話しの「さわり」といったらどの部分を想像するでしょうか?
多くの人が物事の“冒頭部分”と解釈しているようですが、これは間違いです。
「国語に関する世論調査の結果」
文化庁が実施している平成28年度の「国語に関する世論調査」によると、半数以上の人が間違って理解していることがわかりました。
調査結果は下記の通りです。
「質問」
調査では次のような例文を挙げて質問しました。
例文:「話のさわりだけ聞かせる」とはどの部分か?
平成28年度 平成19年度 平成15年度
(ア):話などの要点のこと 36.1% 35.1 % 31.1% (本来の意味)
(イ):話などの最初の部分のこと 53.3 55.0 59.3
(ウ):(ア)と(イ)の両方 4.5 2.7 3.9
(エ):(ア),(イ)とは,全く別の意味 1.8 0.2 0.8
分からない 4.3 7.0 4.8
調査結果は、本来の意味とされる(ア)の「話などの要点」と答えた人は平成28年度、平成19年度、平成15年度の3回とも3割台にとどまっています。
逆に本来の意味ではない(イ)の「話などの最初の部分」と答えた人は3回とも半数以上を占めています。
「年齢別の結果」
これを年齢別に見ると,70歳代以上では本来の意味とされる「話などの要点のこと」と答えた人が45.8%で、(イ)の「話などの最初の部分のこと」を上回っていますが、その他の年代では全ての年代で(イ)と回答した人が50%以上であり、50歳代以下では60%以上の人が誤用していました。
・赤が本来の意味です。
「誤解の原因」
「さわり」を漢字で書くと「触り」の字になります。
触れるという語感から「深く突っ込むのではなく、最初の部分だけさらっと触れる」と捉えられる人が多いのではないかと考えられるということです。
「さわり(触り)」は元々浄瑠璃用語で、曲節の優れた部分を義太夫節に取り入れているものです。
音楽でいえば曲のイントロではなく、サビの部分が「さわり」になります。
広辞苑には、ア.義太夫節の中に他の恩曲の旋律を取り入れた個所。曲中で目立つ個所になる。
イ.転じて、方角の各曲中の最大の聞かせ所。「くどき」の部分を指すことが多い。
ウ.更に転じて、一般的に話や物語などの要点、又は最も興味を引く部分。「-だけ聞かせる」と説明しています。
以上のように、「さわり」とは、話の聞かせどころ、映画演劇では名場面の見どころという意味であり、要点や最も興味をひく部分を指す言葉です。
誤用しないように気をつけたいですね。
最新の画像[もっと見る]
-
「蛇の道は蛇」の由来 1年前
-
身近な野鳥「ムクドリ」 1年前
-
身近な野鳥「ムクドリ」 1年前
-
身近な野鳥「ムクドリ」 1年前
-
ニゲラの花「蕾から種まで」 1年前
-
ニゲラの花「蕾から種まで」 1年前
-
ニゲラの花「蕾から種まで」 1年前
-
ニゲラの花「蕾から種まで」 1年前
-
ニゲラの花「蕾から種まで」 1年前
-
ニゲラの花「蕾から種まで」 1年前
「さわり(触り)」は元々浄瑠璃用語で、曲節の優れた部分を義太夫節に取り入れているというのを、らいちゃんに学びました。( ..)φメモメモ
たまたま歌舞伎を観てきた直後だけに、日本の古典が言葉に息づいていると思わされます。
きのうは、月曜日ですから健康麻雀の日でした。
きょうは、夕方から渋谷へお出かけです。生放送NHK「うたコン」を友がまた当てたので、一緒に参ります。
きょうは、バレンタインデーですから、それにちなんだ楽曲が聴けるかもわかりません( ^ω^)・・・