし、今回の一連の出張で大阪コンプレックスを克服することができた。
仕事で得た経験よりも実はそっちのほうが大きかったりして。。。

今度、大阪に来るときは、絶対大阪メシを食う!












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塔の上のラプンツェル 【感想】

2011-04-07 23:53:35 | 映画
ディズニーアニメ「塔の上のラプンツェル」を観る。

あぁ最高。。。。大満足。

会社帰り、ユナイテッドシネマ浦和のアイマックス3Dで観る。
アイマックス3Dは「アバター」「トロン」に続いて3回目。
普段映画を1200円前後でしか観ない私にとって、
アイマックスの2200円という料金はかなりの割高であるが、
音響、映像、3Dどれをとっても、やっぱアイマックスは最高だ。

本作はディズニーアニメ映画にとって、記念すべき50作目の作品。
本編前に、1作目のミッキーの白黒のアニメーションと
「50」という大きな文字が流れる。
ディズニースタジオの本作にかける意気込みと自信を感じる。

ディズニーが50作目に選んだのは、グリム童話「ラプンツェル」(原作相当エグい)
をベースとしたプリンセスストーリー。

森の奥深くにある塔の上に幽閉された、少女ラプンツェルが
泥棒の青年フリンと出会い、初めて外部の世界に踏み出し、
彼女が長年抱いていた夢の実現のため、2人(とカメレオン)で旅をする話だ。

アメリカが持つ文化の中で、文句なく世界一と言えるもの、
それは「ミュージカル」だ。

ミュージカルはディズニー映画が最も得意とするところでもあり、
ディズニー映画を堪能する上での醍醐味ともいえる。

ディズニーの「美女と野獣」が私は大好きだ。
まだその対象が5作品に絞られていた時代、アカデミー賞の作品賞に
アニメーション映画として初のノミネーションを果たすという快挙を成した。
ディズニーが描くミュージカル映画の完成度は非常に高く、
観る側に大きな感動を与える。

50作目として本作は、そんなディズニーアニメの魅力の源泉ともいえるミュージカルと
ディズニーの王道であるプリンセスストーリーに正面きって挑んだ印象だ。

キャラクターの夢や希望を表現するため、胸を打つ多くのオリジナルナンバーが唄われる。
ディズニーによく観る、キャラクターたちすべてがそのナンバーの一役を担い、唄い、踊る。
それらの見事なアンサンブルと、色鮮やかで美しい風景が相乗し、
その秀逸さを観て、涙腺が何度も緩んでしまった。

終盤でヒロインたちの周りに多くのランタンが舞うシーン、
幻想的で、ホントに夢の世界にいるような錯覚に陥った。
アイマックス3Dの効果によるところも多いが。。

また、本作の特徴として、アドベンチャーの要素が多く盛り込まれている。
その演出が実にダイナミックで、ストーリーの展開を大いに盛り上げてくれる。

2人と旅を共にするカメレオンや白馬など、
魅力的なオリジナルサブキャラも健在。

ディズニーではよくある、お約束のラストであっても、
一人小さく拍手。。。

映画が終わり、心地よい高揚感とともに
帰路についた。

【85点】
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息もできない 【感想】

2011-04-07 00:03:10 | 映画
久しぶりの韓国映画、「息もできない」をレンタルDVDで観る。

毎年注目しているキネマ旬報の年間賞。
昨年の外国語映画賞で堂々の1位となった本作。
ちなみに2位は「インビクタス」。。。。??
相変わらず日本の映画評論家はイーストウッド贔屓だ。

本作は他世界各国の大小様々な映画賞を受賞し、
高い評価を受けているようだ。

監督のヤン・イクチュンは、主演、製作、脚本、編集のすべてをやっており、
映画製作の資金調達のため、自宅を抵当に入れたという。

本作は、そんなヤン・イクチュンの情熱が、映画の完成度に見事に結実したといえる。
彼はすんごい映画を作った。

ヤン~演じるのは、借金のとりたてを生業とするドチンピラの「サンフン」。
サンフンのチンピラぶりが尋常でない。言葉よりも先に鉄拳。
暴力の雨あられを降らせ、警察官までもボコボコにするほど。
言葉を発すれば誰かれ構わず「この野郎」「このアマ」を連呼。
人に対する「甘さ」や「情け」を全く持たないようなキャラクターだ。
借金のとりたてではエース級の活躍をするが、すべては彼の徹底した暴力によるもの。
そんなサンフンが、とある女子高生「ヨニ」と出会い、どうこう~という話だ。

野獣のサンフンが天使のヨニに出会い、改心してイイ人になるとかいう、
既視感のある短絡的な話ではない。

ヨニもサンフンの売り言葉に買い言葉。サンフンに殴られても、負けずに勝ち気。
お互いツッパリ合い、強がり、互いの境遇を理解し合うよな場面もないが、
不思議と次第に引かれあっていく。
2人の関係は友情なのか、愛情なのか、どちらとも言えないような感じ。
はっきりしているのは、2人が互いにとって必要な存在であったという事実だけ。
そして、2人がそれぞれ抱えてしまった心の闇が、運命的に2人を引き合わせたと
察するのは容易で、心を打つ。

