らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

破天荒の由来

2021-09-29 | 雑学

「今まで人が成し得なかったことを初めて行うこと」や「前人未到の境地を開くこと」を指して使われる言葉に「破天荒(はてんこう)」があります。
この言葉の意味について、令和2年度の「国語に関する世論調査」で尋ねたところ、65%以上の人が誤解していることがわかりました。
そこで今日はこの言葉の由来について調べました。

「国語に関する世論調査結果」
令和2年度の「国語に関する世論調査」で「破天荒の言葉は、どちらの意味だと思うか?」と尋ねたところ、本来の意味とは異なる回答が6割以上ありました。
その回答結果は次の通りです。

「質問」「破天荒は、どちらの意味だと思いますか?」(下線を付したものが本来の意味。)
(ア)誰も成し得なかったことをすること・・・・・・・・・・23.3%
(イ)豪快で大胆な様子・・・・・・・・・・・・・・・・・・65.4%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  6.5%
(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・1.7%
 無回答・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.9%

調査では全ての年代で、本来の意味とは異なる(イ)の「豪快で大胆な様子」を選択した人の割合が、本来の意味とされている(ア)の「だれも成し得なかったことをすること」を上回っていました。
中でも、40 代以下では(ア)を選択した人の割合と(イ)を選択した人との割合に 50 ポイント以上の差があり、若い年代ほど誤解している人が多くなっているという結果でした。



「由来となった故事」
破天荒の言葉は、中国・宋代の次の故事が由来となっています。
唐の時代、王朝成立から100年以上経った後も荊州(現在の湖北省)から官吏登用試験である科挙(かきょ)の合格者が出ませんでした。
世の人はこの状況を「天荒」と称しました。

天荒とは本来、天地がまだ混沌としていて、ひらけない状態のこと、もしくは「凶作などで雑草の生い茂る様」を言いますが、難しい科挙の試験に合格する者が出ないこのような状況を指しても言うようになったということです。
そうした中、ついに劉蛻(りゅうぜい)という人物が荊州から初めて科挙に合格したのです。
すると、人々は「天荒を破った」と言いだしたのです。

この故事から,「誰もできなかったことを初めて成し遂げること」という意味で「破天荒」という言葉が使われるようになり、そこから転じて,「これまでにはなかったこと。未曽有のこと。」という意味でも使われるようになったようです。

「考えられる誤解の要因」
「破天荒」の意味を誤解しているのは、「破・天・荒」という漢字のイメージが,ほかでは見たことのないような破れかぶれで大胆なことをする様子や荒っぽく豪快な様子などを指す言葉とみなして、「豪快で大胆な様子」という意味で捉える人が多くなっているのではないかと考えられています。

(参考)
なお、科挙(かきょ)とは、広辞苑によれば次のように説明しています。
中国で行われる官吏登用試験で、隋代に始まり、唐では秀才・進士・明経など6科に分け、経典・詩文などを試験した。
宋以降、科目は進士だけとなり、郷試(きょうし)(宋では解試)・会試(宋では省試)・殿試の三段階からなる。清末、1905年に廃止。


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2 コメント

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破天荒  (もののはじめのiina)
2021-09-29 09:38:31
>「今まで人が成し得なかったことを初めて行うこと」や「前人未到の境地を開くこと」を指して使われる言葉に「破天荒(はてんこう)」
冒頭に回答がありますから、あまり考えずに そのように納得してしまいました。

問答形式で進むと、あまり使うことのない「破天荒」を(イ)豪快で大胆な様子 に選んだかもしれないです。

ITの時代は、「はてんこう」を「破天荒」と漢字変換してくれますから、まちがえて「破天候」と綴る心配もありません。
ありがたい時代ですが、とんでもない誤変換をITは犯し勝ちですから、拙宅の「誤変換シリーズ」を連載できます。


ショッピングモールに併設された日産コーナーは、おおむね1ヵ月ごとに展示モデルが変わりますから、好い気晴らしになっています。
此処には、一階と三階の2箇所に展示されています。

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科挙 (hide-san)
2021-09-30 10:42:59
科挙にまつわる物語は中国には沢山ありますね。
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