から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

アメイジング・スパイダーマン2 【感想】

2014-04-29 00:15:23 | 映画


楽しみにしていた「アメイジング・スパイダーマン2」を観る。

期待ハズレ。どうしたマーク・ウェブ!?

2012年の新生スパイダーマンの続編だ。サム・ライミ版からの刷新に成功した前作。
監督マーク・ウェブの色がしっかり出ていて、イケてるピーターが上手くハマった。

3D表現を最大限に活かしたダイナミックな空中アクション。
クモの糸(?)の可能性を突きつめたユーモアたっぷりの演出。
前作に引き続き、ピーターの軽快で楽しいポジティブな個性。
どれも前作を上回っている。

無敵過ぎるヒーロー像も気持ち良いくらいだ。
思い入れのない映画だったら普通に楽しめるレベルだ。

しかし、ストーリーの情報量を増やしたことが失敗。
情報量を増やしても、まとめきれなかったか。散漫な内容だ。

本作の話の柱は3つ。
①ピーターとグウェンの恋の行方
②今は亡きピーター父の失踪の真相
③新たな敵との対決

それぞれの濃度が濃くて、不味くなってる。

①ピーターとグウェンが、くっついたり離れたりを過度に繰り返す。
プライベートでも関係のある2人だけに、イチャイチャしているみたいだ。
それが馴れ合いに見えて、前作にあったキラキラ感がない。
グウェンが戦いに助太刀するあたりもシラける。

②は良い。

③エレクトロ、グリーンゴブリン。敵の2人の描き方がかなり駆け足。
スパイダーマンを敵対視する動機が「逆恨み」に近く、弱い。
演じたジェイミー・フォックス、デイン・デハーンは予想以上に良かった。
CMで流れる3人目の敵「ライノ」は予想通りおまけ映像。
演じたポール・ジアマッティの勿体なさ。

衝撃の結末も残念。結末の好き嫌いの問題じゃない。
「結局大丈夫なんでしょ?」というユーザー心理を計算できなかったか。
おかげで、こっちはモヤモヤした気分で終わった。
ケジメをつけるのであれば、もっとはっきりした描き方にしてほしかった。

スーパーマン同様、シンプルにヒーロー像が見えてくるスパイダーマン。
なぜ、スパイダーマンは市民の平和と安全を守るのか。
その答えの片鱗がラストで垣間見えるのだが、描き方がクサ過ぎである。

脚本の問題も大きいと思うが、監督マーク・ウェブの演出にキレがない。
娯楽大作を完成させようと、肩の力を入れ過ぎたのではないだろうか。

「3」もあるらしいが、正直あまり期待できなくなった。
前作同様、全米よりも早い日本公開だ。今週末公開の全米で
興行的に評判的に、どんなリアクションのなるのか気になる。

【60点】
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キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー 【感想】

2014-04-26 01:04:49 | 映画


「キャプテン・アメリカ」の続編「ウィンター・ソルジャー」を観る。

アベンジャーズ系映画としては「アイアンマン(パート1)」以来の面白さ。
血沸き肉踊る怒涛のアクションにノックアウト。文句なし。
先日試写で見た「300」新作のうっぷんを晴らしてくれた。(笑)

2012年に公開された「アベンジャーズ」はあらゆる意味で大事件だった。
それと同時に「アベンジャーズ」は、その前後で各キャラに変化をもたらした。

本作は、その変化の活かし方に見事成功している。

「アベンジャーズ」で最も人気があるのはアイアンマンだろう。
実際に劇中でも一番目立っているし。

ジョークを連発し、軽快なアイアンマンに対して、
キャプテン・アメリカは古風で生真面目。その対極にあるキャラだ。

愛国心と正義に満ち溢れ、間違ったことを嫌う。
真っすぐに進むことしか知らない不器用ともいえるその個性が、
本作のドラマやアクションに巧く連動している。

何と言ってもアクションだ。

キャプテン・アメリカは目標に向かって、迷いなく猛スピードで一点突破する。
周りの障害をなぎ倒し、重戦車のごとく突き進む姿は痛快そのもの。
「アベンジャーズ」を経て、超人ぶりが前作よりもパワーアップしている。
前作まで防御の機能が強かったシールドも、「アベンジャーズ」に引き続き、
攻撃手段としての色も強くなり、戦術が多彩になって面白い。
ヤバいくらいに体を仕上げてきたクリス・エヴァンスの
肉体の華やかさも相乗して、アクションがさらなる熱を帯びる。

