令和3年2月も明日で終わり、いよいよ春本番となる3月がやってきます。
しかし、気温は未だ低く、昨日、一昨日と冬を思わせる寒い日が続きました。
その寒さも間もなく終わり、気も心も踊る、暖かく明るい春がすぐそこまで来ています。
昔から、正月から三月までは行事が多く、あっという間に過ぎてしまうことから、「一月(いちげつ)往(い)ぬる、二月(にげつ)逃げる、三月(さんげつ)去る」と表現されます。
今月を振り返ってみると、この表現のように、あっという間に過ぎ去った2月でした。
ところで、「逃げる」と言えば、「三十六計逃げるに如(し)かず」と言う諺があります。
この意味は、多くのはかりごとのうち、迷ったときには機をみて身を引き、後日再挙を期すのが最上の策であるという意で、中国の故事から生まれた諺です。
「諺の由来」
中国、南北朝時代に、南朝の王敬則が反乱軍を率いて、斉王の蕭道成(しょうどうせい)父子を建康(けんこう:現在の南京)に攻めたとき、斉王父子が遁走(とんそう)したという噂を聞き、南朝宋の名将・檀道済が「三十六策走(にぐ)るがこれ上計なり」と、魏の軍を避けた故実を引いて、斉王父子をあざけったことに由来しています。
元々は、敵前逃亡する者を卑怯者とののしることの意味でしたが、日本では、これから転じて逃げるを上策とする意にとられるようになったということです。