小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

原平協研修会・相田一人氏講演会

2005年02月25日 | 活動日記
早朝より原子力平和利用協議会の研修会に参加してまいりました。研修先は大阪府熊取町の原子燃料工業熊取事業所の見学です。ここでは、関西電力を始めとした加圧水型軽水炉(PWR)の原子力発電所で使用する原子燃料を製造しております。会員の方々と一緒に燃料の製造工程を詳しく見学いたしました。
実はこの事業所は以前にも見学したことがあります。しかし、原子力平和利用協議会々員の方々と、プルサーマル計画や原子力発電全般のことについてじっくりと話すことができる、またとない機会でありますので参加させていただいた次第です。
いうまでもないことですが、原子力発電所と地元との共生は私の重要な政策のひとつです。そのためにはこうした日常活動が非常に大切であり、欠かすことのできないものです。この意味において今日は有意義な一日を過ごすことができました。

研修会終了後、文化会館に直行して(夕食抜き…。)、公徳心の講演会の運営に参加しました。相田みつを氏の長男の相田一人さんによる「一生青春 一生勉強」と題した講演です。
相田みつを氏について、スライドやビデオを使って熱心に講演していただきました。とても良い講演でした。書きたいことは山ほどありますが、ひとつだけ書いておきます。

相田みつを氏は6人兄弟の三男で、長男と次男は戦死されています。講演の途中で相田みつを氏本人が講演しているビデオが紹介され、みつを氏が長男の思い出を語っているシーンがありました。
相田みつを氏は貧しい家庭で育ちました。当時は、空き地で子ども相手の紙芝居をやっていたそうです。この紙芝居を見るには1銭(今の貨幣価値では100円程度)を、支払う必要があります。しかし、みつを氏にはその料金を支払うことはできません。
みつを氏はいつもあんちゃん(長男のこと)と一緒に、離れたところに隠れて無料で紙芝居を見ていましたが、ある日、紙芝居の叔父さんにそのことをひどく咎められます。叔父さんの大きな手で、あんちゃんは往復ビンタを食らいました。それでもあんちゃんは、みつを氏をかばおうと必死になるのです。紙芝居が終わった空き地には曼珠紗華の花が一面に咲いており、あんちゃんは憎しみをぶつけるようにその花を全て棒切れで叩きつぶしてから、おもむろに家に帰るのです。みつを氏はそのあんちゃんの後をついて帰ります。私はその紙芝居のシーンが頭から離れませんでした。どう表現していいのか分かりませんが、怖かったといってもいいと思います。
今の感覚で考えれば紙芝居の叔父さんがひどいように思いますが、その叔父さんにとってみれば自分の家族を養うために、料金を支払って紙芝居を見るという秩序を崩すわけにはいかなかったのかもしれません。今の価値観では判断できないのです。
ただ、私はその叔父さんも含めて当時の日本の貧しさというものに怖さを感じました。

(写真は講演される相田一人氏)