零余子を蒔いたのを 忘れていた。 実は いい加減にパラっと撒いたのだった。
南天に這いあがる蔓を辿れば あらァ… こんなにあった。 大きさはインゲン豆から小豆粒くらいまで。 この小豆、 極小ながら濃厚な味をしっかり身につけていた。 バターで焼いて塩コショウして ご飯にのせ… ホクホクして 美味しかった。
こういうのを ジンジュクというのだろうか。 母はよく 「ジンジク」なる言葉を使った。 何であれ、 内容に対して言ったと思う。 ときには ジンジクした体つき などと。 文字に当てはめることもなく、 聞き流してきた声が 突然耳の奥をくすぐった。
あの地方だけの言葉か。 果たして 純熟のことだろうか。 ジンジクと聞こえたが、 辞書にはない。 零余子の半分は蔓に残していて、 あと何日か、 ジンジクするまで 楽しみ。
それとも 尽熟?
今夜は二度目の零余子飯を炊きます。秋の味がします。塩と酒を加えて、昆布を乗せるだけです。
バター焼きは酒の肴に絶品ですよね。
甚熟、か、尽熟か、ステキな単語ですね。秋に相応しい実りの豊かさを実感できます。
当地方では、熟柿は、”じくしがき”と申します。
"年にじんじくしている。"
という用例が出ていました。埼玉県秩父、群馬県勢多郡での方言のようです。
名前をまた記入洩れしてごめんなさい。自分では入れたつもりなのですが。
小粒ながら実にふさわしい、独特の風味でした。 boa!さん 二度目の零余子飯は、秋のジンジクしたお味でしたか。 漢字は尽・甚どちらでも良いですね。ジュクシは熟柿で覚えましたが、「じくしがき」となれば、さらに甘く色良くしあがっているのでしょう。母は熟して柔らかくなった方が好きでした。 これこそ「じくしがき」でした。どちらもジュクからジクになるところが面白いですね。
日あたりや熟柿の如き心地あり 漱石
ありがとうございます。