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ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

JUDO.神聖喜劇

2008年08月11日 | 芸術


昨日、「JUDO」に関して、今の形で普及しても意味
がないというようなことを書いたら、「内柴」が金メダ
ルを取った。
なんだかんだ言いながら嬉しいのが、自分自身、まだま
だ修行が足りない証拠である。
しかし、「内柴」と「中村」もそうだったが、メダル
を取った瞬間の態度は、「内に秘めたものを感じる」と
いうもので、グローバルには伝わらないがなかなか良
かったのではないか。
でも、自説は変えない。

どこも同じなので「教育テレビ」を見ると、確か再放送
かと思ったが、「大西巨人」の「神聖喜劇特集」をやっ
ていた。
どこかで聞いたことのある名前を読んでいたので気付い
たのだ。
番組は、朗読スタイルでその「神聖喜劇」の一部を紹介
しているので、登場人物の名前も当然のこと読まれる
のだ。
「東堂太郎」が主人公の名前。
今や忘れえぬ名前に近い。
彼を「西島秀俊」という俳優が担当。
この役者は、どことなく影があり、他の役者と比べる
と常に印象的である。
つまり、日本の役者の中では魅力がある方だと思う。
単なるタレントのナビゲーターではなく、本人もこの
小説に興味があるらしく、「大西巨人」に直接話も聞
いている。
民放の、客寄せリポーターとは一線を画す、知性を感
じた。

小説は、「対馬」の軍事教練所が舞台で、軍隊の理不
尽な世界、不条理が話の中心になっているのだが、主
人公の冷徹な目と行動を通し、徐々にそれらが明るみ
になっていく。
それは、痛快ですらある。
しかし、この小説は「対馬」という閉ざされた世界だ
けを描いているわけではない。
小さな島の軍隊を通し、世界を描いているのだ。
ここが、いい小説とそうではない小説の分岐点だろう。
舞台は小さくても世界に通じている、そう感じさせる
のが優れた小説というものだろう。

過去10年で読んだ日本の小説のベストは、この「神
聖喜劇」か大岡昇平の「レイテ戦記」である。
奇しくも、両方軍隊が題材だが、それは単なる偶然だ。
あと、その10年で読んだ日本の小説は、全て含めて
も10冊ないかもしれないので、自ずと全てがベスト
テンに入る可能性があるという事実も付け加えておか
ないといけない。

今思い出したが、主人公の東堂は、柔道も強かった。
一応繋がっていたか。
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