から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

怪しい彼女 【感想】

2015-01-31 01:03:49 | 映画


怪しい彼女 【75点】
やられた。面白い。「ソウォン~」が涙が止まらない映画である一方で、本作は笑いが止まらない映画。映画を観てこんなに笑ったのは「変態仮面」(前半部)以来かも。
20歳に若返ってしまったお婆ちゃんの話。若返ったお婆ちゃんを演じたシム・ウンギョンのコメディエンヌぶりに抱腹絶倒する。「サニー」でもその片鱗はあったものの、ここまでとは思わなんだ。お婆ちゃんならではの「厚顔無恥」な表情がイチイチ可笑しい。その顔芸に留まらず、言葉、しぐさ、体の動きなど、アンダーザスキンがお婆ちゃんではないかと思うほどのなりきりぶりだ。爆笑しながら「凄いなーこのコ」と感心しきり。秘密を知らず、あくまで女の子として扱う周りの反応にニヤニヤし、若さを取り戻し、少しずつ変わっていくお婆ちゃんのチャームに魅了される。ストレートなコメディ映画でありながら、「老い」というテーマに鋭く突っ込む。どんなに抗っても老いは肉体は醜く変え、死に近づけかせる。「若さ」を取り戻した喜びと共に、老いをどう受け入れいていくのか、そんなことが描かれていた気がする。お婆ちゃんになっても、昔の思い出をそのままに「お嬢さん」と慕う、幼馴染みのお爺ちゃんがとても良い。シム・ウンギョンだけじゃなく、他のキャストたちの好演も手伝いドラマも十分に感じた。笑ってホロっとさせる、これぞ大好きなコメディ映画。監督は、前作「トガニ」で社会を変えるインパクトを与えたファン・ドンヒョク。それにしても凄い振り幅だ。

アンダー・ザ・スキン 種の捕食 【60点】
「万人ウケしない映画」の「万人 」に自分が属することを痛感する映画。少なくとも「2001年宇宙の旅」に感動を覚えない自分の感性では、理解、共感は難しい。地球人ではない何者かが、スカーレット・ヨハンソン演じる女の体内に寄生し、スコットランドの男たちを次々と捕食する。その目的は一切説明されない。いや、その答えを求めること自体が製作者の意図ではないのだろう。捕食を繰り返すだけの映像から、何を感じ取るのか。それがお手上げであれば、映像を楽しむのみ。このテの捕食者でイメージするのは人間離れしたモデル体型だが、スカーレット・ヨハンソンの手足の短くグラマラスな肉体を持ってきたのが面白い、あと、餌食が無差別であることも興味深い。。。以上か。捕食シーンは、ややワンパターン過ぎるかも。それにしても難解だわ。

円卓 こっこ、ひと夏のイマジン 【65点】
行定勲が描く子どもたちの世界。「風変わりな女の子の話」と、予告編の内容から構えていたが、意外なほど共感度の高い物語だった。普段の自分同様、劇中でも「全く何考えてんだか?」と子どもたちの不可解な言動を見ると辛かってしまう。大人たちに理解ができないのは、子どもたちの断片しか想像(「イマジン」)できてないからであり、子どもたちの行動には確固たるロジックがあると本作は解釈しているように思う。子どもたちは家族、学校、友達、自然などの様々な環境の中で、初めて聞いた言葉、始めて観た光景に触れ、自分の世界を形成していく。そして子どもたちはその不確かな世界をあらゆる手段で試してみるのだ。全ての大人たちが経験しているはずなのに、それを「不可解」と見てしまう可笑しさと、それを忘れてしまった悲しさ。本作で用いられる「イマジン」は想像という意味の他に、相手を思いやるという意味で用いられる。何が正しくて何が間違っているのか、その判断の1つの尺度が相手への「イマジン」なのだ。主人公演じた芦田愛菜も好演だが、主人公の親友で、心優しい「ぽっさん」を演じた男の子が非常に良い。彼の「イマジン」にもらい泣きしてしまった。

ブラインド 【65点】
交通事故で視力を失った女性が、連続殺人犯に襲われたことをきっかけに、刑事と共にその犯人を追い詰めていくという話。殺人犯をどう見つけ出すのかというミステリーと、殺人犯の標的になるというスリラーが同居。冒頭の交通事故や、犯人の無敵ぶりなど、いろいろと布石作りのための描写に粗さを感じるものの、盲目であるが故のアイデアが面白い。特に、地下鉄での一幕が秀逸。目の見えない主人公が犯人に襲われそうになるが、スマホのテレビ電話を介して少年が主人公の目となり、逃がすために音声でガイドしていく。そのアイデアもさることながら、犯人がテレビ電話に映りこむシーンなど、恐怖演出が抜群に巧い。ただし、ワンちゃんのクダリは可哀そうで生理的にNG。

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