らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

正倉院展(その3)

2014-11-10 | 趣味

第66回「正倉院展」シリーズ、今日はその3回目です。

「白瑠璃の瓶(はくるりのへい)」
高さ27.2㎝、胴径14.0㎝、底径8.1㎝、重さ634gのペルシャ風のガラスの水差しです。
アルカリ石灰ガラスでつくられた瓶で、透明で少し淡い緑色をしており、上部には指を掛ける取っ手が付いています。
宙吹き(ちゅうふき:空中で吹く丸型が基本形)の技法で作られており、全体に気泡が入っているのが特徴だそうです。
類例や出土品などから、製作地は現在のイラク・バグダッド周辺が有力視され、シルクロードを通って唐に伝わり、日本にもたらされたと考えられています。


「桑木阮咸(くわきのげんかん)」
円形の胴にさおがついた、4本の弦を持つ中国ゆかりの弦楽器です。
長さは102.0㎝、胴の径38.2㎝です。
クワなどの材料で作られており、弦をはじくばちが当たる部分には、松の下で囲碁(いご)を楽しむ人たちなどが描かれています。(下に拡大画像あり)
楽器の名前の「阮咸(げんかん)」は、中国・秦の時代(3~4世紀)の思想家で琵琶(びわ)の達人・阮咸に因み、世界で正倉院に二つ残るだけの貴重なものだそうです。
この楽器の胴の裏側には、「東大寺」と記されており、東大寺の法要などで使われたものと考えられています。




「捍撥(かんばち)の絵」
弦楽器「桑木阮咸(くわのきのげんかん)」に貼られた直径約17センチの丸い革には、松や竹の下で囲碁に興じる3人の文人の姿が描かれており、古代中国の理想郷が表現されています。

・桑木阮咸の捍撥部分です。3人の文人たちが毛皮の敷物に座り、囲碁を楽しんでいる絵が描かれています。


「雑玉幡残欠(ざつぎょくのばんざんげつ)」
青や赤、緑、褐色など色とりどりのガラス玉を銀線で連ね、円形の籠のように編んだ品です。
これもシルクロードを通って西アジアか地中海沿岸からもたらされたとみられています。
ガラス玉には大小2種類あって、外側に大玉(直径8~11ミリ)を約100個、内側に小玉(直径3~5ミリ)を約2600個も使っているそうです。
同系色をグラデーションをつけて連ね、変わり目に黄色玉を数個、挟んでいるのが特徴です。
なお、「残欠」とは一部欠けていることを意味するそうです。