別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

先輩の虫Ⅱ

2006-08-27 | 別所沼だより


 蝉しぐれと車輪の音 沼の南側をバスが通る。  騒音も木立に和らげられて遠のいていく。 まったく気にならなかった。
  ハウスの窓を開け放つ。 蛾が待ってましたとやってきて、縞柄のうえで休んでいく。揺すっても、振りまわしても動じない、クッションから離れない。 よほどここが気にいったらしい。  大きな蜂まで飛び入りして大騒ぎになった。
    

                -☆- 

 つかのまをここで過ごした、ここの空気を吸った。 寝ころんで雲の行き来を眺めたに違いない。
 「そこはよい見晴らしであつたから 青空の一ところををくり抜いて皿をつくり 僕たちは雲のフライなどを料理し…  
  花粉と蜜は 僕たちの調味料であつた。 
 -略-   
 さて、このささやかな食事のあとで、きれいな草原にねころぶと、僕の切り抜いたあとに晝間の月があつた。 それをあなたはハンカチに包んで大切さうにうちへお土産にした… 」  一日 立原道造 

 道造を追体験する。これほど長く沼の畔にいてもまったく飽きない。 指南役のkさんも、 この草を刈りとって、道造のように寝ころんでみたい。 と言った。  

 初めてあったkさんと 意気投合しガイドを終える。 来場者6名 
 日誌をみると  多かった日は500名以上とある (数え切れない、多国籍言語とメモ書きしてある)  はとバスの方が来た日、など 団体さんが来ると300名とか 特別なのだろう。 

               -☆-

  昼食は交代で。 塩鮭の匂いは道造の詩に似合わない、 持参のお弁当を外のベンチで食べた。 沼風が気持ちいい。 ミズスマシが泳ぐ。 向かいの店から蒲焼きの匂い。 浦和はむかし、 ウナギがたくさん捕れた… 

                -☆-

  kさん  昨日はお世話になりました。 ご希望の職業に就いて この紙魚クンとも友好的なお付きあいをつづけてくださいね。  あなたの企画展を拝見する日を楽しみにしています。 ヒアシンスハウスでいっしょに過ごした夏を、 ずっと覚えているでしょう。 またお会いできたら幸せです。                       


2 コメント

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ボランティアガイドさん (sora)
2006-08-31 10:11:23
先日、佐原でやはりボランティアガイドさんに半日付き合っていただきました。

伊能忠敬の記念館や忠敬にまつわる話が多い町のこと。彼女が「忠敬先生…」と言われ心から崇敬なさっていらっしゃる様子。測量の方法なども少しは手伝ったのかと思われるほどよくご存知!若々しく声が乗っていて、歩調も闊達な81歳のご婦人。素敵でした。

その対象の方を、尊敬しその方が好きだと思って案内してくださっている方から説明を受けると、それはそれは深く聞き入ってしまう。…いいですね。ラグタイムさんにガイドされて、このページを楽しませていただける幸せを思っています。
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これから (ラグタイム)
2006-08-31 11:06:50
勉強します。 いらっしゃる方の方がよくご存じで、教えて頂きます。 先日のお若い先輩も、よく勉強されていました。



 蛙のせいで 印象が変わっては申し訳がありませんね。 心して…



 soraさんも意欲的、雄弁の秘密がそこにあります。 また教えてください。」

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