また「アベンジャーズ」効果の1つである、
スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウが加わったことも大きい。
男臭い画に、彼女の艶が映えること映えること。彼女の吹替えは米倉じゃ務まらない。
キレキレで変幻自在のアクションも健在。これまた痛快!!
性格がまるで違うキャプテン・アメリカとの掛け合いも楽しい。

そして、新メンバーとして加わる「ファルコン」。
空中を自在に飛び回り、ギリギリの空中戦を繰り広げる。カッコええー!!

アクションは地上から空中へ、空中から地上へと、
縦横無尽に目まぐるしく変わるが、その勢い、流れが寸断されることがない。
文字通り、目が釘付けのままだ。

キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ファルコン。
異なる個性・戦術をもつキャラクターの連携プレーは「アベンジャーズ」譲りだ。

今回の敵役は、愛国心の「キャプテン・アメリカ」ならではといったところ。
ありえないプロットだけど、不思議とシックリきてしまう。

宿敵「ウィンター・ソルジャー」とのクダリには不覚にも感涙する。
それもキャプテン・アメリカの誠実さがあってのことだ。

とにかく満足。迫力の映像。これは劇場観賞で正解だった。

「アベンジャーズ」の次作は「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」。
日本公開は来年の4月とのこと。監督・脚本は前作に続きジョス・ウェドンだ。
自らが立てた高いハードルをどう越えるか。楽しみで仕方ない。

お約束のエンドロール後のシーンは、「エイジ・オブ・ウルトロン」に繋がっている模様。
交わることはないと思っていた、まさかのキャラが参戦するようだ。
いったいどうなるのだろうか。ワクワク♪

【80点】
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8月の家族たち 【感想】

2014-04-25 00:54:11 | 映画


映画「8月の家族たち」を観る。面白い。
演者たちの圧巻の演技合戦に酔いしれる。

オクラホマ州に実家がある家族の物語。
父親の突然の失踪を機に、離れて暮らす3人の娘(中年女子)と、その家族が集合。
衝突が発生する中で、隠された秘密が明らかになっていくという愛憎劇だ。

人は間違いを繰り返す生き物だ。わかっていても間違いを繰り返す。
自らの人生を意のままにコントロールできる人がどれだけいるだろう。

シンプルに夢を見られた子ども時代は良い思い出ばかり。
だけど、大人になって年を重ねるごとに物事は複雑になっていく。

家族、友人、知人、他人との人間関係の中で、
正直に自らをさらけ出すことが難しくなるのだ。

そんな人生の在り方みたいなものが、本作の家族を通して透けて見える。
本作に出てくる人たちは、皆、真実に抗う人たちばかりだ。

単純なハッピーエンドでは終わらない。
ビターな後味を残すドラマだが、作り手の視点に終始、愛がある。
「だから人生は面白い」と。

本作の原作は戯曲で、元々舞台劇だったらしい。
役者の演技力にフォーカスされる舞台劇だ。
その表現技法が映画に代わっても、その本筋は変わらないようだ。

揃いに揃った演技派たちの競演と、その演技合戦に引き込まれる。

一家の母親役にメリル・ストリープ。その妹役のマーゴ・マーティンデイル。
失踪する父親役はサム・シェパード。3人娘にジュリア・ロバーツ、
ジュリアン・ニコルソン、ジュリエット・ルイス。
その家族に、ユアン・マクレガー、アビゲイル・ブレスリン、
クリス・クーパー、ベネディクト・カンバーバッチらが名を連ねる。

どのキャストにも見せ場があり、「役者冥利に尽きる」と言わんばかりの、
見事なパフォーマンスで応えてみせる。

今年のオスカーで「またかー」と本作により主演女優賞にノミネートされた、
メリル・ストリープだが、文句なしに巧い。本作の牽引役として凄い存在感だ。

マーゴ・マーティンデイルのデブおばちゃんも相変わらず巧い。
ベネディクト・カンバーバッチも冴えない男役に説得力あり。
クリス・クーパーの抑えたノーマルキャラも良い。
本作で初めて見たジュリアン・ニコルソンも好演。一番印象深い。
アビゲイル・ブレスリンは相変わらず肌がツルンツルン。
一方、久々のジュリエット・ルイスはシワシワになってる。

