らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

春眠暁を覚えず「暁、東雲、曙の違い」

2023-04-28 | 雑学

春の到来と共に、寝床から起きるのがつらくなります。
特に、ここ数日は戻り寒波による冷え込みから、朝方の気温が一桁台になっているため、布団の温もりから離れられず、いつまでも寝ていたい気分です。
このような情景を詠んだ詩が1300年ほど前の中国・唐の時代にあります。
その詩とは? 
そうです。
皆さんよくご存じの中国唐代の代表的な詩人・孟浩然の「春暁(しゅんぎょう)」です。
この詩は恐らく、孟浩然の詩の中で日本人に最もよく知られている詩ではないでしょうか?

「春暁」
 1300年前に孟浩然(もうこうねん 689~740)が詠んだ「春暁」です。

   春暁    読み 
 春眠不覺暁 (春眠暁を覚えず)(しゅんみんあかつきをおぼえず)
 處處聞啼鳥 (処処啼鳥を聞く)(しょしょていちょうをきく)
 夜来風雨聲 (夜来風雨の声) (やらいふうのこえ)
 花落知多少 (花落つること知る多少ぞ)

 「現代語訳」
 春の夜は誠に眠り心地がいいので夜が明けるのも気がつかなかった
 あちらこちらで鳥のさえずる声が聞こえる
 そういえば、昨夜は一晩中風雨の音がしていたが
 折角咲いた花はどれほど散ってしまっただろうか

「詩の背景」
この詩を書いたのは、1300年ほど前の中国の詩人、孟浩然です。
彼は各地を旅したり、山にこもったり、自由気ままに生きました。
役人になろうと頑張ったこともありましたが、結局うまくいきません。
でも、出世はしなくとも、思う存分に朝ねぼうできる。
そんな生活から生まれたのが、この詩です。

「暁、東雲、曙の違い」
ところで、この詩では「暁を覚えず」と「暁」が出てきますが、夜明け前の表現にはこの他にも「東雲」「曙」があります。
皆さんはこの違いをご存じでしょうか?

実は、同じ夜明け前でも暁、東雲、曙は時間帯が違うのです。
そこで広辞苑を調べてみると以下のように説明していました。
・「暁」・・・夜を3つに分けた第3番目。宵、夜中に続く。現在ではやや明るくなってからを指すが、古くは暗いうち夜が明けようとするとき。太陽が昇る前のほの暗い頃。
       暁は、夜半から空が明るくなる「前」の時間を指します。「あか」がつくので、夜明けの空が赤い状態のことなのだとつい勘違いしそうですが、空は真っ暗の時間帯を言います。    

・「東雲」・・東の空が僅かに明るくなるころ。夜が明けようとして東の空が明るくなってきたころ。
       東雲は「暁」と「曙」の間の、空が白んでいる段階のことをいいます。

・「曙」・・・夜明けの空が明るんできた時。夜がほのぼのと明け始める頃。
       曙はちょうど日が出る直前の頃で、東の空がほんのりと赤く染まっているような状態を言います。

以上の3つの表現は、夜明け前の数時間の微妙な自然の情景を日本では区分して表現しています。
日本人の感性って凄いですね。

コメント (1)
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