自分の意思とは関係なく、一方的に押し付けらたり、与えられた事を「お仕着せ」と言いますが、その言葉の始まりは別の意味から起りました。
今日は、この「お仕着せ」の語源について調べましたのでご紹介します。
この言葉は、もともと江戸時代に幕府から役人たちに、或いは武家や商家の主人から奉公人たちに与えられた衣服のことをいい、接頭語のつかない「仕着せ」或いは「為着せ」として使われました。
この「仕着せ」は、季節ごとに気候の変化に合わせて衣服を与えていたことから「四季施」ともいわれ、今で言う制服のようなもであり、ボーナスに近い意味合いがあったようです。
そして、幕府や主人からいただくものなので、丁寧に「お」をつけて、「お仕着せ」と言われたようです。
この「お仕着せ」が現在の使われ方に転じたのは、時候にあわせて衣服が与えられていたことから、何事も型どおり物事が進められる意味でも使われるようになり、
更に、それが転じて衣服だけでなく、上から押し付けられた決まりきった物事も「お仕着せ」と言うようになったようです。
漢字に書く時、一方的に押し付けられることから「押し着せ」と間違えやすいですが、元々、着物からきている言葉なので正しくは「お仕着せ」となります。