別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

ははそ

2010-12-02 | 自然や花など
       

   公園内、 茶室のそばの柞(ハハソ)の黄葉 
  「ははそ」とはクヌギやコナラの総称である。

 写真は クヌギの葉より丸味を帯びているので、 コナラかも知れない。 モミジや銀杏の明るさに対抗して落ちついた美しさだ。 柑子色  鬱金色 刈安色 山吹 樺色 黄土色 金茶  代赭色… など混ぜたような渋い色。 この、 こっくりした色が大好き。

 

        

  雑木林の、もっとも美しい季節が二回ある。 若緑のふきだすころの春と、橙黄色にもえる深秋だ。 そういえば、 万物すべて、生まれる時と、滅びる時に、 その美の極致を発揮するのではなかろうか。(足田輝一) 

   黄土色  刈安  代赭色       

    黄土色   刈安色   代赭色

               -☆-

 

     

  葉を落とした公園の皀莢  実があらわになった。 
  莢がふたつそろって 風にゆらゆら。
    

  公園を見晴らすモミジバフウは、威風堂々。 掌も大きい。

    をりとりてはらりとおもきすゝきかな  蛇笏

  風にもつれる細い薄の  思いがけない重さよ 
  尾花、 芒、 真赭 まそほ(マスオ)の芒。
 
 花すすき月の光にまがはまし深きまそほの色に染めずは  山家集

  真赭の芒、穂がつやつやと赤味を帯びている大きな芒。
 
 いかにせん結ぶ木の実を待たずして秋のははそに落つる山風 (海道記)

  12月にはいっても 暖かい日が続いている。
  しばらくは 薄や柞などの朝な朝なの変化を楽しもう。 

         

        遊歩道のクヌギ

 

 


2 コメント

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もう一杯 ()
2010-12-04 17:36:15
 ふくら雀さん 白居易の焚き火の香りがします。 そして「験シルシなきものを思はずは一杯ヒトツキの濁れる酒を飲むべくあるらし」と旅人のようにできればいいのに。蛙は人生で大損をしたような気持になります。 一口でもう一杯…
 
 代赭色の紅葉を堪能して近づく冬にバトンタッチ。いくらみてもこの彩りは飽きませんね。自分の学習を忘れないために残します。きょうも一杯撮しました。メモリはもう一杯一杯です。

 快適な住まいのためにお休みをガマンしてお待ちします。お疲れが出ませんように。あまりご無理をしては駄目ですよ。
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堪能したもみじ (ふくら雀)
2010-12-04 07:59:31
居ながらにして、色を増して代赭色の秋の終末までの、造化の妙をみせる紅葉を、今年ほどじっくり味わったことはないような気がしています。
それも、蛙さんが切り取ってくださる選ばれたたたずまいで、一層美しいものに昇華いているものを心ゆくまで楽しめました。葉を落とした皀莢のシュール、蛇笏の句にぴったりの薄の銀色の量感の輝く美しさ。本当にありがたいことと感謝しています。

昨日の強風で散りを急ぐ紅葉は、日をおってすがれた姿に変わることでしょう。後は「林間ニ酒ヲアタタメテ紅葉ヲ焚ク」の風流を懐かしむだけとなり、落葉の始末が待っています。

来年早々と思っていたリホームの作業が年内納めとなり、慌てて荷物の整理です。パソコンを開けることも出来なくなると思います。しばらく自分のブログはお休みにします。
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