横断車道―92―
人類発祥から300~400万年。メソポタミア文明からも5000~7000年。対して、産業革命からは200年程度。IT革命と言われているが、多くの人がスマホを眺めるようになって、まだ10年しか経っていない。技術の進歩は加速度を増しているような気がする。一方、人類は、その進歩について行けているのだろうか?大局的に今を眺めてみる必要がある▼電車内でスマホを覗いている人は圧倒的多数だ。それは良いとしても、車や自転車を運転中も、スマホから目が離せない。歩いていても信号で止まると、ポケットからスマホを取り出す。もう病気としか評し得ない。これに違和感を覚える人は少なくないだろう。が、ここでは、そんなことを問題にしているわけではない▼古くは奴隷制度の中で、同じ人間でありながら、働く者と働かずして富をむさぼる者に分かれていた。少し社会が発展して、封建社会でも、制度の違いはあっても、市民は飲まず食わずで働いて、貴族は遊んで富を独占した。資本主義社会では、同じ対立が労働と資本の間で交わされた。現代社会では、マネーゲームという架空経済が、国民を搾り取り極端な富を独占していると考えられている。というのは、架空経済であって、制度的に保障しようとしているだけで、実態があるわけではない▼フランスで今、米国と独占資本追随のマクロン政権に対し、イエローベストの抗議行動が進展している。銀行やスターバックス等が破壊の対象となっている。フランス革命のお国柄か?それとも、2011年9月に始まった、ニューヨークのウォールストリートでの、オキュパイ運動(Occupy Wall Street! We are the 99%!)と同じように、衰退してしまうのか?いずれにしても、日本では起り得ないようではある▼平等社会では競争社会のように、急速な発展は望めないとかいう意見がある。が、一部の強者が圧倒的多数の弱者を、欲しいままに搾取するのは、明らかに正しいことではない。平等のために、多少の進展の遅れは許容されるべきなのではないか?現代社会では平均すれば、総ての人類がそこそこの余裕で暮らせるはずなのだから▼圧倒的多数の実態経済を、限られた少数の架空経済が支配している。1%が99%の富を独占する社会は、科学的に行詰るしかないのは明白ではある。あの手この手で、矛盾を無いものにしようと、四苦八苦してはいるのだが▼米国ではトランプ政権が誕生した。好きか嫌いかの単純的評価が、巷を飛び交っている。が、米国支配層、つまり世界覇者の代表が右往左往しているのではある。支配層も一枚岩ではなくなってきているのが見える。トランプでまとまれないだけのことだ▼急速なマネーゲームの進展の行く末は? (コラムX)
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