退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「『わたしはわたし』を貫く漢詩人と『階級』を敢えて水平に描いた作品あるいは『王朝物語』と月並みな暮らしのありがたさ」について

2020-01-26 02:30:26 | Weblog
晴れ。おだやか。

「頼山陽詩選」読了。

なるほどこの描写は生き生きとしている。
現代人が読んでも目に浮かぶような。

鷗外の歴史小説で知った菅茶山が印象に残る次第。
かの老人は案外著者をからかうことも。

生活の苦しさゆえもっと他人に鷹揚にという妻に
「That's me」と言い放つ姿にふむふむ。

何とも厄介な御仁ではある。

ボン・ジュノ「スノーピアサー」(’13)を観る。

「地球温暖化」を防ぐために散布されたCW-7によって寒冷化した世界で生物は滅び。
人類は「特別列車」の中で生き残るのみ。

前半はやや重いが主人公の告白から一気に盛り上がる趣き。
いかにもな「階級闘争」が描かれる一方。

要は「これしかないという現実」の外に出よと。
列車の前後を使って敢えて「水平な階層」に例えた描写にふむふむ。

物語は魯迅のように「子どもを救え」。
「壁」のように見えたものが「外の世界への扉」であることも忘れずに。

ウォシャウスキー姉弟「ジュピター」(’15)を引き続き観る。

「こんな生活はイヤ」と言っていた主人公はなぜか「陛下」に。
地球が「農場」である設定よ。

「宇宙王朝もしくは姉弟の争い」が生み出す物語。
ここでもなぜか「母殺し」が。

「宇宙の理」を体得しているはずの主人公はその力を発揮しないままに終わる謎。
「ヘタレ男子」に「あたしはあんたの母親じゃない」というお決まりの台詞など。

「身分違いの恋」という定石もあり。
「水に溶ける絵具」のような描写があちこちに。

このお話はスターウォーズより面白いかも。
少なくともそこを意識していることは確か。

「イベント」でなく「物語」が面白いのだという「主張」だと受け取っておく。
続編が生まれるのかどうか。

個人的には本作で終わってもらいたい。
「善が悪」に「悪が善」に変わるパターンはすでに知っているので。
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