サスペクト 哀しき容疑者 【70点】
いやはや凄いアクション映画がまた隣国で生まれた。妻子を殺された元エリート工作員がその復讐のため犯人を追う追跡劇であり、同時に、殺人容疑をかけられ警察から追われる逃亡劇だ。追い、追われる、主人公は大忙しだ。そのテンションは緩むことなく、ダイナミックなアクションと共に、ラストまで突っ走る。カーアクションだけ見れば、そのカメラワークも含め、ハリウッドも真っ青の出来栄えじゃないだろうか。主人公演じたのが、アクションのイメージのないコン・ユだったのが大きい。男が惚れる男、めちゃくちゃカッコいいじゃないか!!恵まれた体型&研ぎ澄まされた肉体が躍動し、画面に映える映える♪彼の格闘シーンの迫力と説得力に目が釘づけになる。激しい展開の中にも、彼の誠実な眼差しは変わらず、がっつりアクション、がっつりドラマで感情を揺さぶる。ハ・ジョンウしかり、韓国にはアクションもこなせる演技派俳優が多数いるのが凄い。主人公が不死身、ライバルとの絆、悪役が悪役らしい等、やや大袈裟に見える描写も、このテのアクション映画にはちょうど良い。かなり長尺だったが、見応えのあるアクション映画だった。
サード・パーソン 【65点】
ポール・ハギスの新作。NY、ローマ、パリを舞台に3組の男女が織りなす物語。これでもかと練りに練った、ポール・ハギス手製の脚本に舌を巻く。話の繋がりにわざと粗さを残したあたりとか、確信犯的で凄いなー。まったく接点の見えなかった3組の関係性が次第に明らかになり、最後には納得のネタばれ。これくらいの明確さが程良い。そのうえ、さらに深読みできそうな余白もあったりする。惜しむら くは、その長さ。「138分」という実時間以上の長さを感じてしまった。3組の物語として必要な容量であったかもしれないが、謎を追う観客側の視点を考慮すれば、もう少し短い方が良かったかも。
アイ・フランケンシュタイン 【55点】
「怪物」の名のつくアクション映画には、どうしても反応してしまう。ダメな映画であろうがなかろうが、観ずにはいられない。で、本作はダメな方の映画だ。本作でフランケンシュタインを演じるのは何とアーロン・エッカート!!オリジナルを全く無視したスタイリッシュなフランケンシュタインは大いに結構。だが、観ていて盛り上がらない。B級映画なのでストーリーに難癖をつける気はないが、人間にとって見方である「ガーゴイル」とフランケンシュタインの関係性がフワフワしていて、「悪魔たちを倒すぞー」という基本的な構図が不明確なのが痛い。ガーゴイルがバキバキのCGである一方で、悪魔が普通にお面を被っ たようなクオリティ。そのギャップがアクションに水を指す。「アンダーワールド」同様、ラスボスがビル・ナイ(笑)。そのラスボスとのバトルもややグダグダ。「ガーゴイル」に目をつけたのは面白かった。
フルスロットル 【60点】
観ながら初めて気付いたが、「アルティメット」のリメイクだったのか。。。「パルクール」で魅せるダヴィッド・ベルはそのままに、格闘アクションで魅せた刑事役は、ポール・ウォーカーに変更されている。体技によるアクションが一級のエンタメになることを高らかに示した「アルティメット」。そのオリジナルからのパワーダウンが否めない。身体能力に取り柄のないポール・ウォーカーに与えられたアクションはカーアクション。「ワイルドスピードじゃん」とツッコミを入れる。刑事役のアクションの役割が変わったにも関わらず、「巨人との対決」など、オリジナルのシーンがそのまま踏襲されているのが気になる。10年前とは思えないダヴィッド・ベルの動きのキレに魅了される。その彼女役のアジアンビューティーな女優さんの容姿と、見えそうで見えないチラリズムも本作の魅力か。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます