退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「『迷い』が読者を誘う古典小説と『緩い』が楽しめる映画あるいはアメリカの地方の現実に『超能力』で味付けた映画」について

2024-05-16 04:22:12 | Weblog
くもり。夜に少し降る。

ジェーン・オースティン「説きふせられて」を読む。

若き日に自分が信頼するラッセル夫人の忠告を受け入れ。
ウェントワース大佐の求婚を断ったアン。

8年の時を経て思いがけなく彼と再会することになり。
果たしてその結末や如何にというお話。

著者の本領はどうやら「主人公の独白」にある模様。
その「リアルさ=迷い」が読者を先に連れて行く格好。

ヴァージニア・ウルフが本作を評価していたとのこと。
もっとも訳者の評価は信用しないけれど。

アレクサンダー・ウィット「サイエン 最後の戦い」(’24)を観る。

三部作の中では一番盛り上がったかも。
何より88分でこの内容を描ける事実を忘れずに。

もちろん全体的には「緩い」のだけれど。
前二作を観ていると「慣れ」が生じて。

おまけに過去のシーンの引用が記憶を刺激して。
「仲間を死なせながら多国籍企業の悪行を暴く」という切なさもあり。

このチリ映画は悪くないかもと思わせる出来。
ただし全部観ないとそうは思えないかも。

ニック・ラヴ「アメリカン・ヒーロー」(’15)を観る。

放埓な暮らしのせいで離婚した主人公に「超能力」を結び付けた設定がなかなか。
何より彼は息子に会いたくて。

主人公を取り巻く仲間たちとの関係が好ましく。
とりわけ車椅子のルシールとのそれが味わい深く。

ギャングが蔓延る町の「乾いた感じ」がいかにも。
子どもにもクスリを売ることを忘れずに。

知らぬ間に死にかけて一度は「クリーン」になったメルヴィンだが。
中途半端な「ギャング退治」のせいでルシールが撃たれることになり。

その「障害からの復活」が「カタルシス」か。
ラストシーンには微笑むのみ。
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