令和4年が明けて早くも1週間が経ちました。
昨日は七日正月とも言われている、五節句の一番目の「人日(じんじつ)」の節句でした。
「五節句」
節句の「節」は、唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目のことです。
暦の中で奇数の重なる日を取り出して、奇数(陽)が重なると 陰になるとして、それを避けるための邪気を祓う行事が行われたことが五節句の始まりです。
そして、五節句とは1月1日の元日(後に1月7日の人日)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重陽(ちょうよう)をさし、この日はすべて奇数の同じ数字が重なっています。
なお、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日の「人日」を五節句の中に取り入れています。
「人日の節句」
「人日」とは、文字通り「人の日」という意味で、古代中国から伝わりました。
古代中国では正月の1日を「鶏の日」、2日を「狗(犬)の日」、3日を「猪(豚)の日」、4日を「羊の日」、5日を「牛の日」、6日を「馬の日」とする慣わしがあり、それぞれの日にはその動物を殺さないようにしていました。
そして7日は「人の日(人日)」とする慣わしにより人を尊重する日として定められ、犯罪者の刑罰は行わないようにしたそうです。
「人の日」には、中国では七種菜羹(ななしゅさいのかん=七種類の野菜のあつもの)を食し、無病息災を祈る習慣がありました。
「七草粥」
この中国の習慣が奈良時代の日本に伝わりました。
日本では古来、冬に不足しがちな栄養をとる為、年初に若菜を摘んで食べて生命力をいただく「若菜摘み」、7種類の穀物でお粥を作る「七種粥」の風習がありました。
これは、旬の生き生きした生命再生の象徴である若菜の「七草」を粥にして食べれば、自然界から新たな生命力をもらい、1年を無病息災で過ごせ、長寿を得られると信じられていたのです。
この風習と中国の「人の日」の習慣が結びつき、「人日」に七草粥を食べると言う現在の形になったと言われています。
なお、七草は元来、7種類とは限らず数はまちまちでしたが、現代では「せり」「なずな」「ごぎょう」「はこべら」「ほとけのざ」「すずな」「すずしろ」が春の七草とされています。
生活の知恵ですね。^^
わが家では、おせち料理も尽きて、なますが後の楽しみになっています。ハイ、ささやかな倖せを味わっています。