から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

第88回キネマ旬報ベストテンが気持ち悪かった件。

2015-01-10 23:25:47 | 映画
一昨日、2014年公開映画のキネマ旬報ベストテンが発表された。
例によって「映画評論家」という人たちの投票だが、その結果がとても気持ち悪かった。

日本の映画評論家たちのイースットウッドへの偏愛は、もはや病的だ。

<外国映画ベスト・テン>
1位 ジャージー・ボーイズ
2位 6才のボクが、大人になるまで。
3位 罪の手ざわり
4位 エレニの帰郷
5位 ブルージャスミン
6位 インターステラ―
7位 リアリティのダンス
8位 インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
9位 ウルフ・オブ・ウォールストリート
10位 ラッシュ/プライドと友情

「ジャージーボーイズ」が1位って。。。「イーストウッド」という判が押されて、悪くない映画であれば迷わず1位にする、毎年のキネ旬の恒例なのはわかるけど、ここまで続くと呆れを通り越して、さすがに気持ちが悪い。監督賞も勿論「イーストウッド大先生」。映画評論家の人たちは「イーストウッド」を支持しないと、何かにハブられるとか、表沙汰にできない事情があるのだろうか。数少ない歴史ある映画情報の発信媒体として、キネ旬はいい加減、「イーストウッド縛り」を見直した方が良いんじゃないかな。ホント良くないと思うし、品位に欠ける。真っ当な映画評論家の選出であれば1位は間違いなく「6才のボクが、大人になるまで。」だろう。
他の選出作は、個人的な賛否に関係なく、どれも「巨匠」作品ばかりで面白くない。新しい才能に対して素直に評価するということを、この人たちはしないのだろうか。

<日本映画ベスト・テン>
1位 そこのみにて光輝く
2位 0.5ミリ
3位 紙の月
4位 野のなななのか
5位 ぼくたちの家族
6位 小さいおうち
7位 私の男
8位 百円の恋
9位 水の声を聞く
10位 ニシノユキヒコの恋と冒険
10位 蜩ノ記

やっぱ1位は「そこのみにて光輝く」になるのねー。苦笑。
2位以降は、キネ旬にありがちな選出ながら、8位の「水の声を聞く」は全く知らなかった。調べてみたら面白そうな映画だ。てか、主演が元ブランチリポーターの玄里(ヒョンリ)ちゃんじゃないか。。。ますます観たくなるが、DVDレンタルは未定らしい。早く観たいな。

<個人賞>
日本映画監督賞:呉美保「そこのみにて光輝く」
日本映画脚本賞:高田亮 「そこのみにて光輝く」
主演女優賞:安藤サクラ 「百円の恋」「0.5ミリ」
主演男優賞:綾野剛 「白ゆき姫殺人事件」「そこのみにて光輝く」
助演女優賞:小林聡美 「紙の月」
助演男優賞:池松壮亮「愛の渦」「ぼくたちの家族」「紙の月」他
新人女優賞:門脇麦「愛の渦」他
新人男優賞:東出昌大「アオハライド」他
外国映画監督賞:クリント・イーストウッド大先生「ジャージー・ボーイズ」(笑)

「そこのみにて光輝く」って褒めすぎ。。。芋づるで3名が選出。綾野剛はこれからだろうに。
小林聡美と池松壮亮の選出は素直に嬉しい。演技部門の選出は毎年、真っ当なんだよなー。
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2014年映画 勝手に個人賞【洋画・日本映画】

2015-01-10 23:16:40 | 勝手に映画ランキング
2014年の映画の総括として、最後に個人賞を勝手に選んでみる。

<洋画編>
【監督賞】 クリストファー・ノーラン(「インターステラー」)
【主演男優賞】 マシュー・マコノヒー(「ダラス・バイヤーズ・クラブ」「インターステラー」)
【主演女優賞】 ロザムンド・パイク(「ゴーン・ガール」)
【助演男優賞】 イーサン・ホーク(「6才のボクが、大人になるまで。」)
【助演女優賞】 パトリシア・アークエット(「6才のボクが、大人になるまで。」)


<日本映画編>
【監督賞】 大友啓史(「るろうに剣心 2部作」)
【主演男優賞】 佐藤健(「るろうに剣心 2部作」)
【主演女優賞】 安藤サクラ(「百円の恋」)
【助演男優賞】 池松壮亮(「愛の渦」「ぼくたちの家族」「紙の月」)
【助演女優賞】 小林聡美(「紙の月」)


洋画個人賞について
監督賞については、本来オスカーの最有力でもある、12年のプロジェクトを成功させたリチャード・リンクレイターを挙げるのが順当かもしれないが、「インターステラー」という映画は、ノーランという映像作家でしが生み出せなかったはず、という点で決めた。主演男優賞のマシュー・マコノヒーは昨年のオスカー受賞者であり「ダラス・バイヤーズ・クラブ」でのパフォーマンスに文句なしなのだが、昨年はTVドラマにも進出し、その「True Detective」で演じた主人公が、まーーー素晴らしかった。ドラマ枠の演技で鳥肌が立ったのは、ブレイキングバッドのブライアン・クランストン以来。それも加味しての選出。他、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞はかなり順当。

