花
待ち望んだ春の訪れを感じながら寒の戻りに凍える日もある3月。この時期に咲く菜の花は、日だまりや暖かさをイメージする黄色と大地に萌える若草の色だ。雛飾りの横に活けた桃の花に添えられた一輪、里山に群れて咲く黄色の絨毯、いずれも春の明るさやエネルギーを届けてくれる。
菜の花で思い出すのは山村暮鳥の「純銀もざいく」という詩。暮鳥は明治、大正時代に室生犀星や萩原朔太郎らと活動、40歳の短い生涯をキリスト教の布教、詩歌や児童文学の制作に捧げた詩人である。
平仮名だけの「いちめんのなのはな」が8行×3連という繰り返し。各連に「ひばりのおしゃべり」「かすかなるむぎぶえ」「やめるはひるのつき」と1行だけ異なったフレーズを挿入している。初めて読んだ時は、こんな詩があるのかと驚いた。大正時代とは思えない斬新さである。
菜の花が延々と咲く黄色い春の野を、これほど端的に表現した詩はないだろう。文字と言葉を並べ、小さな大理石を組み合わせて作るモザイク作品のように風景を描き出している。(さ)
いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな ひばりのおしゃべり かすかなるむぎぶえ やめるはひるのつき いちめんのなのはな いちめんのなのはな いちめんのなのはな
イスラエルも菜の花がいっぱい咲いてきました
みんなマスタードっていうけど
菜の花はマスタード・・・?
そちらはどうですか?
またのぞかせて下さい(*^^*)
あゆさんはイスラエルにお住まいなんですね。
やはり菜の花が咲いている時期とのこと。私が住んでいたギリシャも今時分は菜の花がきれいでした。
「マスタード」・・色は確かにマスタードですが・・・面白いですね。
是非またいらしてください!そちらにも伺いますね。
ラストの一文を読んだ後に、実際に列をなす文字を見つめると、多彩なモザイク作品を眺めているような気分になりました。
現代でも十分新しい感じがします^^
菜の花いいですよねー。
春が待ち遠しいですね☆
ギリシャの島で海に向かって咲く菜の花を見た時に、昔、現国語で習った詩を思い出しました。
ちょうど習っていたモザイク的なイメージとも重なって・・・あぁ、懐かしいなぁ。
菜の花はまさに春の訪れを告げる花。
雪国に住むyuuさんのところにも菜の花が咲いて春の喜びが訪れるといいですね。
文字を書くものとして、文字表現を楽しませていただきました。
大正時代の作品とは思えない新しい表現で、言葉の可能性を感じさせられますね。