らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

正倉院展(その4)

2014-11-11 | 趣味

「正倉院展」シリーズ、最終回の今日は以下の4点をご紹介します。

伎楽面「酔胡従(すいこじゅう)」
赤ら顔に高い鼻、眠たげな表情の伎楽面「酔胡従(すいこじゅう)」は、縦29・8㎝、横21・8㎝、奥行き23・8㎝の桐(きり)製の面です。
2012年度の修復で、脱落していた鼻と右耳の修復を終ったことから初出展されました。
伎楽は、中国から伝わった古代の仮面舞踊劇で、天平時代、奈良・平城京でも盛んに上演されたようです。
そして、酔胡従は主人の「酔胡王」とともに、泥酔した演技で観客を楽しませたと言われています。

酔胡従のモデルは、5~8世紀に中央アジアで栄え、交易商人としてシルクロードを往来したイラン系のソグド人とされています。
その中央アジアではブドウの栽培が盛んで、2000年以上前からワインが醸造され、重要な交易品でもあったようです。



「金銀絵長花形几(きんぎんえのちょうはながたき)」
この「金銀絵長花形几」は長径49㎝、短径18㎝、高さ10㎝で、仏さまに差し上げるものを載(の)せるための机で、正倉院に伝わる中では、とても珍しい形をしているのだそうです。
天板はヒノキ製で緑色、縁は紫がかった赤色に塗られ、金や銀を溶いた顔料で花喰鳥(はなくいどり)などが描かれています。
脚の部分は白く塗った上に、植物の葉脈を描いており、天板の裏側には「東小塔」と墨書きされています。
この墨書きから、東大寺東小塔院への献物品を載せるのに使っていたと考えらているそうです。


「檳榔木画箱(びんろうもくがのはこ)」
この檳榔木画箱は仏にささげる献物を入れた箱と考えられており、大きさは縦23・5㎝、横33㎝、高さ11・1㎝です。
身(本体部分)、蓋にヒノキ材を用い、蓋と側面はシタン、ビンロウジュ、クワ、ツゲの薄板をひし形や三角形に切って貼り付ける木画技法で装飾されています。
黒い斑(ふ)の多いビンロウジュと黒紫色のシタン、褐色のクワ、淡褐色のツゲという色違いのモザイク模様がとても美しく作られています。
内面は身、蓋とも鮮やかな赤に塗られているそうです。



「御床(ごしょう)」
長さ237.5cm、幅118.5cm、高さ38.5cmのヒノキ製のベッドで、聖武天皇が使ったものと言われています。
装飾はなくシンプルですが、外枠の中はすのこ状に8本の部材を組み入れた丈夫なつくりで、その上に敷物と畳を置いて利用したようです。
宝物のリスト「国家珍宝帳」に記されている通り、正倉院には同じ形の寝台がもう一つあって、正方形となるように二つ並べて配置し、上には帳(とばり)を下ろしていたようだということです。