軽快で、真理をグサリと突く会話劇の中で、
キャラクターたちが躍動する。息吹が生々しい。

人生は一筋縄では行かない。だけど人生は続いていく。

家族を持つことの意味は何か。。。

いろいろ想いを巡らすドラマだった。

【75点】

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日立の洗濯機「ビートウォッシュ」を購入した件。

2014-04-23 22:18:19 | 日記
掃除機に引き続き、洗濯機が壊れた。

壊れて4年ももたなかったシャープの掃除機とは違って、
こちらの洗濯機は20年以上頑張ってくれた、ナショナルの「愛妻号」。
寿命か、ここ最近、脱水で何度も止まり、とうとう動かなくなった。
大往生。ありがとう、お疲れ様である。



掃除機同様、ビックカメラとヤマダで聞き込みを繰り返し、
どのスタッフさんも「日立」の洗濯機を薦める。洗浄力が一番とのこと。

また、昨今の洗濯機事情からすれば常識のようだが、
洗浄力の「縦型」、乾燥力の「ドラム型」ということも初めて知った。

乾燥機能は、部屋干しするなど、ある程度湿気をとった生乾きの状態で、
仕上げとして使うのが良いとのこと。なるほど。全然OKです。

壊れにくさも考えて、迷わず「縦型」を選ぶ。
乾燥機能も付いている「ビートウォッシュ BW-D8SV」を購入することに決定する。

掃除機同様、洗濯機のネット通販価格も4月に入り高くなっている。
ネット通販の多くはモノだけの本体価格で、
取付費、旧洗濯機の撤去・リサイクル費、延長保証は別売だ。
結果、表示価格よりも1万円ちょっと高くなる。

ビックカメラとヤマダで交渉した結果、
取付費込で2万円くらいヤマダが安かった。この差は大きい。

ビックカメラは有楽町店、ヤマダは池袋総本店で交渉。
ビックカメラのスタッフのほうが感じが良かったので、ビックカメラで購入したかった。
電話で「ヤマダが提示した金額で対応できないか?」と聞いたが、
「実際に来店および、ヤマダの見積書がないと交渉できません」とのこと。
「ですよね。じゃ結構です。すみません。」と断る。価格には勝てない。

で、会社帰りの21時頃にヤマダに行く。
ダメ元で、さらなる値引き交渉をしてみる。
取付費、旧洗濯機の撤去・リサイクル費、延長保証込で、
「●円(ネット通販最安値で)だったら今日現金で買います」と言ってみる。

しばらく待たされて、「特別ですよ」とOKをもらう。
ヤマダで家電を買うのは初だったが、聞きしに勝る対応力だ。

しかも、選んだカラーが運よく在庫の最後の一品らしい。
かつ、たまたまらしいが、3日後には取り付けが可能とのこと。
幸運が続き、足取り軽く帰宅。



で、先週末、我が家にビートウォッシュが到着。
寸法もスペースにピッタリで安心する。
取付工事業者の対応に対するアンケートが保証書に同封されているなど、
ヤマダの管理が徹底しているのか、業者のお兄さんの感じが良かった。

で、すぐに洗濯する。
当たり前だが、20年以上使っていた洗濯機と、
洗浄力、静音性、仕上がり・・・すべてが違う。かなり感動。

どこまでの洗浄力か、今度ケチャップとかで試してみたい。
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ダイソンの掃除機を初めて買った件。

2014-04-20 22:14:08 | 日記


我が家のシャープ製掃除機が4年ももたず、2回目の故障。

「キレイオン」という掃除機で当時、家電量販店で一番勧められた掃除機だ。
しかし、4年近く使って、この耐久性のなさは我慢ならない。

で、新しい掃除機を購入することにした。
条件は「吸引力」と「耐久性」だ。音はうるさくても良い。

ビックカメラ、ヤマダで聞き込みを繰り返し、
「ダイソン」に決定。

ダイソンには「タービンヘッド」と「モーターヘッド」の2種類あり、
「タービンヘッド」のほうが安いが、毛足の長い絨毯の場合、威力が全然違う。
店頭デモで何度も繰り返すが、絨毯上では「モーターヘッド」が格上だ。
タービン~で何往復して取るゴミを、モーター~は一往復でとる。

