日本人はフランス語を誤解している!・・・と思うけどなあ・・・
フランス語系人のBO-YA-KI
途中からしかしっかり見られなかった映画は
しこたまお酒を飲んでから見に行った映画。やっぱりすぐに寝てしまって、ちょっと起きてはすぐ寝る、というパターンを繰り返し、それでも後半はなんとか目が覚めてみてました。
それでも不思議に違和感がなく、全部見たのと同じような気になった映画、『マダム・イン・ニューヨーク』。インド映画。一家のなかでひとりだけ英語ができない主婦のはなし。
これ、すごい。
なぜなら、各場面各状況が「現代」の「アレゴリー」になっているから。
アメリカ合衆国の価値観、Sex and the city、摩天楼の林立するニューヨーク・・・そして言語=英語が世界を覆う時代。
その周縁の人間、英語のできない人。しかし、インド人は自分たち固有の価値観というのはしっかりあるのです。
主人公の主婦、二児の母に愛を覚え、愛をささやくのが・・・フランス人なんだなあ! いろんな国の、いろんな人種の人がでてくる映画ですが、このポジションは、やっぱりフランス人。既成の秩序に動揺を与えてくる。そして、英語+ヒンディー語の映画の中にフランス語をシンボリックな形で聞かせるのです。
主人公は英語も苦手だから、フランス語が分かるわけではないのですが、それでも、だからこそ。
フランス語って、こういう位置にあるのですね。おそらく、昔も今も。
それでいいのかも、って思ってしまいました。
この映画に日本人は出てこないと思います(見逃した前半にも、たぶん出てないと思う)。これこそ、わたしが「日本というのは究極のアンチであるかも」という理由に繋がってくるのですが。
日本人は今はここに場を持ってないと言えそうなんです。今のところは、ね。
[追記] 売り切れだったこの映画のパンフレットを金沢・シネモンドさんにしつこく頼んで(すみません)、やっと手にいれました。「フランス人」の役のひとはMehdi Nebbou、父がアルジェリア人、母がドイツ人という人ですね。まさに「フランス人」です(これは皮肉とか、そういうのでないことに注意してください)。
監督のGaouri Shinde(女性)も、素敵なひとですね。
今のインドは、こんなキラキラ輝く映画が作れるんですね。
[2012年/インド/ヒンディー語・英語/スコープサイズ/134分/英語:English Version]ですか。言語のところには[フランス語]も入っていいところですね。
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