地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

2010-09-17 00:00:00 | 日本語

yuuが日本海のことを想っていた頃、私は、日本海の雄大な景色に臨んでいた。
日本海側で生まれ日本海側で10代までを過ごした私だが、こと海に関しては、なぜだか太平洋側に思い入れが深い。自分の現在の精神性を形作る土壌となった土地、東京に長く暮らしたせいかもしれない。

しかし、新潟に暮らす今、当然のように日本海の風景にも興味が湧いた。
会う人会う人、「佐渡には絶対に行った方がいいですよ」だとか、「夏の日本海岸のドライブは気持ちがいいですよ」という言葉を掛けてくるものだから、ますますその想いは募ったものだ。

そして、実際に訪れたのは、「日本一海に近い駅」で有名な青海川駅近辺。中越地方に位置するこの場所は、あまりイメージは良くないが柏崎の刈羽原発にほど近い。
しかし、そのイメージを完全に覆すような、シュールで静やかな風景がそこには広がっていた。周囲には黒く険しい岩山が聳え、切り立った岩山の陰影と、碧き海の上にぽっかりと浮かんでいるかのように見える駅名標が、なんとも絵になる。

汐に侵されて錆びのこびりついた階段の鉄骨や、簡素な造りの駅舎など、日本のそれではなく、ヨーロッパのどこか田舎の駅の風景を彷彿とさせるその駅の佇まいは、無人駅のひっそりとしたその空気感と共に、あたかも海の「鼓動」までもが聞こえてくるかのような、風景との親近性を感じさせてくれる。

風景そのものの中に埋没するこの駅のホームからは、天気がよければ日本海に沈む燃えるような紅い夕陽を仰ぎ見ることが出来る。地平線いっぱいに残照を漂わせながら陽が沈みゆくその光景は、yuuも感じているように、心締め付けられる光景に違いない。

しかし、残念ながら私が訪れたその日、海は台風前のどんよりした空の色をそのままに飲み込み、太陽が姿を見せることはなかった。(m)


日本の海の記事が続きましたが、夏も終わり。次は秋の話題が読みたいな?!
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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (株式会社GB 金井)
2010-09-17 15:03:22
はじめまして、クレセールという情報誌を編集しております金井と申します。
突然の書き込みすみません。
今回、幣誌の方でぜひ地球散歩さんのブログを
ご紹介させて頂きたく、書き込ませていただきました。
もしよろしければ、大変お手数なのですがメールにてご連絡頂けないでしょうか。
アドレスは gb2☆gbnet.co.jpです。
(☆を@でお願いいたします)
何卒よろしくお願い申し上げます。

GB 金井
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駅に… (yuu)
2010-09-17 17:15:59
大きな太陽が見えるんですねー!見てみたい^^
太平洋への思い入れ、すごく分かります。
私にとっても、海といったら絶対に江の島&葉山だったので…
でも、住めば都ってことで、どこもそれなりにいいところありますよね^^
新潟の海もきれいだろうなぁぁ!いつか訪れてみたいです♪
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金井様 (mitra)
2010-09-18 00:46:32
ありがとうございます。
当ブログは複数人での運営のため、現在他の者に確認中です。
確認取り次第、メールを差し上げるように致します。
返信する
yuuさん (mitra)
2010-09-18 00:48:46
葉山は私も思い入れたっぷり!
私もあの辺りは、人生の転機にはよく訪れたなあ。鎌倉も近いし、好きなんですよね~。
でも、冬の日本海の風景もすごく見てみたい。
山形の海とか、よくテレビに登場するけど、ちょっとばかり北上して行ってみようかしら。
yuuさんも新潟に遊びにきて~☆
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Unknown (miriyun)
2010-09-18 11:30:53
青海川駅のすぐ左に見えているのが海なんですね。
ここから海に向かって視界が開けるって、駅に立ったらどんなにか気持ちのよいことでしょう。
 また逆に嵐の日には、この駅は使えるんだろうかとちょっと心配になる位置です。

 でも、確かに海の「鼓動」が聞こえてきそうな位置、そして夕日が眼前に広がる位置、ビジュアル的にも感覚的にも惹かれるものがあります。
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miriyunさん (mitra)
2010-09-19 00:25:26
あまり良い写真が無く、海を臨み見る雰囲気の出ていないのが残念なのですが、そうです!すぐ左がもう海なのですよ。この日は、駅名標を正面から捉えるとホワイトアウトしてしまう感じの天候でした。
嵐の日、台風の日など、どうなっているんでしょうね。
でも、天気に恵まれた日には、人の姿も殆ど見られないこの場所ですから、海を独り占めしているような気分になれるかもしれません。
確かにピクチャレスクな場所ですから、miriyunさんのように写真撮影のプロの方がいらしたら、きっと良い写真がたくさん撮れるでしょうね!
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Unknown (金井)
2010-09-21 12:16:09
コメントのご返信ありがとうございました!
その後いかがでしょうか?
お忙しいところ、大変申し訳ございませんがご連絡いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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Unknown (タヌ子)
2010-09-22 01:00:52
ここまで海に近い駅は滅多にありませんね。
ここに駅を作ってしまった大胆さにも感心しますが、冬の冷たい海風を受けながら電車をじ~っと待ってみたい気もします。
私にとって一番親しみのある海は4年半過ごしたギリシャのエーゲ海ではなく、今年4年目を迎えるクロアチアのアドリア海でもなく、子供の頃、毎年夏を過ごした日本海です。
新潟から佐渡へ向かうフェリーの甲板から見る、黒に近い深い青に泡立つソーダ色の飛沫を飽きることなく見つめていた事を懐かしく思い出します。
切り立った崖に打ちつけて砕け散る荒波を見ていると、妙に元気が出る私です(笑)
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タヌ子さん (mitra)
2010-09-22 23:48:33
タヌ子さんにとっての日本海は、私にとっての東京と、すごく似ているんだろうなと思います。風土は人間の精神性を形作るとはよく言ったものです。
まだ佐渡へは渡ったことがないのですが、タヌ子さんが船の上から眺め下ろした暗色のソーダ色の海、頭の中に鮮やかに浮かんできます。
エーゲ海も、バイロンが喩えたように「葡萄酒色」の深みを湛えていたり、地中海近辺も場所によっては深い深い色合いをしているのでしょうが、それともまた違ったdeepさが、日本海の海にはありますね。周囲の岩がちな風景なども、その印象を持つことに貢献しているのでしょうが。
タヌ子さんとはいつもすごく似た美意識を感じさせられるのですが、海に関してのみは好みが違うのも個人的には面白いなと思っています。
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Unknown (さらさ)
2010-09-23 15:24:54
江ノ電の鎌倉高校前を思い出しました。
海の見える駅、大好きです。
「日本一海に近い駅」・・まさに海の目の前ですね。
ホームの柵を飛び越えて砂浜に降りてみたい誘惑に駆られます(笑)
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