また、俳優としてのヤン・イクチュンも文句なく素晴らしい。
迷いのない狂気(表情がタダタダ怖い)と、
終盤以降の発散される感情の起伏を見事に表現した。

音楽を多用しない、複雑な演出もしない、キャストの演技にフォーカス。
手持ちのカメラでキャストに肉薄し、息遣いや痛みを間近に感じるフレームワーク。
すべてのシーンをワンテイクで撮ったという、画面から発せられる緊張感。。。

中盤からそれぞれの家族、友人が加わり、人間関係が絡み合い、
ドラマティックで、エモーショナルな終盤へと続く展開。

まさに「息もできない」圧倒的な130分間。

ポン・ジュノの「殺人の追憶」を初めて観た以来の韓国映画の衝撃かも。
また新たな才能が生まれた。
ヤン・イクチュンは今後、要注目の映画人だ。

ただ、作品は素晴らしいのだが、
個人的に相当な体力、メンタルを消費したため、
再見はそうないだろう。

【70点】



















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ザ・ファイター 【感想】

2011-04-03 19:18:36 | 映画
先週金曜、「ザ・ファイター」を観る。
10年ぶりくらいに有楽町マリオンで観る。

「トゥルー・グリット」、「冷たい熱帯魚」と先週観た他2本は大当たりだった。

オスカーノミネーション映画の中でも最も期待値の高かった本作。

映画の完成度は高いが、期待が大きかった分、
う~んイマイチ。。。。といった感じだ。

本作は90年代に活躍した実在のボクサー、ミッキーウォードと、
その家族の挫折と成功の物語だ。

ほぼ予想とおりの話の展開であったが、
本作の見所として私が位置づけていたのは、
オスカーの助演男優と助演女優を制した、
クリスチャン・ベール、メリッサ・レオをはじめ、
主演兼本作のプロデューサーであるマーク・ウォルバーク、
個人的にファンであるエイミー・アダムスら、キャスト陣のパフォーマンスであった。

オスカー受賞はじめ、他賞レースを総なめにした、クリスチャン・ベールとメリッサ・レオ。
役へのなりきりぶりは文句なくスゴく、匂い立つようなリアルな演技はさすが。

しかし、これは脚本のせいだと思うが、どことなくフラットな印象。

クリスチャン・ベールについては、演じるキャラがヤク中ということで
派手でクセのある言動が仇となり、演技のウマサが際立ち、怪演で終わった印象。
彼の力量があれば、もっとキャラクターの持つ深みを表現することもできたのに。
メリッサ・レオも同様。

なのでオスカーに値したか、というと、
個人的には他のノミネーターでもよかったような気がしなくもなく。。。

助演男優でいえば「英国王~」のジェフリー・ラッシュ。
助演女優でいえば「英国王~」のヘレナ・ボナム・カーターか、もしくは
本作のエイミー・アダムスかな。

本作のエイミー・アダムスは過去最高のパフォーマンス。
ヒイキ目に見てしまうキライはあるが、今までのガールズキャラクターから
見事に脱却し、役者としての力量の幅を証明した感じだ。

改心したクリスチャン・ベール演じるディッキーが、
エイミー・アダムス演じるシャーリーンに、弟ミッキーのために
一緒に協力してくれと懇願するシーンは
2人の演技合戦を楽しむと共に、涙腺を緩ませた。

そして、主役のミッキーを演じたマーク・ウォルバーク。
プロデューサーとして、また本作の主役として、
並々ならぬ決意で本作に臨んだことが画面から伝わるほどの熱演。
見事にビルドアップされた肉体、迫力のボクシング試合。
オスカーにノミネートすらされなかったことが残念だ。
今後のさらなる活躍に期待したい。

キャストのパフォーマンスは、他脇役含め、いずれも素晴らしく、
各キャラクターに人間の生々しさを大いに感じた。
これは、デビット・O・ラッセルの演出の賜物ともいえるか。

しかし、クライマックスのシーンで
BGMの音楽が今年公開された「RED」と被ったため、イマイチ盛り上がれなかったり、
ミッキーとディッキーの兄弟の絆の背景が薄かったりと、
「もっと感動的な作品になれたのでは?」とか
期待していた分、いろいろと物足りなさを感じてしまった。

あと、オスカー授賞式でも気になったことだが、
クリスチャン・ベールの目と鼻の間にイボが出来ていた。
本作ではキャラクターによくあっていて、ちょうどよかったのだが、
待望の「ダークナイト・ライゼス」ではかっこよくキメテほしいので、
とるか、デジタル処理で消してほしい。。。

【60点】




















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ソウ ザ・ファイナル 【感想】

2011-04-03 11:21:30 | 映画
ソウ(SAW)シリーズの完結編を新作レンタルで観る。

調べたら、これでシリーズ7作目らしい。
近年シリーズものとしてこれほど続く映画もあまりないだろう。
TSUTAYAでは大量に新作コーナーに置いてあるのに、ほぼすべてレンタル中。

