ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

クロスバンタム

2006年08月24日 | 食べ物


多分、このクロスバンタムを知っている人は、日本に
も殆どいないだろう。
何かというと、モロコシ(唐黍と言ったほうがいいか)、
の品種名。

嘗て、と言っても1970年代ころまでは、モロコシ
(唐黍)と言えば一つしかなかった。
モチモロコシ(多分地方名)といって、粒が大きく、
ところどころに黒い粒が混じる、甘みはあまり無いが、
感触がもちっとして滋味がある、個人的には好きなも
のだった。
それが品種改良され、甘みが強いものへ一気に移行し
た。
その、最初に改良された品種が「クロスバンタム」だっ
たのだ。
モチモロコシの感触を残し、それに「適度」な甘みが
加わった、理想的なモロコシだった(自分としては)。

それからというもの、季節になると、畑のクロスバンタ
ムを夕飯代わりに五六本、なんてことを毎年繰り返し
ていた。
完全に夏のお楽しみだったのだが、いつしか時代はク
ロスバンタムから更に甘みの強いモロコシに。
ハニーバンタムがまず登場してその後ピーターコーン、
更になんとかなんとかに(もう後は知らない)。
今は生でも食べられるというものまで。

それで困るのは、市場からクロスバンタムの種が消え
ることなのだが、残念なことにもう十年程前からなく
なってしまった。
獲れたモロコシを種にしてその後どうにか作っていた
のだが(兄が)、不幸には不幸が重なるもので、僅か
なモロコシも、今年はハクビシン(狸の仲間)によって
全滅。
なんてこどだ。

つづく(長くなったので)。
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