で、「ダイソンボール」という名称でCMでも流れている、
軽量かつ静音型の「ダイソンDC48モーターヘッド」に決める。

しかし、3月の量販店の決算期(安売りシーズン)が終わったタイミング。
ダイソンの相場が2万前後、最安値から上がっているのだ。

早く掃除したいので、多少割高でも仕方なし。と諦めていたが、
価格コムをたまたま見たとき、「コジマネット」の在庫処分バーゲン情報を入手。
現状最安値よりも5000円近く安い。しかも5年の延長保証付き!
速攻、ネットで購入する。その直後「在庫なし」の表示が出る。最後の1つだったかも。(幸)

それでも7万近い代物だ。冷静に考えれば掃除機にしては高すぎるだろう。

2日後の昨日、自宅に到着。早速試してみる。

吸引口に手を当ててみて、吸引力自体は、これまで使っていた国産掃除機よりもやはり劣る。
しかし、「吸引力が落ちない」持久力とモーターヘッドの威力で絨毯の細かい塵を根こそぎとる。
やっぱ凄い。あっという間にカップがいっぱいになる。結構感動。

その一方で想定以上の誤算はカップのゴミ捨てだ。
カップを開けると埃が舞う舞う。。。外で捨てないとエライことになる。
ゴミの圧縮機能がないからだろう。

完璧な掃除機はなかなかない。
まあ耐久性に期待しているので仕方ないか。

付属品は多かったので良かった。

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今更ながら「ブレイキング・バッド」が最高のドラマだと知った件。

2014-04-12 13:44:12 | 海外ドラマ


ネット上で絶賛レビューが飛び交う海外ドラマ「ブレイキング・バッド」。

昨年末、huluの2週間お試し視聴をした際に「ブレイキング・バッド」の最初の2話を観たが、
年明けに放送が終了。悲嘆に暮れていたが、最近、再放送されるようになったので、
再入会し、今更ながら「ブレイキング・バッド」を観進めている。
現在シーズン3を観終わったところ、シーズン5で終わりなので、もう終盤である。

尋常じゃないくらい面白い。格が違うドラマだ。

聞きしに勝る、いや、それ以上のドラマだ。
その完成度は、自分の知るドラマの域を超えた。

脚本、演出、キャスト、撮影(カメラワーク)、どれをとっても完璧。
続きモノのドラマだが、次回次回を煽る脚本ではなく、
1話1話でちゃんと転結させる印象が強い。

末期がんに侵され、余命わずかと宣告された高校の化学教師「ウォルター」が、
残された家族に遺産を残そうと、覚せい剤の製造に乗り出すという話。

突拍子もない話なのに、浮き足立つことのない脚本だ。
鋭く現代社会の闇を突き、生身の人間の生き様を深く活写する。
観ているこっちは夢中にならざるを得ない。

白ブリーフが似合う冴えない中年男が生み出す覚せい剤。
それは99%の最高純度を誇る「クリスタル・メス」だ。
彼が持つ化学の知識と、化学への誠実さの結晶である。
その品質は他の追随を許さず、裏社会に名を轟かすことになる。。。

圧倒的な競争力を持つ商品を生み出したはいいが、
それをどう売るのか、どう効率的にお金に変えるのか。
犯罪に手を染めたことで、警察の手からどう逃れるのか、家族にどこまで隠し通すのか。
アメリカ本国のマフィア、メキシコの麻薬カルテルとどう共存、あるいは対立し合うのか。。。

ウォルターがビッグマネーを手に取る過程はスリリングでダイナミック。
いくつもの局面を彼が持つ知性と人間性で突破する過程は痛快。
半沢直樹なんぞ、足元にも及ばない。

但し、扱うのはあくまで人を破滅させる覚せい剤だ。
覚せい剤をネタとして面白がる風潮は断じてない。
覚せい剤を扱うという責任をしっかりと受け止めている作りだ。

そして一環しているのは、家族への愛だ。
これは主人公に限った話ではなく、脇を固める多くのサブキャラも同じ。

このドラマが面白いのは、シリアスな部分だけではない。
「ホームランド」等、同様に完成度の高いサスペンスドラマはあれど、
本作の毛色が違うのは、アイロニック、ブラック、シュールといったユーモアを
ギリギリの匙加減で放り込んでくることだ。これが絶妙。