日本映画個人賞について
娯楽系映画、中でもアクション映画という日本映画が弱いジャンルにおいて、新風を吹き込んだ「るろうに剣心~」の監督、大友啓史を選出。同作で主人公を演じ切った佐藤健は、体力的な消耗はハンパなかったと思い「お疲れ様でした」。主演女優賞は「紙の月」の宮沢りえで濃厚だったけど、年末に観た「百円の恋」で安藤サクラにひっくり返された。助演男優賞の池松壮亮は2014年の日本映画におけるマンオブイザイヤー(拍手)。どの作品も素晴らしく、今後の日本映画を間違いなく牽引する逸材。助演女優賞の小林聡美は、彼女なくして映画「紙の月」の成功はなかったと思えるほどの助演ぶりだった。

以上で、2014年の私的映画総括は終了。
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2014年私的映画ワースト5

2015-01-10 23:09:23 | 勝手に映画ランキング
外国映画、日本映画、未公開のベストに続いて、ワーストを選んでみる。

【1位】 300 〈スリーハンドレッド〉 帝国の進撃
【2位】 ザ・ホスト 美しき侵略者
【3位】 オオカミは嘘をつく
【4位】 西遊記 はじまりのはじまり
【5位】 LUCY/ルーシー

【次点】 「トランセンデンス」「サンブンノイチ」「アバウト・タイム 」


女性剣士によるパロディに走った「300~」、SFの外見をした安いメロドラマを見せられた「ザ・ホスト~」、映画と同様、観る者にも苦行を強いた後、何もなかった「オオカミ~」、しょーもないジャレ合いを永遠と見せられた「西遊記~」、最後にちゃぶ台返しでばっくれた「LUCY~」。。。

「300~」「西遊記~」は、ある程度期待していたので残念だった。次点の「トランセンデンス」は今年のラジー賞にもノミネートされている。ジョニデも堂々の主演男優ノミネート、初受賞なるかなー。「アバウト・タイム」は感動の強要がやはり好きになれない。

日本映画はそもそもハードルが低いのであまりないのだが、品川監督の「サンブンノイチ」を観て、日本映画におけるエンタメ映画の鈍さを改めて実感した。
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2014年私的映画ベスト 【未公開映画編】

2015-01-10 22:48:59 | 勝手に映画ランキング


【未公開映画ベスト】 ブロークン
年末休みに新作コーナーで見つけた1本。2014年の未公開映画ベストは本作で決まった。
ティム・ロスとキリアン・マーフィーが共演しているというだけで観たが、とても面白かった。

イギリスの田舎町を舞台に小さなロータリーを囲んで住んでいる、ご近所3家族を巡る話。DVDのパッケージから察するに100%サスペンス映画なのだが、その括りにまとめてしまうことには違和感があり。広義で、人生の機微や滑稽さを描いたコメディ映画といっても良いんじゃないかと思う。当たり前だが人生を送る上で人との接触は避けられず、より良い人生を送るために、それらと良好な関係を築きたいと思う。だが、異なる性質を持つ人間同士、そう巧くコトは運ばない。ちょっとした誤解や思い過ごしで、知ら ぬ間に摩擦が起きている。本作ではその摩擦が、平和に暮らす3家族の歯車を狂わしていく様子を描く。テイストは「クラッシュ」や「リトル・チルドレン」に近いが、本作の特異点は物語の中心に、主人公である女子のチャームを置いたことだ。主人公は生まれつき糖尿病というハンデを背負っているが、聡明で心優しい11歳の女の子だ。美少女ではなく、チャーミングという表現がよく似合う。根明でお調子者っぽいノリが最高に可愛い。3家族の中から派生する、暴力、不健全なセックス、溺愛(偏愛)といった多くの穢れが付きまとう世界で、その穢れに触れながらも、ピュアに生きる主人公の姿が爽やかで愛おしい。その世界観をよく表した、映像、テンポ、音楽も秀逸で、どれもツボに入った。主人公を温かく見守る父親役のティム・ロスや、珍しく普通の凡人を演じたキリアン・マーフィーも素晴らしい好演。そして主人公を演じたエロイーズ・ローレンスのキャスティングが最大の成功要因。笑ったときの口元がキュート。
冒頭の「汚くなったのを掃除して、綺麗になっていくのが好きなんだ」という隣人の青年のセリフなど、振り返ると伏線がしっかり練られていることに気づく。摩擦の発生源であったキャラによって、ラストが転結するあたりとか、まさに予期せぬ人生のコメディ。そんなもんなんだよな、きっと。
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