pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

ビッグフィッシュ@日生劇場2階B列センター

2017-02-08 21:17:18 | 観劇/コンサート

  

 

脚本:ジョン・オーガスト
音楽・詞:アンドリュー・リッパ
演出:白井晃振付:原田薫/Ruu
衣裳:前田文子

<出演>
川平慈英/浦井健治/霧矢大夢/赤根那奈/藤井隆/JKim/深水元基
りょうた(Wキャスト)
鈴木蘭々/ROLLY
東山光明/大谷美智浩/加賀谷真聡/風間由次郎
中山昇/樋口祥久/遠藤瑠美子/加藤梨里香
小林由佳/菅谷真理恵/谷口ゆうな/真記子

<あらすじ>
 エドワード・ブルーム(川平慈英)は昔から、自らの体験談を現実にはあり得ないほど大げさに語り、聴く人を魅了するのが得意。

 自分がいつどうやって死ぬのかを、幼馴染のドン・プライス(藤井隆)と一緒に魔女(JKim)から聴いた話や、共に故郷を旅立った巨人・カール(深水元基)との友情、団長のエイモス(ROLLY)に雇われたサーカスで最愛の女性、妻・サンドラ(霧矢大夢)と出逢った話を、息子のウィル(浦井健治)に語って聞かせていた。

幼い頃のウィルは父の奇想天外な話が好きだったが、大人になるにつれそれが作り話にしか思えなくなり、いつしか父親の話を素直に聴けなくなっていた。そしてある出来事をきっかけに親子の溝は決定的なものとなっていた。

 しかしある日、母サンドラから父が病で倒れたと知らせが入り、ウィルは身重の妻・ジョセフィーン(赤根那奈)と両親の家に帰る。
病床でも相変わらずかつての冒険談を語るエドワード。本当の父の姿を知りたいと葛藤するウィルは、以前父の語りに出ていた地名の登記簿を見つけ、ジェニー・ヒル(鈴木蘭々)という女性に出会う。

 そしてウィルは、父が本当に伝えたいことを知るのだった-。


 

昨日幕をあけたばかりの「ビッグフィッシュ」に行ってきました。今まで〇〇年生きてきて一番好きな映画の舞台化、しかも浦井君ご出演ということで、かな~り期待して開幕を待ちました。実は今度の日曜に娘と行くつもりが、昨夜チケットが天から舞い降りて。。。急遽日生劇場へGo! 「川」が大きな意味を持つ作品を意識してか、2階席のふちと天井には川を思わせる青い照明。スクリーンには時々水滴が広がるような輪が現れては消えます。舞台美術はティム・バートンの世界そのもののようにファンタジック嫌がうえにも期待は膨らみます2階からの照明は本当に幻想的で美しく、うっとりプロジェクションマッピングがふんだんに使われ、この作品を象徴するような大きな魚が画面に優雅に踊ります。(ちょっと染様のラスベガスの鯉つかみとか思いだしたりして)

ストーリーは映画とはちょっと違うかな?と思う部分もありますが、ミュージカルならではの華やかさがたっぷり。わくわく加減がヴァンパイアを思い出す場面もありました。オケピを池に見立てて人魚がふちに現れたりするのも楽しいです2階からは見えなかったのですが、キャストがオケピから舞台に上がるシーンも何度かあったので、通路使いもあったのかもしれません。サーカス、水仙、魔女に狼男、幻の竜との戦いファンタジック美しく幻想的なシーンと現実の重さとの対比がとても鮮やかです。さすが白井晃さん。全体的にとても丁寧に作りこまれた作品だなあと感じました。

霧矢さんのサンドラが本当に素敵サーカスに現れた少女の頃から、夫エドワードを看取る年齢までを無理なく演じてどの姿も美しかったです。パパの紡ぐ物語を聞きながら子ども時代のウィル(今日はりょうたくん)が、「パパの話に出てくる美人はみんなママなんだ」というのもウケました。うらやましい。あなたと出会った時、ひと目で魅かれ世界が止まる。

川平さんと霧矢さんの夫婦が本当に素敵パパが相当破天荒で大活躍なぶん(川平・霧矢オンステージの感もあり。)浦井君はかなり抑えた大人の演技です。歌い上げる「ストレンジャー」の曲が力強く2階にもズカーンと届きました。ある意味ストーリーテラーのようにパパの物語(ちょっと盛ってたりする)の展開を舞台袖で見守っています。変身()ダンスシーンのかっこよさは必見!お楽しみに!

映画とは味付けが違うなーとか、あのエピソードはカットかな?などと思いながら観ていましたが、パパの最後の病室脱出シーンあたりからだんだんとこみあげてくるものがあり、最後はもう涙で舞台が見えなくなりそうでした。暗い病室のベッドから解放され、自由に大好きな場所へ飛び出し、大好きな人たちひとりひとりにきちんとお別れが言えたらどんなにか幸せなことだろう。亡くなった父の姿と重なって涙がとまりませんでした。

幸福感いっぱいの物語です。

ただ、終演後のロビーでも話している方がいましたが、これは映画を観ていないとわからないだろうなあという部分がいろいろありました。あのラストも、なんで危篤の人が??と思ってしまうとわけがわからないかも。映画DVDつきのチケットがあったのもそのせいかな?などと思ったりしました。