「緩急自在」という言葉がハマる。キレキレの演出に毎話毎話唸る。

主人公のウォルターだけでなく、脇を固める登場人物たちも実に興味深い。
ウォルターの相棒で元教え子のジェシー。義理の弟で麻薬取締局のハンク。
饒舌で凄腕弁護士のソウル。元刑事で裏の掃除屋(?)をしているマイク。
そして、アメリカ南部のマフィアのボスであるガス。
いずれのキャラも多面性を持ち合わせている。

今月から、最終シーズンであるシーズン5がhuluで放送開始された。
月額1000円で全エピソードを見られることに感謝である。

また観終わったら感想を残そうと思う。


コメント (1)
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アデル、ブルーは熱い色 【感想】

2014-04-10 23:12:53 | 映画


レズビアンの人は、どんな感覚で同性である女性に惹かれるのだろう。
柔和な顔立ち?肌の質感?肌の柔らかさ?匂い?雰囲気?・・・・
いずれにせよ、女性でないと愛せない理由があるはずだ。

昨日の水曜日、仕事帰りに「アデル、ブルーは熱い色」を観る。
昨年のカンヌ映画祭で「そして父になる」とパルムドールを争い、
本作品と主演女優2人に同賞が贈られたという注目映画だ。

フランスを舞台に主人公の女子高生アデルが、
美術学生のエマに出会い、激しい恋に落ちる話。

2人が女性同士であることを除けば、新鮮味のある話ではない。
同性愛に対して寛容になっている現代においては、
同性愛自体も特異な話ではないので、面白いドラマも生まれにくい。
実際に観てみてそうだった。

上映時間は3時間。個人的にカットしても良いと思うシーンが
多く盛り込まれ、冗長さも否めなかった。

本作がこれほどまでに評価されたのは「セックス」を正直に描いている点だと思う。

そのセックス描写が徹底した写実によるものだった。、
その事前情報を知らなかった自分にとってはかなりの衝撃だった。

冒頭からアデルとエマの肉体に惹きつけられる。

アデルの肉体は、若さに甘えたような無防備さに溢れる。
ボサボサ頭にねぼけた目つき。半開きの口からビーバーのような可愛い前歯が見える。
10代特有のふくよかさを隠さない。頬はパンパンで愛らしい顔立ちだ。
スキニーパンツから、健康的に隆起した臀部が見える。
血色のよい肌色に、弾けんばかりのハリのある肉体だ。

エマの肉体は、白く無機質な印象だ。
男性的な服装に、青く染めた髪が鮮やかに映る。
脱ぐと痩せ細った外見からは、予想できないほどグラマラスな肉体がある。

2人とも女性の肉体をしている。意外だった。
同性愛といっても、どっちかが、男性寄りで、どっちかが女性寄り、
といった勝手な先入観があったからだ。

「あなたが欲しい」と、
その肉体が劇中何度も何度も激しく重なり合う。

女性同士のセックスは「終わりがない」と聞いたことがある。
果てる男性に対して、女性は果てることがないのでエンドレス。。。確かに。。。

エンドレスな肉体の交わりと、男性器を持たない女性同士特有の愛し方を見せる。
肉体の繋がりだけではなく、感情の繋がりがあって悦びとなる様が良く分かる。

本作のカメラは、その風景を執拗に舐めまわすように追っかける。
局部への愛撫を含めて、2人がオーガズムに達する終始を長尺で見せるのだ。

割引デ―の水曜日。満席の客席。大勢で一体何を観ているのか。。と、
目の保養を通り越し、その恥ずかしさに、スクリーンから何度も目を逸らした。
周りを横目で見渡す。あのシーンで釘づけになる人は何を考えるのだろうか。。。

愛の姿をセックスシーンを通して見せるのはアリだ。
但し、ここまで執拗に見せる必要はあるのか?と疑問。
女性同士の性行為だから、映画作品として生理的に成立するようなもので、
異性間、ましてや男性間の性行為描写であれば成立しないものだろう。
普遍的なドラマとして見せたいというメッセージが見える一方で、
狙いにいったようなあざとさを感じてしまう。

