クヌギ、ケヤキ、コナラ、ムク、シデ、シラカシ、スギ、ホオ、ヒノキ、エゴ…・・・
義姉を誘って 雑木林を歩く。 武蔵野の風情をとどめる平林寺(新座市)は、 禅の厳しい修行道場である。 樹齢五百年の高野槙が出迎える。
紹介のページ (季節を変えて沢山の写真が見られます)
なかば黄いろくなかば緑な林の中… 澄みわたった大空が梢々コズエコズエの隙間からのぞかれて日の光は風に動く葉末葉末に砕け、その美しさいいつくされず… (國木田独歩 武蔵野)
下草は、 青々とした竜の鬚、蛇の鬚とも。 晩秋から冬の間、 碧黒い珠実をつける。 根元を分けるとひっそりと光って。 弾むこの実を、 鞠つきのようにして遊んだ思い出がある。
日当りの土うきうきと竜の玉 みづえ
鵯ヒヨドリや手にして淡き竜の玉 瓶子
青い耀きは 瑪瑙やラピスラズリ、 黒真珠か翡翠もある。 ふたりとも 夢中になって集めた。 万葉集にある 山菅ヤマスゲ は 竜の鬚とも言われるらしい。
ぬばたまの黒髪山の山菅に小雨降りしきしくしく思ほゆ 柿本人麻呂
紅葉の種類により、 かたちや彩りに微妙な違いがあること。 散り敷いた絨毯の模様に目を奪われる。 木の実を拾ったり 囀りを聴いた。
折しも 木の葉時雨に遇う。 金の蝶がくるくると舞い、 裏返り、 陽に照らされかがやく。 向かいの翳を横切り、 降りしきる。
ああ なんて美しい光景、 しっかり心に焼きつけておくんだ。
足裏の落ち葉もカサコソ快く、 枝付きを踏むと幽かな響きを伝える。 ドングリが砕ける乾いた震動や感触など小さな喜びとなってゆく。 落ち葉はベンチも隠していた。
足音を迎へさわだつ落葉かな 汀女
静さに耐えずして降る落葉かな 虚子
雑木林に遊ぶ楽しみ、 まさに いいつくされず…
蛙さんの写真にする目線・捉え方が、良いからもしかして私の方向も確かさをもって決めてくれたかも知れないんです。
それに貴女の言葉群も味わい深い…青い実を夢中に集める姿を思い浮かべて、そうだ!私もこの目で晩秋の中に浸ってこようかなと思いました。
こちらこそ、 soraさんから頂くものが多いです。 自然を人生に重ね… かけがえのない時間を大切に、しみじみ味わいたい。
それが伝染したのならうれしゅうございます。 義姉もこんな楽しみ方は初めてと喜びました。
通りすがりの人たちも覗き込む、年配者でも竜の玉を知らなくて驚いていました。
里山の魅力をぜひ満喫なさってください。
上品な画像を大きくして、歴史と一緒に愉しませていただきました。
秋の澄んだ空気、日差しの中で童女に戻っての収穫も、美しくスナップされて、句と一緒に味わいました。詩人には一年で今が一番充たされたこころ豊かな時が流れているようですね。
落ち葉を踏む贅沢は、有り余る許りですが、飽きることはありません。時雨の日を挟んだのでまだ今日も木の葉の片付けがあります。ただ軽い秋の木の葉は、不思議に苦にはなりません。さまざまの楽しみの一つが落ち葉に埋めた焼き芋です。
コラムを飾った扁壺か、四方とおもえる花入れをつくった姉ですから、乾山の話もあり、こころ豊かな時間でした。焼き芋や焼き栗、里の秋を思い出します。
平林寺は我が家からも近いのですよ。
私が家事をしている午前中、夫は散歩に出掛けますが、時にはバスも使って平林寺へ足を延ばします。今秋は3回位訪れたはずです。
近い内に私も一度夫と平林寺へ出向きたいと思います。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
平林寺のお近く…うらやましい。 車で約50分。電車では朝霞でバスに乗り換え、以前はバスが何本もなくてだいぶ待たされました。 ひとりの時は電車です。 何度でも訪ねたい場所。
お母様の思い出を大切に ゆっくりとお元気だしてください。