ピッコロ便り

ピッコロシアター、県立ピッコロ劇団、ピッコロ演劇学校・ピッコロ舞台技術学校など、劇場のトピックをご紹介します。

高校教師佐藤です。 10月のまとめ

2008年11月10日 | 劇場の話題

ホームページをご覧の皆様、ひと月ぶりにお目にかかります、高校教諭佐藤です。

 

先月の研修報告で、「研修も折り返し地点」と書きましたが、ピッコロシアターが開設しているピッコロ演劇学校・ピッコロ舞台技術学校は1年間の折り返し地点で学習成果の発表会を行います。

 

演劇学校<本科>は9月28日に「小品発表会」を、演劇学校<研究科>と舞台技術学校は10月25日・26日に「合同前期発表会」を、という具合。

 

そこで今月は、「発表会特集」ということでお付き合いを願います。

 

さて、演劇学校<本科>「小品発表会」ですが、これは先月の研修報告で少し触れておりますように、仕事としては広報関係のお仕事のお手伝いをしました。

サンテレビの劇場取材でも生徒インタビューや稽古の模様を撮影していただいたのですが、放送が上演の当日(!)ということで、宣伝マンとしては(教師やろが)少々残念でした。

 

後は出演者としての感想になってしまうので、もはや研修報告ではなくなってしまうのですが…企画を立ち上げ主演者を募り、出演者の予定を調整して稽古場をおさえ、稽古を繰り返し、稽古の進行に合わせて台本も書き直し、衣装・小道具をそろえ(時には自作し)、上演を行う舞台での場当たり・稽古・ゲネプロ(上演と全く同じことを行うリハーサルのこと)を行い、上演…という一連の演劇制作の流れを、全くの演劇初心者もいる本科生が試行錯誤しながら経験する、貴重な機会であると感じました。…ゴホン、なんかいつもより硬い文になっちゃったぞ(苦笑)。

 

次は「合同前期発表会」。私は研修の一環として舞台技術学校の授業準備や授業記録をとったりしながら、学校生の皆さんと一緒に授業を聴講し、照明コースの実習に参加させていただいています。

 

前期発表会の準備が始まり、「技術学校のみんな、いよいよだね。頑張って!」と劇場職員さんの目線で眺めていたら、ある日

 

<舞台技術学校担当 橘副課長>(上演)当日、(舞台)裏入ってくれる?」


「え、いいんですか!?」

 

「<橘>事務所的にはOKよ。」

「で、でも…出てない授業とかあるんで段取りわかりませんよ?」

「<橘>舞台上に置く照明機材を引っ込めるのと、色(照明のカラーフィルター)換えぐらいらしいから。」

 

ってなことで当事者に。

 

で、現場に入ったら

 

「<照明コース講師 藤原本子先生(以下“藤”)>途中で出て行くのも不細工やから、役者さんと一緒に踊りながら出て行って、役者さんと一緒に機材抱えてハケて。」

 

「お、踊るんスか!?」

「<藤>そんなんこうスケートするみたいにヒョイヒョイと…」

(出演する研究科生:「ダンスすごい練習したのに…」)

 

「・・・・・・(汗)」

 

「<研究科講師佐野剛先生>あー、舞台に出る人はターバン巻いてね。(照明機材を)赤子を抱くようにして。」

「たた、ターバンなんて巻いたことないっス!んで、こんなでかくて重い赤子はいねぇ!」

「<藤>本科生でしょ!?(役者の勉強してるんでしょ)」

 

動揺のあまり、簡単なはずの段取りをトチりまくり、街中の場面なのに王様の顔を出現させてしまったり(機材のコンセント差し替えを間違えて)しました(泣)。

やっと全ての段取りの確認が終わってカーテンコール練習。

「うんうん。みんなお疲れ様~」と眺めていたら、

 

「<舞台監督サコさん>あれ、佐藤先生は?何やってんの!出ないと!」

 

「ええっ、出ちゃっていいんですか?(おずおずと舞台へ)」

 

「<藤>どこに立っとんや!?どこに照明つくかわかってるやろ!!(怒)」

「はは、ハイー!!」

 

いやはや、私は各方面にご迷惑をおかけしまくりでしたが、研究科生の演技と衣装、美術コース生がまさに“体をはった”力作影絵、音響コース生が狭くて暑い特設ブースから奏でたリアルな生音の数々、各場面の情景を美しく表現しつつも影絵を殺さないよう苦心した照明コース生の照明プラン…全てが一体となって見事に童話的な暖かい雰囲気の作品が仕上がりました。

 

その現場に暖かく受け入れていただけたことに感謝しつつ、今月の報告を終わります。