そこの違和感が大きかったため、アデルが少女から大人になる成長物語としても
味わいが薄く感じてしまう。残念だった。

しかしながら、セックスシーンに留まらず、
監督によって追い込まれながらも、それに体当たりで応える主演女優2人の、
熱を帯びたパフォーマンスは見ごたえ十分だ。すっかり魅了された。

アデル演じたアデル・エグザルホプロスと、
エマを演じたレア・セドゥに大きな拍手を贈りたい。

アデル・エグザルホプロスはまだ20歳で本作が本格映画デビューとのこと。
少女から大人に移りゆく過程を切なく、しなやかに体現してみせた。
今後の彼女の活躍を応援したい。

【65点】
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「アナと雪の女王」が「アバター」ぶりのヒットになりそうな件。

2014-04-04 22:03:27 | 日記
 

「アナと雪の女王」が日本でも凄まじいヒットになっている。

大ヒットの予感はしていたけど、予想を大きく上回る盛況だ。
現在、公開3週目を過ぎて、早くも50億を超えた。
これは昨年最大ヒットの「風立ちぬ」を上回るハイペース。

「アナと雪の女王」の興行成績で特筆すべきは、
その興行成績の推移だ。

1週目から2週目、2週明から3週目と興行成績がUPしている。
単館系映画でジワジワとヒットするケースは多いが、
オープニングで興行成績の1位をとるような大作系映画ではまずない現象だ。
どんな映画でも、1週目から2週目の間で20%~30%でダウンするのはザラだ。

過去5年間、オープニングで5億を超える数字を叩き出したのち、
同様の推移がみられた映画を1つだけ見つけた。

2008年公開の「アバター」だ。

アバターは過去5年間で最大の興行成績を収めた。
その興行成績は150億を超えている。

しかも、「アバター」のオープニング成績が6億ちょっとだったのに対して、
「アナと雪の女王」は8割弱であり、同時点で「アナ~」が上回っている。

「アバター」が凄かったのは、オープニング後のありえない持久力。
週末興行で5億~6億の間の数字を2ヵ月間もの間、持続させた。
クチコミが広がり、普段映画を観ない層にまで裾野が広がったということと、
根強いリピーターに支えられた結果だと考える。

「アナと雪の女王」は今週末で4週目だ。今後どうなるかわからないが、
「アバター」同様、「クチコミ」と「リピーター」で稼げる要素が非常に強い。

よく参考にしている、Twitterレビューサイト「coco」では、
歴代最高のつぶやき数だった「パシフィック・リム」の記録を3週目にしてあっさり更新。
こうしたSNSだけではなく、年代を問わず多くの女性層を取り込んでいることを考えれば、
リアルなクチコミでも、大きな広がりを見せているのは確実だろう。
ウチの家族の人間も観ると言い出してきた。。。

また、ミュージカルとして字幕版(英語版)と吹替版(日本語版)で分かれていることで、
「字幕(吹替)で観たから、今度は吹替(字幕)で観たい」という楽しみ方もあり、
リピーターも続出しそうだ。現に自分の周りでもそういうリピーターが多い。

なので、このままのヒットが継続される確率は高い。

この勢いを止める要素があるならば、競合タイトルの存在だ。
対抗馬としては「名探偵コナン(新作)」か「テルマエ・ロマエ2」だろうが、
いずれも公開は、2週間以上先だ。

サントラも売れており、全米での盛り上がりと綺麗にシンクロした希有な洋画だ。

ってか、洋画というより洋画アニメという括りが適当。
洋画の実写映画はあまりにも悲惨なので。。。。

今年の最大ヒットはほぼ確定であるとともに、
「風立ちぬ」の記録(120億)も越えるだろう。
あとは「アバター」の記録(150億)の記録にどれだけ肉薄できるだろうか。
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LIFE! 【感想】

2014-04-04 00:19:13 | 映画


映画「LIFE!」を2週遅れで観る。
俳優のベン・スティラーが監督&主演。

「アナと雪の女王」から続いていた5作連続のフィーバーがようやく止まる。

空想癖のある男が、世界を旅して一皮剥けるという話だ。

ホントはもっと深い意味を込めて製作された映画なのだろうけど、
それ以上のメッセージがどうにも響いてこない。

自分が初めて海外旅行に行ったのは大学生の時だった。
タイから陸路で国境を超えてカンボジアに行った。
1人で1ヵ月ちょっとの期間だったが、自分の中の価値観が変わった気がした。
その後もいろんな国に行ったりしたけど、本作を観て思い出すのは
「踏み出したら、どうにかなるもの」だということ。
本作の主人公の場合、ヘリコプターに飛び乗るシーンがそれだろう。

