もふもふランド♪

たくさんのわんこと もふもふしてます。
    by ぷーどる♂ & ぷーどる♀

世紀末のパリ ~ミュシャ館~

2019-10-23 10:15:37 | ぷ♂の日記
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「即位礼正殿の儀やね!」
「お休みやね!」



というわけで、昨日はおめでたい祝日で全国的に急遽お休みになりました。
とはいえ、私はそれとは関係なしに、火曜日なので定休日。

朝一番わんこと共に散歩に出て、こうして日の丸を掲げたら、
さて、今日は何するべぇな…

てっきり雨だと思っていたのに、結構晴れ間も見えたりするので、
ちょいと出かけることもできそうな感じだから、あきらめていたあそこに行くことにしよう!


向かった先は数か月ぶりの…

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ミュシャ館!

ちょうど先週末に新しい展示が始まったとこなのでナイスタイミング!
今回は「世紀末のパリ」と題して、
ミュシャが活躍したころの19世紀末のパリの雰囲気を、
大衆美術として台頭し始めたポスターを通じて体感してみようという展示内容だそうです。

さてではどんなもんかな~♪


ん?

おや?!


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即位礼正殿の儀を祝して入場無料?!


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「やった~!」
「天皇陛下バンザ~イ!」



というわけで、予期せぬラッキーで気分よく入館。

さてさて、前述のように今回の展示は19世紀末のポスター類を通じて当時の雰囲気を味わうというものですが、
そもそもなぜポスターなのか?
むろん、それまでもポスターはたくさん存在していたのですが、
それらのほとんどはあくまでも「広告」であってそれ以上のものではなかったのです。
ですが、19世紀末の大きな芸術の波がポスターのデザインにも影響を及ぼした結果、
出来上がった多くのポスターが単なる「広告」にとどまらず、
新しい表現方法の試行の場となり、結果様々な表現の可能性が広がりを見せ、
メッセージ性は保ったままで全く新しい形の芸術作品として出来上がっていったのです。
すると、そういう形になったとはいえポスター本来の目的は、
「多くの大衆の目に触れ、興味を引くこと」であったから、
張り出される(展示される)場所は美術館などではなく、
衆目の集まる街角や、また多くの人の目に触れる印刷物など、
いわゆる一般大衆の目に飛び込みやすい場所でありました。
またその流れはポスターにとどまらず、カレンダー、各種製品のパッケージなど、
多岐に渡ったため、結果、一般家庭の中にも広く浸透するととなり、
それまで限られた階級の楽しみであった「芸術」を、
個々の家庭の中にまで一般化、浸透させることとなったのです。

これは時代的に戦争のない平和な時期であったこと。
また技術革新が起こり大量生産が可能となり、消費が美徳のようなの傾向が出始めたり、
時間的余裕から余暇を楽しむ新たなレジャーブームが沸き起こってきたことなども大きな要因です。

そういうわけで入館してみると、展示は大きく3つに分かれております。
その最初の展示の中心は華やかな消費文化を盛り上げた派手なポスター軍。
様々なポスターがあるものの、共通していえるのはカラフルな色彩と大胆な構図。
これらは文字以上に視覚に訴えるので、興味を引くという点では全く効果的!
とはいえ、それらはただ単に奇をてらって目立つというたぐいのものではなく、
構図やデザインは、やはり各々の製品のイメージを魅力的に見せるために考えつくされており、
そういう意味では、書かれている文字さえも、一つのデザインとして巧みに利用されております。

だからこの手のものは文字が読めなくとも直感的に言いたいことがわかるようにできているので、
ある意味一枚の絵ながらストーリー性に溢れており、
一枚絵であっても、眺めているといろいろ思いが巡るので結構楽しい♪

ここでは、初見のミュシャの作品が数点見れて嬉しかったのとともに、
い甘で知らなかった作家のポスターにくぎ付けに。
ピエール・ボナール(Pierre Bonnard)か…
この人のポスター群はかなりいい!
機会があればぜひ見に行きたい!


というわけで、結構気分が上向いたまま次の展示室に入ると、
今度は打って変わってどんよりと重く沈んだ雰囲気。

というのも、前述のように平和の中消費文化を楽しんでいた19世紀末は、
その平和は世界各国の一時的な停戦条約の基づいたものであるから、
それがいつ破られ、再び戦火が起こるともわからない、そういう不安定な時代。
それゆえ、見た目に派手な人々の生活ながら、その内面は絶えず不安にさらされており、
その雰囲気が世の中を広く覆っていたのです。
それゆえに、この時代の多くの作家は人間の内面世界に興味を示しました。
またその手法として、今から見れば未熟な心理学なども重視され、
時にはオカルトと呼んでもよい範囲のもの(降霊会など)も広く知識層を中心に広がりました。

ミュシャも多分に漏れずほぼオカルトにのめりこみ、
アトリエなどで多くの事件をし、その様子を写真やスケッチに記録し、
それらは、直接的に、間接的作品へと投影されました。
ですので、それらのイメージの多くは不安、狂気などであったため、
それらを払拭したいという気持ちもあってか、のちに「救い」、「祈り」というテーマが増えてゆきます。
詰まり宗教画の方向にも向かったわけです。
そういう意味では、彼の人生最後の集大成というべき「スラブ叙事詩」も、
救いと祈りの宗教画であると言えますものね。

そういうわけで、ぐっと息の詰まるような展示の後は最後の展示。

こちらは時代が代わり20世紀初頭のポスター群。

すでそこにはアールヌーヴヴォーの面影はどこにもなく、
直線的で、鮮烈で、直接的。
視覚に直接訴えてくる刺激的で抜身のように直接的な作品群。
工業化が進んだ影響か、訴えてくるその姿もどこか機械的。
そこにはもう、書かれている事柄の背後にあるストーリは全く読めない。
というか、読むよに思いを真グラセル余裕がそこにはない。
だって、メッセージ、それ自体が直接的に頭に響くから。

でも、この感じは、私が子供のころ見慣れた傾向であるから、
これはこれで、素直にデザイン性を楽しむ、そういうとらえ方ができるのも事実。
というか、むしろこの方が、自分の好き嫌いを確実に迷わず判断できる。
そういう意味でも、私の頭はやはり20世紀なんだなと感じたりしました。


そんなわけで、今回はミュシャ作品を数多く見たいという方には少し物足りないでしょうが、
代わりに多くの貴重な作品群が見れるのと、
ミュシャ作品も珍しい習作も展示されていたりと結構サービス性も感じられるので、
ぜひとも機会があれば皆様も!

そうそうそれに…

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ミュシャ美人たちとの記念撮影もできるよ~!

だからぜひどうぞ♪

堺 アルフォンス・ミュシャ館
今回の展示は前期 2019/10/19~2020/01/13  後期 2020/01/17 ~03/01 のようです

後期も行かねば!ヽ(^∀^)ノ


そんなわけで、今回も大満足♪

ウハウハ気分で館を出た後は、帰り道にある兄の経営する会社にちょいと顔を出してみることに。
実は毎回こうして立ち寄るのですが、
私と違い仕事熱心で働くのが大好きな兄は、とっても多忙!
だから毎回不在で会えないもんだから今回も無理だろうなと思っていたら…

あ!おった~!

というわけで、たぶん数年ぶりの兄弟の再会を果たし、
後は気分よくいつもの河原へ♪


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さ、帰ってわんこと遊ぼう!
コメント
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