私は一番最初のソウを観たとき、密室劇でありながら、
先の読めない展開と、絡み合う伏線が見事に重なる結末に魅了された。

しかし、2、3と回を追うごとにつれ、
脚本の巧さはどこえやら、ひたすら痛みを伴う描写を
延々と見せられる悪趣味映画に成り下がった。
なので、4以降は全く見ていないのだが、
完結編ということで、原点回帰を期待し観る。

観た結果、期待は裏切られ、
展開はパターン化され、処刑シーンが延々と続く。

処刑方法に、その人物が犯した罪を被せた工夫は見受けられるが、
つまらない。。。。

これで客を呼べると思うのか。。。
一生やってろって感じだ。(もう終わりだけど)

サスペンスやスリルの要素もなく、
C級の質の悪いスプラッタ映画。

シリーズ化され、レンタルでも人気。
このシリーズ好きな人って結構多いようだ。
皆、痛い死に様を観るのが好きなのかな。
意味がわからない。

【10点】
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冷たい熱帯魚 【感想】

2011-04-02 11:21:28 | 映画
この映画は事件だ。

もし凶悪犯罪事件とか起きた時に、
その犯人の自宅にこの映画のDVDとかあったら、
真っ先に販売中止とかになるのかな。。。

こんな映画を作った監督の園子温、
世に出した日活に拍手だ。

エロとグロの極み。もちろん18禁。
絶望をトコトン突き詰めた果ての世界を描く。
2時間半という上映時間は、あっという間に過ぎた。

園子温の前作「愛のむきだし」がツボであったため、
今年の注目作として位置づけていた本作。
単館系映画のため、なかなか観にいけず、
公開終了日の前日にテアトル新宿に観にいく。

観客のほとんどが自分含め1人。
きっと皆、園子温ファンなのだろう。

本作は、1993年に起こった埼玉愛犬家連続殺人事件をベースとした話だ。
細々と熱帯魚店を営む家族(社本一家)が、同じく熱帯魚店を営む夫婦(村田)と
交流していく中で、起こるサスペンス(?)だ。

主人公の社本(吹越満)は、典型的な小市民タイプ。
再婚したであろう妻の妙子(神楽坂恵)は、社本と不釣合いなほど若く巨乳。
地味な日常のシーンでもやたら胸を強調するカットが続き、絵の中の空気が歪む。
社本の娘の万引きをきっかけに、同業の村田(でんでん)と知り合うのだが、
村田の妻、愛子(黒沢あすか)もやたら若くてエロい雰囲気を醸し出す。
強引だが、どこか憎めず人懐っこく明るい村田のトークは、
胡散臭い新興宗教の説法のよう。

冒頭から感じる歪み、早々に発揮される村田の異常性と、
各キャラクターに伝播する負の連鎖が圧倒的エネルギーとなって映画から放たれていく。

村田演じるでんでんが最高だ。
映画やドラマの脇役で、温厚、情に厚いオヤジ役のイメージが強かったが、
本作では結構ヤバイことになっている(笑)

「人間を透明にできる奴が最強なんだよ!」

復習するは~の榎津、羊たちの~のレクター、ノーカントリーのシガー、
ダークナイトのジョーカーとかと並び称されてしかるべきほどの鬼畜っぷりだが、
独特なリズムとユーモアを持ち合わせている部分で、
イングロリアス~のユダヤハンター、ハンスを観たときのインパクトに近いかも。
観終わった後、でんでんを起用した監督のコメントで
「凄みのある役者はいるけれど、どこか軽くユーモアを持った人(でんでん)でないと
キャラクターの幅は出なかった」とあった。大納得。

主役の社本演じる吹越も非常によい。
序盤からひたすら村田に圧倒され、ブルブルと怯える小市民っぷりもよいが、
後半から狂気に目覚め、変貌する姿が鮮やかで、ラストに向かって一気に畳み掛ける。

画期的な補助つきセックス(笑)、生おっぱいの激もみ、
血海の中の泥レスなど、映画史に刻まれる名(迷)シーンの数々。

狂気を単純に恐怖としてみせるだけでなく
笑いをとるためのエッセンスとした脚本のセンスも非常によい。
下手なコメディ映画みるより、よっぽど笑える。

この映画について「人間の業を描いた作品。」とか「人生は厳しいものって言いたいの?」とか、
この映画にメッセージ性を求めるのは無意味だ。
作り手の意図もそこにはないと思われる。

終始一貫、救いのない絶望の世界を、
魅力的なキャラクターたちを通して覗いてみるテイでよい。
それがエンターテイメントとして、楽しかったか、つまらなかったか、
それだけの話。

私は普通に楽しめた。
そして不思議と観た後、晴れやかな気持ちになった。

昨今、ドラマのスペシャル版を映画で見る哀しき邦画の時代。
そのほとんどが映画としての完成度に欠ける。

隣の韓国に映画の質で圧倒的に負けてる中、
これほどチャレンジングでニュータイプの邦画が生まれたことは実に有難く、
邦画の未来を多少なりとも楽観することができた。

【90点】







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