「主人公はあなたです」というコピーは巧いと思う。
本作を見て共感できる人は多そうだ。

「世界に飛び出そう!」と一歩を踏み出す勇気を讃え、
自らの可能性に気づくことの素晴らしさを描こうとしている映画だと思う。

一見、素直に感動できるテーマっぽいが、どうにも興冷める。
映画が真面目過ぎる。。。。

監督ベン・スティラーといえば前作「トロピック・サンダー~」だ。
DVDの特典映像にあったNGシーン集で、主役のベン・スティラーと、
黒人を演じたロバート・ダウニー・Jrのバカバカしい会話のNGシーンが繰り返される。

ロバート・ダウニー・Jrの顔芸が可笑しいので観ているこっちは笑ってしまうのだが、
それを至近距離で受け止めるベン・スティラーはピクリとも笑わない。
演じながら「ダメだ、やり直し」と自らカットをかけて、撮り直す。
映画自体のお馬鹿っぷりからは想像できないほど、ベン・スティラーは真面目だった。

全く方向性の違う本作だが、その真面目さが全面に出ている印象。

感動させたい、讃えたい、といったメッセージをいかに観客に届けるか。
ある意味、その点に囚われているようにも映る。

回り道するようなハズしやユーモアもないので、面白くない。
観たままの展開なので、許容できるご都合主義も、本作では許容できない。
こちらの想像を超える感動を享受できないまま終わってしまった。

感動を誘うはずのラストの着地も弱く、
「なぜ、そんなに!?」と、ピンとこなかった。

主人公の空想シーンのクオリティは極めて高く、
個人的には、その世界をもっと肯定して描いても良かったと思う。

ベン・スティラーは主人公を好演してる。
顔つきがみるみる男前になるのがわかる。
主人公の敵役である再編担当者役の人は軽すぎてダメ。これはミスキャスだ。

グルーンランド、アイルランド、ヒマラヤと、彼が赴く僻地は雄大な自然に覆われ、
新しい自分に出会えた主人公の解放感と相まって、素晴らしい景色を堪能できる。

勿体ない映画だった。

「トロピック・サンダー~」の続編、また撮ってくれないかな。。。。

【60点】
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映画料金の改定で思うこと。

2014-04-03 02:14:06 | 日記
4月に入り、消費税が5%から8%に引き上げられた。

3%分のアップと考えると、あまり影響はないと考えていたが、
それ以上の価格転嫁を感じる商品・サービスが結構ある。

その中で、個人的に最も影響が大きいのはやはり映画料金だ。

どの興行会社(映画館)も下記の料金改訂で足並みを揃えている。
「みんなでやれば怖くない」と言わんばかりだ。

①通常料金は1800円のまま据え置き
②ファーストデイ、レディースデイ等の1000円は1100円にUP
③レイトショーなどの1200円は1300円にUP

興行会社でマーケティング、リサーチを行い、検討を繰り返し、
興行会社にとって最良と思われる決断だったのだろう。

1000円から1100円のUPは、3%アップどころではなく10%のアップだ。
映画興行会社からすれば「いやいや、通常料金(1800円)は据え置きですから」
という話だろうが、映画ファンにとっては気持ちの良いものではない。

ここ数年の映画平均入場料は1200円程度だ。
通常料金が1800円にも関わらず1200円前後である理由は、
子ども、シニア層など、もともと設定価格の低いユーザー層に支えられている点と、
1,000円、1,200円等の割引料金で映画を観る層が多くいることが考えられる。

自分含め、年に複数回映画を観る映画ファンは後者に多いだろう。
自分は先進国と比べて異常に高い日本の映画料金設定に対する反発と、
特別なイベントではなく、カジュアルな習慣として映画を楽しみたいという思いから、
IMAX等の付加価値観賞を除いて、通常料金で映画を観ることはない。
2000円近く払って映画を観るのが馬鹿らしいと思ってしまう。

