ゲロゲロ少年Y登場。
落胆の色ありありだ。
理由は想像がつく。
「オリンピックのサッカーか?」(私)
「もう、全然じゃないですか、全敗ですよ」(Y)
「想定内だろ、実力通りの結果だし、そもそもオリン
ピックに意味を持たせすぎだろ、これはもう前から口
が酸っぱくなるほど言っていたことじゃないの」(私)
「まあ、そうですけど、全敗は...」(Y)
「納得いかない?でも現実は現実」(私)
「それより、ウルグアイ戦」(Y)
「あれこそ完敗だね」(私)
「あんなんで大丈夫ですか」(Y)
「多分、大丈夫じゃないと思うけど」(私)
「岡ちゃんは何をしたいのか」(Y)
「さあ」(私)
「アジアレベルならあなんでいいかと思うけど、あれじゃ
世界では勝てないですよね」(Y)
「多分」(私)
「方向性というか、可能性が見えないんですよ」(Y)
「確かに」(私)
「どうなっちゃうんですか」(Y)
「いまのまま、ずるずるかな」(私)
「それじゃあ、困ります」(Y)
「困りますねえ」(私)
と、ここで話題を変えて15日の花火大会の日のこと
を聞いてみた。
案の定、Yは地元を脱出していた。
「東京?」(私)
「ええ、映画を観てきました」(Y)
「で、何を」(私)
「パラジャーノフの<ざくろの色>とタルコフスキー
の<ストーカー>とホニャララ(この部分忘れた)です」
(Y)
「もう観たやつじゃないの」(私)
「ええ、でもパラジャーノフは今問題のグルジアですし、
終戦記念日でもあるしで、ここは観ておかないとと思い
ました」(Y)
パラジャーノフはグルジアの監督だが、また、勝手に自
分の物語を作ってしまったようである。
「いやあ、<ざくろの色>は最高ですね」(Y)
「そう言えば、パラジャーノフで唯一映画館で観たのが
<ざくろの色>だった、いい意味であれだけ気持ちよく
寝られる映画はないよ」(私)
「よくあんな映画作れましたよね」(Y)
「あれだけ徹底して耽美的な映画で、しかも独りよがり
ではない映画は他に思いつかないよ、映画と一緒に陶酔、
或いは映画に殉教、完全にY好みだね」(私)
「はい、exactly」(Y)
「あと、映画のほかに<能>も観てきました」(Y)
「どこで?」(私)
「国立能楽堂です、一度観たかったんですよね」(Y)
「観世流?金春流?」(私)
いかにも、知っているような聞き方をしているが、実
は全く知らない。
当然観たこともない。
単に、流派が上記のほかにもう一つ宝生流があるという
事実だけを知っているに過ぎないのだ。
「観世流で、狂言は野村親子が出てました、それより
能楽堂そのもがくたびれてますね」(Y)
内容より器に関心がいってるところをみると、あまり
感動はしなかったようである。
多分、面白くはなかったのではないかと推測している。
こちらも全くの門外漢なので、内容について突っ込む
ことも出来ない。
しかし、初めての経験で、Yとしてはそのことに関し
てだけでも満足なのではないか。