だけど、1000円、1200円で観る方法があるから逃げられるのであって、
1800円という選択肢しかなければ、1800円を払うことになるかもしれない。
観るペースは確実に減ると思うけど。。。

自分と同じように映画ファンは多少値上がっても「観たい映画」は「観る」。
極端な言い方をすれば、映画ファンは放っておいても問題ないのだろう。
興行会社だけでなく配給会社も、それをよくわかっていると思う。

また、万一、その映画ファンが映画館から離れたとしても、
現状の興行状況をみれば、優先されるべきはライト・ミドルユーザーだ。
実際に、年に観賞本数が2本以下のライトユーザーが、
市場の半数を占めているという調査結果があるようだし、
その数字には見えない同伴(複数名)鑑賞率も圧倒的にライト・ミドルユーザーが高い。
実際に映画の大ヒットはライト・ミドルユーザーをどれだけ動員できるかに懸かっている。

映画ファンは文句を垂れながらも結局100円アップを許容してしまう。
今年で大きく動員数が減ることは考えにくい。「アナと雪の女王」が大爆進中だし。
となると、必然的に平均単価はアップする。通常料金の据え置きをカバーする以上の、
売り上げが見込めてもおかしくないように思う。

「映画ファンをないがしろにしている」という不快さも禁じえないが、
興行会社がバカ高い料金を引き下げるという発想がない、という失望感が強い。

これじゃ、いつまで経っても日本にとって映画がカジュアルなものにならない。
どうにか安く興行できる仕組みはないものか。。。。

自分はポイント制が消滅した近所のMOVIXからは、足が遠のき、
最近はユナイテッドシネマに絞っている。5本観れば1本無料になる会員サービスだ。
ユナイテッドシネマにおいては、金曜日の会員価格1000円が据え置きなので、
これまで通り、5000円で6本映画が観られる。ホント感謝である。
残念なのはラインナップの少なさ。邦画や大作映画に偏っているので、
洋画の単館系は網羅していない。その場合は泣く泣くMOVIXである。
早くMOVIXにポイント制が復活してほしい。
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2ガンズ 【感想】

2014-04-02 00:16:49 | 映画


1ヶ月以上前に観たものもあるが、新作DVDの感想を残す。

2ガンズ 【70点】
痛快なバディームービー。シリーズ化を求む。
デンゼル・ワシントンとマーク・ウォールバーグの掛け合いが魅力。
わかりやすい脚本と、先の読めないド迫力アクションが楽しい。
マーク・ウォールバーグには珍しい敏腕キャラが意外とハマってる。
ポーラ・パットンの太ももにやられる。劇中のデンゼル・ワシントンが羨ましい。

アフターショック 【55点】
ライムスター宇多丸が称賛していたので楽しみにしていたが、肩透かし。
ディザスターとホラーサスペンスが融合。誰が死んでしまうか予測不能な展開なれど、
さした新鮮味は感じられず。無名俳優の中、セレーナ・ゴメスが出るが即効いなくなった。

ホーリー・モーターズ 【55点】
映画が嗜好品であると再認識。
多くの映画ファンをもつ、レオス・カラックスの13年ぶりの新作。
とても評判の良い映画だったが、やはり性に合わず。
ストーリーラインが曖昧で、動きの遅い展開に眠気が襲う。
ビジュアルだけでは持たない。

恋のときめき乱気流 【60点】
大好きなリュディヴィーヌ・サニエを目当てに観たが、
豊満な色気を振りまいて頃から、だいぶイメージが変わった印象。
印象に残ったのはサニエ演じる女子ではなく、相手役のモテモテ男。
その男と関係を持ちたがる女子で溢れ返るが、ちっとも男前じゃない。
ブサ男なのになぜ?で、ふと思った。あぁモテる男に理由なんかないのか。。。と。

サウンド・オブ・ノイズ 【65点】
昨年、劇場公開で見られなかったのを悔いた映画。
音楽という芸術行為の達成のために、町中で音楽テロをぶちかます。
そこに音痴の刑事が絡み、テロ集団の女ボスと感情を交わすようになる。。。
まず物語のプロットが面白いし、音楽も楽しい。北欧映画の未来は明るいなーと実感。
しかし、肝心なクライマックスのパフォーマンスで失速。惜しい。
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